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第12話:暫定A級の加入


フロントコード本部。

広々とした訓練場の中心に立つアキトは、周囲の視線を背中に受けながら双竜を手にしていた。


「で、結局やるんだな?」

ゼロが肩に乗り、退屈そうに欠伸をする。


「別にやりたくて来たわけじゃないんだけど。」

アキトは視線を前に戻し、目の前に立つレオと向き合う。


「セリカが推薦したからな。」

レオは淡々と告げ、刀を抜く。


「だが、フロントコードに入る以上、実力は示してもらう。」


「こっちは龍を呼び出せば十分だろ?」


「それは見飽きた。」


レオの言葉に、アキトは口元を歪める。


「やっぱそうなるか。」


「全力で来い。手加減はしない。」


「ったく……しょうがないな。」


アキトは双竜を構える。二匹の刀龍が静かに光を帯び、訓練場に緊張が走った。


「準備はいいか?」


「そっちがいいならね。」


レオが一瞬で間合いを詰める。


──ガキィンッ!


火花を散らしながら、レオの刃と双竜が激しくぶつかり合う。


「やっぱり強いな。」


レオの一撃を受け止めながら、アキトは無理やり押し返した。


アキトの双竜がしなやかに動き、レオの防御を掻い潜る。レオはそれをいとも簡単に弾いた。


「まだまだだな。」


「そう簡単にいくかな。」


互いの剣が交錯し、場の空気はさらに熱を帯びた。


訓練場の外


ガラス越しにセリカが腕を組みながら戦いを眺めていた。


「セリカ、奴は何者だ?」

隣に立つレンジがが問いかける。


「ただの面白い子よ。」


「噂じゃ『龍を生み出す力』らしいが。」


「そうかもね。」


セリカは意味深に微笑む。


「それに、まだ隠している事があるわね。」


「まぁ、そのうちわかるわ。」


訓練場


アキトは息を整えながらレオを睨む。


「これで十分だろ?」


「いや。」


レオは刀を下ろし、アキトに静かに言った。


「お前のAPアビリティポイントを測らせろ。」


「断る。」


アキトは即座に拒否する。


「なんでだ?」


「強さを数値で縛られるのは性に合わない。」


「フロントコードの規則だ。」


「ルールに縛られてるのもごめんだね。」


その言葉にレオは黙ったままアキトを見つめた。


「……なら、暫定A級とする。」


「それでいいよ。」


アキトは双竜を納め、不敵に笑った。


「面倒なルールが少なければ、それでいいんだ。」


「お前らしいな。」


レオは背を向けながらぽつりと呟く。


「だが、今後測らなくていいとは言っていないからな。」


「はいはい。覚えとくよ。」


ゼロがくすくすと笑いながらアキトの肩で跳ねる。


「これで正式にフロントコード入りか。」


「まったく、これで自由が減るなー。」


アキトは訓練場を後にしながら呟いた。


「でも、これでまた面白くなる。」


その背中には、まだ見ぬ龍の影が静かに揺れていた。

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