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今日も今日とて、隣のコイツが腹を空かせて。皆を困らせています!!   作者: 土竜交趾
過去編 ~素敵な世界に一時の終止符を~
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第八十八話 王都守備隊第一隊 その一

お疲れ様です。


本日の前半部分の投稿になります。




 新たなる一年の始まりにしてはちょいと頑張り過ぎじゃないですかと思わず愚痴を零したくなる強き光が青く澄み渡った上空から降り注ぎ王都内で暮らす人々の体温を上昇させる。


 まだ一日が始まったばかりだというのにうだる暑さは人から体力と気力を奪い、光の下で行動する者達は皆一様に汗を浮かべていた。


 ここに来たばかりの頃はこの暑さに参っていたけど……。人体とは全く以て不思議なものだ。


 南の大陸で数か月を過ごす内に真夏のそれと変わらぬ気温に慣れてしまうのだから。


 只、慣れはしたけど完璧に克服するまでには至らない。


 何もせずともただ立っているだけでも汗がじわりと肌に浮かび上がり、それが一つに纏まり雫を形成すると重力に引かれて地面へと落下。


 乾いた砂に矮小な水跡を残した。



「あっつ……。もうそろそろ時間なのに全然迎えが来ないじゃないか」



 北大通りと東大通りが重なる角地に建っているシンフォニアの入り口付近でかれこれ数十分以上待ち続けているが、それらしき姿は一向に確認出来ない。


 只時間だけが過ぎ、強力な日光と気温が悪戯に体力を奪って行く。



「喧しいぞ。黙って待機していろ」


 俺と同じく外蓑を頭からすっぽり被っている相棒が、必需品がしっかりと詰まった背嚢を背負い直して話す。


「へ――へ――。仰せのままにっと。ドナ、悪いね。俺達が留守の間荷物を預かって貰って」


 俺の右隣りで大通りを行き交う馬車を何とも無しに眺めている彼女の横顔へ向かってそう話す。


「別に構わないわよ。一応、正式に!! 斡旋所に舞い込んだ依頼ですからねっ」


 おやおや、昨晩からの怒りがまだまだ収まらぬ様ですわね。


「そう怒るなって。リフォルサさんから聞いただろ?? 彼女が正式に受け賜った依頼だって」



 怒り心頭状態のラタトスクちゃんに襟を掴まれ、有無を言わさず整体所擬きまで引きずられて連行され。その足でシンフォニアの実質的所有者であるリフォルサさんの部屋にお邪魔させて頂いた。



『リフォルサさん!! 何ですか!! あの腹の立つ蜥蜴野郎は!!』


『あらあら、そんなに怒ったら可愛い顔が台無しよ??』


『そういう話をしに来たんじゃないんです!! 何で私達があのクソ野郎の依頼を受け付けなきゃいけないのか!! 筋をちゃんと通して貰いましょうか!!』


『別に構わないけど……。そろそろその手を離さないと彼が向こうの世界に逝っちゃうわよ??』


『グゥゥ……』


『あ、あはは。ごめんねっ』



 横着なラタトスクちゃんのワンパクによって意識が朦朧とする中、何んとか現実世界に意識を留めてリフォルサさんから話を聞いていたのだが。


 どうやら俺の予想通り彼女は王宮から直接依頼を受け賜っていた様だ。


 べらぼうに危険な任務に携わる者として俺達に白羽の矢が立った理由は類稀なる生存能力、目標達成の為に邁進する使命感、そして任務を確実に遂行しようとする忠誠心。


 これまで達成させた依頼の結果の数々が彼女達の目に留まったそうな。


 由緒正しき斡旋所の名に恥じぬ結果をもたらす鋼の強さを持った請負人達。


 響きは大変良いけども……。命の保証が無い大変危険な任務ですので事前に一言二言添えて頂けたらこちらも心構えが出来て幸いでしたのに……。


 ほら、いきなり恐ろしい生物が待ち構えている場所に向かうのはそれ相応の覚悟ってのが必要でしょう??


 それに危険な場所へ突入する諸々の準備もしなければならないので時間的猶予を頂きたく存じます。



「そりゃそうだけどさぁ――……。なぁんか私の知らない所でコソコソ動くのはやっぱり気にいらないって感じなのよ」


「水面下で動かざるを得ないのが今回の依頼の本質でしょ。ドナも聞いただろ?? とでもじゃないけど表立って依頼出来ないものだって」



 我等の飢えた心を満たす為に力を示せ、さもなければこの地に災いをもたらす。



 遥昔に英雄王シェリダンとキマイラと呼称される滅魔が結んだ古の契約を履行する為に人身御供が送られる。


 俺達はさながら祭壇に添えられた憐れな子羊ちゃんって所か……。


 恨むぜぇ……。英雄王シェリダンさんよ。


 お前さんがこの世に残した傍迷惑な契約のおかげで超絶怒涛に危険な任務に出発しなきゃ行けないんだから。



 王都の中央に建立されている大層御立派な英雄王シェリダンを模した石像を思いっきり睨みつけてやると北大通から大変御立派な馬車がやって来た。



 大変色艶の良い毛並の二頭の馬が馬車を引き、御者席に腰掛けている騎手は先日御会いしたフライベンさんと似たような黒を基調とした制服に身を包んでいる。


 騎手の巧みな綱捌きで街の中央に建立された英雄王シェリダンの石像を右回りに迂回し、西大通り沿いの脇で待機し続けている俺達の前にその馬車が静かに停車した。



「――――。大変お待たせしました」



 あれ?? フライベンさんじゃないか。


 迎えの者を寄越すと言っていたのに高価な馬車の扉が開かれると昨日と同じ姿の彼が現れた。



「迎えの者を寄越す予定でしたが直属の上司に私が迎えに行く様に釘を差されてしまいまして……。何でも?? 例え相手が市井の者だとしても王宮で働いている以上、此方が誠意を見せるべきだそうです」


 俺の視線の意味を理解した彼がやれやれといった感じで微かに肩を落とす。


「あ、あはは。お忙しい中大変でしたね」


 そんな彼に労いの声を掛けてあげた。


「では早速向かいましょうか。忘れ物はありませんね??」


「えぇ、全て確認させて頂きました」


「それは結構。それでは御乗車下さい」


「分かった」



 フライベンさんが馬車の扉を開くと相棒が静かな所作で高価な馬車の中へと進む。



「ふぅっ、留守番宜しくな」


 見送り役のドナの肩をポンっと叩き別れの挨拶を告げてあげると。


「行ってらっしゃい。時間が出来たら必ず私達に報告するようにっ!!」


 暫しの別れに相応しい心温まる笑みを浮かべてくれた。


「分かってるって……」


 と、言いますか。俺達には守秘義務が与えられているし、その報告自体が違反行為なのでは無いのだろうか??


「ダンさん、分かっているかと思いますが……」



 ほらね?? ものすっごい険しい顔でドナの事を睨みつけているし。


 しかし睨みつけられた当の彼女はフライベンさんの睨みを物ともせず。



「あん?? 何睨みつけてんのよ」


 腰に手を当て、売られた喧嘩は必ず買うといった姿勢で彼の視線を跳ね返していた。


「由緒正しき斡旋所の受付の方がこうした態度は取るとは……。ゼェイラ様のお考えが私には理解出来ませんよ」


「じゃ行って来るから!! 大人しく留守番しているんですよ――!!!!」


「うっさい!! 早く行って来い!!!!」



 フライベンさんが大きな溜息を漏らして馬車の中に入って行くので、若干不安気な表情を浮かべているドナに大袈裟に手を振って彼の後に続いた。



「――――。お迎えの時間が遅れてしまった申し訳ありません。引継ぎの業務に支障をきたしてしまいまして……」


「いえいえ。たかが数分程度の遅れは誤差程度ですよ」


 随分と座り心地の良い席に着きちょいと疲れ気味のフライベンさんにそう話す。


「おい、出してくれ」


「はっ」



 彼が御者席の騎手に指示を出すと馬車の車輪が静かに大地を食み、物凄く静かな立ち上がりで目的地へと向かって進み始めた。


 この豪華な馬車の姿が珍しいのか馬車の窓に映る人々は物珍し気な物を見つめる様な瞳で此方を見つめている。


 これだけ豪華な馬車は滅多に現れないだろうし、彼等が足を止めて眺めるのも頷けますよ。



「さて、これからの予定を説明させて頂きます」


 おっと、外の景色を眺めるのはここまでにしておきましょうかね。


「宜しくお願いします」



 心地良い光が差し込む窓から視線を外して正面に座る彼の顔へ視線を向けた。



「王宮の正面門前に到着しましたのなら門を潜り抜けて王宮内へと足を踏み入れます。ダンさん達はあくまでも訪問者としての扱いになりますので許可無く施設内を歩き回る事は禁止されていますのでご注意下さい」


 そりゃ見知らぬ一般市民が散歩気分であちらこちらへ歩きまわって居たら不味いだろうね。


「私の先導で王宮内にあるゼェイラ様の執務室へとご案内します。彼女に挨拶を済ませた後、王都守備隊が使用する兵舎並びに訓練場へ向かいます。私の案内はそこまでであり、王都守備隊と合流したのなら彼等の指示に従い行動を開始して下さいね」


「分かりました。所で俺達は第一、第二。どちらの守備隊に配属されるのでしょうか??」



 彼から御伺いした話だと部隊は大きく二つに分けられていると伺ったからね。



「説明不足でしたね。ダンさん達はグレイオス隊長が指揮する第一隊に所属します。これから約十日間。彼等と共に汗を流し、信頼を深めた後に南方へと出発します。その時の指示は改めてこちらから通達します」


 俺達はこれから十日間の間、王宮内の兵舎及び訓練場で大蜥蜴ちゃん達と共に体を鍛え。それから日程は不明だがキマイラ討伐へと向かうのか。


「了解しました。」


 大変簡単な日程で助かりますよっと。


「王都守備隊の隊員の方々はそれ相応の名のある家系出身の者達ですが……。ゼェイラ様曰く。訓練中に一切の遠慮は要らないそうです」


「ふっ……。武の世界の厳しさを教えてやるとするか」



 彼の言葉を受け取るとハンナが窓の外を眺めたまま口元を微かに緩めてしまう。



「い、いやいや。相手は一応この王都を守る者達だぜ?? ハンナが想像している様な弱さじゃないと思うけど……」


「体の奥に突き刺さる殺気、直ぐそこに死が存在する戦場。修羅場を潜り抜けてこそ初めて得られるものもある。棒切れを振り回していても強くはなれんのだ」



 いや、まぁそれは理解出来るけどさ。お坊ちゃん達をそんな危ない場所に連れて行く訳にもいかんでしょ。



「ハンナさんの仰る通りです。恐らくゼェイラ様はその事も踏まえてダンさん達を招き入れようと考えたのでしょうね」


「つまり……。キマイラ討伐と指南役を兼ねていると??」


「その通りです。現状で満足している様では強くなれません。世界の広さ、武の世界の青天井、そして死線を潜り抜けて来た本物の戦士達の実力をしってこそ初めて強くなれるのですよ」



 本物の戦士と認めて貰えて心が高揚する一方で手加減知らずの相棒が横着を働かないのか、今からでも多大なる杞憂が心に芽生えて花を咲かせようとしてしまう。


 王都守備隊の統括者さんからのお許しを得ているとしても、隊員達にとんでもねぇ攻撃を加えようとしたら即刻止めに入ってやろう……。


 喜々とした表情を浮かべて彼等に突貫して行く我が相棒の姿を思い描いていると馬車が本当に静かに停車した。



「到着しました。それでは行きましょうか」


「あ、はい。ハンナ行こうぜ」


「分かった」



 フライベンさんに従い馬車を降りると俺達を迎えてくれたのは中々御立派な石作りの階段だ。


 北大通りの終点から王宮へと続くその石段は完全完璧な直角を形成しており匠の技の技術力の高さに思わず唸ってしまう。



「では此方へ」


「え、えぇ……」



 大蜥蜴用に作られている石作りの階段は人が使用するそれと比べると若干高めに作られている。その所為か、普段よりも膝を少々高めに上げないと躓いてしまいそうだ。



「正門は閉じられておりますので脇の扉から入りますよ」


「よいしょ……。この王宮は一体いつ頃建てられたのですか?? あ、どうもお疲れ様です」


「……っ」



 まだまだ続くとても長い階段を上りつつ、要所要所で高価そうな鎧を身に纏い歩哨の任務に就いている者に軽く挨拶を送りながら彼の背に問う。


 この暑い中、鎧を身に纏っての番はさぞお辛いでしょうが頑張って下さいね。



「今現在の王宮が建てられたのは凡そ……。百年前でしょうか。現国王、フォルダード=ジゼ=ミキシオン様が改修工事に携わったのですが技術者を集めるのにそれはもう大変な苦労をしたそうです。現王妃であられるアルペリア=ミキシオン様の御助力のお陰もあり数十年以上の歳月を掛けて完成しました」



 へぇ、この国を治める国王様の存在は知っていたけど名前は初めて聞いたな。


 そしていつぞやの眉唾物の噂話によれば…………。彼等の娘、つまり王女様は呪いを掛けられているって訳ね。


 王家の家族構成を頭の中で思い浮かべているとカルリーを食した店でドナと交わした噂話の内容がふと脳裏を過って行った。



「国王様と王妃様の間に御子は生まれているのですか??」


「えぇ、レシーヌ王女が居られますよ」


「王族の方々は王宮内で仕事に追われているので??」


「申し訳ありません。彼等の安全を確保する為にそれは御教え出来ません」



 まっ、そりゃそうか。


 俺達は彼等にとって完全完璧なよそ者。王家暗殺を未然に防ぐ為に不必要な情報は教えるべきじゃありませんよね。



『呪われし姫君』



 この嘘くせぇ眉唾物の噂の真相を探ろうにも俺達の行動範囲は限られているから叶いそうにないな……。


 それから特に会話という会話を交わす事無くえっこらよっこらと階段を上り続けていると漸く頂上に辿り着いた。



「うっはぁ……。でっけぇ門だな……」



 沢山の階段を踏破して俺達を待ち構えていたのは三階建ての建物の高さを優に超える頑丈な造りの門だ。


 神話の類に登場する巨人やうちの白頭鷲ちゃんの全力の一撃を余裕で耐え抜いてみせる厚さ、門から左右に続く立派な石作りの壁はそのまま王宮をぐるりと囲む様に形勢されている。


 そして門の両脇には王門を守備せし二名の門兵の存在が確認出来た。



「「……」」



 右手に鉄製の槍を持ち、大蜥蜴の巨躯を覆い尽くす鋼の鎧を装備し、微動だにせず正面を只々見つめている。


 王門の左右の頂上にも装備を固めた門兵が守衛を務めており彼等の手には弓が握られていた。


 あの高さなら王都を一望出来て敵性対象が王宮に攻め入って来たのなら脇の鐘を鳴らして敵襲を告げるのか。


 屈強な門で敵を塞ぎ、門の向こう側から弓と矢。そして魔法で階段を上って来る敵達を屠る。


 四方八方から攻められるより一点から攻められた方が守り易いし、理に適った造りなんだな。



「初めまして!! 今日からお世話になるダンと申します!!」


 王門の脇の側の扉の前に立つ門兵に威勢よく挨拶をしてあげるが……。


「……」



 門兵から返って来たのは無言の返答のみ。


 大蜥蜴ちゃんの顔は兜に覆われてその全貌は窺えないけど、体から滲み出る雰囲気からして物凄くうざったい顔を浮かべているんだろうなぁ。



「彼等は王門を守る兵であり、任務中は指示があるまで無駄な動作をしない規則が与えられております。ここに至るまで階段脇に居た彼等も同じ規則を与えられていますよ」


「無駄な動作?? 例えば定位置を変えたり足踏みをしたりとかです??」


「軽微な動きは許容範囲ですが……。そうですね、欠伸を放ったり笑い声を放ったり。王都守備隊に相応しくない行動をすれば罰せられます」


「つまり……。彼等は決して笑わず、決してふざけた態度を取らないと??」


「その通りです」



 ほっほう!! それは良い事を聞いた!!


 王都守備隊の実力を見せて貰いましょうかね!!



「よぉ!! これでも食らいやがれ!! うんぬぅぅぅぅうううう――――ッ!!!!」



 大地に深く根を張った巨木の様に微動だにしていない門兵の兄ちゃんへ向かってダン様特製の抱腹絶倒間違い無しの変顔を披露してやった。



 さぁさぁどうだい!? 俺の変顔は万人の腹筋を崩壊させてきたんだぞ!?


 鉄壁の兜の向こう側へ顔面の筋肉という筋肉を最大稼働させた至高の変顔を送り続けていると……。



「……ッ」



 鋼の鎧が本当に微かに震え始めた。


 んぉ!! 後少しで笑いを勝ち取れるじゃあありませんか!!


 クソ真面目な門兵の牙城を崩す為に変顔第二弾の準備に取り掛かった刹那。



「行くぞ」


「いでぇっ!!!!」



 相棒が無防備な俺の後頭部を叩き、いつの間にか開かれた扉へと進んで行ってしまった。



「いっでぇな!! 頭を叩かなくてもいいだろ!?」


「くだらん事をする貴様が悪い」



 はいはい、どうせ俺は真面目なチミと違って不真面目ですよ――っと。


 今日からお世話になるんだし、これ位の軽い絡みなら別に見逃してくれてもいってのに……。


 ブツクサと文句を呟きつつ扉を潜り抜けると……。そこは俺達が住むべき場所では無いと即刻判断出来てしまう光景が広がっていた。




お疲れ様でした。


現在、後半部分の編集作業中ですので次の投稿まで今暫くお待ち下さいませ。

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