第三十九話 其ノ二
朝からめちゃくちゃ慌てて出発準備を始めた私達。陽さんなんて上半身裸で朝ご飯食べてるし。いやぁ照れちゃう……ってそんな暇ないって!!着替えて顔洗って髪をとかして朝ご飯食べて歯を磨いて……よし、終了!!今朝はパンにしたから準備に時間がかかんなかったのが勝因だね。
そんなこんなで準備が出来た頃に栞さん達がやってきた。
『第三十九話:温泉旅行と各々の想い 其ノ一 side S』
「ちなみに今日は何で行くんですか?」
「車だよ、陽の。」
「………はぁ!?」
「皆車で来てるし。だから陽、よろしぐはっ!!」
殺傷能力の高い陽さんの右拳が翔太郎君の腹部に刺さった。
「陽君、もう諦めなさい。もう皆に車で行くって言ったし。」
「………はぁ。」
仕方なく陽さんは車のキーを取り、裏口に向かった。
「そういえば今日は誠さん達も来るんだって。」
「えっ!?だって昨日私達が温泉のチケット渡したのにどうしてですか?」
「実は……」
「なるほど、そうだったんですか。」
「偶然同じだったんだけどね。」
「でもたまにはそういうのもありですよね。」
「そうね。ところで咲羅ちゃん。」
「はい?」
「誕生日会はどうだった?」
「え?そりゃもう……良かった……デス。」
「勝負下着買っといて良かったわね。」
「そうですね……って!!そんなことしてませんよ!!」
「顔にはそう書いてないみたいだけど?」
「えっ?えっえっ?」
「咲羅ちゃんってホントわかりやすいわね。」
私が慌てて顔を触りまくってたのを見て栞さんは笑ってる。
「咲羅ちゃん、栞、もう行くよー。」
「「はーい。」」
私は顔が赤いのを悟られないように栞さんより明るく返事した。
ホントにいましたお義父さんお義母さん(また漢字間違えって言われるかも……)。龍太さんの車に乗ってるし。私の方を見るとにこやかに笑って手を振ってくれた。陽さんは知らなかったみたいでまた翔太郎君にキレていた。翔太郎君も騙し好きだな、あとでやられるのに。
「栞さん。」
「なに?」
「翔太郎君って……Mですか?」
「………7割方。」
………やっぱり。
車で走ってる最中、私は『カップルらしいこと』をやってみたくなった。運転中の彼氏にガムを食べさせる。もちろん陽さんが拒否するのはわかっている。だけど私は知っている。陽さんほど女の涙に弱い人はいないくらい弱い。私は地味に涙を流す特訓をしてたりして。
そしたら陽さん、やっぱり折れた。ついでに私の指先まで食べてしまう。これは向こうの策略だろう。ひっかかった私は当然顔が赤い。そして後ろでからかう翔太郎君。高速で放置されてしまった。これって犯罪じゃ………さっ、さぁ温泉にレッツゴー!!
道のりの半分くらいの所で一回休憩を挟んだ。私は綾子と絵美とお土産コーナーでぶらぶらしていた。
「それにしても咲羅に彼氏が見つかって私は安心したよ。」
「綾子、その言い方親戚の人みたい。ってか私心配されてたの?」
「それはもちろんそうよ。私と綾子だけ彼氏がいたら気まずいじゃん。」
「まぁそうだけどサ。」
「ねぇねぇ、どこまでいったの?」
「綾子、まだ付き合って数日も経ってないのよ?いくら咲羅でも……」
「え、と。さっ………最後まで………」
「「………えっ?」」
二人が固まっている。そりゃ普通有り得ないことだけど私達は一緒にいる時間が長かったから早かっただけだと思うんだけど………。
「最後までって………最後まで?」
「繰り返しじゃん。」
「綾子、言ってることがよくわかんなくなってるよ。……咲羅がいつの間にか大人になってるなんて。」
「ちなみに二人は?」
「私は誠治さんとは………キスだけ。」
「私は……最後まで。」
「ええっ!?」
綾子は更に驚いてる。もちろん私も。
「そっ、そんな……私だけ……私だけまだなのー!?」
「まぁ」
「そういうこと。」
「そんなの……ヤダー!!」
綾子は『裏切り者!!』と叫びながら誠治さんの所に行った。まぁ………ドンマイ。
しかしそんな綾子にも朗報が入る。ホテルの部屋がツイン6部屋だったから。………ちなみにまた陽さんには知らされてなかったみたい。
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完結までもう少しもう少しと言いながらも延びていますが、それもあと一週間、長くて二週間程だと思いますのでお付き合いお願い致します。
PS、やっとメッセージを送れました。ここで名前を挙げるのは失礼かと思いますので控えますが、メッセージはかなり励みになりました。こんな作者にメッセージを送って下さった皆様、ありがとうございました。