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喰らい移し  作者: 深奏
1/2

~成りたい人になるための冒険譚~

 「くらえ!」

 

 そう言って振るった剣が魔物に。

 

 「くっ……くそったれが」


 魔物はそこに倒れこむ。そして僕は回していた録画を止めその魔物に手を差し伸べ

 

 「ありがとう。これはその報酬ね」

といい、魔物に包まれた多くのお金を渡す。魔物はお金をもらいダンジョンの奥へと向かっていった。 

 

 「何をしてんだろう僕……こんな風になりたかった訳じゃなかったのになぁ」




 メリニク国の辺境の都市サルバーノで生まれた貴族ノーマン・グレイ(8歳)は憧れていた。自由に冒険し時にはダンジョンに潜り敵を倒していく伝説の男フィエル・ラフィーネに

 「かっ……かっけぇなぁ!!どうやったらあんなに綺麗にかっこよく倒すことができんだ?」 

 「こうか?それともこうか!」

  

 動画を見ながら見様見真似で近くにあった木の棒でやってみる。

  

 「って……うわぁ!」

 足がふらつき転んでしまい、「いてて」と頭を掻く。

 「難しいなぁでも僕だってなるんだあの人みたいに!」



 「……って頑張ってたなぁ小さい頃はしかしなんでこうなったんだ。……僕の才能がなかったからか。」

 そう15歳となった今でも剣技や魔法など自分がしたかったことを何度も練習したが才能は芽吹くことはなかった。しかし、夢を諦めることができず、魔物に対し八百長を持ち掛けあたかも自分が実力で倒したかのようにみせかけているのだ。


 「……ダンジョン配信者の中ではだいぶ名が売れてきたし今更全部仕組んでましたとか言ったら叩かれまくるんだろうなぁ。くそっ!!……帰るか」


 ダンジョンから出て家に帰ろうと歩いていると見覚えのない人が自分の家の前にいた。相手はこっちを見るやいなや目にも見えない速度でこっちに向かいすぐさま

 

 「ファンです!」

 

 ん?ファン?なんでファンがここに?しかも目で追えないスピードで?と頭の中で混乱しているところにその人の顔を見てみると顔に見覚えがあった。


 「あなたは今世界で一番の剣技を持っていると言われているエマ・クロシスさんじゃないですか!」

 

 「あれ私のこと知ってるんだ?」


 「いやいや、知らない人のほうが少ないでしょ!模擬試合で観客の人が気付かない速度で相手を倒した動画見ましたよ!……しかしなんでそんな人がこんな辺境な町に?」


 「だから言ったじゃないかあなたのファンです。って聞こえてなかったの?」


 「えっ……ええぇぇ!?ぼ……僕のファン??なんで僕なんかの!」


 「ん~なんかね似てたの私が憧れている人の」 「憧れている人?」


 「そ、名前がフィエル・ラフィーネっていって伝説の男と言われてるんだけど知ってる?」

 

 「知ってますよ!誰もが一度は憧れる人ですよ!そのフィエル・ラフィーネさんと僕が似ているんですか?」


 「うん!あの動きは絶対何度も練習したんだろうなって伝わるもん!」


 「いやあれはそのぉ……」

 

 その言葉には本当に嬉しかったけど八百長のことが頭にちらつき素直に言えなかった


 「でね!ここに来たのも理由があって私あの動きをもっと近くで見たくて!だからさ、今からダンジョンに行って少し見せてほしいなぁってダンジョン帰りなのはわかるんだけどお願い!」


 「そこまでの理由があるんですか?……分かりましたでも条件があります。」


 「条件?」


 「はい、この件について必ず広めないでください」


 「なぁんだ!そのくらいなら全然いいよ!」


 とエマさんは親指をぐっとする


 「いやぁ「体を出してとか言われたらdぷしようかなんて思ってたからよかったよぉ」


 「僕をなんだと思ってるんですか!?」


 「いやぁごめん怒らせちゃった?今までもさ気になった人に話しかけ頼んでたんだけど私スタイルがいいからなのかそうゆうことよく言われるんだよねぇ~」


 「そうだったんですか」


 「まぁそういう事を言ってくる人は聞いた私が悪いんだけどボコボコにしてるからね!大丈夫なんだけど……で本題に戻るけどいいかな!道中のは私がやるから」


 「……分かりました。いいですよ。」


 「ほんと!ありがと!」


 そう言って僕の手を握りぶんぶんと手を振る


 「//////は、はやく行きましょう!もうすぐ暗くなりますし」


 「そうだね!」




 「着いたね!いやぁ楽しみだなぁ」


 「ご期待に沿えるかは分かりませんが……」


 しかしほんとにどうしよう断れずここまで来たけど僕は八百長しないと知性を持つ魔物は倒せない条件は守ってくれるとは言っていたけど……


 「あ、すみません一応録画のほうだけさしてもらいますね」


 そういって僕はバッグから小型カメラを出し録画ボタンのほうを押した小型カメラはプロペラを出し上に行く


 「これでよし」


 「ほんとに便利だねそれ。値段も安価で回りに浮遊してくれるから戦いの邪魔にもならない。あたしも買おうかな」


 「あると便利ですよ小さいのでバッグも圧迫しませんし」


 そうはなしてダンジョンの奥に進んでいくと魔物が現れた


 「あれは私に任せて!」


 そう言い目にも見えない速度で魔物を倒した


 「ほんとに速い」


 「ありがと!さぁどんどんさくさく行くよ!」


 その言葉通り一瞬で重厚な扉の前についた


 「ここからは私は基本見ているから思う存分実力を発揮してね!」


 う……キラキラと輝く視線が痛い。しかし、どうしようほんとについてしまった。動画もエマさんが速すぎて使えるかどうか……いや、この状況切り抜けれるかどうかが先か……一応お金は持ってる。これでなんとかできればいいんだけど…覚悟を決めないと僕はあの人に似ていると言われたんだ!僕の憧れている人に!


 覚悟を決め僕はその扉を開き中に入った。中は小さな町が入りそうなくらい。そして真ん中にの玉座にはボスらしきものが座っていた


 「む?我が空間に入ってくる物は誰だ?」


 「ノーマン・グレイだ悪いがお前を倒させてもらう」


 「ほう……久しいな我に挑む人間が来たのは。よいだろう来るがよい」


 僕は剣を抜きボスに向かって切りかかった


 「はぁっ!!」


 剣がボスの腕にふさがれる。すぐさま離れ構える。ボスの身長は……2.5m弱か?冷静に周りを見るんだ。間違いなく話には乗っててくれない。挑んだ以上倒すしかない!


 考えている間にボスが詰めてきた。


 「人と戦うのは久しいからなぁ楽しませてもらうぞ!!」


 相手の拳がノーマン君に向かい、ノーマン君が剣で受け止める。……苦戦してる私が普段見てる彼ならあれぐらいの魔物なら簡単に倒している。もしかして……相当疲れているのね!ごめんなさい無理行って。でもあなたならきっとできる。だって本当に見えたもん私の憧れている人に


 「くっ……」


 重い!受け止める腕が痛い。このままじゃ防戦一方だ!どうにかしないと……!


 僕は小型カメラを相手に向けて突撃させる


 「なんだこいつは?」


 いまだ!僕は即座に相手の足を切りつけた。ザシュという音とともに相手が体勢を崩す


 「ぐっぁぁぁぁ!!」


 ふぅ……あとは止めを?エマさんが何か言ってる


 「ノーマン君ボスは能力を持ってるのよ!」


 後ろを見ると回復しているボスが立っていた


 「危なかったぞ我のスキル『超回復』がなければどうなっていたか。この人間風情が!」


 ボスの振りかぶった腕がノーマンを吹き飛ばす


 「ぐぁ」


 「ノーマン君!」


 私が助けないと!!うそっ


 「だめよノーマン君立たないでっ!」


 「僕は……なるんだフィエルさんに!今までは出来なかった。今ならできる気がする」


 痛いし、血は止まらない、意識が朦朧としている


 「ノーマン君の目が……光っている?」

  

 「剣技『駆ける閃光(スカイズレイン)』」

 

 その一言を発した瞬間ボスの首は飛んだ


 「あの技は……すごい本当にフィエルさんみたい」

 涙が……いやその前にノーマン君を助けないと


 「大丈夫?ノーマン君……気絶してる」

 ホントにかっこよかったよ……ついに現れた私の求めていた人


 「ん……ここは家?……あれ確か僕はボスを倒して」


 そこまでしか思い出せえない?頭の中で整理しているとエマさんが入ってきた


 「起きたんだ!よかったぁ私が無理行って死なせたとかシャレになんないから。本当に無理行ってごめんなさい。」


 「いえ、話に乗った僕の責任でもありますし……それにここまで運んでくれたんですよね?ありがとうございます。」


 「でも最後本当に凄かったよ!本当にフィエルさんみたいだった」


 僕が倒したのか!?……記憶に全くない。フィエルさんみたいだった?嬉しいけどなにがあったんだ?どうして思い出せない!でもやることは決まった


 「今日は本当にありがとう!私は仕事が入っちゃたからもう行くけどこれ連絡先ね!いつでも連絡していいから!」


 「エマさん迷惑だったら断ってもらっていいんですが僕もついて行っていいですか?」


 僕も旅に出るんだ!自分に可能性があるなら!そしてエマさんの技術も学びたい。


 「うーん……(この真剣な目)分かったいいよ!じゃ今日はもう遅いし部屋借り手もいいかな?」


 「ありがとうございます!空いている部屋案内しますね」


 よしっ!やるぞ成るんだ僕はフィエル・ラフィーネさんに!


 

 

 


 


 


 


 



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