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第十三話 其ノ二

更新二回目です。出来たら感想とか欲しいです。勿論読んで頂けるだけでも嬉しいです。……作者の堕落したコメントなんてどうでもいいですね。では本編です、どうぞ。

陽さんは今トイレに行ってる。とりあえず四人を集める。私が指示を出して、作戦が実行されようとしていた。作戦名は

『果たして佐倉陽は中元咲羅を女性として見ているのか?大作戦』

開幕である。



『第十三話:お約束?海パニックの後編 side S』



トイレから戻った陽さんは椅子に座り煙草を吸いながら空を見上げている。私の手には日焼け止めクリーム。見つからないようにゆっくりと近づき、陽さんの顔を覗きこむ。


「………なんだ?」

「暇そうですね?」

「………そうでもないさ。」

「い〜や、絶対暇です!!」


とりあえず暇だと決めつけなければ始まらない。


「と言うわけでどうぞ。」

「………これは?」

「日焼け止めクリームです。」

「………俺、日焼けしてもいいから。」

「私が駄目です。」

「………俺が日焼けしようがしまいが関係ないよな?」


まさかそうくるとは……この人意外と天然なんじゃないの?


「いや、そうじゃなくて。私が日焼けしたらマズイんです。紫外線が恐怖なのです。」

「………じゃあ、はい。」


えぇ!?ここまでお膳立てしておいて私に渡すの!?ハッ!!まさか私の作戦に気付いてるんじゃ………えぇい、こうなったら一気に流すのよ!!とりあえず横になっちゃえ!!


「…………」

「何をぼーっとしてるんですか?早く塗って下さいよ。」

「………ああ、すまな……」












「………なんだこの流れは。」

「気にしない気にしない♪」

「………いやいや。」


ちっ、流れは完全にこっちにきてたのに………


「………自分で」

「背中に手が届きません。」

「………じゃあ他のひと」

「他の人の邪魔する気ですか?」


四人にはうまく誤魔化して貰うため二ペアになって頂きました!!ある意味私ってキューピット?


「………日陰にいれ」

「海に来た意味ないじゃないですか!!」


暫しの沈黙……。陽さんの牙城を攻略するにはここで最終手段に出るしかない!!


「………そんなに陽さんは私に触れたくないんだ……」


さりげなく涙声にする。嘘泣きは女性の必殺技よ!!明らかに陽さんは動揺している。もう一押しよ!!


「……わかりました……絵美に頼みます……」


ゆっくりと歩きだす。効いてるとは思うけど多分無理かな?陽さんの心に私はどれだけいるのだろうと思うと少し悲しくなった。その時いきなり動けなくなった。右腕には少し痛い感触。振り返るとバツの悪そうな陽さんの顔があった。


「………わかった。」

「え?」

「………クリームだろうがオイルだろうが塗ってやるよ。」

「………いいんですか?」

「………男に二言はない。」


………来ました!!来ましたよ、私の時代!!もうたまりません!!顔がとろけてようがフニャけてようが構いません!!勢いよく横になってみたけど心臓がめちゃくちゃ鳴ってる。

とりあえず水着のヒモを外してくれと言ったけど本当にしてくれるとは………。クリームを掌に乗せてゆっくりと私の肌に触れようとしている。

クリームの冷たさは陽さんの掌の温かさには勝てずに少し温くなっている。陽さんの手は、女性のように長い指、それでいて少し骨ばっていて、でも心地よくて。体の芯から熱くなってしまい、自然と吐息が出てしまう。私が吐息を吐く度、陽さんの手は少し震える。少しは動揺してくれてるのかな?背中越しでは顔が見れない。


ピロリロリ〜ン


情けない音が響く。誠治さんが写メを撮ったからだ。これも私が提案したこと。クリームを塗ってる陽さんは一体どんな顔をしているのか見たかったからだ。

案の定陽さんはキレて男性二人を吹き飛ばしたが、間に合わず。既に翔太郎君へ送信されていた。

写メに写っている陽さんは写真からでもわかるくらいに赤くなっていた。私はうれしかったけど陽さんは少々不機嫌だった。写メを撮られたことが原因だろう。あの時は背中からオーラがでまくってたし………。機嫌……なおるかな?

そんなことを思いながら時間は過ぎてゆき、少しずつ太陽が沈んでいく。………夜はこれからだ。頑張ろう!!

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