表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/44

第11話:理由


瓦礫の散らばる薄暗い路地に、アキトとレオが立っていた。

目の前には黒い霧のような残骸──再生し続けるヴォイドハウルの影が漂っている。


「……しつこいな。」

アキトが双竜を握りしめ、苛立ちを抑えながら睨む。


「まだ動きそうだ。」

レオは冷静に刀を構えた。


「こっちが休む暇もねぇ。」

アキトの肩に乗ったゼロが欠伸混じりに言った。


「アキト、お前の龍、そろそろ呼び出して楽にしようぜ。」


「……今はまだ出さないよ。」

アキトは双竜を見つめながら小さく答える。


──感じている。

自身の中に眠る“もう一匹の龍”の存在を。


しかし、それは呼ぼうとしても応えない。


「まだ力が足らないか……。」


レオがその様子をじっと見つめた。


「何か隠しているな。」


「気のせいだろ。」


「まぁいい。」


レオは再び影に目を向けた。


「だが、今のままじゃヴォイドハウルは片付かない。」


アキトが何か返そうとしたその時、背後から軽やかな足音が響く。


「二人とも、こんなところで油を売っていていいのかしら?」


白衣を翻して現れたのは、綾峰セリカだった。


「セリカ……。」


「遅かったな。」

レオが軽く顎をしゃくると、セリカは肩をすくめてみせた。


「私は戦う役じゃないからね。」


セリカはそのまま二人の横を通り過ぎ、ヴォイドハウルの影を見下ろした。


「何度も再生してるわね。面倒な相手だけど……あなたたちなら何とかできるでしょう?」


「そりゃどうも。」

アキトは苦笑しながら、再び双竜を構える。


「でも、こっちにも限界があってね。」


「限界ねぇ。」

セリカが興味深げにアキトを見つめた。


「その言葉、本気かしら?」


「どういう意味かな?」


セリカは目を細め、杖をゆっくりと突き出す。


「ねぇ、アキト。強さを求めてるんでしょう?」


「……。」


「それなら素直にフロントコードに入りなさい。」


アキトは目を伏せる。


「興味はあるが……。」


「迷ってるの?」


セリカの声が少し柔らかくなる。


「あなたが求めているのは“強さ”だけじゃないでしょう?」


アキトは答えず、双竜を握る手に力を込めた。


──強さを求める理由は単純ではなかった。

まだ呼び出せない“龍”の存在が心を揺らしている。


それだけじゃない。


「ヴォイドハウルの正体を知りたいんだ。」


「正体?」

レオが横目でアキトを見る。


「……何か感じてるのか?」


「あぁ。」

アキトは静かに答えた。


「ヴォイドハウルはただの敵じゃない。俺たちと、何か繋がっている気がする。」


セリカの目が少しだけ鋭くなった。


「面白いわね。」


「セリカ、何か知ってるのか?」


「さぁ?」

セリカは笑みを浮かべ、はぐらかした。


「でも、知りたいならフロントコードに入るのが近道よ。」


「……。」


「あなたがフロントコードに入れば、私たちも色々と動きやすくなるの。」


「そんなに期待されても困る。」


「期待してるわけじゃないわ。ただ……あなたの力が必要だってこと。」


アキトは深く息を吐いた。


「わかった。少し考えてみる。」


「少しじゃなくて、しっかり考えてちょうだい。」

セリカは微笑みながら背を向けた。


「まぁ、あなたはどうせこっちに来るって思ってるけど。」


「……なんでそんなことがわかる。」


「人の心を読むのは得意なのよ。」


アキトは苦笑しながら、再びヴォイドハウルに向き直った。


「さぁ、片付けるぞ。」


レオと共に双竜を振るい、再び影との戦いが始まり、

ヴァイドハウルを一掃した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ