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第四十話 其ノ二

本日9月2日、二回目の更新です。一回目の時に土曜だということを忘れていました、すいません。もし良かったら見て下さい。

部屋に入ると窓からは大きな山が見えた。緑豊かな風景に思わず叫んでしまったくらい。景色を見た後はとりあえずベッドにダイブ!!

ボフッ、って音と共に私の体もシーツの中に飲み込まれる。陽さんのベッドより少し柔らかい。新しい匂いがする。目を瞑って枕に顔を埋める。聞こえるのは陽さんの声。誰かが電話してきたみたいだった。



『第四十話:温泉旅行と各々の想い 其ノ二 side S』



少しうとうとしそうな私の体をゆする陽さん。で、スキー場に行くことを伝えられる。スキーかぁ。私初めてだな。陽さんに教えてって頼んだら何か意地悪そうな顔をしてたから多分『どうしようかな?』とか言って私をいじめる気だ。陽さんがその気ならと私も泣く(フリ)をする。やっぱり陽さんは動揺して困っている。

陽さんの扱いもお手の物ね。




「「「雪だー!!」」」


スキーウェアを着た私と綾子と絵美は一気に駆けてゆく。とりあえず雪合戦の始まり。綾子は強いから私と絵美で同盟を組んで戦う。

そりゃあ最初は優勢だったよ、うん。でも綾子の驚異的な身体能力には勝てず、私達は雪まみれに。まぁ一矢報いたけどね。てか皆雪まみれ。


私達は雪合戦を止めて陽さん達からスキーセットを渡してもらう。とりあえず付ける……のだけど、上手く付かない。悪戦苦闘してる中、陽さんは私の足を持ってサッと板を付けてくれる。


「あっ、ありがと。」

「………別に。」


少し顔を赤くした陽さんはゴーグルを付けて私の手を引きリフトまで運んでくれる。……なんか幸せ。




ドンッ!!

これで何回目だろ?てか何十回目?陽さんは中々放置主義らしくただ見守ってる。そしてコケると笑う。……これって私が玩具にされてる!?


「陽さん!!ちゃんと教えて下さいよ!!」

「………昔から言うだろ?『習うより慣れろ』って。」

「じゃあいいもん、さっきかっこいいインストラクターの人がいたからその人に教えて……」

「………わかったよ。」


少しぶすっとした顔をしながら私の側までくる。嫉妬してくれてるみたいで良かった。

でも陽さんに教えてもらっても全然上手くならないんですけど………これは私のせい?




かなり時間が経って少しずつわかってきた。でもコケる。基本は陽さんの近くで。実はブレーキが出来るようになった。陽さんが見てない時だけど。それでもコケるのは……


「陽さ〜ん、起こして〜。」

「………はいはい。」


……こういうこと。

雪まみれになっても心は温かいってなんかクサい台詞だけど、たまにはいいかなぁなんて。そして私はまたコケる。



「陽ー!!」


陽さんを呼んだのは翔太郎君。なんでもレースをするらしい。陽さんも意気揚々と天辺の方へ向かった。私はとりあえず下に降りた。そしたら既に皆がいた。


「咲羅ちゃん、どう?上手くなった?」

「ばっちりですよ栞さん!!栞さんはどこで滑ってたんですか?」

「私は桃華とあっちの上級者コースにね。」


栞さんが指差した場所は結構急な傾斜だった。


「途中から私も滑ったわよ。」

「「マジ!?」」


さっきまで初心者だったのに……私と絵美は口を開けて呆然としていた。


「あんたは陽君とラブラブだったわね〜。」

「お姉ちゃんうっさい!!」

「絵美もラブラブだったわね〜。」

「綾子!!」

「ほらほら、始まるみたいよ。」


栞さんの一言で私達は天辺を見る。何かが舞い上がり、落ちた瞬間五つの影は走り出した。


「誰が勝つかな?」

「翔太郎は無理ね。」

「龍太も無理よ。」

「やっぱり誠治さんかな?」

「いや、陽さんも中々早いよ。」

「愁さんも早くない?」


なぜか皆自分の彼が一番とは言わなかった。けど本心では違うでしょ、栞さんとお姉ちゃんを除いて。


「「「「「あっ!!」」」」」


その時二つの影が動かなくなるのが爆発したみたいな雪と一緒に見えた。


「翔太郎と……」

「……龍太ね。」


二人は息のあった会話をしていた。更に二つの影が先頭の影に近づいている。はっきり言って誰が誰だかわからない。

レースも終盤、ほぼ横一線。私は自然と手を握りしめていた。これぞまさしく手に汗握る戦いね!!するといきなり、ホントいきなり後ろから一つの影が三つの影をすり抜けていった。そのままゴールしてゴーグルを外すと……お義父さん!?



今日はお義父さんが驚異的な人だと知りました。

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