不虞
雨が止んで
残り香を探す
夜を示すように
照らす灯り
追突事故によって
引き起こされる渋滞
その周りを
回る天体
私たちの背後を
連なるかのように
風雨は環状線を
冷たく照らす
響く足音は
誰の耳にも届かない
私たちが触れ合うような
肉体すらもういらない
ブレーキで光るライト
二人を見つめている
窓に張り付く雫
赤く染めながら泣いている
あなたがいなければ
私も存在できない
二人分の命
一人分の光
二人分の願い事
一人分は足りない
ただわけ合えるなら
半分こでいい
間違えるならば
この瞬間しかない
このまま二人が
離れないように
抱き寄せるように
この身体が離れないように
間違えるならば
この瞬間しかない