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第十三話 其ノ一

どうも 鶉です。ご愛読なさっていらっしゃる皆様、本当にありがとうございます。当初30人ほどだった読者が先日は100を越えていました。本当に何とお礼を言ったらいいのかわかりません。

とりあえず本日は土曜恒例の一挙二話更新、やらさせて頂きます。二回目は18時30分以降になりますが、読んで頂けたら幸いです。以上、作者の駄文でした。それでは『サクラの愛のカタチ』お楽しみ下さい。 ―鶉―

ビーチバレーは俺達の負けで終わった。最初から無謀すぎるんだ。一方はスポーツ推薦確定のパワフル少女。もう一方はうちの大学きってのスポーツマン。……無理だろ。途中から咲羅は俺まかせにするし。お陰でバテバテだし、勝手に罰ゲームとかあるし、咲羅はまたなんか企んでそうだし……。休み無しか?



『第十三話:お約束?海パニックの後編 side Y』



かき氷も買いおわり、やっと一息つけると思いながら横になる。煙草に火をつけてのんびりと過ごす。これが俺の平和な過ごし方。しかし平和なんて直ぐに崩れ去るのが世の常なのか………また視界が影で覆われる。


「………なんだ?」

「暇そうですね?」

「………そうでもないさ。」

「い〜や、絶対暇です!!」


何故俺が暇かどうかを咲羅が決めるのか不思議だ。


「と言うわけでどうぞ。」


渡されたのは片手で持てるくらいのボトル。表面は白、大きな太陽のマークが印されている。


「………これは?」

「日焼け止めクリームです。」

「………俺、日焼けしてもいいから。」

「私が駄目です。」

「………俺が日焼けしようがしまいが関係ないよな?」

「いや、そうじゃなくて。私が日焼けしたらマズイんです。紫外線が恐怖なのです。」

「………じゃあ、はい。」


ボトルを渡そうにも咲羅は受け取らない。それどころかうつ伏せになっている。


「…………」

「何をぼーっとしてるんですか?早く塗って下さいよ。」

「………ああ、すまな……」









…………ん?



「………なんだこの流れは。」

「気にしない気にしない♪」

「………いやいや。」


危うく手にクリームを広げそうになってしまった。流れとは恐ろしいな。


「………自分で」

「背中に手が届きません。」

「………じゃあ他のひと」

「他の人の邪魔する気ですか?」


確かに皆仲良く遊んでいる。丁度二ペアになって。


「………日陰にいれ」

「海に来た意味ないじゃないですか!!」


暫しの沈黙……


「………そんなに陽さんは私に触れたくないんだ……」


咲羅は顔を伏せて肩を揺らしている。俺はとんでもなく罪悪感を感じてしまった。


「……わかりました……絵美に頼みます……」


少し涙ぐんで肩を落とし、トボトボと歩いてゆく咲羅。俺の心臓は鷲掴みされたように痛んだ。慌てて咲羅の腕を掴む。


「………わかった。」

「え?」

「………クリームだろうがオイルだろうが塗ってやるよ。」

「………いいんですか?」

「………男に二言はない。」


すると突然表情が180度変わる咲羅。もはや先程の涙は見られない。


「じゃ〜お願いしますね!!」


勢いよくシートにうつ伏せになる咲羅。………騙された。しかし『男に二言はない』発言をしてしまった俺に逃げ場は無く観念して咲羅の横に座る。


「あっ、跡が残ると嫌だからヒモ外して下さい。」

「…………は?」

「だぁかぁらぁ、このヒモですよ。」


チョンチョンと指差すのは背中のビキニの上部のヒモ。………これは罠か?しかし、もう俺に拒否権はなく恐る恐るほどく。そして咲羅の白い肌にゆっくりと手を乗せる。


「……ふぅ………」


咲羅の吐息に理性が崩れていきそうになるが必死で耐える。背中全体にクリームを塗ってゆく。時々聞こえる吐息が俺に追い打ちをかける。そろそろ一通り塗り終わるかと思われたその時


ピロリロリ〜ン


変な機械音がして顔をあげると四人がニヤニヤしながらこちらを見ていて誠治の手には携帯が……


「………撮った……のか?」

「激写しました!!」


敬礼のポーズをとる誠治。他の三人も同じポーズをとっている。


「さ〜てと、ではまず翔太郎にこの大スクープを送らねば。」

「………死にたいようだな。」


ゆっくりと立ち上がる。狙いは携帯。破壊すれば証拠は無くなる。


「やはり立ちはだかるか、陽!!綾子ちゃん、パス!!」


携帯を綾子に投げる。


「俺と愁で抑えるから早く送るんだ!!」

「わっ、分かりました!!」

「………させるか。」


砂浜であるにも関わらず、俺の速度は既に音速の域に入っていた。


「通すかぁ!!」

「悪いな、陽。」


二人同時にかかってきた。誠治もそうだが、愁もかなりの運動神経を持っている。

が、二人の攻撃をかわし、瞬間的に誠治に左ストレート、愁に右ニーを当てる。今の俺には二人がかりでも止められる奴はいない。


「や……奴……は……」

「化け………物……だ………」

「「ガハッ!!」」


二人が倒れたのは同時だった。

綾子に近づき、携帯を取り上げた。画面には『送信完了』の文字が……。俺はその場で倒れた。






後に知る翔太郎からの返事は


『これは今度のファンクラブの会報に載せるしかないね!!あと栞が《ネタの提供ありがとう。》だってさ。』


であった。アイツが会報を作ってることを知ったのは結構後であった。

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