首都ヘイブンへと
あの戦闘から一夜明け、僕たちは首都ヘイブンに向かって旅立つこととなった。
「何か忘れ物はない?」
「はい、大丈夫だと思います。」
「しかし、すんなりと許しが出たね。貴族なんだったら跡取りとか家業の色々で残らないとだめだと思っていたけど」
「僕は五人兄弟の四男なので家業を継ぐのは無いですね。うちの家業は運送業なんですが、そこでの交渉は長男がずば抜けてうまいので」
「なるほどね。まぁそれだったら大丈夫だね!出発しようか」
「はい!」
こうして僕たちは現在首都ヘイブンに向かっているのだが……絶賛迷子中です
「あの道はほんとにこっちで会っているんですか?さっきからこの道を何回も回っている気がするんですが……」
「だ……大丈夫だよ!……多分」
「ちょっと地図見せてください!……ってこれ手書き?エマさんどうやって僕の家に来たんですか?」
「それは首都だから運び屋がたくさんいるからさ!運んでもらってその間に何となくで地図を書いて……」
「よくそれで歩いて行こうと言いましたね!それじゃ首都に行けないじゃないですか!どうするんですか!?」
「あははぁ…………困ったねぇ」
「困ったねぇって本当にどうするんですか」
「歩いていれば人といずれ会うからその人に教えてもらおう!うん!それで行こう」
「そんな都合よく行きますかね」
ついて行く人間違えたかもしれないとそう思ったノーマンであった。
~夜~
「結局人は見つからず野宿ですね。仕事のほうは大丈夫なんですか?」
「……多分?」
「じゃあ急がないと!」
「いやでも夜は冷えるししっかり体力はとっといた方がいいよ!」
「……分かりました。エマさんがそういうなら」
本当に大丈夫なのかなぁ
「そういえばまだ依頼の話聞いてなかったですね」
「あれ?言ってなかったっけ。ええと確か首都付近のダンジョンから不気味な音が出てくるので見てほしいという依頼だね。そこまで緊急ではなさそうだし一日くらい遅れても大丈夫だと思うよ」
「なるほど……ここ最近魔物どんどん地上に攻めてきてません?」
「うん。そうだと思う。ダンジョンの下には地下世界が広がっているのは知ってる?」
「はい。魔物が住んでるんですよね。」
「そう。昔から人類と魔物はお互いに貴重な資源を争って戦ってきた。魔物側は攻められるのを防ぐため強い魔物を用意し自分たちを守り、攻めやすいところにダンジョンを作る。人類はダンジョンに潜り資源を漁る。こうして長い間争ってたんだけど、君も知っているフィエル・ラフィーネがこの争いを減らした。」
「!!あの配信ですか」
エマさんはうなずき話しだす。
「人の中で争いが嫌いな人がいるように魔物側にもいたんだ。争いたくない人がそこでお互いに取り決めを行い人類と魔物との関係は良好になった……はずだった」
「確かフィエルさんが死んでからですよね?」
「うん。絶対的な強さを持っていたフィエル・ラフィーネには敵わないと分かってたんだろうね。フィエル・ラフィーネが生きている間はお互いに良好だった。でも、死んでから魔物達は民間人を襲い始め資源を奪っていった。今でも、友好的な魔物はいるが減ってきている。だからこそ、私は探しているフィエル・ラフィーネになれる人を私はなれなかったから」
なれなかった?
「あのそれってどうい」
「いやぁ暗い話になっちゃたね!寝よっか!」
……言いたくないことは誰にでもあるもんな
「はい」
~朝方~
「……くぁ~」
すっかり朝になってしまった。首都まで急がないといけないのに道はいまだ分からずなんだよなぁ。どうしよう
「あ!ノーマン君起きたんだ!」
「おはようございます。早いですね」
「急がないとまずいしね。ほんとはノーマン君起こしたかったんだけどあまりにもいい寝顔だったから起こせなくて」
「それはすみません。急いで準備します!」
「大丈夫大丈夫『なるようになるよ』!」
エマさんは親指を立て「大丈夫」と元気に放つ
「ははっそうですね」
本当に明るい人だな
「だっ……誰か助けてくれ!」
「!?今助けを呼ぶ声が!」
「うん!私も聞こえた。助けに行こう!」
「はい!」
急がないと!方角はこっちか
「いました!」
「オッケー!私に任せて!」
敵は1,2,3……3体ならあの技で
「剣技華麗なる三連撃」
エマさんが技を言い放つと同時に3体の魔物は首から弧を描き切られた。
凄い!ダンジョンで見た時もだったけど目に追えない。どうやったらあの速度で放つことが出来るんだ?……さっきの人は!っほ、大丈夫だな
「大丈夫ですか?」
「ああ、助かったよ」
「お礼ならあちらの人に」
とエマさんの方を指す。
「ありがとうな。助けてくれて」
「いえいえ、困っている人がいたら助ける。当然のことです!」
「本当に助かった。何か俺にできることはあるか?」
「そうですね。私達首都ヘイブンに向かいたいんですけど道を教えてもらいたいです!」
「お安い御用よ!なんなら連れてってやろうか」
「いいんですか!」
「ちょうど首都に荷物届けるところだったからな。」
「じゃあお言葉に甘えて!やったねノーマン君!言ったでしょ何とかなるって!」
「はい!本当でしたね」
「用意できてんだったらもう行くぞ」
「はい!大丈夫です!」
本当になんとかなったすごいや。荷台のところで揺られながら考える。
「すみません。何時間くらいでつきそうですか?」
「そうだなぁ。ここからだと馬の調子次第だが5時間はみたほうがいいな。長くなるから眠かったら寝ててもいいぞ。着いたら起こしてやる。」
「ありがとうございます。眠くなったらありがたく寝させていただきます。」
「おう。」
「エマさん。首都に着いたら小型カメラ買いたいんですけどいいですか?」
「オッケー!魔物と戦って壊れちゃったもんね。着いたらそっこーで買わないとね!」
「はい。」
カメラは自分の動きを見るのにも使えるからなできれば常に持っていたいしありがたいや。まだ、朝だったな。着くまで寝よう……
「……おーい おい!着いたぞ!」
「っは、はい!……っあ着きましたか。ありがとうございます」
「おめぇ、起こそうとして声かけても全然起きねぇな」
「すみません……」
「いや全然いいんだが、一緒にいた女は先行っちまったぞ」
「えっ!」
「ああそういえば手紙もらってたな。ほらよ」
「ありがとございます。」
ノーマン君へ
私は任務に向かうからカメラ買いに行くついでに首都回っといて!!場所は私が書いといたから!!買い終わったらこの場所に
……み、見ずらい。道迷った時に見してもらったけどやっぱり分からないな……回りながらゆっくり行こう
「運んでくださりありがとうございました。」
「おう、こっちも助かったよ。またあったら運んでやるよ」
「はい!ありがとうございます」
いい人に出会えたな。よしっカメラ買いに行くか
分かりずらい地図を参考に歩いていく
「しかし、首都なだけあって広いな……」
これは疲れそうだ。……賑わってるな。どこもかしこも。横を見れば肉を売っている人やポーションなどを売っている人がいて、上を見れば空を飛んでいる人
ここを右かな。あれか?
レンガの家に縦長であり一番上には時計が付いている
「全然カメラを売っているようには見えないけど……すみません誰かいますか」
中に入り呼ぶ
「いらっしゃい」
「こんにちは。あの、カメラを買いに来たんですけど」
「カメラならそのお前さんの横の棚に置いてあるよ。買いたいのを持ってきな」
「はい。」
どれにしようかな。できればあまりお金を使い買いたくないんだけど……あのカメラみたいに安く売ってあったらいいんだけど……!!これにしよう
「これでお願いします」
「はいよ。125ペルだよ」
お金を渡しお礼を言い店を出る。
やった!同じもので少し安く買えたぞ!よし後はエマさんの送った場所に向かうだけだな。もう任務が終わってるかもだし、早く行こう……ってここからどう行けばいいんだ?ここは矢印が書かれたから分かったけど……こことしか書いてないからなぁ、あの人に聞いてみよう
「すみません。ちょっといいですか」
「!!!な、なんですか」
驚かしちゃったかな
「すみません、少し道を尋ねたくて、この地図の『ここ』と指してある場所にいきたいのですが」
「あ、な、なるほど。……自分見ずらい地図ですね」
「あはは……」
「は、け、決して馬鹿にしているわけではないので」
「分かっています」
「す、少し待ってくださいね『解読わ、分かりましたよ。これはど、どうやら依頼所を指しているみたいですね」
「依頼所……なるほどありがとうございます!」
「もう大丈夫ですか?良ければわ、私はこれで」
「待ってください!道も分かんなくて良ければ教えてくれませんか?」
「……わ、分かりました、じゃあついてきてくださぃ」
「!ありがとうございます」
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