第三百二話 覚醒に至る者共 その四
お疲れ様です。
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「ふぅむ。流石…………。私の血を受け継ぐ者ね」
年老いた男性の口から若い女性の棲んだ声が響くと同時。
「え??」
驚く私を置いて周囲が眩い光に包まれた。
目を開けていられない光量に思わず目を瞑り強烈な発光が収まると、ゆっくりと瞼を開く。
「……」
人工的に作られた図書館の中に身を置いていた筈なのに私は美しい紺碧の海の中に立っていた。
周囲を囲む色とりどりの珊瑚礁と熱帯特有の鮮やかな色を放つ魚達が悠々と海中遊泳を楽しみ空から差し込む太陽の光の効果もあってか、より鮮明になって私の脳裏に焼き付く。
正に絶景と呼ばざるを得ない美しき光景に思わず見惚れ息を飲み続けていた。
凄い……。こんな美しい海が存在していたなんて……。
「ふふ。気に入って頂けて光栄です」
先程の女性の声が響くと周囲の光景に見惚れていた視線を正面に戻す。
色とりどりの魚群が私の視界を閉ざす様に目の前を泳ぎ、そしてそれが通り過ぎると……。
一人の女性が珊瑚で作られた王座に座り静かな目で呆気に取られている私を見つめていた。
「初めまして、カエデ。私の名はシェスカ=ライクタンド。数多遍く理を統べし都督と呼ばれ始祖から数える事、五代目の女王です」
薄い藍の髪を後ろで纏め、美しい白を基調とした服を身に纏う。
各属性を模った六個の石が先端に埋め込まれた樫の杖を王座の傍らに置き、白鳥も羨む色を放つ白き足を嫋やかに組む。
紺碧の海を彷彿とさせる藍色の瞳、整った鼻筋の下には唇が三日月型に湾曲。
女性の私ですら数秒間思考が停止してしまう程の外見に只目を奪われていた。
この人が……。私の中に居る御先祖様なのですか……。
「そうですよ。あなたは自身の驕りを消して偽りの私を看破。そして真の私を見付けてくれました。こうして顔を合わせて会話に興じる事を待ち望んでいたのです」
「申し訳ありませんでした。私が至らないばかりに……」
幼い頃の自分が恨めしい。
驕るなかれと幼い頃の私に説いてあげたいです。
「謙遜なさらないで下さい。紆余曲折あったものの、こうして出会えたのですから」
「ふふ、そうですね」
彼女の柔和な笑みにつられ、私は意図せずに口角を上げてしまった。
あの笑みには人に陽性な感情を抱かせる魅力が詰まっているのでしょう。
「さて。あなたは私に面白い物語は自分自身と仰いましたよね??」
柔和な笑みから一転。
今度は無邪気な子供が浮かべる笑みに変わる。
「えぇ、他人の人生は面白可笑しく映る物ですから」
「実は……。私は本を書くことを趣味としていまして」
唐突に驚くべき趣味を聞かされて狼狽えてしまいますが……。
「五代目の女王と申されましたけど。一体どういった経緯で女王の座に就いたのですか?? それと覚醒に至る手段を教えて頂きたいと存じ上げます」
彼女の経歴は勿論気になりますが、最も重要な事は覚醒に至る手段です。その為に此処へ来たのですからね。
背後から何かを取り出そうとする彼女の所作の途中で口を開いた。
「それはいつでも伝える事が出来ます。私があなたをここに招いた理由、それは……」
それは??
「私の小説の主人公として描きたいと考えていたからです!!!! 大冒険を夢見ていた灰色の幼少期を過ごし、狭く苦しい空間から解放されてからのあなたの人生は大変美しい色彩を帯びました!! 白と黒の単調な人生から、色とりどりの人生へ。私が追い求めた冒険の参考にと考えたのです!! この日を待ち侘び幾つかの草案を練ったのですが……。やはり本人からの言葉に勝る物はありませんからね。この物語を書き終えた時、私は真の充実を得る事でしょう!!!!」
シェスカさんが仰々しく両手を掲げると。
「「「っ!!!!」」」
彼女の周囲を泳ぐお魚さん達が一斉に泳ぎを止め。一生懸命にヒレを叩き、彼女へ拍手?? を送っていた。
その内の一匹。
「……っ!!」
青色が目立つ魚さんが呆気に取られている私に向かい、右側のヒレを巧みに操って何かを促す。
え?? 何??
「っ!!!!」
恐らく、でしょうが。
ヒレで柏手を打っている事から私にも拍手を送れという事なのでしょう。
「そ、そうなのですね。それは崇高な目的だと思います」
魚さんに促される様に拍手を送ると。
「……」
青き魚さんはウンウンと満足気に頷いてくれた。
良かった、正解でしたね。
――――。
いやいや、違いますから。
「私の話はそちらから見ていて理解出来ていますよね?? それなら今更聞いても余り代わり映えしませんよ。私は此処へ来た理由は……」
「あ、そうだ!! まだ執筆の最中なんですが……。あの本は何処に仕舞いました??」
シェスカさんが掲げていた両手を膝元へ置くと同時。
「っ!!」
あの青き魚さんが猛烈な勢いで王座の裏側へと泳いでいき。
「あぁ、そうそう。これ……」
一冊の本を手……。基、一冊の本をヒレに取り戻って来るとシェスカさんに手渡した。
『ふぅ、ヤレヤレ。一仕事終えたぜ……』
そんな感じで額を拭うが。
「あら、これじゃないわ。もっと後の……」
『し、失礼しましたぁ!!』
目をギョっと見開いて再び泳ぎ出し。
『これで御座いますか!?』
慌てて違う本を携えて戻って来た。
先程から右往左往と……。随分と忙しそうですね。
「これですっ!! 短編集を執筆してみたんですけどね?? これがまた難しくて……」
「本を読む事は好きなのですが、執筆は未経験なので感情を共有出来ない事が残念です」
がっくりと肩を落とす彼女にそう話す。
「是非とも読んで頂き、変更すべき箇所があれば幾つか意見を頂けると幸いです」
青き魚さんに本を手渡して私の下へと届けてくれますが。
「ですから。先ずは覚醒へと至る手段を伺いたいのです」
魚さんの額をやんわりと押して彼女の願いをさり気無く断った。
「っ!!!!!!」
この所作が青き魚さんの激昂に触れたらしく??
「あいたっ」
彼、又は彼女がキっと私の事を睨むと尾っぽで私の頭を強く叩く。
痛みの余韻が残る頭の天辺を手の平で拭い、何とも言えない感情と表情で魚の泳跡を見送ってやった。
「まぁっ……。ふふ。ごめんなさいね?? その子はちょっと焦りっぽい性格がある使い魔でして」
「使い魔、ですか」
それなら言語は使用可能ですよね??
「敢えて言語は使用させない様にしています。行動から言葉を汲み取る。柔軟な思考を構築させる為の練習とでも言いましょうか。相手の意思に気を配る訓練にもなりますので」
成程。
敢えて当事者間に問題を発生させて、その問題に柔軟に対応する為の訓練か。勉強になりそうですけども私はいいかな。
ペロの声、結構可愛いし。
「あなたの使い魔さんですよね?? 折角の機会ですので此処に呼んでは如何ですか??」
これから長い付き合いになりそうですので軽く紹介を済ませておいた方が良いかな??
右手を前に翳し、いざペロを呼ぼうとすると。
『結構だにゃ!! こ、こんな化け物がウヨウヨいる場所に呼ばなくて結構にゃよ!!』
断固拒否の叫び声が頭の中に響いた。
化け物って。少々言い過ぎですよ。
でも確かにペロが泣き喚く通りの力強い魔力が至る所に存在する。
正面のシェスカさんは当然だとして。周囲を泳ぐ魚さん達も魔力感知が不必要な程の魔力を備えていた。
ざっと見渡すだけで約五十体以上の使い魔達が悠々と海の中を泳いでいる。
ここで一つ懸念が湧く。
彼女は強力な使い魔を何十体も召喚出来る魔力を持ち、それだけの数を外に放っても彼女から感知できる魔力の力は尚膨大な量なのです。
周囲を泳ぐ使い魔達を収めたら一体どの程度の魔力を持つのやら……。考えただけで背筋が凍ってしまいます。
今の状態で先生と同等程度でしょうか。いや、もっと上かな??
「あらあら、嫌われてしまいましたね」
私の声が聞こえる様にペロの声も聞こえるのか。
泣き喚く情けない私の使い魔の声を聞くと若干の溜息を吐き海面へ視線を送った。
「ほら、おいでなさい」
嫋やかな手の所作で海面近くを泳いでいた一匹の巨大な鮫を誘う。
「この子は私が初めて召喚した使い魔です。体は大きくても意外と繊細な心の持ち主なのですよ?? ねっ??」
「……っ」
彼女の傍らに浮かんで停止した巨大な鮫の顎下に手を添え優しく撫でると気持ち良さそうに目を瞑る。
凡そ八メートル前後でしょうかね。
現代であの大きさの鮫が出現すればきっと新聞の一面に載っても不思議ではないです。
「私達の時代ではこれでも小さい方なのです。やはり初めての子は特別ですからねぇ……。ついつい優しくしてしまいます」
顎から真っ白な腹へと手を滑らせ優しく撫でるが……。
「……ッ」
愛しむ様にうっとりとした表情を浮かべるシェスカさんに対し、鮫さんの表情は徐々に雲行きが怪しくなって来た。
目をぎゅっと瞑り、苦しそうに口を何度もパクパクと開き、心無しか目元が真っ青に映る。
あ……、そっか。
鮫って泳いでいないと、確か窒息してしまうのですよね。
「あ、あの……」
鮫さんを解放してあげたら如何ですかと口を開くが。
「ほら、カエデも感じるでしょう?? この子の強さ。口を開けば鋭い歯が並び、小さな街を消滅させる程の魔力を放出出来るの。私が命果てる時までずっと側で支えてくれた。主従関係と呼ぶのは違います。硬い絆で結ばれた仲間、若しくは友人とでも申しましょうか」
鮫さんも鮫さんで、シェスカさんの演説の腰を折っては不味いと考えているのか。
顔を真っ青に染めつつも意識を必死に繋ぎ止めていた。
「私達、仲が宜しいですものねっ??」
シェスカさんが満面の笑みで首をきゅっと傾げると。
『え、えぇ。さ、さ、左様で御座います』
そんな感じで愛想笑いを浮かべていた。
笑った顔、ちょっと怖いかな。ニ、ニコっと曲がった口から覗く鋭い牙が恐ろしく映りますので。
「ほら、ペロさんもこれからカエデと長い付き合いになるのでしょう?? それに初対面の者に挨拶を交わさないのは礼儀に反します」
シェスカさんが細い左手を此方に翳すと、私の眼前に眩い光を放つ魔法陣が出現。
そして難解な術式が描かれている魔法陣の中から光る腕が現れ、私の胸の中へと侵入を開始した。
えっ!? な、何、これ!?
「さて、と……。我儘な猫ちゃんはどこに居るのかしら??」
一筋の光が壁に放射されると光の軌道はそこで止まる。
私の胸の中に入った腕もそれと同じ軌道を描き止まっているのだが……。胸の中がざらつく感触を覚えてしまっていた。
これは一応の触覚なのかな??
だが、痛覚等その他の五感一切を確知させないのが逆に恐ろしい。
一体、自分の身に何が起こっているのか。光の筋を見下ろして困惑していると。
「あっ!! 居ました!!」
シェスカさんが軽い笑みを浮かべ、腕を引き抜く所作を放ち。
「は、放してぇぇええ――――!! 嫌にゃああ――――ッ!!」
私の胸の中からペロが光の腕に引きずられながら出現した。
す、凄い。強制召喚とでも呼べばいいのか。他者が精神と魔力の狭間に存在する使い魔を強制的にさせるのは不可能だと思っていたのに。
「ふふ。それはあなたが底を知らないからですよ。ねぇ?? ペロ」
「は、放せぇぇええ!!」
光の腕に尻尾を掴まれ、彼女の手元まで引き寄せられた一匹の虎猫の顔を満面の笑みで見つめる。
「底ですか??」
「術式の構築は現代と古代ではまるで違います。言い換えれば、あなた達の術式は底が浅いのです。もっと深くまで掘り下げれば此れしきの事、造作もありませんっ」
ペロのお腹をちょこんと突いて話す。
「まだまだ勉強不足ですね。これからも精進します」
「弛まぬ前進、怠らない努力。正に私の血を受け継ぐ者に相応しい心の持ち主ですね」
「有難う御座います」
シェスカさんの温かい眼差しに心が温められていると。
「そ、そろそろ下ろして欲しいにゃ!!」
ペロの邪険な声が温かい気持ちを霧散させてしまった。
「そうは言いましても。現代の猫の姿を間近で見る貴重な機会なので、もう少々観察させて頂けると嬉しいのですが」
ペロの頬をちょこんと突く。
「放すにゃ!! 御主人様以外に馴れ馴れしく触って欲しくにゃいの!!」
それを振り払う様に右の前足でシェスカさんの大きな胸をポスンっと叩いた。
その行動がシェスカさんの使い魔である魚達に対して如何様に映ったのか計り知れないが。
どうやら逆鱗に触れてしまった様だ。
「「「ッ!!!!」」」
周囲で遊泳し続けていた魚さん達が動きを止めるとペロに向け、一斉に魔法陣を浮かべ迎撃態勢を刹那に整えてしまった。
「にゃにぃ!? 魚一匹一匹が魔法を詠唱するとにゃ!?」
「私の体は古代の時代では珍しく病弱でして……。現代の女性と何ら変わらない強度なのです。その代わり、自分で言うのもなんですが常軌を逸した魔力を備えています」
ふむ……。
身体能力を損なう代わりに、膨大な魔力を持って生まれ落ちたのですね。
「私の体に触れる、若しくは敵対行動に移る者を捉えると使い魔達が自動的に滅却する様に機能するのです」
一体一体から確知出来る大きな力を集約された攻撃を一斉に受ければ私の体は炭一つ残らないでしょうね。
例え結界を張ったとしても瞬時に崩壊。移動を続けてもいつかは捕まり、生を失う。
実に優秀な使い魔達です。
「あ、あのぉ……。も、もう触れていませんから魔法陣を閉じて頂いても宜しいですかにゃ??」
ペロが恐る恐る無数の魚達へ請うと。
「「「……」」」
敵対行動を消失させたと理解してくれたのか、魔法陣を消失させ。先程と変わらぬ美しい泳ぎを見せてくれた。
「は、はぁぁ……。だから嫌だったのにゃよ」
「そう億劫にならないで下さい。仲良くしましょうね」
「むぅぅ!! ポヨンポヨンのおっぱいに触りたいけど、触ったら触ったで命はにゃいし!! ジレンマが凄いにゃ!!」
「死にたいのなら触れば良いじゃないですか」
光の腕に尻尾を掴まれ、直立不動とは反対の姿勢で腕を組むお馬鹿さんにそう言ってやった。
「しどい!! 猫にも人権はあるにゃよ!!」
人権って文字を小一時間程説いてあげたいです。
猫権とは書いてありませんよね?? と。
「そのまま観察され続けていて下さい。コホンっ……。話を戻します」
一つ咳払いを放ち、姿勢を整えてシェスカさんへ体の正面を向けた。
「覚醒への手段。それを享受させて頂いても宜しいですか??」
その為に私は此処へ、ううん。
本物の彼女に出会う為にこうして来たのですから。
「勿論構いません。ですが、先も述べた通り。小説が未完成ですので取材をさせて頂きますよ??」
自分の心の中に存在する人に、己の感情を説明するのは可笑しいとは思いますけど。
「分かりました。等価交換といきましょう」
「宜しくお願いしますね」
お互いの瞳を見つめて唇を柔和な角度に曲げた。
目と目が合う。たったそれだけの普遍的な行為なのに柔らかい視線から彼女の温かい感情が伝わって来る様だ。
彼女も私の目を見つめると温かい笑みを浮かべてくれた。
互いの心と心が視線を通じて交わった。
視線一つでこうも温かい感情が湧くのですね。不思議な物です。
「さて。簡単な挨拶も済ませた事ですので、早速取材を……」
柔らかい視線から一転。
大切な玩具を見付けた頑是ない子供の目を浮かべ、背に手を伸ばそうとするが……。
「ま、まぁっ!!!! いつからそこで動かないでいたの!?」
瀕死の一歩手前の巨大な鮫さんの姿を見付けると途端に焦燥した動きへと変わってしまった。
「ほ、ほら!! 死んじゃうから泳いで来なさい!!」
王座から素早く立ち上がりぐったりとした体を押してあげるけども。
「…………」
彼、又は彼女は白いお腹を海面へと向け虚脱した姿勢でプカ――っと静かに浮かんで行ってしまう。
「シェスカにゃんが放置しているから悪いにゃよ」
「ほら!! あなたの好きなお肉ですよ!! これを食べて元気になりなさい!!」
何をどうしたらその考えに行き着いたのか。
ペロの尻尾をぎゅっと掴むと、プカプカと浮かんで行く鮫さんの口に放り込もうと画策。
普通、誰だって食べられるのは了承しませんよね??
ペロも例に漏れる事無く必死に抵抗を開始した。
「い、嫌ぁああああ!! 鮫に食べられるぅぅうう――ッ!!!!」
「こ、こらぁ!! 捲れてしまいますからお止めなさい!!」
シェスカさんの胸元に前足を伸ばして服の端を掴んで抵抗をすると。
「「「っ!!」」」
あの下らない所作をペロの攻撃だと感知したのか、使い魔達の自動迎撃機能が作動。周囲の魚達がペロに焦点を定めた。
「絶対離さないにゃ!! 食われて堪るかにゃ!!」
「も、潜らないで下さい!!」
「「「っ!?!?」」」
シェスカさんの大きな胸へと潜行を開始したペロ。
猫の毛の感触に悶える一人の美女、そして主人に攻撃を加えては不味いと考え右往左往する魚達。
何処かで見た乱痴気騒ぎが頭の中に頭痛の種を発芽させる。
はぁ……。
どうして私の周りにはこう……。五月蠅い人達が集まるのでしょうかね。
「おぉ!? もにょもにょして気持ち良いにゃ!!」
「あはは!! 駄目ですよ!! 私、そこが弱いのですからぁ!!」
『ゼェッ……。ゼェッ……』
海面に完全に浮かんてしまった鮫さんを放置し、猫のやんちゃな攻撃に顔を真っ赤に染めてしまった。
いつまでこの光景を見続ければいいのだろうか。正確に言えば、いつこの光景を終了させればいいのかですね。
生憎私には時間がありませんので、少々不躾だと思われますが……。彼女の胸元に腕を突っ込み、愚かな猫を掬い上げて顔が腫れあがるまで教育的指導を施しましょう。
「んぉぉおお!! シェスカにゃんのおっぱいはカエデにゃんよりも二回り大きいっ!!」
「こ、こらぁ!! 深く潜り過ぎるとこ、後悔する事になりますよ!!」
「にゃはは!! いいや潜るね!! 外に出たら殺されるから安全地帯……。基!! 安全恥帯はここにゃのだ!!」
私は端整な顔を歪めて笑い転げる彼女と正反対の表情を浮かべて体の中で湧き起こる憤怒を糧にして冷たい魔力を解放。
そして馬鹿な使い魔を成敗すべく無表情な足取りで彼女へと向かって行ったのだった。
お疲れ様でした。
次の御話からは現実の世界へと戻ります。暫くの間は現実の世界の話が続き、そして精神の世界へとまた戻ります。
次々と邂逅を遂げる者達の話を執筆するのはかなり骨が折れますね……。しかし!! この冒険が続く上で避けては通れない道なのです!!
痛む指に喝を入れて文字を叩き込んでやろうとしている次第であります!!
お、こいつやる気じゃん。と思った読者様もいらっしゃるかと思いますが。明日は休みなので今からデッドスペースを楽しもうかと考えています。
漸くイシムラから脱出して惑星へ降り立ち、最後の戦いへ望む前なので遊ぶのは致し方ないかと……。
それでは皆様、お休みなさいませ。