表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

踏切

作者: 猫山犬六

カラン カラン カラン


ガタンゴトン ガタンゴトン


ギギギギギギギギギギ

カラン カラン カラン


この音を聞くと思い出す。


日が差して、地面すらもぐったりするほど暑い日の、あの日の赤い赤い踏切。


初めての一目惚れと、初めての失恋。




僕は学校の帰り道、いつもの踏切を訪れた。


深い緑の田畑に囲まれた、田舎の寂れた踏切。


僕にとってはいつもの踏切。でも、その日は違った。


踏切の中央に、周りの風景と似合わない純白のワンピースを着た女が1人、ポツリと立っている。


黒く長い髪をして、肌はワンピースに負けないくらい白い。


僕はその女に


「大丈夫ですか」


と一言かけた。


すると彼女は微笑んで、


「あなたは幸せですか」


と、脈絡のない返事をした。


その瞬間、僕の胸は激しい鼓動を始めた。


人生初めての一目惚れだった。


女は僕の気持ちなど察することもせずに、


「あなたは幸せですか」


ともう一度聞いてきた。


僕は、


「とても幸せです」


と、なんとも言えない口調で答えた。


女は、


「ならよかった」


と、安心した様子で線路に横になった。


その時、踏切が鳴り出した。


僕は、


「そんなところにいたら死んじゃいますよ」


と、焦りながら女に言った。


すると女は、


「あなたが幸せなら、私は死んでも平気」


と、訳の分からぬことを言った。


遠くで汽笛の音がして、遮断機も降りてきている。


僕は女を助けようとしたが、


「私は大丈夫だから」


と、落ち着いた口調で女は言った。


汽車はもうすぐそこまで来ている。


女は最後にこう言った。


「あなたに会えて、ほんとに幸せだった」


その瞬間、女の体は電車の下に消えた。


ワンピースの布は赤く染まり、電車は人間を引きずる音を出しながら徐々に速度を落としてゆく。


電車が停止した時、僕は初めての失恋を経験した。



















男の初恋と失恋は、思い出に残るものですよね。特に最初の失恋って、大切な何かを失ったような気分になります。ちなみに私が初の失恋をしたのは中3の冬で、高校別になるからっていう理由で彼女に振られました。(笑)

あの時は、本当に大切な何かを失った気がしましたよね。あんなに大好きだったのに、って、、、未練がましいですけど(笑)

でも、やっぱり忘れられません。だからこそ、出会いは大切にしていきたいですよね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ