第九話 禽鳥の国 その二
お疲れ様です。
週末の深夜にそっと投稿を添えさせて頂きます。
お日様が元気良く笑みを浮かべる昼間だってのに妙に暗くて埃っぽい匂いが漂い、そして嫌に長い廊下をたどたどしい足取りで進んで行くと漸く終点が見えて来た。
両開きのくすんだ灰色の木製の扉。
あの向こうに長と呼ばれる人物が居るのだろうか??
「――――。ヴィンド様。件の男性を連れて参りました」
案内役の背の高いあんちゃんが本当に静かに扉を叩いて俺達の到着を告げると。
「ん――。入って貰いなさい」
御耳ちゃんが強張っていた肩の力を抜く柔和な声が扉越しに届いた。
「畏まりました。戦士ハンナ、そしてよそ者よ。ヴィンド様の前ではくれぐれも粗相のない様に」
「はっ、分かりました。では……。失礼します」
横顔からはっきりとした緊張感が伝わるハンナが扉へ向かって進み。
「し、失礼します……」
俺も彼と同じく硬い所作で続き、開かれた扉の先へと進んで行った。
正面奥の窓からほんの微かな光が差し込み薄暗い部屋を照らしている。
木製の床の上には大きな絨毯が敷かれ、両側の壁際には剣や槍そして手斧等々。戦士達が好んで使用する武器が飾られている。
埃の匂いと若干の獣臭さが漂う部屋の奥。
一段上がったその先に長と呼ばれる者がフカフカの絨毯の上で大変寛いだ姿勢で俺達を待ち構えていた。
美しく白に染まった髪は腰の位置まで垂れ下がり、それと同調する様に長過ぎる眉も鎖骨付近まで垂れ下がっている。
くすんだ藍色の上着を羽織っており、どちらかと言えばゆるりとした基調の服で身を包んでいる。
あの人が長で、名はヴィンドとかいったか……。
猫背気味で座っているので身長は凡そでしか分からないが恐らく成人男性とほぼ変わらぬ背であろう。
「お久しぶりです。ヴィンド様」
「……っ」
ハンナが長の前で片膝を着けるので俺も彼に倣い慌てて同じ姿勢を取る。
「フォッフォッ。そう畏まらなくても良い。そしてよそ者よ、初めまして。儂がこの里を治める者。ヴィンドだ」
「は、初めまして。自分の名はダンと申します。突然の訪問であり、よそ者である自分を態々招いて頂き有難う御座います」
柔和な口調に対してちょいと硬い口調で返す。
「ほぉ――。人の身で砂蟹を倒した者と聞いていたが……。随分と物腰柔らかだな」
そりゃあ初対面で堂々とタメ口を利く訳にはいきませんでしょうに。
「お褒め頂き有難う御座います。つきましては、この里を治めるヴィンドさんに里の滞在許可とこの大陸を自由に歩ける許可を頂きたいと考えております」
「それは一向に構わんが…………。興味本位で未開の大地を目指して海を渡ろうとする酔狂な者はそうおらん。ダン、お主がこの大陸に来た真の理由を教えてくれるか??」
流石は人の上に立つ者なだけはある。
俺が観光気分で危険を乗り越えて来た訳では無いとお見通しって訳か。
「あ、はい。実は……」
ここは信頼を勝ち取る為に回りくどい言い訳や嘘は御法度だな。
未だ見ぬ不思議が跋扈する大地、飽くなき探求心、そして今は亡き名も知らぬ者から委託された地図に記載された印。
俺がこの大陸に来た真の理由を述べて行くと。
「「「……ッ」」」
この部屋に居る俺以外の三名の者の顔が一気に曇った。
「――――。その者から預かった地図は既に焼却してしまい今は手元にないのですが……。どうしても世の中の不思議を知りたくて、この目に入れたくてこちらの大陸に足を運びました」
「ふぅむ……。成程ぉ……」
ヴィンドさんが垂れ下がった長い眉を柔らかく撫で、何か深く考え込む仕草を取る。
「長。何故その者がアイツが居る場所を知っているのでしょうか??」
ハンナが緊張した面持ちと口調で彼に問う。
「それは伺い知れぬがぁ……。別に存在自体は知られても構わぬだろう。この大陸に住む者なら誰しもが知っている事だからな」
「あ、あの――……。俺が話した場所には一体何があるのです??」
このままでは蚊帳の外に置かれてしまう。
そう考え二人の話の腰を折った。
「そこには……。三つ首と呼ばれる恐ろしき者が眠っておる」
「三つ首??」
三つの首を持った巨大でとんでもない強さを持った野性生物の事かしらね。
あ、いや。者って言ったって事は人間の形をしているのだろうか?? だが三つの首を持つ人間は居ないしぃ……。
「我々鷲一族は三つ首と呼ばれる化け物を退治する為に存在している。この大陸に住む他の魔物では奴の強大な力を抑え込む事は出来ぬからな」
「ハンナ、そいつの正体を具体的に教えてくれる??」
俺がそう問うと。
ハンナが暫く考え込む仕草を見せ、長に一つ目配せを送ると静かに口を開いた。
「約百年に一度目覚め、この大陸に厄災を振り撒く巨悪だ。漆黒の鱗で包まれた蛇の胴体。その先には三つの首が生え、首の先の口からは火炎、稲妻、冷気の息を吐く。毒牙の威力は凄まじく、一度噛まれれば絶命は免れん。巨木を彷彿とさせる見上げんばかりの巨大な姿は歴戦の勇士でさえも抗う事を諦めるだろう」
「い、いやいや!! とんでもねぇ化け物じゃん!!」
俺の想像の二個上を行く化け物の話に思わず声が上擦ってしまう。
「一度目覚めたのならこの里へ真っ先に向かい憎き我等を皆殺しにしようとする。この里では約百年に一度の厄災に備え、戦士と呼ばれる者共が切磋琢磨しているのだ」
「じゃ、じゃあハンナはその三つ首を討伐する栄えある戦士って事??」
「あぁ、そうだ。里には五人の戦士が居る。彼等と共にこの命に代えて三つ首を退治するのが俺に与えられた使命だ」
「どうして退治しても百年後にまた出現するんだ??」
一度絶命した命は帰らないのが自然の摂理だ。
その理の範囲を超えるのはおかしいだろう。
「奴は……。この星の生命を生み出した九祖が一体。亜人と呼ばれる者が作り出した滅魔と呼称される超生物だ。一度倒してもその魂は消える事無く漆黒の闇へと還り、数百年後に力を取り戻して光ある世界へと舞い戻って来る。我々の祖先が奴を退治した事をきっかけに三つ首は鷲一族を妬み、怨み、根絶やしにしようとしている。それに抗い続けているのがこの里の現状だ」
ヴィンドさんが疲労感を籠めた声色でそう話す。
「え――っと……。聞きたい事が色々あり過ぎてどれから尋ねれば良いのやら……」
この星の生命を生み出した神と等しき力を持つ九祖。その内の一体の亜人、更に滅魔。
正直混乱の極みに達していますよ――っと。
「その他諸々は後でハンナから聞きますが……。三つ首に狙われているのならこの大陸を離れればいいじゃないですか」
賢い者であれば自ら危険に近付こうとはしないでしょう。
「我々がここから立ち去ればこの大陸に住む魔物は根絶やしにされてしまう。それに奴は我々を執拗に追跡する。地の果てへと逃げてもいつかは対峙せねばならない、そしてこの大陸に住む者達の輝かしい命を守る為にも逃げる訳にはいかんのだ」
ヴィンドさんが真剣そのものの口調でそう話す。
「成程……」
俺が入手した地図には三つ首と呼ばれる化け物が眠っている場所が記載されていた。だからこの里に住む人達が驚いたのね。
じゃあ……。他の大陸に記されたバツ印にも三つ首級の化け物が眠っているのか??
「ヴィンドさん。俺が話した他のバツ印の場所にも滅魔……だっけ。それ級のヤバイ連中が眠っているのでしょうか??」
「それは分からぬ。だが、恐らくその大陸に住む者にとって重要な場所である事を示しているのだろう」
だろうなぁ……。そうじゃなきゃ態々地図に記した意味が無いし。
「ち、因みにぃ。その三つ首が前回退治されてから何年程経過しています??」
頼むぜぇ。数年前に退治したと仰って下さいよ??
硬い唾をゴックンと飲み終えてヴィンドさんからの言葉を待つ。
「前回は里の戦士の尊い命を二つ失いながら退治した。そして奴を退治してから……」
し、してからぁ??
「今年で百七十八年経過しておるぞ」
「ひゃ、百年越えてんじゃん!!!!」
この場に相応しくない声量と口調で声を荒げてしまった。
う、嘘だろ!? 約百年周期で目覚める化け物が百年経っても目覚めないって事は今直ぐにでも目覚めてもおかしくないって事だし!!
「長の前だ。声を荒げるな」
「お、おう。申し訳無い」
ハンナの冷たい声を受け取ると姿勢を正してヴィンドさんへ再び問うた。
「じゃ、じゃあその三つ首はいつ目覚めてもおかしくないって事ですよね??」
「その通りだ。里の者が大陸の東、『骸躯の沼』 を監視しておる。何か異変があれば直ぐに知らせが届くであろう」
「骸躯の沼??」
「ダンが話してくれた地図に記された場所の名だ。粘度の高い致死性の毒沼が一面に広がり、そこから放たれる空気を吸えば瞬く間に意識を失い躯と化す。毒沼に沈めば肉が溶け落ちて骨さえも残らない。そんな馬鹿げた場所の奥で三つ首は眠りに就き、そして……。一度目覚めれば我々を皆殺しにしようとして西進を開始するのだ」
ヴィンドさんが真剣そのものの口調でそう話すと、背筋がゾっと泡立った。
地元に住む者達が立ち入る事を禁忌としている常軌を逸した場所。そしてそこの奥で眠るこの世の理を越えた超生命体。
俺の冒険はどうやら初っ端から波乱に満ちた幕開けになりそうだな……。
「安心しなさい。ダンに……。いいや。この大陸に住まう者共の身を守る為に我々は存在しているのだから。この命に代えても三つ首は退治する。好きな様に冒険をして知識を高め、素敵な出会いを楽しんでくれ」
「あ、有難う御座います」
今までの厳しい雰囲気は何処へやら。
ヴィンドさんから柔和な口調が発せられると長い眉の奥から本当に温かな瞳が覗いた。
「当面の間はハンナの家で過ごすといい。この里の者達と交流を深め、我々の存在をその記憶に確と刻み後世へ伝えてくれ」
いやいや、後世って……。
「――――。これから世話になる皆さんの記憶は絶対に忘れないと思います。ですが……。後世に伝えるのは俺の役目ではありません。他ならぬ貴方達の役目ですからね」
恐らくヴィンドさんは万が一の時に備えて俺にその役目を託そうとしているのだろう。俺が考えている以上に状況は逼迫していると考えた方が良いな。
「フォッフォッ……。中々手厳しい言葉だな。では、戦士ハンナ。旅人ダンの世話を頼んだぞ」
「はっ、畏まりました。ダン、行くぞ」
「お、おぉっ……。じゃあ失礼します!!」
相も変わらず大変寛いだ姿勢のヴィンドさんへキチンと頭を下げて部屋を後にした。
「――――。なぁ、ハンナ」
薄暗い部屋から一転。
大変眩い光が上空から差し込む外へ出るとほぼ同時に彼へ声を掛けた。
「何だ」
「お前さんの役割は物凄く大事だって理解したけど……。その三つ首って奴は相当強いのか?? 後、どうやって対峙したの??」
「三つ首は計り知れない強さを持ち、里の戦士達は己の全てを賭して三つ首の首を刎ねて対峙したのだ」
「三つの首を刎ねて……。そりゃあ大変だな……。ハンナは前回の戦いには参加しなかったの??」
「その頃はまだ生まれていなかったからな。こっちだ」
あぁ、はいはいっと。
長の家から大通りを南下。街の中央付近の十字路を西方面へ向かって右折する。
「この大陸には他にどんな魔物が住んでいるの??」
「軍鶏、夜鷹、大鷹、烏、火食鳥、駝鳥、鳩、雀等々。種類に富んだ者共がそれぞれの里で暮らしている」
へぇ、そうなんだ。
全然聞き覚えの無い鳥もいるけどこれ以上グイグイ聞くのは止しておこう。どうしてかって??
「……」
何か微妙――に取っつきにくい雰囲気を背中越しに醸し出しているからね。
俺との会話はあくまでも仕事上なだけで、私生活には余り踏み込んで欲しくないのかも。
プリプリと怒る超強面の親鴨の後ろに続くひ弱な雛の面持ちを浮かべ慎ましい足取りでついて行くと。
「おぉ――!! やっと見つけたっ!!」
何だか妙に明るい声が正面から響いた。
「貴方がハンナが拾って来た旅人ね!!」
明るい茶の髪をフルっと振るわせて一人の女性が元気一杯の足取りで駆けて来る。
「初めまして!! 私の名前はクルリっていうの!! 西の大陸から海を渡って来たって聞いたけどぉ……。すっごい根性あるよね!!」
休日のお父さんに遊びを強請る頑是ない子の勢いに思わずたじろいでしまう。
キラキラと光り輝く橙の瞳、無意味に四肢を動かす仕草はうら若き乙女特有の行動であり彼女はその例に倣いキャアキャアと騒ぎながら楽し気に体を揺らす。
体に纏う陽性な雰囲気からしてこの女性はまだまだ若気の至りの真っ最中なのだろうさ。
「は、はぁ」
取り敢えず愛想笑いと当たり障りの無い笑みを浮かべてあげる。
「おい、クルリ。余り燥ぐな」
「何よ、ハンナ。別にいいじゃん。よそ者がこの里に来るのは滅多に無い事なんだし」
彼女の声を受けてさり気なく周囲へ視線を動かすと。
「「「……」」」
彼女の話した通り道を行く者、軒先で足を止めて井戸端会議を続ける者共が俺に向かって熱き視線を向けていた。
「それで?? 旅人さんは何て名前なの??」
「ダンって名前だ。気軽に声を掛けてくれ」
「りょう――かいっ!! 宜しくね!! ダン!!」
彼女がスっと右手を上げるので。
「宜しくっ!!」
その所作に倣い右手を上げ、空中で軽やかで軽快な音を奏でてやった。
「おっ、ノリがいいねぇ。どこぞの誰かさんとは大違いだ」
クルリが肘でハンナの脇をウリウリと突く。
「喧しい」
「ふふん。本当はこうして絡んでくれるのが嬉しいんでしょう?? 私は知っているよ――」
「誰も頼んでいない。貴様が勝手にそうするのだろう」
「はい、でた――!! カチコチの台詞っ!! 私とハンナの仲なんだからもっと砕けた感じで話なさいよ。ダンの前だからって格好つけちゃってさ」
「そ、そんな訳がない!! 俺はこの里の戦士であり皆の手本となるべき姿勢をだな」
「はいはい。もうその台詞は聞き飽きましたっ」
う、む……。何だろう。この謎の置いてけぼり感は……。
これ以上二人との距離が離されるのは不味いと考え。道のド真ん中でうら若き男女の絡みを続ける二名へ向かって声を掛けた。
「二人は……。えっと、恋人とかなの??」
「ち、違う!! 我々はただの幼馴……」
「はいっ!! そうで――す!! ハンナ=ヴァーゼルは私の恋人なのっ!!」
片方は満面の笑みを浮かべて男の腕をきゅっと抱き、片方は絡みつく柔肉に四苦八苦。
全く違う答えが両者の口から出て来たがどうやらこの二人の関係は俺が考えている以上に深い物だろうさ。
「止めろ!! くっつくな!!」
ハンナがクルリの体を邪険に押し退ける。
「あ、ひっどい。折角私がくっついてあげたのに。所でさ、ダンはこれから何処へ行くの??」
「里の長であるヴィンドさんに滞在の許可を頂けたからハンナの家で厄介になるのさ」
「うっそ!? ハンナ、あんた料理全く出来ないじゃん!! 大丈夫なの!?」
「安心しろ。汎用虫位なら焼ける」
やだ、ちょっと待って??
その聞き慣れない奇々怪々な虫を三食ずぅっと食わされるのかしら……。向こうの大陸では虫食は禁忌とされていなかったけども、好き好んで食う奴は滅多に居なかったし。
郷に入っては郷に従え。
じゃあないけど、この里で暮らす以上虫を食うのは必然なのだろうか??
だけど、全く知らない虫を食わされるのはちょいと不味いよね。
「あ、あ――。大丈夫。食材を用意してくれれば俺が料理するから」
訳の分からん虫を食わされては堪らんと考え若干強めに話してやる。
「へぇ!! ダン料理出来るんだ!!」
「まぁね。幼い頃に両親がコロっと逝っちゃって……。その所為かな。自分で料理しないといけないから自然と上手くなったんだ」
「そっか……。彼の家で過ごすから分かると思うけど……。ハンナと一緒なんだね」
うん?? 一緒??
ちょいと首を傾げて相変わらず難しい顔を浮かべている彼を見つめると。
「父は腕の未熟さ故に野性生物に敗れて亡くなり、母は病で逝ってしまった」
重い口調で悲しい過去を話してくれた。
「何だ!! 俺と一緒じゃん!!」
折角の陽性な雰囲気に水を差すのは不味いと考え、大袈裟にハンナと肩を組んでやる。
「止めろ、気色悪い」
あらやだ。そこまで邪険にあしらわなくても宜しくてよ??
「んだよ。これから同じ屋根の下で生活する者同士だろ?? 仲良くしましょうよっ」
再び肩を組もうとして厭らしい笑みを浮かべてやるが。
「俺はあくまでも長からの命に従うだけだ。それ以上でもそれ以下でもないっ」
ツンケンした態度で距離を取られてしまった。
『なぁ、ハンナってこういう絡みが苦手な性格なの??』
クルリに対して小声で耳打ちしてやる。
『自分は己に課された使命を遂行する為に生きているんだ――って、頭カチカチの考えの持ち主なのよ。だからダンが何んとかしてあげてねっ??』
『任せておけ。そういう事に関しては超得意だからさっ』
そう話して彼女に片目をパチンと瞑ってやった。
「いつまで下らない話をしている!! 行くぞ!!」
「あぁ――、行っちゃった。じゃっ、これから世話になるから!!」
彼女に右手をシュっと上げて別れを告げてやる。
「宜しくね――!! 私の家は東通り沿いにあるから分からない事があればいつでも尋ねていいから!!」
「はいは――い!! お、おい!! ハンナ、置いて行くなよ!!」
紆余曲折あったけど……。今日からこの里で世話になる事になったからには皆に最低限のお返しをしましょうかね。
先ずはこの里で俺に出来る事は何かを尋ねてぇ。そしてぶっきらぼうなハンナちゃんの心を少しでも溶かしてあげましょう!!
無表情な足取りでスタスタと速足で目的地へと進んで行く彼に置いて行かれまいとして、妙な視線を浴びつつ慌ててハンナの背に続いて行ったのだった。
最後まで御覧頂き有難う御座いました。
現代編に出て来た単語、本話で例えるなら滅魔や亜人の説明なのですが。可能な限り割愛させて頂きます。
そう何度も細かく説明しても読者様達は既にお腹一杯であろうと思いますので。
さて、本話で出て来た三つ首なのですが。
現代編で登場した滅魔達とは毛色が少し違います。登場するのはもう少し後の御話になりますがその違いをお楽しみ頂けたら幸いです。
それでは皆様、良い週末をお過ごし下さいませ。