第32話:交差する牙
荒れ果てた荒野でに、三つの影がぶつかり合った。
レオの刀が空を切ると同時に、アルバが一瞬で間合いを詰める。
「おっと、焦るなよ。」
アルバの拳がレオの頬をかすめた。レオは寸前で避けるも、アルバの蹴りが襲いかかる。
ドンッ!!
衝撃が壁を砕き、埃が舞い上がる。
しかし、レオはすでに背後へ跳んで距離を取っていた。
「相変わらず早いな……だが、ナメるな。」
レオは腰にある刀を抜き構える。
「お前だけじゃないぞ。」
その瞬間、ナイトメアの黒いコートが翻った。
レオが構えるよりも早く、ナイトメアの腕から伸びた黒い影が襲いかかる。
ヒュンッ!!
レオは紙一重でかわすが、その影は壁を削り取るほどの鋭さを持っていた。
「……やっぱり厄介な能力だな。」
ナイトメアは淡々と呟く。
「お前もアルバとやらにつながりがあるのは当然だろう。だが俺もこいつに用がある。……邪魔をするな。」
「そうもいかないんだよ。」
レオは息を整え、刀を構え直した。
アルバはそれを見て、退屈そうに笑う。
「おいおい、二人で仲良くやってんじゃねぇよ。」
次の瞬間、アルバが地面を蹴った。
バキッ!!
地面が砕け、アルバの拳がナイトメアに突き出される。
「……!!」
ナイトメアは咄嗟に影を操り防御するが、アルバの圧倒的なパワーの前に影が弾ける。
「ハハッ! 影なんざ俺には通じねぇよ!」
アルバの拳がナイトメアの肩を捉え、彼の体が弾き飛ばされた。
しかし――
「お前こそ、俺をナメるなよ。」
ナイトメアの影が瞬時にアルバの足元を捉え、動きを封じる。
「……チッ!」
アルバが反応するよりも早く、レオがその隙を狙う。
「逃がすか!」
シュバッ!!
レオの刀がアルバの腕をかすめ、一筋の血が宙を舞う。
「ハハッ……! いいねぇ!」
アルバは痛みなど感じていないかのように笑い、拘束を力づくで引きちぎる。
「これだから戦いはやめられねぇ!」
レオ、ナイトメア、アルバ――
それぞれが異なる目的を抱えながら、激突する戦場はさらなる混沌を迎えていた。




