彼の風景
こんにちは、笑うパンダです^^
やっと、彼の話を少し書くことができました。
ある教室で、ちょうど、1限の授業が行われていた
「え~この公式を当てはめれば・・・で・・あるから・・」
喋る教師とある程度聞く生徒、その相互関係が成り立って授業は成立している。
その中で教師の授業を聞き流しながら、頬杖を付いている男の子が窓際の席に座っていた。
彼は特に授業がめんどくさいという雰囲気ではなくとって授業は義務であるかのようにただ、外を見ていた
窓の外のグラウンドは別のクラスの生徒達がマラソンをしている。先頭の方を走っている運動部グループ、その後は、自分なりのペースでゆっくりと走る人、最初で飛ばしすぎてぜいぜい言いながら必死で走っている人、最初からやる気のない人などがいる。
これは、それぞれどのような生活を送っているかが分かる縮図だ。
が、彼はそれに関心があるようではなく、ただ見ていた。
走っている1人1人ではなく、グラウンドで起こっている場面を観察するように
独走、ビリ、監視する体育教師、その上に広がる青空、それぞれが起こす領域が干渉し合い、事象をつくりあげる。
昨日、読んだ本「干渉事象」にこのような内容が書かれていた
ここの図書館は中学校にしては、蔵書量が多く。過去、寄贈された本の中に中学生に何を思ったのか、専門書も数多くある。
彼はその専門書読むため、よく、ここの図書館に通っている
ふと、彼は昨日の出来事を思い出した。
確か白柳澪と言ったか、全校集会で見た時の印象は優秀な人だと判断したのだが、いきなり、自分に告白
してくる程、突発的な性質を持っていたとは意外だった。
だが、それだけである。
多感な中学生は付き合うという話を聞くと興味ないように見せている人でも、興味を持たざるがえないと言える。
中にはそんなものは必要がないと頑ななもの、付き合うということ事態まだ理解していない者もいるが、少なくとも上代葉という人物はそんな未熟な者ではない。
彼は人々にとってそれが重要であることは理解している。しかし、彼自身は必要性を感じず、ただ、自分という存在が認識できていればいい
つまりはそういうことなのだ
彼はただのずれた人間でもないし、ちやほやされるただの天才でもない。自分という領域を理解した異質な人間である
だから、彼はただ、外を見る。すでに自分にとって意味のない授業を聞き流し、次はどんな本を読もうかと思いながら
「上代」
教師が不意に声をかけた
「これを答えてみろ」
チョークを持った手で黒板に書かれた問題を指す
この教師は、たまに全く解けない問題を生徒に押し付け、わかりませんと言わせることがある。それが快感らしい
それから考えると学力コンプレックスも持っている傾向があると考えられる。
原因は過去にあるのだろうが、ここでは意味はない。
しかし、正答を言って、つまらない嫉妬をもらうのも意味がない
だから、ここはこうしよう
「わかりません」