第44話:「牙を剥く影」
静寂を切り裂くように、アルバが拳を振るった。
ドカン!!!
アルバの拳から放たれたオーラが轟音とともに飛び交う。
「....何だ?」
レオはアルバとクリードが戦っている所を見て違和感を覚えた。
「ははー、楽しくなってきたぜ!」
クリードは赤い大剣をふるい、激しく戦っている。
そしてアルバも違和感を感じ取っていたが、気にせず戦を楽しんでいた。
「こんなものかよ。」
アルバは肩をすくめながら、クリードの大剣を片手で止めた。
「おい、“お前の”の背後にはもっと強い奴がいるんだろうな?」
大剣はアルバに止められたままびくともしない。
「チッ……そんな事気にしたってどうせお前はここで終わりだよ。」
クリードが舌打ちし、表情を変えた。
「もういい。人形と戦っても深みがねえ。終わりだ。」
「はぁ?何言ってん.....」
ドガァッ!!!!
そう言いきる前にアルバはもう片方の腕でクリードの腹を殴りそのまま壁まで吹っ飛ばした。
壁に衝撃波が走り、瓦礫が舞い散る。クリードとの戦いはあっけなく終わった。
「おい。まさかお前が俺に持ち掛けた戦いってのはコレじゃねーよな?」
アルバは顰めっ面でレオを睨む。
「ああ、多分な。これで終わりじゃない。こっちの情報と違いすぎる。何かおかしい。」
アルバは腕を鳴らしながら、ニヤリと笑う。
「ならいい。こんな戦いじゃ出てきた意味ねーんだよ。」
「……アルバ、お前もこいつらの異変に気づいたか?」
レオが尋ねると、アルバは無言で頷いた。
「こいつら、“本物”じゃねぇ。」
「やはりか……嫌な予感がする。本部に戻るぞ。お前も来い。もっと強い奴と戦いたいんだろ?」
アルバは少し考えた顔をした。
「チッ、仕方ねーな。」
2人はそのまま本部へ向かった。
少し時間は遡り、フロントコード本部前の森では、
4人の人影が潜んでいた。




