表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/14

彼の友達?

遅く更新申し訳ありません!

今までの話を少し、手直ししました。特に前話の最後は書き直しました





早朝のある一軒家から美味しそうな匂いがしている。

その家の匂いのもとである台所で男が何かを作っていた。


「これをこっちで、あれはこれで・・・」


男はとても大きな背中を揺らしながら手を動かしている

「よしっ、出来た!」


ハンバーグ、キャベツ、スパゲッティ、ミニトマト、そして、ご飯。

これらは無駄なくきっちり弁当箱に入っている。


僕は思わずこの出来栄えに笑みがこぼれた


「ふふっ」


ただ、弁当箱に詰める作業なのだけど、僕は弁当を作るときは一番大事だと思う。

料理は時間のない朝なので、パッパッと作らなきゃいけない。

だから、自分がある程度納得できる味でいい(妹は「これである程度!?」って驚いていたけど)。


しかし、料理を詰める時は、注意しなければならない。


初めて弁当を作った時、何も考えず適当に入れたら、昼食時にぐちゃぐちゃの弁当の中身と対面してしまった。

あれを思い出す度に、犠牲になった料理に対する悔しさを思い出す。

それから、気をつけるようにしていたのだが、思ったような見栄えにはならず、詰めすぎると見苦しくなり、逆にあまり詰めないと偏ってしまう。

試行錯誤の上、理想的な見栄えを保てる詰め方を今日やっと習得したのだ。

僕は弁当を見ながら、その努力を思い出していた。






ふと、時計を見ると時間が迫っていることに気がつく


「あっ、もうこんな時間だ!早くしないと」


僕は用意をしながら、居間でテレビを見ている妹に声をかける


「鈴~!出るけど、遅刻しないでよ~」


僕達の両親は共働きなので、朝はいつもとても早く出てしまう。だから、僕が急かさないと、ルーズな鈴はつい時間を忘れてしまうことがある


「は~い」


鈴は朗らかな声で返事をした。

まあ、ちゃんと返事をしたなら、大丈夫だろう


「じゃあ、行ってきまーす!」







玄関を出て歩くと同じく登校している多くの学生がいた。

その中で近くを歩いていた人達は僕に気づくと大部分はいそいそと離れた。


僕はそれを見て、ため息を吐く


「はあ」


まあ、いいけどね。これでも前よりは良くなった。

最初の頃はまるで海が割れる奇跡のように道を開けられていた


僕、結城輝幸てるゆきはまず、初めて会った時は大抵、怖がられる。何故なら、大男だからだ。

小学校低学年までは、普通だったのに高学年からぐんぐんと背が伸び、現在、中学2年時では180cmまで伸びてしまった。

ただ背が伸びただけなら、よかったのだけど、肩幅も大きくなり、まるで巨人のようになってしまった。

それプラス、生来のゴツイ顔つきが合い合わさって、怖がられる結果になってしまった。


実際の僕は見た目と逆で気が弱く、趣味は料理と裁縫の人畜無害なのに




そう歩きながら考えていると、ふと僕はある男子生徒に気がついた。


僕は彼に近づくため急ぎ足で歩いた。


周りの生徒はその行動に驚く


「うあっ」「ひっ」「ッ!」





「おはよう、上代君。」


追いついたので、僕は彼に声をかけた。


彼はこちらを振り向くと、特に僕は怖がることなく無表情で答える


「おはよう」


「一緒にいっていい?」


僕は断られることがないことを知っているが、それを理解しているのが、うれしいのでいつも聞いてしまう。


「いいよ」


上代君は気にせず、答えた。


そして、二人並んで歩く


「そういえば、今日の数学の宿題やった?」


上代君はそっけなく返す


「やった」


「結構、多かったね」


「そうか?」


また、そっけなく返す


「そうだよ」


いつも、通りの会話だ。

思えばクラスで初めてまともに会話したのは上代君こと上代葉だった。



1年の時、クラスの生徒からも怖がられる中、上代君だけは普通に接してくれていた。

いや、くれたのではなくただ、興味がなかっただけだと思うけど、僕にはそれが嬉しかった。

こちらから話しかけても、大抵、興味無く返すけど、少なくともむげにはしないし、興味を持った時はすごい


そんなこんなで一緒に登校するまでの仲になった。

上代君が僕に関して友情を感じているか、よくわからないけど

少なくとも僕は上代君のことは友達だって思っている。


僕は彼を見る。

見た目はどこにでもいそうな影の薄そうな男子で僕を見ると真っ先に逃げそうなタイプだ。

人間、僕を含めてわからないものだな~。



「何?」


視線に気がついたようで、こちらを向いて聞いてきた。


「ごめん、なんでもないよ」


「ふ~ん」


特に何を思ったわけでもなく、上代君は前を向いた。

そのまま、僕もまた前を向いた










「あっ、澪さんだ」


北山中学のアイドル「白柳澪」容姿端麗、頭脳明晰しかも副生徒会長、

あ~あ、僕みたいな大男とは接点なんて持てないだろうな~



あれ?何かこちら見て驚いている?ううう、驚いた顔もかわいいな~


上代君にこのことを伝えようと横を向いた


「あれいない?先に、行っちゃった。まっ、待ってよ!」


僕は急いで靴箱に向かった。


せっかく澪さんがこっち向いていたのに~


まあ、興味ないか、逆に興味を持っている上代君は想像できないし


苦笑しながら僕は急いで後を追った





この時、僕は後に澪さんとまさか、接点をもつことになるとは想像にもしていなかった。

しかも、それが上代君絡みでだなんて



次はできれば、早く更新できるように努力します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ