表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も今日とて、隣のコイツが腹を空かせて。皆を困らせています!!   作者: 土竜交趾
過去編 ~素敵な世界に一時の終止符を~
862/1227

第三十三話 最後の一矢

お疲れ様です。


本日の投稿になります。




 枯渇寸前の体力が足の動きを鈍らせ、口の中が異様に乾き今直ぐに水分を補給しなければ貴様は力尽きて骸と化してしまうであろうと頭と体が強烈な警告を促す。


 その指示に馬鹿正直に従い肌を刺す熱気が籠る渓谷内で横たわればどれだけ楽か。


 背にヒシヒシと感じる恐ろしい圧から逃れられればどれだけ安心出来るか。


 甘い考えを実行させようとする頭の命令を一切合切無視して痛む四肢に鞭を放ち、苦難の果てに辿り着く勝利の頂へ向かって前進した。



「はぁっ……。はぁっ……」



 血の味がする妙に硬い唾液を喉の奥へと送り込み、彼方に見える勝利の要因へ歩みを進める。



「「グルァァアアアア――――ッ!!!!」」


「シェファ!! 動きが散漫だぞ!!」


 相棒が剣に風を纏い正面から襲い掛かる風刃の息を受け流し。


「五月蠅い!! ハンナだっていつもより動きが遅いっ!!」


 シェファが渾身の力を籠めて魔力を解き放ち、眩い光を放つ魔法陣が大地に浮かぶと風が吹き荒れて毒の息を青き空へと運ぶ。


 彼等は残り僅かになった体力を惜し気も無く振り絞り、文字通り死力を尽くして勝利へと続く道を進んでいる。



 勝つ為には痛い、疲れた等泣き言を言っていられない。


 そして奴を滅却する為には全力じゃ足りない、それを優に上回る渾身の力を惜しみなく出さなければいけない。


 その事を誰よりも理解している彼等は闘志溢れる烈火の炎を瞳に宿し、俺の帰りを信じて正面から襲い来る脅威に抗い続けていた。



 血を、汗を流して戦う後ろ姿が俺の闘志を何処まででも燃えさせてくれるさ!! ここで立ち止まってはいられねぇよな!!


 ハンナ達の闘志を背に受けて疲労困憊の足を加速させ。



「はぁっ……。はぁっ……。や、やっと到着した!!」



 息を切らし、大きく肩を揺らしながら呼吸を整えて愛しの酒樽ちゃんに手を掛けた。



 しっかし……。よくもまぁ引火せずに残っていたよな。


 白熱熱線が放たれた刹那に烏一族が結界を張って軍鶏一族、そして火食鳥一族を守ってくれたけど。その余波を受け取って爆散してもおかしくない筈なのに。



 幸運の女神様はちぃ――っともお願いを聞いてくれないし。


 恐らく幸運以外の力を宿す神々が俺の日頃の行いを汲んでこの僥倖を用意してくれたのでしょう!!



 密封しているのにも関わらず強い酒の匂いを撒き散らす霊験あらたかな酒樽に手を掛けると。



「ダ、ダン。その樽をどうするつもりだ??」


「ベルナルドさん!! 大丈夫かよ!!!!」



 全身煤に塗れて至る所から出血が目立つ彼がほぼ直角に曲がる渓谷の死角から現れて息も絶え絶えに俺を見つめた。



「あぁ……。烏一族の結界が白熱熱線の直撃を防いでくれたお陰でこっちの部隊に死者は出ていない。だが……。全員があのふざけた衝撃によって負傷してしまった」


「そ、そっか!! 命があって何よりだ!! 今からこの酒樽を……。よいしょぉ!! アイツに向かって投擲してやるのさ!!」



 大人一人分程度の質量を誇る酒樽を肩に担ぎ、無理矢理笑顔を作ってやる。



「ほ、ほぉ……。残る首は二本か……。最後まで戦いに参加したかったがそれは叶わぬ様だ」


「無理しなくていいって!! そこで決着を見届けてくれ!!!!」


「ふっ、そうしようか」



 彼がそう話すと出血が目立つ右肩を抑え、崖に背を預けて弱々しい笑みを浮かべた。



「じゃあ……。決着ケリを付けてくるぜ」


「うむ。武運を祈るぞ……」



 彼に小さく頷くと死闘を繰り広げている戦場へと再び足を向けた。



 つ、強がりを言ってみたけどよぉ……。や、やっぱりこの重さは本当に堪えるな……。


 己自身の体と酒樽によって増えた総重量を支える大腿筋がケラケラと笑い、両腕が有り得ない程に震え始め少しでも気を抜けば酒樽を落としてしまいそうだ。



「ぬぬぬぅぅ……。うぎぃぃいいい!!!!」



 苦しいのは今だけ。コイツを奴に食らわせれば超きゃわいい子ちゃん達が俺に祝福のあつぅい接吻をしてくれる。


 自分を取り囲む桃源郷の様な幻を頭の中で思い浮かべて疲労と痛みを誤魔化し、拙い足取りだが一歩一歩確実に死地へと進んで行く。



 例えこの一歩が小さくとも、勝利が待つ頂に繋がる階段を昇って行けば自ずと勝利を掴み取れるのさ。


 そう考えるとち、ちっとも辛くないぜ!!


 限界の更に上に存在する超限界を超えた疲労度により体中から大量の汗が流れ出るが、美女達と共に美酒に酔いしれる素敵な未来予想図を力に変えて進んで行くと。



「ゴルゥゥアアアア――――ッ!!!!」


「「うぐっ!?」」



 これまであの恐ろしい化け物に対して必死に抗っていた二人だが……。二つ首が出鱈目に放射した氷結の息が遂に両者の足を捉えてしまった。



「ハンナ!! シェファ!! そこから早く動いて逃げろ!!!!」



 氷結の余波を受けて足元が凍り付き絶死地帯から身動きが取れない二人の背へ向かって叫ぶ。



「くっ!! 分かっている!!」


「動こうにも足が……っ!!!!」



 あの場所は不味い!!


 二つ首の胴体は今尚大量の瓦礫に埋もれており、馬鹿げた威力の息の連発とこれまで受けて来た攻撃によってアホみたいにあった体力に陰りが見えて来た以上。あそこから攻撃範囲は広がる事は無いのだが……。


 二人が蹲る場所は毒の息が届く範囲に留まっている。


 シェファが先程放った風の魔法を詠唱すれば毒の息は防げるのだが彼女の疲弊した様子ではそれは恐らく叶わないであろう。


 更に続け様に氷結の息が襲い掛かって来る恐れもある!!


 こ、こうしちゃいられねぇ!!



「ぬぅぅおおおお――――ッ!!!! クソッタレぇぇえええ――――ッ!!!!」


「「ダンッ!?」」



 本当に最終最後の体力と気合を振り絞ると酒樽を肩に担いだまま足の氷を懸命に剥している二人の間をちょいとかっこ悪い走り方で通過。



「おらぁぁああ!! 大好きな酒樽をお持ちしましたよ――!!」



 大小様々な岩が転がる乾いた大地の上に酒樽を置き、奥歯を食いしばって踵を返すと地面の上で燻ぶり続けている火矢を手に取った。



「テメェの二つの首……。貰い受けるぞ!!」



 あの距離で酒樽を爆散させたのならある程度の装甲を剥せる筈!!


 体内から爆散させるのが最善だが今は四の五の言ってられねぇんだよ!!



「すぅ――……。ふぅ――……」



 震える左手で酒樽に照準を定めて万力を籠めて弦を引くが、どうやら今回も幸運の女神様は俺からそっぽを向いてしまった様だ。



「ゥゥ――――ッ!! アァァアアアア――――!!!!」


 ドス黒い血に塗れた一つの頭が苦しそうに口を開くと氷結の息を俺に向かって放射。


「う、うっそだろ!? どわぁああああ――――ッ!?!?」



 真冬の凍てつく吹雪を連想させる冷涼な攻撃を咄嗟に横に飛んで躱したものの。


 折角爆発の有効範囲まで死力を尽くして運んで来た酒樽が氷結の息の余波を受けて俺達のずぅっと後方まで楽しそうにコロコロと転がって行ってしまった。



 ち、畜生!! 何で思い通りにいかねぇんだよ!!


 偶には頭の中で思い描いた通りに事が進んでもいいんじゃないの!?



「う、うぐぐ……」



 大人の拳程度の大きさの氷柱が右足に突き刺さり服の裂け目からかなりの出血が確認出来る。



「「くっ……」」



 そして俺の後方で控える二人の戦士も体勢を立て直すのにはかなりの時間を要する様だ。


 乾坤一擲となる手段を失った今、俺達には当然非情な運命が襲い掛かる。



「「クゥゥオオオオオ――……」」


「は、ははっ。当然、そう来るよな……」



 二つ首の口から白い冷気が零れ、更にもう一つの口からは背筋が凍る紫色の息が零れ始めてしまった。



 満足に足が動かせぬ以上、あの二つの息を避ける事は叶わない。


 例え両腕で氷結の息を受け止められたとしても続く毒の息が体を蝕み死へと至るだろう。


 恥も外聞もかなぐり捨てて脱兎の如く逃げ遂せれば楽なんだけども、生憎この足じゃあねぇ……。



「……っ」



 大きな氷柱が美味しそうに俺の足を食み続ける様を見下ろすと絶望感よりも異常な苛立ちが心の中に渦巻き始めた。



 あのふざけた息を受け止めようとするのは勘違い。仲間を置いて逃げ出すのは論外。


 そして仲間を置いて逃げ出そうとする情けない考えは当然却下ッ!!


 死が恐ろしい?? そりゃ結構!! 誰だって生の輝きを失うのは怖いさ!!


 最も恐ろしいのは戦う事を諦める事なんだよ!!



「ふぅ――……。この一矢に全てを懸ける……」



 二つ首から放たれる強烈な圧が全身の肌から五臓六腑にヒシヒシと伝わり、胸の奥の心臓に多大なる影響を与えてしまう。


 毎秒数回を超える拍動の数が異常事態を如実に表し、頭は今直ぐにそこから立ち去れと叫び続けている。


 だが、それでも俺はこの場に留まり奴が口を開く瞬間を狙っていた。



 火炎の息を吐いても体内から爆散しなかったのは恐らく、酒が溜まっている胃と別の場所から攻撃が放たれた可能性が高い。


 その原理は理解出来ねぇけど、直接喉の奥にこの火矢をぶち込めば誘爆を引き出せるかも知れねぇからな。



 絶対に……。絶対に外すなよ??



「す――……。ふ、ふぅっ……」



 これが人生最後になるかも知れない大きな呼吸をすると、乾いた大地に静かに左膝を着けて波打つ心を鎮める。


 落ち着け……。心に澄んだ水面を映すんだ……。


 心は静かに、されど拳は猛火を越える熱量を宿す!!!!



「ダン!! 何をやっている!! そこから逃げろ!!」


 はは、悪いねっ。それは出来ない注文さ。


「馬鹿っ!! 早くそこから離れなさい!!!!」


 悪戯好きの大鷲ちゃんめ。そんな悲壮感溢れる声で叫ばなくても結構。



 俺は……。いいや、俺達は必ず勝つんだからさ。



「さぁ――……。掛かって来やがれ、クソ野郎」



 怯え、恐れ、畏怖。


 全ての負の感情を吐き捨てて勇気と闘志で体内を満たすと。



「「グゥゥゥ……。ォォォォオオオオアアアア――――ッ!!!!」」



 二つ首の瞳の中に漆黒の憎悪の炎が宿り心鎮めて構え続けている俺に狙いを定めた。



 奴の体から放たれる異様な圧が大地を揺らし、刻一刻と高まっていく憎悪が空気を震えさせる。


 あ、あはは。流石だ。


 ここが勝負所だってアイツも理解しているのね。


 だけど!!!! お生憎様!! 俺達が生き残り、テメェは再び漆黒の闇へと堕ちるんだよ!!



「さぁ撃って来い!! 俺はここに居るぞ!!!!」


「「グォォオオオオ――――ッ!!!!」」


 渾身の雄叫びを放ち、もう間も無く巨大な口が開かれようとした刹那。



























































「あははは――――!! ねぇねぇ!! 皆何しているの――!?!?」



 こ、この超阿保っぽい叫び声は!!!!


 二つ首から刹那に視線を外して後方へ向けると、とんでもねぇ量の砂塵を舞い上げながら俺達の方へ向かって爆走し続ける駝鳥の姿を捉えた。



 お、おいおい!! なんという僥倖だよ!!


 アイツ、この大陸を走り回ってて偶然ここに辿り着いちゃったの!?


 あはは!! 全く……。幸運の女神様ってのは本当に気紛れで困るぜ!!!!




「テュピッド――――――!!!! その酒樽をあの黒い首へ目掛けて蹴り上げろ――――!!!!」



 喉が潰れても構わない勢いで猪突猛進を越える走行を続ける駝鳥へ叫ぶ。


 頼む!! これ位くらいの指示は理解してくれよ!?



「あ、これ?? いいよ――!! せぇぇいいっ!!!!」



 阿保の駝鳥ちゃんが勢い良く酒樽を蹴り飛ばすと美しい軌跡を描いて宙を舞う。



 い、いいんじゃないの!? そのまま二つ首の直上まで飛んで行け!!


 綺麗な放物線を描いて宙を飛翔する酒樽に照準を合わせていたが……。



「ば、馬鹿野郎――――!! 強く蹴り過ぎなんだよ!!!!」



 起死回生となる酒樽ちゃんは非情にも二つ首の遥か上方で放物線を描いて奴の後方へと飛び去って行こうとしていた。



「あちゃぁ――。飛び過ぎちゃったねっ!!」



 ち、畜生!! あの距離だと大した効果を与えられ無いし!!


 ど、どうする!? 酒樽に火矢を放って爆発させるかそれとも……。



「「コォォォ――……ッ!!!!」」」



 もう間も無く開く口目掛けて矢を射るか!?


 二つ首の頭上を通過しようとしている酒樽。そして決着を付けようとして開かれようとしている二つの口。


 二つの標的の取捨選択に迷い続け猛烈な速さで二つの行動が行き着く結末を計算していると。



 真の女神が戦場に降り立った。



「――――。ダンさんっ!! 後はお願いします!!!!」



 二つ首の後方からイロン先生が空へと舞い上がり、今も宙に美しい放物線を描いている酒樽を奴の真正面へと向かって蹴り飛ばしてくれた!!



 あ、あはは!! さっすがイロン先生!! 頼りになるぅ!!!!



「すぅ――……。ふぅっ」



 頭の中を空っぽにして、折り返してやって来る酒樽に照準を合わせた。


 何も考えるな。あの酒樽を穿つ事だけに全神経を集中させろ……。



「「グルゥゥゥウウ……。アアアアアアア――――ッ!!!!」」



 二つ首の巨大な口が開かれて氷結の息と毒の息が俺に狙いを定める。


 それとほぼ同時に……。


 勝利を呼び込む酒樽が奴の顔面とピタリと重なった。




「――――――。あばよ、クソ野郎。俺達の……。勝ちだ」




 この戦場で生き永らえている者達の祈り、武運、願いを乗せた火矢を放つ。



 幾つもの想いが籠った火矢が俺の思い描いた通りの軌跡を描いて飛翔すると酒樽に着弾。


 それと同時に鼓膜をつんざく途轍もない爆音が生じ、更に目も開けていられない爆発が発生した!!



「どぉぉおおお!?!?」



 押し寄せる熱波が網膜を焦がし、襲い掛かる熱量から身を守る為咄嗟に右腕で顔を庇う。


 ば、爆発させたのはいいけど!! ど、どうなっ……。



「あ、う、うん……。やっぱりそうなるよねぇ……」



「「カ、クク……。クゥォォッ……」」



 酒樽から発生した爆炎が二つ首の喉元に直撃すると、喉の奥が有り得ない程大きく膨らみ。


 続け様に喉の奥へとその膨らみが続いて行く。


 ちゅ、ちゅまり……。あの膨らみはぁ、たぁぁっぷりのお酒が溜まっているお腹ちゃんへと続いて行く訳なのよねっ。


 酒樽一個で今の破壊力なんだからぁ……。それが九個分ともなるときっと素晴らしい爆発を見せてくれるのよ。



「う、うぉぉおおおお――――!!!!」



 その場で弓を捨てると人生の中で一、二を争う勢いで両腕振って安全安心が待つであろう後方へと走り始めた。



 や、ヤバイヤバイ!!!! 俺が安全地帯に辿り着くまで爆発は延期して下さ――――いっ!!


 今も美味しそうに俺の足をアムアムと咀嚼する氷柱から途轍もない痛みが生じるがそれを一切合切無視。


 そして何処かにいるであろう都合の良い神様に祈りを届けるが。



『その願いは却下だ』



 相も変わらずけち臭い神様はプッツリと俺の願いを下げてしまい、そして遂にその時が訪れてしまった。



「「ウ、ウゥ……。ギィィヤァァアアアアアアア――――ッ!?!?」」



 後方から二つ首の最後の断末魔が放たれると首を傾げたくなる熱波と衝撃波が背を襲いやがった!!!!



「うべらっ!?!?」



 海老反り状態で進行方向に弾き飛ばされると坂を転げ落ちるダンゴ虫の様に面白い回転数と、有り得ない加速度で地面の上を転がり続けてしまう。


 地面の上に存在する尖った石が体に突き刺さり、誰かさんが外して寂しそうに転がっている矢が足のお肉ちゃんを美味しそうに食む。


 呆れた回転が続けば続く程俺の体は全然笑えない酷い状況へと追いやられてしまった。



 や、やばい……。い、意識が……。



 体に降り注ぐいつまでも止まる事を知らない粘度の高い深紅の液体が徐々に速度を弱まらせ、そして猛烈に血生臭い不快な臭いが意識を混濁させてしまう。


 ボロボロの体が漸く停止した頃には俺の意識は燃え尽きる蝋燭の火よりも儚いものであった。



 震える体を懸命に動かして超絶重たい瞼を開いて奴の姿を確認すると。



「へ、へへっ……。派手に飛び散りやがったな……」


「「グギギィィ……」」



 瓦礫に埋もれた巨躯の先に生えていた二つの首は地面の上で無意味にのたうち回り、各首からは夥しい量の出血が上空へと吹き上がり戦場に深紅の雨を降らしていた。


 そして本体から溢れ出る出血が徐々に収まり始めると。



『『『ォォォォオオ…………』』』



 地獄の底から轟く亡者の怨嗟の声が戦場に静かに響き、奴の巨体が朧に揺らぎ始めるとその姿が崩壊していく。



 ざ、ざまあみやがれ……。テメェの最大の敗因は俺達に歯向かったからさ……。


 これから数百年もの間、光さえ届かぬ漆黒の闇の中で激しい後悔と悔恨を胸に抱いて苦しみ悶え続けやがれ……。



 渓谷内で徐々に崩れ行く漆黒の影を見届けるとそっと静かに瞳を閉じ、漸く訪れてくれた真の安寧に身を委ねたのだった。



お疲れ様でした。


日付が変わる位の時間に投稿しようと考えていたのですが、光る画面ちゃんが急に不機嫌になりまして……。


そう、突如としてやってくる更新ですよ。


いつまで経っても動きが遅いままで相当ストレスが溜まってしまいました。


物凄く古いノートパソコンなのでそろそろ買い替えの時期がやって来たのかなぁっと思った次第であります。



さて、この御話をもって五つ首との戦いは終わりを告げます。数話挟んだ後、新たなる大陸へ旅立つ事になるのですがそのプロットが全然進んでいません。


南の大陸の冒険は 『砂と大蜥蜴の王国編』 とでも呼称しましょうか。大まかなあらすじは頭の中に入っているのですが細かな点。


例えば登場人物のフルネームですとか、三百年後とどう絡んで来るのかとか。例を挙げ始めたら枚挙に暇がないのです。


愚痴を零しても話は出来ませんので頑張ってプロットを執筆しますね。




それでは皆様、お休みなさいませ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ