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13話「この愛は永遠に」最終話






邪神を討伐後、アヴェリーナ達を近くの村まで送り届けた。


死の山を自力で下山させ、荒野を歩かせるのは気の毒に思えたのだ。


私はティリスと無人島に帰り、フェンリル達と穏やかに暮らしている。


彼女達がその後どうしたかは、新聞を通して知った。


アヴェリーナ達は、正直に自分たちが犯した罪を告白し、邪神を討伐し世界を救ったのは聖女ジゼルだと公表したらしい。


王太子ラインハルトは王位継承権を放棄し、邪神の影響で荒れ果てた死の山近くの領主となったそうだ。


アヴェリーナと攻略対象者達も実家との縁を切り、ラインハルトの元で働いているようだ。


黙っていれば英雄になれたのに……。


ラインハルトは国王に、アヴェリーナは王妃に、残りの三人は国王の側近として我が世の春を謳歌できた。


そんな未来を捨てて、彼らは正直に自分達がしたことを話したのだ。


まぁ、これが彼らなりに罪滅ぼしなのだろう。


アヴェリーナの好きな中辛カレー(人参抜きのナスとピーマン入り)を作って、差し入れに行こう。


のり塩味のポテチとしめじクッキーも一緒に持っていってあげよう。


キラキラトルネードの話で盛り上がれたらいいなぁ。




◇◇◇◇◇





――3カ月後――



「ふぁっ……! なにこれ!?」


「どうしました、ジゼル?」


朝食の目玉焼きが焼ける匂いをかぎながら、ソファーで新聞を読んでいた私は、ソファーから落ちそうになった。


「これを見て……!」


ティリスに新聞を渡す。


「これはまぁ……本物のジゼルの美しさには遠く及びませんが、なかなかのできですね」


「からかわないでよ……私こんなに胸ないし……」


新聞の一面に「王都に『救国の聖女』のブロンズ像が建設された」と記され、ブロンズ像の絵が大きく描かれていた。


絵の中の私は、光の剣と盾と鎧と兜を装備し、空に向かって剣を掲げていた。


3割増で美しく彫られた顔、5割増しで大きく作られた胸、美化がやばい! 


私がブロンズ像の隣に立っても、本物だと気づかれなさそうだ。


「今度王都に本物を見に行きましょうか?」


「やめてよ〜〜! 絶対やだ〜〜! 恥ずかしくて死ぬ〜〜!」


自分がモデルのブロンズ像を見に行くとか、どんだけメンタル抉られると思ってるのよ!


そう考えると、あちこちに像を建てられても平気な王族のメンタルやばいわね。尊敬するわ。


私は新聞を閉じ、深く息を吐いた。


この3カ月の間に、天の声が2回聞こえた。


5万円消費記念ガチャと10万円消費記念ガチャを回した。


そのおかげで、家を移動する機能を追加できた。


それだけではなく、オート修復機能、結界機能、防虫機能を50年保証から、100年保証に延長できたのだ。


いつか……遠い先の話だけど。


ティリスとの間に子供ができたら、この家を継がせたい。


学校にも通わせてあげたいし、色んな国に連れてってあげたい。


だから家の移動機能が追加され、家の保証が100年に伸びたことに、とても感謝している。


ティリスとの子供……子作り……初夜……。


いけないことを想像してしまい、顔に熱が集まる。


いやいや、その前に結婚だよね!


式も挙げたいし、ウェディングドレスも着たい。


ティリスにフロックコートも着せたい。


フェンリルやケット・シー達にもお洋服を着せたい。


式の後に着るのはネグリジェ? それとももっとセクシーな……。


「ジゼル、顔が赤いですね。

 熱でもあるんでしょうか?」


ティリスが心配そうな顔で、私の顔を覗き込んだ。


「ううん……! な、なんでもないよ!」


初夜の妄想をしていたことは、ティリスには言えない。


「ただ、ちょっと……未来のことを考えていただけ……」


「未来のことですか?」 


「うん、ティリスとずっと一緒にいれたらいいなぁ……って」


「わたくしは永遠にジゼルの側にいますよ。

 あなたの側を離れるなんてありえません」


真顔でそういうことを言われると、心臓がドキドキしてしまう。


「ありがとう、そう言って貰えて嬉しい」


「ジゼルも、わたくしの側にずっといてくださいね」


「もちろんだよ! 約束する!」


「ジゼル……」


「ティリス……」


ティリスの顔が近づいてきたので、私はそっと目を閉じた。


ティリスからプロポーズされたのはその一週間後、満天の星が輝く浜辺でだった。




――終わり――




最後まで読んで下さりありがとうございます。

少しでも、面白い、続きが気になる、思っていただけたら、広告の下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると嬉しいです。執筆の励みになります。


「ずっと側にいてくださいね」がもはやプロポーズな気もしますが、ジゼルが鈍くて気づかなかったということで。 


 課金アイテムが登場する話を書いて見たかったので、試作的に書いてみました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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― 新着の感想 ―
1つのゲームに50万も課金したこと無いなぁ(;・∀・)しかも課金のおかげでイケメン旦那ゲットかぁ(ㆁωㆁ*)
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