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プロローグ

 時は星間紀へ入り、宇宙を介しロケットから宇宙船へと進化した時代で月に居住区を設けた時期でもある。

 地球と火星そして月を行き来する時代になり、各惑星では独自のネットを有しておりかつて地球各国で分断されていたネットサービスは、惑星規模へと移った。

 地球では統一ネットシステム、『アース・ガイア・コネクト・システム』という巨大ネットサーバーが地球の地下奥深くにある。

 現在ではガイアコネクトと呼ばれており、後にメンテナンスや市民にサービスをなどを提供する国営会社ガイアコネクト社が設立し市民の生活を豊かにしている。

 ガイアコネクトは惑星間を宇宙船で航行する時代より前、地球各国では醜い争いや非協力的な国家への終止符を打つために監視と抑制という意味でとある国家が秘密裏に建てたものだ、各国家の軍事侵略を秘密裏に監視し国家がネットで拡散、それでもやめない場合は核を打ち込んだりと脅威を武力で捩じ伏せていった。信じられないかもしれないが地球での争いはなくなり、時代と共に各国は協力的になる。だが、その背景には皮肉にも武力で勝ち取った平和でもあるのだ。

 そのため、科学の進歩は大幅に飛躍した。世間ではネットが世界を救ったと歴史に載ることとなり、当時は争いなんて絶対無くならないと信じていたのにも関わらずこのネットサーバーのおかげで地球は一つとなる。


 だが、その平和もネットに壁が出来ると一つではなくなるのだ。

 地球市民が月へ移住し月中都市を作り生活を始める、そこでは同じく地球政府が作ったネットワークサービスであるガイアシステムの兄弟サーバー『ムーン・ガイア・コネクト・システム』が存在する。

 月中都市、『ムーンシティ・アルファ』が存在し他にもベータ、ガンマ、デルタと存在する。アルファは地球から見てウサギの左耳に当たる所へ存在し、月中都市初めての都市であり中は地球と同じ重力を再現しているが所詮は地下であり薄暗く明かりが少々灯る夜の街のようだ。

 空を再現するホログラムは税金を使ってまでする事ではないし尚且つ都市全体で再現すればお金がかかる訳で朝から夜を再現したくともできないのだ、そのため住民は人種を問わず比較的肌が白い傾向にあり色素が薄い、原因としては太陽の光を浴びない為ビタミンDの不足が考えられるようだ、体感時間が地球人と比べて少しズレてるようで太陽の光が無い以上、地球の生活サイクルのように朝から行動し夜には寝るという概念はなく住民それぞれが独自のサイクルで動いているのだ。

 当初のプランでは月面都市として月の表面に建物を建てて大きなカプセルを覆うつもりだったが、大気の無い月では多くの小さな隕石と宇宙進出で前より増えた宇宙ゴミは大気圏で燃え尽きる事はなく衝突し危害が及ぶためである、なので月中都市へと変更になった。

 

 本題だが、なぜ平和がなくなったかだ、月中都市の表では毎度宇宙ゴミが大量排出されている。

 月政府は巨大なバリアを展開しゴミを排除するか迎撃システムを用意し処理するなど考えたが、資金はないし地球政府に至ってはそれを承諾はしなかった、これらは地球への脅威になると警戒したのだ。

 宇宙には月と地球の間に三つのスペースネストという円盤型の巨大居住区があり空はホログラムで形成され朝と夜を再現できる。ネットワークは『スペース・ガイア・コネクト・システム』だが、本質は地球のものと変わらない為、名ばかりだ。

 ネスト1から3にかけて月へ続いており、これらは地球政府の管轄にあり地球から月への航行経路としても役に立っている。ネスト1から3は月の監視のため地球軍が配備されている、それは月中都市からは脅威に見える訳で、快く思わないのと月表面の宇宙ゴミはそのネスト3から出ており、ゴミは月の重力に引かれ落ちる。

 原因だが、ネスト3以外にもこの居住区は惑星ではない。

 木々を植えても処分するゴミはメタンガス、二酸化炭素、ダイオキシン類、水素ガスなど、埋め立てや焼却をすれば発生するものなので、ましてや人工的に作った居住区は地球程広くないのですぐに空気が汚染されるのだ。

 ネスト1と2は比較的地球に近いため地球の大気圏で処理を行っている、だがネスト3は地球から距離がある為、ネスト3の担当者は地球政府の監視を掻い潜り月へ放出していたのだ、ガイア・システムの監視記録を改ざんし地球政府にはメンテナンスの際に故障が起きたと嘘の報告した。これは地球政府の失態であり月政府の信用を無くす事になる。

 だが問題になっているのはなぜ月へゴミを放出していたのかだ、それが分からないまま話は進む。

 地球は争いをなるべく避ける事を考えており、それは当時各国の醜い争いに終止符を打ったガイアシステムを作った地球だからこその心情だ。

 月政府は地球政府の管理下に置かれており弱い立場で、月付近には地球から送られた人を月に送り生活させたがまだ実験段階な扱いだ、そのため発展途上であり生活エリアも地球よりは限られている、なので地球からの輸入物に頼らなければいけない為莫大な関税が月政府を苦しめているのだ。

 月政府は全て月の出身者であり月を愛している。

 いつか人類が夢見た月での生活は案外良いものでなかったのかもしれない。


 そうなると今度は何が起こるかだが、星間紀146年7月20日に月政府は地球に独立を宣言し戦いが始まる。

 地球政府が月政府の独立宣言に直面した時、それは人類史上初の惑星間戦争の始まりだった。地球政府は月政府の反乱を恐れ、直ちにネスト3に対し、武力による制圧を命じる。しかし、その結果は地球政府にとって悪夢のようなものだった。

 結果はなんと月政府の勝利に終わり、今度は8月1日に月政府がネスト3に進行しネスト3を侵略し制圧した、現在ネスト3は月政府の物になっている。

 ではなぜ勝利を収める事に成功したのか、地球政府軍は月政府が転覆した際に対抗兵器として人型ロボット『アームドドロイド』通称ADを開発する。

 全長8メートル程のその機体は人が一人搭乗し操縦する、動きは鈍く無骨なのだ。

 しかし、制圧能力は高く右手にAD専用30mm速射砲というアサルトライフルの形状をした武器を装備しており、目的は月内部にいる反抗勢力を排除する為である。

 月都市ではADは配備されておらず、軍は人と装甲車などの兵器しか持ち合わせていなかったはずなのだが、月政府鎮圧の際ADが降り立つと月中都市には多くの月製のADが溢れていた。

 地球製のADは人と装甲車などの兵器にしか対応していない、対して月製のADは対AD用180mm装甲貫通砲が装備されており、地球政府のから送り込まれたADは装備差で敗北した、明らかに地球政府の侵略を読んでいたのだ。

 本来であればネスト3から核ミサイルを撃つと思うだろうがそうもいかない、月中都市には人がいるのとなるべく月を破壊したくないのだ、仮に当てたくてもAIを使って飛ぶ核は月側のガイアシステムによって妨害され軌道を外されるのだ。

 なのでADを送り込み鎮圧を試みる、当初の計画ではADをガイアシステムAIで動かそうと考えたが相手もガイアシステムを使う訳で簡単にハッキングされてしまう、なので人が搭乗して戦う必要が出来てしまった。


 月との戦争に敗北した地球政府は多くの費用と人員を失った。そのため、次の独立勢力となり得る火星への進出は慎重にならざるを得ない。

 かつて月がそうであったように、地球政府が設置したガイアシステムを使う事は脅威となり得るからだ。

 火星にも同じく地球政府は『マーズ・ガイア・コネクト・システム』を配備しようと開発もしていたが、月の独立があった事を踏まえると導入を取りやめたのだ。

 地球政府は当初火星に何百年とかけて木々と水などを提供し大気を地球と近い状態にさせ宇宙からの放射線を防ぐ役割にもなった、地球から人を送り住まわせるが月の移住計画より時間は経ってないため都市がポツポツとある程度だ。

 ネットワークはガイアシステム系列ではなく、かつての地球のように各地方でサーバーが分かれている、まだ人は少なく国という大きな規模は作れていない。

 大気が変わっても重力は変わらない、その為火星人は地球人と比べて身長が高い傾向にある、理由としては地球よりも重力が軽い火星では成長期の子供は背骨や関節が伸びやすくなっている、低重力環境では地球のような重力に比べ骨と筋肉の負荷が少ないため骨は脆く筋力も地球人と比べて低下している。

 その為火星人は栄養の摂取のため多く食べる傾向にある、火星政府は運動の推奨やいつか地球へ移住する人達の事を考えて適した政策を打ち出している。

 火星内では畜産や農業が盛んであり、人が少ない分家畜の量が多い、最近では火星人向けにカルシウムやタンパク質が多く取れるサプリを開発するなど火星政府独自で試行錯誤しながら頑張っていた。


 時は『星間紀148(S.E.148)』S.EはStellar Eraの略であり、星のような耀きの時代は皮肉にも月と地球の争いの時代であった、物語はネスト1から始まる、一人の若い兵士の物語である。

 

 読んで頂きありがとうございます、二作品目になりますが、今回はSFというジャンルであり。堅っ苦しい設定を多く入れました、現在も執筆中の『七剣聖伝説』のような作品とは違う自信がなぜかあります、多分深夜テンションではありますが本気で取り組む作品の一つとして向き合いたいです。投稿頻度はバラバラですが、これからもよろしくお願いします。

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