第五十話 その花、危険につき取扱いに御注意 その二
お疲れ様です。
後半部分の投稿になります。
額から零れ落ちて来る緊張の汗が瞼に差し掛かると細かな瞬きをして雫を受け流し、死人と思しき無呼吸に努めて二つ目の自爆花の種子を採取すると遅々足る所作で革袋の中に収納してやった。
要領が分からなかった始めの頃と比べて随分と慣れた手付きで採取出来る様になったが油断は禁物だ。
「……。ふぅっ」
『『『……ッ!!!!』』』
匍匐後退をしている最中に微かな吐息を漏らしただけで群生する自爆花達の蕾が一斉に震え始めてしまいましたからね。
あ、あっぶねぇ……。
もう少しで体全体が爆散する所だったぜ……。
「はぁ――……。びっくりした……」
背の低い草が生え揃う大地にピッタリと顔面を密着させて、緊張感と疲労感を含ませた吐息を吐き出してやった。
これで一応、大変甘い香りを放つ自爆花の種子を二つ採取する事に成功した。
要領を理解した作業は当初の予定通り遅滞なく行われているかと思いきや……。
指先一つの間違いで死に至る作業は大変な精神を削ってしまうので俺の予想よりも大量の時間を費やしてしまった。
太陽の位置、そして森の木々の影の位置からしてもう間も無く風が強くなる時刻に差し掛かる筈だ。
残り一つの果実の採取を優先するか、将又好条件が重なる日を待ち続けるべきか……。
その選択に悩み、地面からふと顔を上げて後方待機するハンナに視線を送ると。
「……」
俺の視線を理解した彼は無言で頷いて考えに肯定を示してくれた。
お前さんは見守るだけでいいけどよ。実行するのは俺なんだぜ??
だがまぁ……。風が本格的に強くなり始める時間にはまだ余裕がある。この日を逃したらいつやって来るかも知れないし。ここは強行するのもまた一考かもね……。
「すぅ――……。ふぅ――……」
森に漂う緑溢れる空気を吸い込み、気持ちを入れ替えると目星を付けておいた三つ目の自爆花の蕾へと向かって匍匐前進を開始した。
目標達成まで残り一つだがその一つが途方も無く遠い場所にあるように思えてしまいますよっと。
蟻の進行速度よりも更に遅い速度で最後の蕾へと向かい、そして手の届く位置に到着すると心を入れ替えて早速作業に取り掛かった。
外側の葉を時計回りの順で捲って剥し、次に現れた内側の葉は反時計回りの順で。
死と隣り合わせの作業だが、三度目ともなると指と体が作業を覚えているので滞りなく進んで行く。
微かに指先が震え始めたのなら一旦作業を停止させて待機。
恐怖と緊張に塗れた吐息が目立ち始めたのならその場から決して動かず、新鮮な空気を体内に取り込んで籠った熱を逃す。
身動きの取れない木偶の人形も思わず、ほぅっ……。と唸ってしまう矮小な動きを続けていると三つ目の種子が漸く御目見えした。
ふ、ふぅっ!! これでやっと三つ目か。
焦って爆散させたら元も子もないし、千里の道も一歩よりと言われている様に遅々足る所作で小さな積み重ねを続けていきますか……。
四本の指で慎重に自爆花の種子を掴み右肘を地面に付けたまま、左腕をふわぁっと浮かせて種子を捻り始めると聞き慣れない環境音が右の鼓膜に届いた。
うん?? ハンナが移動したのか??
この状態で無暗に動くと瞬時に死神さんが。
『ちわぁ――っす。お迎えにあがりやした――』
空高い位置から顔見知りの御用聞きの台詞を吐きながら舞い降りて来ますので、目玉の動きだけで右の森へと視線を送った刹那。
「……」
今まで見た事が無い野生動物が森の茂みからひょっこりと現れ、俺と自爆花へ興味津々といった感じで交互に視線を送り続けている姿を捉えてしまった。
な、な、何!? あの動物は!!
顔は鹿の様な面長で、スラっとした顔に比べて体はずんぐりむっくりと太っている。
分厚い茶色の毛が体全身を包み、丸っこい体に不釣り合いな逞しい四本足。
黒く円らな瞳はどこか愛嬌があり恐らく体高は俺の腰より高い位だろう。
多分……。
というか、突如として出現したあの動物はドナ達と赴いた肉屋さんで食したピッディと呼称される野生動物でしょう。
ものの見事に聞かされた特徴と一致していますし。
だが今はアイツの名前等どうでもいい。
「……??」
大問題なのは興味津々で此方の様子を窺っている事なのです!!
何で逃げていかねぇんだよ……。普通の野生動物は見慣れない他の動物を見付けると離れて行くのが常識なんだろ!?!?
動こうにも動けないジレンマに苛まれ、森と開けた空間の狭間で佇んでいるピッディに視線を送り続けていたが……。
どうやら俺の常識はここでも通用しないみたいですね。
「……っ」
ピッディが俺の方へ向かって大変ゆぅぅっくりとした歩みで向って来るのですから!!
う、うっそだろ!? 何でこっちに近付いて来るんだよ!!
お願いだから何処かへ行けと心の中で叫んでもピッディは俺の心の声を完全に無視。
優雅な散歩気分で俺の足元に到着すると、太腿の裏辺りの匂いを嗅ぎ始めてしまった。
「ッ!?」
肌に届く服越しの生温かい鼻息が猛烈にこそばゆい!!
スンスンっと俺の匂いを嗅ぐ度に何とも言えない感触が太腿の裏筋を襲い、全身の肌が一斉に泡立ってしまう。
『!!!!』
そして、この異変を即刻探知した自爆花が微かに震え始めた。
や、やめてぇ!! 後で一杯よしよししてあげるから今だけは離れて!!!!
四本の指で種子を掴んだまま一切の身動きが取れずにいると、俺の想いが通じたのか。
「ブフゥン……」
ピッディが満足気に鼻息を漏らすと太腿から鼻を放してくれた。
は、はぁ――……。漸く満足してくれたのかよ。
俺の匂いが好きって女の子は沢山いるからこの子も雌なのかもね。
俯せの状態の俺の股の間を進んで行き、そのまま何処かへ向かうかと思いきや。
「……っ??」
何を考えたのか知らんが、俺の臀部に顔を近付けて来るではありませんか!!
ちょっ、何で立ち止まったの!?
ピッディは完全な死角に居る為、その表情は窺い知れぬが雰囲気からして興味が惹かれる物を見付けてしまったのだろう。
獣臭い息を撒き散らしながら俺のお尻ちゃんにちょこんと鼻頭を当てると再び匂いを嗅ぎ始めてしまった。
「フンフンッ……」
「――――。くっ」
臀部の割れ目に届いた生温かい吐息のくすっぐたさに耐え切れず矮小な鼻息を漏らすと。
『五月蠅いぞ!!』
自爆花達の機嫌が猛烈に傾いてはイケナイ方向へ傾いてしまった。
や、止めて!! お尻の間に生温かい吐息を吹きかけないで!!!!
この緊急事態を捉えたハンナが直ぐにでも縄を引ける様に力を籠めたのか、腰に感じる強さが刻一刻と高まって行く。
た、頼むぜぇぇ。相棒……。
俺が可笑しな嬌声を上げる前に縄を引っ張って救助してくれよ??
無慈悲に与えられる猛烈なくすぐったさに耐える為。
種子の採取まで残り三十度捻る位置に留まってしまいそこから動けずにいた。
「フゥゥ――ン……。ムホゥ??」
俺の尻の匂いを満足気に嗅ぎ終えたピッディが鼻を離すと大変肝が冷える声色を放つ。
い、いやいや。何に気付いたの??
「スンスン……。フモッ」
「――――。ン゛ッ」
な、な、何でよりにもよってそこに鼻を密着させるのかね!! 君は!!!!
子孫繁栄の為に雄の人間に備わっている大変大切な臓器に生温かい感触が広がった刹那に思わず声を漏らしてしまう。
『『『ひ、昼間なのに卑猥だっ!!!!』』』
そう言わんばかりに俺の堪える声を捉えた自爆花達が今まで見た事が無い振れ幅を見せてしまった。
そ、そこは駄目ぇ!! 健康な男の子だったら親切丁寧に刺激を与えられたら声の一つや二つは出ちゃうの!!
神が与えてくれた生命の神秘がたぁくさん詰まっている二つの袋の裏筋に与えられる無慈悲な攻撃に耐えつつ、本当にゆるりとした所作で種子を捻り始める。
卑猥でイカレた声を出さないのも、そして動かないでいるのも限界に近い……。
獣に対して変な趣味を持っていると相棒に勘違いされても困りますし、俺の気色悪い淫靡な声によってこの一帯が吹き飛ぶ前に是が非でも最後の種子を採取し終えないと……。
二つの宝石箱の裏筋に背筋が泡立つ生々しい感触を浴びながら最終作業を開始。採取まで残り数度の位置まで捻り終えると。
「ンモッ」
「――――。ャンッ」
横着なピッディちゃんが生温かい鼻息を吹きかけるだけでは飽き足らず、厭らしい唾液を纏わせた舌で宝石箱の裏側に生温かい刺激を与えてくるではありませんか!!
『『『はい!! 刑の執行まで後少しですっ!!!!』』』
淫靡な雰囲気を敏感に捉えた自爆花達が洒落にならない振れ幅を見せ、これ以上の狼藉は決して見逃せないと俺に教えてくれた。
尻と尻の間に無理矢理獣臭い鼻頭を捻じ込まれ、剰え大切な二つの宝石箱の裏筋にピチャピチャと卑猥な音を奏でつつ無慈悲な攻撃を与え続けられてしまう。
こ、これで声を出さない奴は居ないってぇ!!!!
「フッモ。フフッッモッ」
「ンァッ……。ハァッ。ンッ……」
『『『ッ!!!!!』』』
自分でも滅茶苦茶気持ち悪いなぁっと思える堪えた喘ぎ声を放つとほぼ無風な状態なのにも関わらず眼前で有り得ない動きを見せる自爆花達が間も無く俺に死が訪れると教えてくれる。
こ、堪えろよぉぉおお……。ここで手を離したら、そして強烈な喘ぎ声を放ったら即刻向こうの世界に旅立っちまうからな。
何処かに居る神様へ……。お願いだから俺の二つの宝箱に夢中なピッディを何処か遠い場所へ送って頂けませんかね??
羞恥と恐怖。
その両方の意味に捉えられる涙を零しながら存在しない神様へ慎ましい願いを届けた。
『うふふ。偶には話を聞いてあげてもいいかなっ』
「フモォ……」
俺の願いが気紛れな神様に届いたのか、将又ピッディが宝箱の匂いと感触を満喫したのか知らんが漸く宝箱の裏筋に与えられる無慈悲な攻撃が止んだ。
し、しめた!! 今の内に種子を外しちまおう!!!!
左肘を勢い良く天に向け、左右の指を器用に捻って種子を外した刹那。
「フモゥ!!!!」
天からの雷撃が二つの宝箱の裏側に直撃した!!
「いっっでぇぇええええ――――!!!!」
遅れてやって来るあの得も言われぬ激痛に耐え切れず思わず大声を放ってしまった。
何で急に逞しい蹄で踏んづけて来るの!? 中々構って貰えないから怒っちゃったのかな!?
『もう!! ちょっとは振り向いてよね!!』
ほら、二人きりで室内にいても中々構って貰えないと不機嫌になる女の子が居るでしょ??
多分それと同じでぇ……。
プンスカと憤る幻の女の子の可愛く怒る姿を想像したのも束の間。
『『『もう五月蠅い!! 我慢の限界だぁぁああ――――!!!!』』』
目の前で群生する自爆花の蕾が激しい振動を開始して蕾の部分が真っ赤に明滅する姿を捉えるとほぼ同時に口を開いた。
「ハ、ハンナァァアアアアア――――――ッ!!!!」
お、お願いします!! この絶体絶命の死地から俺を救出してくれぇぇええ――!!
「分かっている!!」
「うぉっ!?」
「ブモゥ!?」
相棒の強烈な腕力によって俺の体が縄に引かれるとその勢いに驚いたピッディが森の中へと走り去り。
それから微かに遅れて…………。遂にその時がやって来た。
『『『ッ!!!!』』』
視界が白一色に染まってしまう光量が放たれた後、鼻の粘膜が焼け焦げてしまう熱波が周囲一帯に広がる。
それから鼓膜が破壊し尽くされてしまう様な超強烈な爆音が奏でられ、俺の体は相棒の力によるものなのかそれとも爆風の力の所為なのか。
或いは両方の合力によって森の中を有り得ない角度で爆進して行った。
「ギィィヤァァアアアアアア――――ッ!!!!」
「うぐっ!?」
恐らく相棒の体に爆風によって吹き飛ばされた俺の体が直撃したのだろう。
妙に硬い肉が熱波と爆風によって吹き飛ばされている俺を受け止めるも、それでも尚勢いは止まる事無く。
俺達はいつまでも仲良くあつぅい抱擁を交わしながら肌を焦がす熱量を帯びた特濃な煙が漂う森の中を転がり続けて行ったのだった。
おまけ。
夥しい量の書類を一箇所に纏め終えると額に浮かぶ鬱陶しい汗を拭い、絶妙に座り易い椅子の背もたれに体を預けて長々と息を吐いた。
「ふぅ――……。これで一段落ね」
今日も朝一番からゴツゴツした大蜥蜴が大量に押し寄せて来て疲れちゃったわよ……。
それを相手にするのが私達の仕事。
それは重々理解しているけど、もう少し慎ましい量の仕事を所望したいわね。
「ふふ、なぁに?? ドナ。疲れた声を出しちゃって」
「え?? あぁ、もう直ぐ昼休みだからちょっと早いけど気を抜いたのよ」
左隣で粛々と己の仕事をこなしながら声を掛けて来たレストにそう話してやる。
勿論これは嘘。
本当はダン達が中々帰って来ない事にヤキモキしているのだ。
私が危険だから止めておけって言ったのにも関わらず、大丈夫だって大見え切って依頼に出掛けたのはいいけどさぁ……。
何の音沙汰も無く数日間が経過。
少しでも間違えたら命を落としかねない依頼に向かった彼等の身が本当に心配なのだっ。
自爆花が自生している森はここから離れた位置にあるってのは知っているけど危険な依頼だから進捗具合というか……。一度帰還して報告する義務があると思うのよね。
それなのにあのちゃらんぽらんな男はその義務を放置して数日もの間、私をヤキモキさせている。
請負人であるダン達にはべ、別に一々報告する義務は全く無いけどぉ。ほら、友人達には少し位元気な顔を見せるべきだと思うのよ。
うん、私の考えは間違っていないわねっ!!
無事に帰って来たらもう直ぐ王誕祭だし、このヤキモキ感の責任を取らせる為にも奴の財布を空っぽにしてやろう。
ふふふ――。光栄に思い賜え、請負人ダンよ。
私と一緒にお出掛け出来てしかも!! お腹一杯にさせてくれる殿方は稀なのよ??
少し先の楽しい未来予想図を頭の中で思い描き、負の感情を陽性な感情に上書きしていると。
「――――。ダン達、帰りが遅いもんね」
「ふぇっ!?」
私の心を見抜いた発言が放たれると思わず椅子からずり落ちてしまいそうになった。
「ち、違うわよ!! 私は別に心配なんてしていないしっ!! 私が危ないって言ったのに向かって行ったアイツが悪いんだもん!!」
「ふふ、直ぐにそうやって噛みつく所が怪しいなっ」
口角をキュっと上げて揶揄う笑みを私に向ける。
うっわ、その笑顔滅茶苦茶可愛いわね。
「その笑みで何人の男を騙して来たのよ」
「失礼ね。これは仕事でしか使わない笑みですぅ」
ほほぅ?? 言いましたな??
「じゃあさぁ――。なぁんでハンナさんにだけ!! その可愛い笑みを送るのからしらぁ??」
さぁどうです?? 揶揄い返しを食らった気分はぁ??
同じ女であるから分かるのよねぇ――。
ダン達が依頼を請け負いに来ると微妙に感情が上向いて、しかも彼等……。じゃなくて、彼と話している時だけその笑みを浮かべているし。
「あっれ?? 使っていたかなぁ――?? ドナの気の所為じゃないの」
こ、このインチキラタトスクめ!!
「そういう所、直した方が良いと思うわよ!!」
堪らず椅子から立ち上がりレストの後方から襲い掛かってやった。
「キャハハ!! こ、こらぁ!! 勝手に触らないの!!」
「うりうり――!! いいじゃないか!! 利用者は誰もいないんだしっ!!」
第一部終了時刻に差し掛かり、ガランとした広い室内にレストの笑い声と。
「あぁ――……。仕事が終わらないぃぃ……」
ミミュンの辟易した声が乱反射する。
相反する感情の声が暫くの間静かな室内に響き、彼女の胸を堪能していた両手がちょっと疲れて来たので致し方なく放してやった。
「ふぅむ……。指が満足したから今日はこの辺にしてあげるわ」
「はぁっ……。はぁっ……。そりゃど――も」
今の手の感触からして、レストの奴……。育ちおったな??
ほら、女の子は秘めたる恋をすると成長するって言うし??
「でもハンナさんって彼女居るよね??」
確かダンが生まれ故郷に残して来たって言ってたよね。
「だから、私は別にそういう目でハンナさんを見ていないって」
こ、こいつはこれだけ酷く虐められても白を切るつもりなのね!!!!
「いい加減に認めなさいよね!! 私は禁断の淡い心を胸に抱いてぇ……」
私が再び嘘つきラタトスクに襲い掛かろうとした刹那。
「「「……ッ!?」」」
何処からともなくお腹の奥にズンっと響く重低音が轟いた。
「ね、ねぇ。今の音って……」
「ま、まさかね……」
本日の空模様は雷雲漂う怪しい空色でも無いし、私達は以前今聞こえた雷鳴の様に轟く重低音とほぼ同じ音を聞いた事がある。
晴天の日に雷様が御怒りの声を放った理由は只一つ。
そう、かなり離れた位置にある森から発生したと結論付けられるのだ。
「「……ッ」」
私とレストは今の強烈な音がもう一度鳴らないのか息を顰めて待っていたが。
「ダンさん達、失敗しちゃったのかなっ」
ミミュンがこの場に沿わない不謹慎な言葉を剽軽な口調で発して場の雰囲気を破壊し尽くしてしまった。
「ちょ、ちょっと!! 縁起でもない言葉を使わないでよね!!」
「そ、そうよ。私達の聞き間違いかも知れないし」
「いやいや。私達耳が良いじゃん。ほら、ピコピコって動くしっ」
ミミュンがラタトスクの姿に変わると頭から生えた二つの獣耳を器用に動かす。
「こら、仕事中は魔物の姿に変わっちゃ駄目って言ったでしょ??」
「あっ、えへへ。ごめんなさい」
レストの言葉を受け取ると人の姿に変わり、再び残務処理へと取り掛かった。
今の音は聞き間違いじゃないって分かってるけど……。ダン達なら大丈夫だよね??
きっと無事でいるよね??
漸く休憩時間に突入したものの。私達三名を取り巻く空気は重苦しいもので……。
「あはっ。今日はこのパンを選んで正解だねっ!!」
基。
一名のお馬鹿さんを除いて二人を取り巻く空気は重く。
ミミュンの前に置かれているパンが次々と彼女の胃袋の中に消えて行くのに対し、私達の前に置かれているパンは彼女の数倍以上の遅さでその姿を消したのだった。
お疲れ様でした。
おまけ部分を執筆していたら深夜の投稿になってしまいました。
次話からは少し日常パートが続き、その後に再び依頼を受ける事になるのですが……。彼等が請け負う依頼は次々と難易度と危険度が上がっていくとでも申しましょうか。
どんな依頼なのかはネタバレになるので言えませんが次の依頼も危険が伴うモノとなりますね。
そして、読者様達には是非とも彼等と共に楽しい危険を堪能して頂ければ幸いかと考えております。
さて、本日も大変暑い一日でしたが皆様の体調は如何でしょうか??
私の場合は……。まぁ正直余り宜しいとは言えませんね。
夏バテ特有の倦怠感が付き纏っていますので。
それを打ち払うべく、明日のお昼ご飯は再びチキンカツカレーを食べに行きます!!!!
がっつり食べて夏を乗り切ってやろうという浅はかな作戦ですが冷たい物ばかり食べているよりかはましでしょう!!
読者様達も体調管理には気を付けて下さいね??
それでは皆様、お休みなさいませ。