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『寮部屋 夜 自習時間』
「あの、エルフはキライだ。いや、大キライだ」
「レニーラ先生は、厳しい先生ね……」
「厳しいではないぞ!好き嫌いのレベルだ」
ラット先輩が俺達に毒を吐いている。
本当に、毒を吐いているようだ。
「レニーラ先生、俺にも冷たいっす!」
「……」
そうなんだ。
「カズキ、君達はレニーラ先生に期待されているんだな」
えっ、そうなんですか?
「そうだな、アイツは出来る奴には優しく、出来ない奴は蹴落とす!」
そう……な……んだ。
ん?
なんだい、アリー。
顔に何かついてるのかい。
……カズキ、レニーラ先生をどう思ってるの?
へ?
レニーラ先生を?
いい先生だよ。
熱心に魔法の勉強を教えてくれた。
だから、さっきの姿は驚いた。
……それだけ?
へ?
……まあ、いいわ。
アリー、よくわからないよ。
「少しいいか」
はい、サクラ先輩
「レニーラ先生は優しいよ。私が候補を決めきれず、候補だった時にいろいろ教えて貰った」
「サクラさん、レニーラ先生はそん時、入りたてっす!ネコ被ってただけっす!」
「ちがう!そんなことない」
「実際、レニーラ先生を嫌う魔女や男衆はたくさんいるっす」
アリーはどう思う。
好きか嫌いかと言われれば、嫌いよ。
……。
どうしたのアリー、俺を睨んで。
……別に
「とにかく、僕はイヤだ!」
「俺もっす!」
このはなしは、ここで止めようよ。
答えはでないから……。
……そうね。
探っても仕方ないわね。
だけど、カズキ!
先生と会うこと禁止よ。
は?
どうして?
魔女の命令よ。
どうしてもの時は、私も立ち会うから。
いいよ。
だって、そんなこと言わなくても魔女と俺衆は、主人と使い魔だよ。
俺衆は魔女の使いにあるんだから。
と、とにかく、なるべく会わないように!
???
『夜中』
……ん?
俺は眠りから覚めた。
時計を見る。
まだ、こんな時間だ。
……おや?誰かが起きてる。
勉強部屋に、灯りがある。
起きて、行ってみよう。
「あっ、カズキか」
サクラ先輩、寝れないんですか?
「ああっ」
サクラ先輩は短く言う。
黒セミロングの黒髪が頬に纏わりついていた。
「カズキも寝れないのか?」
いいえ……
だけと、目が覚めました。
先輩は何故?
「私も、何故かわからない」
そんな日もありますよ。
「カズキ、お前は男衆に不便はしないか?」
いきなり、何ですか?
「たまに思うんだ」
男衆は魔女の使い魔ですよ。
……そう、使い魔です。
だから、魔女と同じ行動を共にします。
普通、寮部屋は異性同士はないです。
候補の時は、男ばかりでした。
今は違います。
男衆になった時から、男衆は伴侶の契りを交わした魔女の全てですから……
「そうだな、だから男女の相部屋になる。いっしょに入れないのは、トイレと風呂くらいだ」
……サクラ先輩、どうしたんですか?
「寝れないんだ」
そんなこともありますよ。
「ライフは寝てるな……」
サクラ先輩、先輩はライフと伴侶の契りを交わすまで何人と飛びましたか?
「わからない、しかし多いよ間違いなく」
サクラ先輩、このまま普通棟に行こうと考えたこともあったんですか?
「ああ、それを思いとどまったのは、出逢いが2つあったからだ」
2つですか。
「1つはライフだ。今までの男と違い、どこか気になった」
もう1つは……
「レニーラ先生さ」
!
「レニーラ先生に、悔いが残らないように頑張りなさいと、励まされた」
……だから、サクラ先輩はレニーラ先生のフォローをしたんですね。
カズキ……
!
アリー、ごめん
起こした?
いいのよ。
レニーラ先生、いろいろありそうなエルフね。
カズキ、寝ようよ。
サクラ先輩も寝ましょう。
「……ああ、わかった」
アリー……
どうしたの?
ずっと、起きてたの?
話声に、目が覚めた。
ごめん。
いいのよ……時間は待ってくれないわ。
寝よ!




