第十二話 其ノ二
私が初めての女……いやぁ、これじゃ響きがなんかいやらしい感じ。しかし!!これで助手席は私のモノね!!愁さん、いいこと教えてくれてありがとう!!照れた陽さんも見れたしいい感じが続くな〜。いい日になりそうだ。
『第十二話:お約束?海パニックの中編 side S』
海に着いた私達は早速着替える事にした。私の水着はフリルのついた少々面積の小さいピンクの水着。正に『勝負水着』といったとこかな?着替え終わった私は勢い良くカーテンを開ける。待つこと数分。綾子が出てきた。日に焼けた肌に白の水着が映える。次に絵美が出てきた。白い肌に黒の水玉の水着がこれまた映える。
「うわっ!!デカっ!!」
「綾子……オッサンみたいな言い方止めなよ。」
「何食ったらこんなに成長するんだ?」
綾子がツンツンつっつく。
「やめんか!!つっつくならこっちにしなさい。」
「やっ、ちょっと咲羅!!私を犠牲にする気?」
自慢ではないが私は結構胸が大きい。普段は着痩せするタイプだが、脱いだら凄いんです!!ってCMあったような……ちなみに段階的に言うと四段階くらいかな。絵美も同様に大きい。綾子は少し小さいものの形が良くてある意味羨ましい。
「これで陽さんもメロメロだね。」
「絵美、それを言うならムラムラよ!!」
「そうかな?」
「「そうよ!!」」
「よ〜し、中元咲羅、突撃します!!」
私は意気揚々と駆けてゆく。恥ずかしくてバスタオルをつけたまんまで。
え〜と、これは成功と言ってよいのでしょうか?多少顔が赤くなってるものの、陽さんの態度にはあまり変わりがない。むしろそっけない。……まさか私って魅力ない!?……いや、そんなはずはない!!一人で落ち込み、一人で立ち直り次の作戦を考える。ふとビーチバレーをしてる二人を発見。………なんか楽しそう。てかカップルみたい。………これだ!!
早速陽さんを誘う。最初は嫌がっていたけど私がしつこいから渋々折れた。やっぱり胸をくっつけるのは正解?
しかしビーチバレーは戦場と化した。
陽さんの発言、というより私の言ったことをかなり脚色してくれちゃったよ、この人!!確かに跳べるのは羨ましかったし。普通だけど私よりは小さいのは事実なのに。しかし綾子は禁句を述べた。私だって好きでデカくなった訳じゃないのに!!親の責任よ!!これにより乙女?の仁義なき闘いが始まった。
「いくわよ!!(綾子)」
「来なさい!!陽さんお願いします!!」
「………いや言ってることが矛盾」
『バスッ!!』
陽さんが喋り終わる前に綾子の弾丸サーブが放たれた。
「……よっと。」
やる気を感じられないようなレシーブをフワリとあげる。なぜセッターのベストポジションに綺麗にあげられるのかは不思議だが、今はそんなことを考えてる場合ではない。トスをあげて一言。
「おもいっきり打たないとキスします。」
案の定おもいっきり打った。これはこれで複雑な心境だけど仕方ない。左隅に決まる筈だったが、驚異的身体能力の誠治さんがレシーブする。誠治さんの体勢が崩れたために綾子は仕方なく高くトスしてこちらに返す。
「よっと。」
私が中央にレシーブして陽さんにあげる。陽さんも綺麗にトスをあげる。私はできるだけ高く跳んでおもいっきりスパイクを打った。ボールは綾子の手をかすめて砂浜に突き刺さる。
「悔し〜!!」
砂浜をバンバン叩く綾子。目が血走ってるし。ヤバイ。本気にさせてしまった?
結果は接戦の末、私達の負け。
てか向こうズルイって!!二人して本気だされたらいくら最強の陽さんでも勝てないって!!私もそこまで運動が得意なわけじゃないし、最初のスパイクも結構マグレ感があったし………
しかも罰ゲームでかき氷買いに行かされるし。でも陽さんと二人だからある意味ラッキー?
さてと、次の作戦は何にしようかな?う〜ん……………そうだ!!いいこと考えた!!ニコニコしながら陽さんを見ると私の考えがバレたのかわからないけど、不審な目をしてた。さぁ、まだまだ午前中。ここらで盛り上がらなきゃ楽しくないよね?




