表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/44

第14話:龍の爪痕(前編)


──フロントコード本部。


アキトは壁にもたれかかり、ゼロを肩に乗せていた。

ミナとディノが目の前で口論している。


「だから、私の槍のほうが速いって言ってるでしょ?」

ミナが自慢げに槍を回す。


「速くても範囲が狭いんだよ。俺の重力は全体を抑えるんだ。」

ディノは腕を組み、得意げにミナを見下ろす。


「その重力が遅いから、私が先に敵を倒してるでしょ。」


「いや、先に動いたのは俺だろ?」


「仲わるいのかな?」

アキトがボソリと呟いた。


「まぁまぁ。」

ゼロがアキトの肩でくつろぎながら小声で囁く。

「どっちも可愛いじゃねぇか。特にミナちゃんはな。」


「お前、ミナにちょっかい出そうとしてるのか?」


「バレたか?」

ゼロが悪戯っぽく笑う。


「当たり前だろ。」


そんなやりとりをしていると、神城イリスがひっそりと部屋に入ってきた。

彼女は大きなモニタを抱えたまま、静かに近づいてくる。


「……着いた。」


「イリスか。」


ミナが声をかけるが、イリスは黙ってうなずくだけだった。

アキトはイリスの背後からモニタを覗き込む。


「どこへ飛ぶ?」


「北区第15防衛線。」

イリスがボソリと答える。


ディノが眉をひそめる。

「防衛線ってことは、何か事件か?」


「人の消失事件が起きてるらしい。」

ディノが説明する。

「国の警察じゃ対応できないから、俺たちに依頼が回ってきた。」


ミナが槍を肩にかけて笑う。

「ま、私たちにかかればそんなのすぐ解決でしょ。」


「お前が先走るから、面倒になるんだよ。」


「え?そうだった?」


ミナが悪びれずに首を傾げるのを見て、アキトは苦笑する。


「じゃあお願いしまーす。」

ディノがイリスに言った。


イリスは無言でモニタに触れた。


──瞬間、ゲートが目の前に開く。


「便利だよな、その能力。」

ディノが感心するように呟く。


「A級だしね。」

アキトがゲートをくぐると、ディノとミナも続いて中へ入った。

ゼロはミナの肩に飛び移る。


「お、近いな。」

ゼロがミナの耳元で小さく囁く。

「今度、一緒に散歩でもどう?」


「嫌。」

ミナは即答してゼロを無造作に払いのけた。


「ちょっ、冷てぇな!」

ゼロがふわふわと浮きながら苦笑する。


「ゼロ、あんまり絡むな。」

アキトが釘を刺す。


「分かってるって。」


ゲートを抜けると、冷たい風がアキトたちを迎えた。


目の前には人気のない通りが広がっている。


「さて……事件の匂いがプンプンするな。」


アキトは双竜を握りしめ、周囲を警戒した。


「どっちが先に見つけるか、勝負ね!」

ミナが槍を構える。


「またかよ。」

ディノが溜息をつくが、すでに手をかざして重圧の領域を展開している。


「アキトっていったよね?今回は私たちについてきて。力見たいから。」

ミナがアキトに言う。


「わかったよ。援護する。」


アキトは静かに双竜を構え、彼らの後ろからついていく。


この事件が、自分をフロントコードの仲間に認めさせるきっかけになることを信じて──



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ