第四十一話 其ノ一
更新が遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。
ホテルに戻った時、スキーで体が冷えきっていた。そのまま温泉へ……と思ったが、着替えも何にも無い。とりあえず部屋に戻ることにした。フロントで翔太郎達と30分後にまた集合と約束して部屋に戻った。
部屋に戻りとりあえずベッドに横になった。心地よい疲労感が体を支配している。少しだけ寝ようかとも考えたが止めた。多分横でベッドの上を跳び跳ねてる奴に起こされそうだ。
『第四十一話:温泉旅行と各々の想い 其ノ三 side Y』
「お、ん、せん!!お、ん、せん!!」
「……元気だな。」
「そりゃあもう!!まだ十代ですから。」
いや、そういう問題じゃなくて咲羅が元気なだけだろ。
「さっ、ほら。もう行きましょうよ。」
「いや、まだ時間が……おい、ちょっと。」
無理矢理引っ張られてフロントに連れていかれる。つくづく思う。俺、咲羅に弱いな。
フロントでしばらく待っているとゆっくりと現れるメンバー。少々疲労があるのだろう。元気なのは若い三人組だけだ。
綾
「露天風呂があるって。」
絵
「ジャグジーもいいなぁ。」
咲
「あ〜楽しみ〜。」
実に呑気なものである。
更衣室で服を脱いでる時、翔太郎と龍太が何か話していた。
「………なにしてんだ?」
途端に体がビクッとなる二人。
「べっ、別になんもないよ。な、なぁ翔太郎?」
「あっ、ああ、別に覗こうなんて………」
「ほう、覗きだと?」
「まっ、まて、誠治誤解だ!!」
「いくら温厚な俺でもそれはねぇ。」
「しゅ、愁!!指を鳴らすのだけは止めてくれ!!」
「………二人共地獄に落ちたいようだな。」
「まっ、待て!!計画の立案から実行、逃走ルートまで全て調べたのは翔太郎一人だ!!俺は無罪だ!!」
「なっ、龍太!!図ったな!!」
「じゃあとりあえず……」
「実行犯には……」
「………制裁だな。」
「やっ、止めてって、皆、顔が怖……ギャー!!」
温泉浴場に翔太郎の断末魔がこだました。
「………ふぅ。」
温泉というものはなぜこうも気持ち良いのだろう。普段はシャワーの多い俺だが温泉は素晴らしいと思う。
「やっぱり気持ちいいねぇ。」
愁も目を瞑りながら伸びをする。誠治はまだ体を洗っている。龍太は執行猶予をつけてとりあえずビールを買いに行かせた。
「よーさーん!!」
驚きのあまり温泉の縁に乗っけていた肘がずれ、温泉の中に沈んでしまった。柵越しからの咲羅の声は結構響いた。確かに普通の音量では届かないが………
「よーさーん!!」
……こりゃ返事するまで叫び続けるな。愁も隣で笑ってるし。
「……どーしたー?」
「お湯加減どーですかー?」
「……いー感じだー!!」
「こっちも気持ちいーでーす!!」
「……そりゃ良かったー!!」
………疲れた。
「仲がよろしいことで。」
ビールを買ってきた龍太が笑いながら近づく。
「………別に。」
「まぁまぁ、照れなくても良いじゃん。」
「………愁も呼んだら俺の気持ちがわかると思うぞ。」
「いやぁ、そんなこと出来るのは咲羅ちゃんくらいだよ。」
「………確かに。」
風呂から上がった俺達は部屋に戻った。俺がビールを飲みながらベッドで転がっていたとき咲羅が戻ってきた。頬や体が桜色をしており艶がある。
「……あのな、風呂で叫ぶなよ。」
「え〜、いいじゃないですか。あっ、もらいま〜す。」
「……あっ、コラ……」
人が飲んでいたビールを勝手に飲む。
「プハァ、風呂上がりはやっぱりこれですな〜。」
「………おっさんかよ。」
「いいじゃないですか!!あ〜、酔っちゃったかも〜。」
そう言って浴衣をわざとはだけさせる。……このやろう、少し反応しちまったじゃねぇか!!
「ほら、ご飯がもうすぐですから行きましょうよ。」
「おっ、おい、もうちょっとゆっくりさせてくれ………はぁ。」
結局ペースは全て咲羅のものとなった。




