第二十三話 其ノ二
お陰さまで3000hit達成しました。本当なら一挙二話をやりたいところなのですが………最近多忙で一日一回が限界です。申し訳ありません。それでも更新を滞らせないように頑張りますので応援よろしくお願いします。
確か光さんって一週間だけ泊まらせてって言ってたような気がするんだけど………あれ?もう二週間が経とうとしてるんだけど………
「何かここ面白いし。」
そんな理由で滞在伸ばしちゃって大丈夫なのかな?おっと、人の心配ばかりしていないで自分の心配しなきゃ。勉強、勉強。
『第二十三話:台風二号襲来!? side S』
最近の光さんの行動パターンは私を抱いたり(これじゃ語弊がありそうな気がするけど)、陽さんをいじめたりと半分は遊んでて、もう半分は私に勉強を教えたり仕事をしたりと結構多忙な生活(?)を送っている。
そんな光さん、珍しく家にいない。仕事らしい。だから今………陽さんと二人きりだけど………陽さんは何だかよそよそしい。でも質問にはちゃんと答えてくれるし、私の気のせいかしら?
ドンッ!!
いきなり扉が開いて驚いた。視線を過去問から扉にずらしてみる。するとスーツ姿の男性を発見。中々かっこいい人だ。しかし表情は………キレ気味?
階段を降りてきた男性はいきなり陽さんに殴りかかってきた。でも陽さんは反射的にクロスカウンターを放って、相手の方がダウンしてしまった。陽さんに殴りかかるとは何とも命知らずと言うかなんと言うか………。
とりあえず何事もなかったかのように勉強は再開された。当然よ、どこかの見知らぬ人の為に時間を使うなんて余裕、今の私には無いわ。しかしそんな願いも空しく、男性は起き上がった。
「………大丈夫ですか?」
「大丈夫なわきゃねぇだろ!!めちゃくちゃ痛かったじゃねぇか!!」
「………いや、だって正当防衛だし。」
「だからってあんなに強く殴ることねぇだろ!!つっ……。」
陽さんの言ってる事が正しいのだけど………。男性は真島一樹さんと言うらしい。25ってことは光さんと同い年………何だか嫌な予感。
「………で、何で殴りかかってきたんですか?」
「しらばっくれるな!!おめぇが光をかっさらっていったんだろうが!!」
「………光って、佐倉光?」
「たりめぇだ!!」
「………何で俺が実の姉をかっさらわなきゃいけないんだ?」
「………姉?」
「………佐倉光は俺の姉貴ですけど?」
「………は!?」
………何か面白い。てかやっぱり光さんが絡んでたし。
するとやっと真打ちが登場した。
「ただいま〜!!………一樹!?」
「光〜!!」
陽さんがキレたのを見たのは久しぶりだった。てか叫んだのは初めてじゃないかな?驚いて目を丸くしちゃったし。
てか光さんも悪さが過ぎたね。でも一樹さんも自ら進んで正座してたし、かなりいい人だってことが判明した。
それにしても一樹さん、よく二週間も探せたなぁ。しかも会社をほっぽり出して。そんな人が彼氏ってなんか素敵。………陽さんも私を探してくれるかなぁ?なんてね。
そのままトントン拍子で、光さんも帰ることになった。光さんは私に近付き、耳打ちした。
「(頑張ってね、未来の義妹さん。咲羅ちゃんからちゃんと仕掛けるのよ!!)」
「(適切なアドバイスありがとうございました、未来の義姉さん。義姉さんも頑張ってください!!)」
「(任せなさい!!)」
陽さんにも何か耳打ちしていた。珍しく陽さんも素直に頷いてたってことは……私のことじゃないな、きっと。
「じゃ、またね〜!!」
光さんの笑顔は最後まで眩しかった。………最後に荷物を忘れる天然ぶりだけどね。
本当に光さんが帰った後は少し静かになった。
「寂しいですか?」
陽さんの顔を見たらそんなことを口にしていた。
「………別に。」
………本当に素直じゃないなぁ。私は陽さんの腕にしがみついた。
「大丈夫ですよ、私が居ますから。」
「…………それもそうだな。」
アレッ?いつもなら
「あっそ。」
とか
「別に」
とか軽く流すはずなのに………
「………さぁ、勉強するか。」
陽さんは私の頭を撫でて、カウンターに向かった。私の鼓動はいきなりのことに高まっていた。