第十七話 其ノ二
少々遅れましたが頑張って書きました。そしてご報告があります。
この度、二千人の方に読んで頂きました!!更に励ましのコメントも頂きました!!感謝感激です!!
二千人突破を記念して明日も二話更新やらせて頂きます!!よろしければ見てやって下さい。では本編へどうぞ。
待ってました!!今日は楽しい学園祭〜!!……ゴホン。さて、ノリノリな私は今絵美と一緒に大学へ向けて歩いています。綾子は部活の練習があるから午後から参戦する予定らしいです。いや〜、でも人が多いな。行く前から私も絵美も既に疲れ気味。でも中に入れば直ぐにテンションも上がるし大丈夫でしょ。
『第十七話:波乱の学園祭 前編 side S』
校門に着いたはいいけど………人が多っ!!ホントいい加減にして欲しいよ。……まぁ私達もその大勢の内の二人だから文句ばっか言えないんだけど……。
「どうしようか?」
「二人で突入も大変そうだし……陽さんでも呼ぶ?多分愁さんも一緒にいると思うし。」
「そだね。じゃあ咲羅、電話よろしく〜。」
「任せなさいっ!!」
私は携帯の短縮を押した。そりゃ短縮登録もしますよ!!いつでも呼び出しですよ!!
『………もしもし。』
数回のコールで陽さんは電話に出た。声が聞こえるかわからないから少し大きめの声で話す。多少強引ながらも迎えにきてもらうように仕向けた。
待つこと数分、陽さんと愁さんが見えたので私達は手を振りながら合図した。すると陽さんがダッシュでやってきた。そんなに私に会いたかったのかしら?なんて考えてたらいきなり腕を掴まれた。
理由は直ぐにわかった。陽さんのまわりには既に女性の大群が………こりゃ予想以上だ。
「じゃあ咲羅、私は愁さんとぶらりして来るから〜。」
「じゃ、そういうことで〜。」
「あっ、ちょっ、ちょっと!!」
……逃げられました。私達を置き去りにすることで自分達の注意を全て私達に引き付けるって……酷くない?
とりあえずこの状況を打破しなければならないな〜なんて考えてるといきなり陽さんが私の腕を掴んで走り出した。その速度っていったらもう目にも止まらぬ……大袈裟かな?と、とにかく速くて私は半分引きずられ気味だった。
やっと止まった。肩で息をしながらも辺りを見回すと人はいなかった。校舎みたいな建物の裏かな?……もしかして、もしかして!!このシーンは漫画とかでよくある告白シーンというやつでは………なかった。ただ単に逃げ込んだだけらしい。少し残念。
呼吸も落ち着いて、やっと話が出来るようになった。陽さんはバレない為にどうしようか悩んでいる。ここで私は昨日の事を思い出した。
――昨日――
「いやぁ、学園祭も明日かぁ。」
「翔太郎君は準備しなくていいの?陽さんはまだ帰って来てないのに。」
「ごめんなさいね。愛しい陽さんじゃなくて。」
「そっ、そうじゃなくて!!」
「あはは、顔が真っ赤〜。」
「………栞さんに言いつけてやる。」
「済みませんでした!!」
翔太郎君の土下座までの速度は人間の限界を超えていた。弱点を発見した私はもう立場は上。
「で、準備は?」
「もう終わってるよ。」
「何やるの?」
「秘密。」
「栞さんに…」
「違う、違うって!!楽しみはとっておいた方がいいでしょ!?」
やけに必死な翔太郎君が面白かった。
「あっ、そうだ。コレあげるよ。」
「コレって……サングラス?」
「あとコレとコレ。」
「付け髭に……鼻メガネ?宴会でもするんですか?」
「咲羅ちゃん、明日は陽と回るんだろ?」
「私の希望ですけど。」
「アイツと一緒に歩いてたら何されるかわからないからコレをアイツにつけてやれよ。」
「陽さんに……ですか?」
「ある意味面白いと思うけど………どう?」
確かに興味があった。陽さんに鼻メガネって似合うのかどうか。と言うわけで私は快諾して受け取った。
で、今に戻る。陽さんに渡したけど鼻メガネは拒否された。当然と言えば当然なんだけど……もしかして1%でもと思って出したけど。しかし髭は受け取った。サングラスと髭を付けた陽さん……ご対面〜。
………卑怯だ!!卑怯過ぎる!!こんなにダンディになるなんて考えてなかったし!!
そんな卑怯な陽さんには(勝手に命名)制裁を!!ということで必要以上にくっついてみる。当然陽さんは止めさせる、しかし私の言葉に妙に納得している。
「………じゃあせめてこれで。」
陽さんは私の手をとり、ゆっくりと握った。少し暖かい陽さんの掌だったけど直ぐに私の方が熱くなった。私的にはこっちのが……嬉しいかも。