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第37話 アキトの力


「やれやれ、せっかくの休みだったんだが……のんびりしてる暇はなさそうだな。」

アキトが双竜を纏い、剣を抜いた瞬間、周囲の空気が変わる。


「少し下がってて。」


震えて座りこんでいたカナデはアキトと会うのは初めてだった。

「この人が噂の龍使い。」


カナデから距離を取ると同時に、アキトが動いた。


圧倒的な実力差


アキトの一撃が、ハウンドの一匹を吹き飛ばす。


表情は出せない顔だが、明らかに驚いた様子のハウンドたち。


「こんなんじゃダメだ。」

アキトが静かに言うと、ジリジリと残りの4匹が距離を詰めてきた。


アキトはアルバ戦以降から思っていた。自分の強さの自惚れ。余裕ぶっていた自分。仲間を持つ事。龍を生み出す力。

フロントコードに入って数ヶ月。1人で戦っていた時とはどこか違う。

「もう一段階力を上げる。」


アキトは2本の刀を持ちつつ、双龍の力を刀から腕に、そこからさらに体全体に纏わせた。

「だいぶこの力にも慣れた。」


そう言ったアキトは一瞬で1匹のハウンドの後ろに移動。

移動した瞬間に遅れて放たれる斬撃がハウンドを切り刻んだ。

「これでもまだ足りない。」


カナデの震えはいつのまにか収まり、スマホで映像を本部に送っていた。

それを圧倒して見ているセリカと迅。

「間に合ってよかったよ。」

安堵して言う迅。


「連絡は取ろうとした。だけど手段がアキトにはなかったの。どうしてあの場所にいるの?」

セリカか思っていた。アキトには確かに休みを与えていた。本部にいない事も把握していた。

だからここから離れている現場までどうして行けたのか。

どうして仲間の危機を知ったのか。


(アキトはまだ力を隠してるの?)

セリカは焦った顔で、だがどことなく笑ってもいた。


「しかも彼は力を試している感じだね。あえて1匹ずつハウンドを仕留めてるよ。」

迅はポケットに手を入れながら言った。

(これほどの力だとは。噂以上だね。)


迅も戦闘系ではないにしろS級のアビリティパーソンズ。

自分に匹敵する力を久々に見た驚きを隠せずにいた。


「何にせよ、これで無事に解決しそうね。」

セリカは色々思うところはあるが、一旦はこの状況に安堵していた。


アキトは残り3匹のハウンドを仕留めにいた。2本の刀を持ち、攻撃を避けながら自分の内に“何か”を育てている。

(もう少し、もう少しで....)


そう思った瞬間にアキトの後ろにもう1匹の青白い龍が出てきた。それは白いオーラを纏い、あたりが氷つく様なアキトより人わまり大きな龍だ。


「やっとイメージできた。お前は氷龍(ヒョウリュウ)だ。」


ハウンド達は驚いた様子で動きが止まった。だがすぐさま3匹同時にアキトに攻撃を仕掛けた。


「氷結世界!」

アキトはハウンドの攻撃がどどく前に一瞬で氷漬けにした。3匹の周りの地面も含めた一定の範囲を一瞬で氷漬けにしたのだった。

そしてさらに双龍の力でハウンド達を粉々に粉砕した。


「ネーミングセンスがやっぱりないよな。だけど名前つけた方が威力がちがう。」

アキトは力を消してからレンジの方に向かった。


イリスのゲートで本部に戻り迅の力でレンジは完全回復していた。

「いやー、助かったぜ。さすがアキト様。」

レンジが肩をすくめる。


「休みだったのに……ありがとう。」

カナデが苦笑いしながら言う。


「はぁ……せっかくの休みだったのに……。」

アキトは天井を見上げ、ため息をついた。

だが本心はそんな事を思っていない。

間に合ってよかった。そして新たな力を試せた。

後ろを向きながら笑顔で思うアキトであった。


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