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第三十六話 其ノ一

遅くなりましたが二回目の更新です。

3月21日。今日は俺の、そして咲羅の誕生日。ということで二人で出かける事になったのだが、やっぱり待ち合わせをするらしい。

唯の時と何か似たような感じだな、おい。家を出るときに桃華と栞とすれちがったのは偶然ではないだろう。一体何をしているのだろうか。まぁ何が来ようが覚悟しているつもりだが。

しかし待ち合わせの一時間前にこうして立っている俺って……どんだけ待ち望んでんだか。………恥ずかしい。



『第三十六話:二人だけの誕生会 side Y』



待ち合わせ10分前。遠くから誰かが俺の名前を呼ぶ。まぁ誰かなんて見なくてもわかるが。


「よーさーん!!」


呼ばれた方を振り向いて………は?


「お待たせしましたっ!!」


咲羅……だよ……な?


「?どうしたんですか?」

「いや………凄いな。」

「この服……似合いませんか?」


咲羅が着ている肩が全て露出された黒のイブニングドレスは、いつもの咲羅とは違う大人の女性の雰囲気を出している。


「………あの〜」

「……似合ってるよ。」

「ホントですか!?」


咲羅は嬉しそうに笑った。

しかし俺が驚いたのはそれだけじゃなかった。いつもメイクをしていない咲羅がメイクだけでここまで変わるなんて………

てか動揺しすぎだな。


「さぁ行きましょう?」

「あ、あぁ、そうだな。」


咲羅は俺の腕に体を絡めて少しくっつきながら歩く。……その、なんか、柔らかい何かが………。


しかし咲羅の横を通り過ぎる男達がいちいち後ろを振り返るのがなぜかムカムカする。………嫉妬?ホント情けないな。しかし咲羅は相変わらずマイペースに俺の方を見て笑っている。………可愛い。




「(ねぇ陽さん。)」

「(どうした?)」

「(何か……めちゃくちゃ高そうな雰囲気が出てるんですけど。)」

「(……せっかくの誕生日だ。そんなこと気にするな。)」

「(でも……)」

「(……実はそんなに高くないんだ。)」


………ここは唯との思い出の場所。ここに連れてくるかどうか最後まで迷っていた。二人に失礼ではないか。唯と咲羅を一緒にしてるのではないか。……でもやっぱりここにした。ゲンを担いだってのが一番の理由だが。




「美味しい!!」

「そうか?」

「もうめちゃくちゃ美味しいですぅ!!」

「良かったな。」

「はい。あ〜、このワインも美味し〜い。」


次々と運ばれる品。それら全てに目を輝かせながらそれを口に運びその度に表情を変える咲羅。俺は食事よりそっちの方で満足していた。………こりゃもう唯の時より重症みたいだ。そんなことを考えながらも目の前の咲羅の表情にみとれてる俺。




「美味しかった〜!!」

「そりゃ良かった。」


俺達は近くの公園で休んでいた。ワインで少し酔った咲羅は俺の肩に頭を乗せていた。


「……そういえば、」

「どうしたんですか?」

「プレゼントを渡さなきゃ。」

「あっ、ちょっと待って下さい。」

「?」

「やっぱり……陽さんと一番最初に会った場所でプレゼントは渡したいなぁ〜なんて。」

「……そっか。じゃあ戻るか。」

「いや、でも、その……」

「?」

「もうちょっと……こうしていたい……なぁ。」

「……どうぞ。」


夜の公園は静かに俺達を包みこむ。そんな時間がとても幸せだった。




「ただいまー!!」

「……おかえり。」

「いやいや、陽さんもただいまでしょ。」

「……でもおかえりがないと寂しいだろ?」

「まぁ確かに……。じゃあ私も、おかえりなさい。」

「あぁ、ただいま。」


でも『おかえり』と言われること、『おかえり』と言うこと。平凡なことだけど俺にとっては幸せなことだと思う。



「じゃあ……プレゼント交換しますか?」

「……俺にもあるのか?」

「当たり前じゃないですか!!陽さんだって誕生日なのに私ばっかもらってたら失礼ですよ!!」

「……そうか?」


俺はもう沢山もらった気がするが………。咲羅の笑顔が俺にとってのプレゼントなんだがなぁ。


「じゃあせーのですよ。」

「……あぁ。」

「せーのっ!!」

アクセス数5000を越えたと言うことで明日も二回更新頑張ります!!

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