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第五話 其ノ一

講義が終わりやっと家路に着ける。パソコンをしまい、出入り口に向かう。そしたら帰り際に


「きょ〜行ってもいい〜?」


と珍しく愁が言ってたので軽く相槌を打って学校を後にした。



『第五話:喫茶店に集まる友人たち side Y』



家の前にまで来て鍵を用意する。しかし、鍵は開いていて中から笑い声がする。とりあえず扉を開く。


「あっ、陽さん。おかえりなさい。」

「………ただいま。」


ただいまなんて、また久しぶりの台詞だな、と思いつつカウンターに目をやる。座っていたのは二人の女子高生。

一人はボーイッシュな感じの娘。スポーツをしてそうだ。こんがりと小麦色の肌をしている。

もう一人は逆にモデルみたいにスラッとしていて色白美人といったところである。

自己紹介により上は東雲綾子、下は西野絵美と言う名前らしい。とりあえず開店支度を咲羅に頼む。すると二人が後を追っていった。不思議に思うとまた三人で戻ってきた。なんか少しうつむいてるし、俺、邪魔だったかな?なんて考えてると扉が開く。


「あ〜!!陽が女の子を三人も連れこんで『シュパッ!!』」


手に持っていたトレイを高速で放つ。翔太郎の頬にかすめてトレイが壁に刺さる。

開口一番で人を女たらしだと言わんばかりの一言とは……呆れて物も言えない。

というかよく生きてたものだ。先程まで『ピクピク』という擬音を表す物体だったのに。もう一度処刑の旨を伝えたらうまく話をはぐらかされた。


「三人はいつから一緒?」

「えっ、え〜と中学からです。」

翔太郎の質問に綾子が答える。


「じゃあ俺らと同じじゃん!!なぁ陽。」「………そうか?」

「うわっ、忘れてるの!?酷くねぇか!?」

「………別に。」

「はいはい来ました〜!!お得意の『別に』が!!」


二人の会話に綾子と絵美も少しずつ笑っていた。


「………あぁ、今日愁が来るって。」

「愁が?珍しいな。」

「あの、愁って誰ですか?」

「あぁ、咲羅ちゃんはまだ知らないな。俺達と同じ大学のダチだよ。あぁ、あと誠治も来るらしいよ」

「………へぇ、珍しいな。」


どうせ龍太も来るだろう。確かに五人揃うのは珍しい。


「あの〜」


咲羅が不思議そうにしていた。


「………翔太郎、説明。」

「はいよ!!俺と陽、愁と龍太、そんで誠治が中学からの腐れ縁で友人なんだ。今も同じ××大学だしな。当時は最強の五人衆とか言って恐れられてたんだぜ!!」

「「××大学なんですか!?」」


これは咲羅も知らなかったらしく三人で驚いてた。


「皆さん凄いんですね〜」

「いやぁ、それほどでもあるけど。」


絵美の発言に調子にのる翔太郎。と、その時また扉が開く。


「よ〜っす!!お久〜!!」

「お〜誠治!!久しぶり〜!!」

「………よぉ。」


女の子三人は固まってる。確かに誠治も顔がいい。スポーツマンらしく日に焼けて、白い歯が輝いている。……説明をわすれた。あいつは(つじ) 誠治(せいじ)。同大学のスポーツ科学を学んでいる。


「この娘達は?」


不思議そうな誠治に今までのあらましを説明した。あいつはこういうことを細かく気にする奴ではないので助かる。

しばらくしたら龍太と愁が一緒にやってきた。またまた固まってる女の子三人。愁は癒し系のオーラが漂ってるし龍太は俳優も出来そうな爽やかな顔だし。よく考えてみると凄いんだな、こいつら。


「いやぁ、久しぶりに五人集まったなぁ。」


翔太郎の一言に皆で頷く。


「じゃあ一杯飲むかぁ!!」

「………まだ営業中だぞ、龍太。」

「堅いこと言うなよ、陽。」

「………勝手に冷蔵庫を開けるな、誠治。」

「でも昨日私も飲んじゃったからあんまり無いかもしれませんよ〜。」

「「えぇぇぇぇ!!」」


男性四人、女性二人が一斉に騒いだ。うるさくてたまらない。


「なになに?飲まされたの?(翔)」

「おいおい、飲ませて襲うなんて陽らしくないな!!(龍)」

「やるね〜、よ〜くん。(愁)」

「何も無いって言ってたじゃない!!(綾)」

「きゃ、なんか危険なニオイ♪(絵)」

「………はぁ。」


怒る気も失せた。てか客が引いてるし。


「なんか私余計なこと言っちゃって……ごめんなさい。」

「………気にするな。」

「じゃあ店が閉まったら飲み会だぁ!!」


「「お〜!!」」


向こうの六人はなんか意気投合してるし………やっぱり五人集まるとろくなことがないな。

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