第九話 其ノ二
はい、更新二回目でございます。楽しみにしてた人………いてください。できればこの未熟者にアドバイスを頂けると助かります。
質問したはいいんだけど………空気が重い。私はやっぱりマズイことを質問してしまったのではないだろうか?……でも、気になるのは事実。私の勘が正しければ……多分『あの人』が関係しているはず。
『第九話:やっと晴れてくれた梅雨と教育実習、なんとか共に終了 side S』
しばらく沈黙が空間を支配する。難しい顔をして陽さんは悩んでる。私に話すか否かを。
「………やっぱりいいです。」
「…………え?」
「別にいいですよね、理由なんて。」
「………」
「いつか………教えてくれますか?」
「………あぁ。」
そう……いつかでいいんだ。今はまだ聞くべきではないんだ。多分ね。それに………悩んでくれてるってことはあと一歩ってことじゃない?楽天的とか言われてもしょうがないけど、私は私なりに頑張ろうと思う。とりあえず勉強しなきゃ!!
今日で陽さんの教育実習が終了した。男女から落胆の声があがる。私もその一人。まぁ家で逢えるし大丈夫、大丈夫。
「中元、ちょっといいか?」
「はい、何ですか朝井先生?」
「(お前、陽の所で居候してるんだって?)」
「(なっ、なんでそれを!!)」
「(住所見れば一発だろが。)」
「(………なるほど。)」
「(まさかお前が陽の言ってた『変なの』だとはなぁ。)」
「(へっ、変なの!?そんなこと言ってたんですか?)」
「(いいか、中元。身の危険を感じたらすぐ逃げるんだぞ。)」
「(だっ、大丈夫ですよ!!陽さんはそんなことしませんよ!!)」
「(わかった、わかった。そんなに怒るなよ。……まぁ好きな人のことをぼろくそに言われちゃムカつくわな。)」
「(なっ、なに言って……)」
「(顔が真っ赤だぞ。いいねぇ、青春だねぇ。)」
「(もう…………朝井先生のバカッ!!)」
バチッ!!
背中を一発叩いて逃げた。何かわめいてるが気にしない。
家に帰って皆を待つ。今日は皆で陽さんと栞さんの教育実習終了祝いだって。飲み会が好きなメンバーだなとつくづく思う。
陽さんはまだ帰るのに時間がかかると言っていたので先に始めることにした。後に陽さんには一時間前から始めたと言ったけど、実は三時間前からやってたりして。翔太郎君がお客さんを帰しちゃった。………いいのかなぁ。
途中から絵美と栞さんが到着した。私はとりあえず栞さんと話すことにした。
「教師を目指した理由?私の?」
「はい。聞いてみたいんです。」
「私はね……翔太郎のお陰かな?」
「翔太郎君の?」
「大学入試の時、翔太郎は結構ギリギリだったのよ。その頃から私の事が好きだったらしいんだけど、翔太郎に私がほとんど勉強を教えたのよ。その時に『栞、お前教えるの上手いな。栞みたいのが先生だったら学校も楽しいんだろうなぁ。』なんて言われたのよ。真顔で。その時に少しだけ意識したわね、男として。……単純でしょ?」
「ぜっ、全然ですよ!!てか凄いですよ!!」
本当にそう思う。てか翔太郎君、意外とやるな。クールな栞さんをここまで穏やかな笑顔にさせるんだもん。でも今はこんな調子。
「では先悦ながらわたくし榮井翔太郎が音頭をとらせて頂きたいと思います!!」
………見直した私が馬鹿だった。ちなみにこの台詞は陽さんが来たときにもやってた。酔っ払って何がなんだかわからなかったんじゃないかと思う。でも朝井先生が来たときには皆少しビシッとしてた。でも朝井先生曰く、
「翔太郎と龍太以外は皆真面目だったな。」
だって。予想は出来てたけどね。今も酔い潰れてるし。てか気付いたらまた私は陽さんに運ばれてるし。嬉しいんやら恥ずかしいんやらでまた顔が真っ赤になったなって自分でわかった。……きっと……多分……あるいは……お酒のせいかも……違うね、言い訳してすいません。私ったら誰に謝ってるんだか………