選ばれたもの
「彼」が私を選んでくれて本当に良かった。
お父さんもお母さんもお姉ちゃんに構ってばかりで私には何もしてくれない
お姉ちゃんは美人で頭が良くって出来ないことは無いってくらいなんでもできる
私は勉強も運動も何も出来ない
お姉ちゃんからは「あなたは何もしないんだから」と良く言われる
父さんもお母さんも同じ「あなたは何もしないのね」と言う
友達も「何もしないね」と言う
先生も「何もしませんね」と言う
私は何もしない何も出来ない
だから「彼」が私を選んでくれて良かった。
「彼」は何でもできる。
勉強も運動もお料理も何でも
何でもやってくれるから私は何もしなくても良いくらい。
私は「彼」がいれば何もいらない・・・と言うほどでもないけど、欲しいものは彼とお財布に相談して手に入れて居る。
私は「彼」がいれば何でもできるし、楽しいし、幸せだ。
「だから貴方のお話はお受けできません、ごめんなさい」
「そ、そんな!私は君を花嫁として迎えようと!」
「私は今のままで十分なんですけど・・・」
「君は!両親は姉にばかり構って居て君は放置されて!周囲に親しい人は居ない!と聞いた!だから私の花嫁として幸せにしてやろうと!」
「・・・一人で居るのが楽なだけですが」
「私の花嫁になったら、一人にはしない!いつだって一緒に居てやろう!美食と美服を約束しよう!」
「商店街で買えますからけっこうです。」
「君は放置されて居ると聞いた!なんなら、私が両親と姉を罰してやろう!」
「犯罪じゃないですか?花嫁って虐待されて居る人がなると聞きましたけど、・・・私は別にされて居ませんから、いくら神族でもそんな事したら、捕まるんじゃないですか?」
「心配してくれるなんて優しいんだなあ!大丈夫だ!私の力を使えば問題無い!」
「・・・げえ、犯罪者じゃないですか。やめてください」
「さあ、これで私の花嫁に・・・・わああ何をする!!」
「本当にやめて下さい!『花嫁』になんてなりませんし、私は虐待なんてされて居ません!私には『彼』が居ます」
「なんて力だ!この力こそ私を強くしてくれる!私のはなよ・・・!!!!うわあああああ!!!!!!」
「神族」と名乗った男が突然燃え上がった「彼」がやったのだ。「彼」はちょっと乱暴だけど私が危なくなったらこうやって炎を出して助けてくれるのだ。
「助かった〜、いつもありがとう。」
私には「彼」が居れば良い本当に「彼」が私を選んでくれて本当によかった。
「・・・ねえ」
「何よ」
「あいつの『彼』ってさあ、あいつの力じゃない?」
「・・・でしょうね。あいつは自覚ないみたいだけど」
「やっぱり!あいつの姉貴とかに聞いてみたんだけど、小さい頃から火出して居たみたいよ。」
「子供の頃から出来て居たんだ。」
「勉強も運動もかなり出来るみたいよ。料理も裁縫も上手みたいだけど・・・」
「だけど?」
「なんでか分からないけど、自分は何も出来ないと思って居るみたい」
「・・・なるほど何かやらかす度に周りが騒ぐからできて居ないと思い込んでんだな。」
「面倒なやつだなあ」
「まあ今までのやつらより良いよなあ」
「あんたは神族ぶっ飛ばしたから良いんでしょ?」
「ばれたか」
自覚なし最強主人公系