第31話:交差する影
夜の荒野――
静寂に包まれた薄暗い荒地で、レオは立ち止まった。
彼の前には二つの影があった。
一つは、無造作な筋肉質の鋭い目つきの男――アルバ。
もう一つは、黒いコートに身を包み、異質な存在――ナイトメア。
「……やっと見つけたぞ。アルバ。」
レオが低く呟くと、アルバはニヤリと笑った。
「何の用だレオ? 今は取り込み中なんだよ。」
レオはアルバを睨みつける。
「楽しんでるとこ悪いが、こっちも後がないんでな。余計な戦いをする前に話しがしたい。」
「“余計”な戦い?」アルバは肩をすくめる。「俺にとって戦いに“余計”なんてないんだよ。ただ、強いやつと戦う。それだけだ。」
「……相変わらずだな。」
レオはため息をついた。
すると、その横でナイトメアが静かに口を開く。
「フロントコードのレオが、こんなところで何をしている?」
仮面の奥からくぐもった声が響く。
レオは視線を向けた。
「まさかアルバと関係があるとは思わなかった。」
ナイトメアは動じない。
「アキトは元気か?」
レオはポケットに手を突っ込みながら、一歩前に出る。
「余計な話しをする気はない。アルバ……力を貸せ。強い奴と戦いたくはないか?」
ナイトメアを無視してレオはアルバに話しかけた。
アルバは興味なさそうに口を挟んだ。
「はぁ。こっちは今からその強い奴と戦いをするんだよ。邪魔すんな。話は戦ってから聞いてやる。」
アルバはナイトメアの方を向き、構える。
(ナイトメアの力も見れる良い機会だ。二人の力を借りれば有利になる)
レオは二人を見ながらゆっくりと構えた。
「なんだよレオ。いつになくやる気があるな。相当焦ってやがると見た。イイぜ!二人まとめて相手してやる。」
アルバはレオにも戦闘体制に入り、大きく構え直した。
ナイトメアはレオをじっと見つめた後、ゆっくりと笑うように言った。
「力で語るしかない様だ。」
次の瞬間、三人の間に張り詰めた緊張が走る。
交差する視線――
それは、避けられぬ戦いの前触れだった。




