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第二百一話 彼女が浮かべた笑み その二

お疲れ様です。


後半部分の投稿なります。


それでは御覧下さい。




 戦闘態勢を継続しつつ、頭の中ですんばらしい退却案を練りに練っていると。これについて各々が己の意思を分かり易く表示してくれた。



『あたしはまだやれるぞ!!』


『当然だ。奴に借りを作ったままでは退却は了承出来ん!!』



 ユウとリューヴは撤退に否定的。



『私もカエデちゃんに賛成――』


『致し方無いですわね……』



 蜘蛛の意見は当然無視。そしてルーは撤退に賛成、ね。



『ユウ、リューヴ。意気込んでいる所、申し訳無いけど。撤退するわよ??』



 カエデの話す通り私もどちらかと言えば本意では無い。敵に背を向けて逃げるのは私の自尊心を大いに傷付けるんでね!!


 しかし、ここで全滅するよりかはマシでしょ。


 クレヴィス擬き一人なら兎も角、これだけの数を相手にするのはちょいとばかり厳しい。


 己の自尊心より、友の命を優先すべきだ。



『カエデ、段取りどうする??』



 周囲から当てられる強烈な圧によってじわりと手に浮かぶ汗を拭いつつ問う。



『元気に動ける人は彼女達の動きを止めて下さい。その間に私が魔力を高め、ここから脱出します』


『ここは向こうの空間と断絶された場所じゃないの??』



 なんだっけ……。えっと……。そうそう!! 時間差って奴だ。


 その所為で隔たれているって言っていたわよね??



『隔絶されてはいますが普段よりも魔力の出力を上げれば脱出出来ます。箱と箱が隣接していると思って頂けたら理解は容易いかと』



 あ――、はいはい。壁を突き破って脱出するのか。



『申し訳ありませんが先生とイスハさんの捜索は後で行います。今すべき事は一刻も早くこの窮地を脱する事ですから』



 まぁあの二人なら大丈夫でしょ。


 ってか、はぐれてから大分時間が経っているけどあの狐さんは一体どこで何をやっているのやら……。



『ぬおわっ!? 何じゃここは!? 振り出しに戻ってしまったぞ!!』



 最低最悪の運の所為で入り口まで戻って居るんじゃないの?? それにドスケベ姉ちゃんも一向に姿を現す気配が無いし。



『カエデ!! 私はまだ戦えると言っているだろう!!』


『リューヴ。あんたは大丈夫かも知れないけど、他が大丈夫じゃないのよ。こっちは疲労困憊、対して向こうは大した損傷も見受けられない。これ以上続けたらどうなるか……。それが分からないあんたじゃないわよね??』



 薄ら笑みを浮かべている滅魔達へと向かおうとする雷狼を制す。



『マイちゃんの言う通りだよ。悔しいけど、一度退いて強くなったらまた戦おう??』


『し、しかしだな』



『レイドに会えなくなっても、いいの??』



「「「…………」」」



 お惚け狼が発した念話を受けると数舜の静寂が訪れた。



 何故こんな時にあいつの名前を出すのかと首を捻りたくなるが、どうやら効果は抜群のようで??


 各々が勝手にあいつの顔を思い浮かべているのか、何とも言えない妙な顔色を醸し出していた。



 かく言う私もその一人で。私が馬鹿みたいに御飯を平らげている時にいつも浮かべる、しょうがないと思いつつも後で絶対説教してやるというはにかんだ顔がぽっと出て来てしまった。


 たかが十日と四日程度離れただけでも、もう懐かしく思うのは何故かしらねぇ……。



『……。分かった、大人しく従おう』


『リュー!! ありがとうね!!』


『だが!! 厳しい鍛錬には付き合って貰うからな!! 腕を上げて、必ず奴らに復讐を遂げるのだから!!』


『よし!! 意見は纏まった!! 後は暴れ回って、カエデから注意を逸らすわよ!!』



 首を左右に傾け拳を体の前でバチンッ!! と合わせて気合を籠めた。


 こういう事は得意なのよねぇ。


 真正面に突撃してクレヴィス擬きに剛拳を一発ぶちこんで。


 その後は、左右に展開している貧乳猫とジト目の蟷螂か目付きの悪いワンちゃんを折檻ね!!


 あ、でも。


 目付きの悪いワンちゃんはリューヴが取っちゃうから、やっぱクレヴィス擬きだけにしておこうかな。


 後でやいのやいのと文句言われも五月蠅いし。



「おっしゃあ!! 行くわよ!!」



 敢えて大声を出し、滅魔共の注意を引く。


 カエデ大先生様。


 どうか、私達の体力がある内に魔法を詠唱して下さいよっと。


 腰を落として突撃の体勢を整えいざ二回戦開始と思いきや。




「――――。単純な作戦ですねぇ」



 クレヴィス擬きから発せられた言葉が私の突撃に待ったを掛けた。



「は?? あんた何言ってんの??」


「何って。あなた達が今しがた立案した作戦の感想を述べたまでですよ」



 お、おいおい。


 まさかとは思うけど。



「ふふ。いいですねぇ、その見開かれた目。あなたが想像した通り、そちらのコソコソ話を聞いていたんですよ」


「は、はは。見栄張らなくてもいいって。はったりかましてんじゃないわよ」


「私は嘘を付きませんよ?? 何なら一字一句間違えずに述べましょうか?? コホンッ……」



 一つせき込み、呼吸を整えて再び口を開く。



「カエデ。一旦退却する?? ――――。本意ではありませんけど、それはやむを得ない決断ですね。戦力差は目に見えています」



 あ、あら――……。


 はったりじゃなかったか。



「声色も真似てみましたけど。如何でしたか??」


「余計な真似よ。まっ、作戦がバレちまったのはしょうがないわね。あんた達!! カエデへの攻撃を防ぎつつ、目の前の敵をぶちのめすわよ!!!!」



 全魔力を解放。黄金の槍を召喚して右手にこれでもかと力を籠めて柄を握り締めた。


 退却の為の戦いは好きじゃないけど、四の五の言ってられないし。


 ここでドンパチ暴れて退路を確保する!!



「はぁああああああ!!!! おらおらぁああ!! 最強の龍様のお出ましだぁい!! 道を開けろやぁ!!」


「マイ、続くぞ!!」



「ちっ。出遅れましたわ」


「そう言うなって。あたし達も死力を尽くすぞ!!」


「そ――そ――。血気盛んなのはマイちゃんが一番得意な事だし」



「「はぁぁああ――ッ!!」」




 リューヴと共に暴風を纏い空気の壁を易々と突き破ると私達は一つの暴力の塊へと変貌を遂げ。


 今も鼻に付く余裕の笑みを浮かべるデカ尻女へと向かって突撃を開始した。



「さぁ、いらっしゃい。至高の創造主様に楯突いた愚かな血を受け継ぐ者共よ」


「リューヴ!! 行くわよ!!」


「了承した!! はぁっ!!」



 目の前に展開される呆れた厚さの結界にリューヴの継承召喚が突き刺さる。



「あらぁ。一撃でこの結界に綻びを生じさせるのですか。威力だけは大したものですね」


「ぐ、ぐぐ……。ギィアアァアア!!!!」



 彼女が大魔の力を解放すると深紅の瞳を浮かべ、無理矢理結界に指を捻じ込み両側へと開いて行く。



「ギ、ギギィィ……ッ!!」


「頭下げろぉぉ――ッ!!!!」



 私はリューヴの後方から遥か上空へと舞い上がり、結界の綻び目掛け槍の切っ先を突き立てた。


 手に感じる確かな衝撃。


 そして槍が結界の内側へ侵入すると咽返る程の魔力が霧散し、私達の前に新しき道が開かれた。



「「はぁぁああ――!!」」


「っ!!」



 後方へと下がるデカ尻女を追撃。


 左右へ展開した私達の挟撃に目を見開く。



「頂くぞ!!」


「食らいやがれぇええぇ!! デカ尻野郎がぁぁああ――ッ!!」



 よっしゃあ!! 貰ったぁっ!!



 至高の暴力を体現した黒き爪と黄金の槍が柔らかいお肉へと突き刺さる!!


 そう確かに感じ取った刹那。



「クスッ」



 奴の体が目の前から消失した。



「なっ!?」


「くそがぁ!! また逃げやがってぇ!!」



 もう逃さないわよ!? あんたの殺気を追ってやるからね!!



「すぅ――……。ふぅっ」



 奴の放つ殺気を掴み取ろうとして呼吸を整え目を瞑り、全神経を数舜で搔き集めた。


 幾つかの光の帯があっちこっちに向いているが、その中で一番強く光り輝いている帯へと意識を集中させその尻尾を掴む。



「この感じ……。あっちか!!」


 後頭部に感じた殺気の方向へ視線を送るとそこには。


「……っ」



 魔力を高めつつあるカエデの背後で憎たらしい程の満面の笑みを浮かべ。右手の先に浮かべる灼熱の火球を今にも穿とうとする奴が居た。



 う、嘘でしょ!?


 な、何で気付かないのよ!!



「カエデええぇえええ!!!! 避けてぇぇええ――――ッ!!!!」

「――――え??」



「はい。お終い」


「ッ!?」



 クレヴィス擬きが言葉を発したと同時に天へと轟く轟音と衝撃が全身を駆け抜けて行った。


 鼻を突く焦げ臭い匂い。服越しにも感じる熱波。髪の先端が焼け焦げ体中の肌が泡立つ。



 あ、あの距離でアレを真面に食らったら……。



 息をするのも憚れる光景を目の当たりにした直後、一人の可憐な女性が立ち込める煙の中から弧を描いて飛び出て来た。



 もう既に意識は無いのか。


 虚脱した態勢で見事なまでの放物線を描き地面へと力無く叩きつけられてしまった。



「あはは。飛んだ、飛んだっ」



 さ、流石に……。温厚な私でもアレをやられちゃ黙っちゃいられないわよ。



「カ、カエデ!! えぇい!! 退け!! シャン!!」

「カエデちゃん!! も、もう!! 退いてよ!!」


「フハハハ!! ここは通さん!! 貴様等を狩るのは私だからな!!」



「カエデ!! ちぃっ!! 根暗女!! そこを退きなさい!!」

「嫌」



「貧乳猫ぉぉおおッ!! そこを退きやがれ!」

「はっは――!! ここは通さないって!!」



 カエデの下へ一直線に駆け寄ろとする彼女達の進路を滅魔達が防ぎ。



「さぁって。息の根を止めようかなぁ」



 身動き一つ取らない彼女の下へクレヴィス擬きが余裕の笑みを浮かべ、遅々として歩みを進めた。



「待てやごらぁああ――ッ!!」



 持てる全ての力を振り絞りデカ尻女の下へと突き進む。



「もう今から良い所なのに。そこで、大人しく見学していて下さい」


「喧しい!! 好きな様にさせて堪る……。ぐ、あぁあああぁぁあぁ!?!?!?!?」



 地面へと足を着けた刹那。


 激しい光によって目の前が明滅してしまう雷が迸り、激しい痛みを伴って体内を縦横無尽に駆け巡って行く。



 や、やばい!! 設置型の魔法陣か!?


 う、う、動けない……。


 固く握り締めていた拳が雷の力によって開き、指先が意識せずとも伸びてしまい黄金の槍を落としてしまった。



「う、うぎぎぎぎ…………」


「その威力を食らって気を失わないなんて。呆れた体ね」


「う、うるさい。か、カエデに……。指一本でも、ふ、ふ、触れてみろ。あ、あんたの喉元。噛み千切ってやる、か、ら!!!!」



 震える口を精一杯に開いて話す。



「指一本触れてはいけないのですか?? んふっ。では、これなら宜しくて??」


「っ!!」



 クレヴィス擬きが刹那に魔力を高めると、奴の両手と背にあの光の玉が現れた。


 う、嘘でしょ!? あの状態で光球の連続攻撃を食らったら……!!



「や、やめて!! カエデはもう戦えないの、よ!!」


「マ、マイ。私はまだ戦えますよ……」



 煤に塗れ力無く横たわっていた藍色の髪の女性が弱々しい声を発して震える足に力を籠めて立ち上がり。


 そして、今にも事切れてしまいそうな呼吸を続けながら右肩を抑えてクレヴィス擬きと相対す。



 ぼ、ボロボロじゃない。


 そんな姿になってまで戦う意思を見せるのは立派だと思うけど……。



「カエデ!! も、もういい!! あんただけで、も。逃げろ!!」


「逃げる?? 冗談言わないで下さい。友人を置いて逃げる程、私は薄情ではありませんので」


「ば、馬鹿野郎!!!! あんた、こ、殺されるわよ!!」



 今にも意識を失いそうな瞳。重心が定まっていない足元。そして枯渇寸前の体力と魔力。


 彼女の悲惨な状態はこれから始まるであろう惨劇を容易に想像させるに至り。私は喉の奥から声を振り搾って叫んだ。



「美しい友情ですね。あの残念な胸の女が言う通り、逃げないのですか?? あなた程度、見逃しても大した痛手ではありませんので。逃げるのなら見逃しますよ」


「ク、クレヴィス擬きの言う通りよ!! 下がって態勢を整えなさい!!」



 お願い!! 言う事を聞いて!!



「それは無理な注文ですね。ここで下がってしまえば……。マイ達の命はありませんから」


「あはぁっ!! いいですね!! そうやって必死に抗う姿、堪らなくそそりますよ」


「海竜は決して諦めない、辛抱強い種族です」



 こんな雷程度でぇ、龍の怒りを止められると思うなよ!?


 く、くそぉ!! 動けぇ!! 動けぇぇええ――ッ!!!!


 友達の命が危ないのよ!? 今、力を発揮しないで、いつ発揮するのよ!!


 体の中を暴れ回る雷に対抗すべく残り僅かに、そして滓程度に残った魔力を振り絞り対抗するものの。


 現実は非情と言われる様に私の願いは叶う事は無かった。



「ふふっ。馬鹿は死んでも治らないとお聞きしましたが……。本当にそうだったのですね」



 完璧な勝利を確信したのか。


 クレヴィス擬きの周囲を飛翔する光球が彼女の感情と同調するかの様に激しく動き回り。時間を追う毎に増殖。


 そして厭らしく口元を歪めて、卑猥な唾液を纏わせた舌で唇を濡らした。



「その御言葉、そっくりそのままお返ししますよ?? 知識の欠片も見当たらない、史上最低の不出来な滅魔さん」



 カエデが辛辣な言葉を投げかけるとその態度が癪に障ったのか、余裕の笑みは消え失せ殺意の塊の表情へと変貌を遂げる。



 今直ぐにでも惨たらしい死が訪れる瀬戸際で彼女は何を思ったのか。



「……っ」



 カエデが私の目を見つめ、ふっと口元を柔らかく曲げた。



 あ、あんた。


 一体何を考えているのよ。




『マイ、そのまま魔力を高めて下さい。あなたの魔力なら、もう間も無く拘束は解けますよ?? それと、皆さん。私がこれからどうなっても決して冷静さを失わないで下さい。勝利は冷静に状況を判断した者に訪れるものですから』



 厳しい冬の軒先に生える氷柱も慄いてしまう冷徹な声では無く。真の友に語り掛ける優しい声色が頭の中に響く。



『カ、カエデちゃん?? 何を、言っているの??』


『カエデ!! ルー!! 何をしている!! こいつを抜くぞ!!』


『退けよ!! 猫野郎!! カエデ!! 待ってろよ!! あたしが直ぐに助けに行ってやるからな!!』


『えぇい!! 忌々しい根暗女め!! カエデ!! 諦めるのは似合いませんわよ!!』



 カエデを救おうと展開される激戦の最中。



『ふふ。皆さんもう少し、女性らしい口調に直して下さいね』



 何かの覚悟を決めた柔らかい笑みが、彼女の周りを囲む無数の光の玉の中へと消え失せてしまった。




「……………………。死になさい。愚かな海竜よ」


「や…………。止めてぇええぇええぇええぇええ!!!!!!!!」



 殺意に塗れた声色が放たれるとカエデの体に非情な暴力が襲い掛かる。


 地から天へと昇る光球が細い顎を捉え、天から降り注ぐ大量の光が背を穿つ。


 彼女の体は暴力の嵐に飲み込まれ、頑是ない子供が手に取る玩具の様に可笑しな方向へと伸び、曲がる。


 玩具と違う所それは……。血が通い温かい感情を持つ生物である事だ。



「グハッ!!」



 光が穿つ衝撃で柔肉から鈍い音が響くと、彼女は小さな口から真っ赤なを吐き出し。



「ウグッ!?」



 強烈な炸裂音が彼女の骨を砕く音だと容易に察してしまう。



「はいっ。さようならっ」



 光の玉の放つ衝撃で宙へ浮いた体に一際大きな光球が襲い掛かりカエデの体が後方へと吹き飛ばされて行く。


 子供が蹴った小石の如く綺麗に一度、二度。そして、三度地面を転がった所で漸く彼女の体が止まった。



「ん――。気持ち良いですねぇ。大勝利って奴です」



 ぼろ雑巾のなれの果てみたいに血と黒で汚れ、野晒の死体の如く地面に力無く横たわった彼女へ陽性な言葉を投げかけた。



 こ、この野郎……。私の大切な友達になんて事してくれたの??



「あれぇ?? 全然動かないし、死んじゃったかな??」



 死んだ?? あのカエデが??


 横着を働く私を冷たい表情で叱るものの、不意に訪れる春の陽気にも似た温かい笑みがもう見られないの??



「まぁ、いっか」



 あんたが、手を出したんだな??


 私の……。大切な友達に。



「まだ玩具は沢山あるし。そっちで遊べばいいかな。ね?? 愚かな龍さんっ」



 クレヴィス擬きが薄紫色の長髪をフルっと振るわせ、まるで女神の柔和な微笑を彷彿させる柔らかい笑顔を此方に向けた刹那。



「ッ!!!!」



 頭の中の血管が一本、二本……。


 いいや、全部、見事、盛大に!! ブチ切れる強烈な怒音が鳴り響いた。



「て、てめぇええええぇえ!!!! 殺してやらぁああぁぁ!! ずあぁあああ――ッ!!!!」



 どこに眠っていたのかと不思議に思う程の魔力が地面から迸る忌々しい雷を霧散。


 体に自由が戻ったと同時に無邪気な顔目掛けて拳を放つ。



「っと!! 危ないですねぇ。当たったらどうするつもりだったんですか??」


「んぎぎぎぎぃぃっ!!」



 うざってぇ結界めぇ!! 今すぐぶち破って、テメェの顔を木っ端微塵に吹き飛ばしてやる!!


 後先を考えるのは止めだ!! ここで全てを出し尽くす!!


 そして、そしてぇ……!! 私達を救おうとしてくれたカエデを救ってここから脱出してやる!!



 奥歯を砕く勢いで噛み締め、腰を踏ん張り、出血が目立つ拳に溢れ出る怒りの魔力と筋力を注ぎ。頑丈な巨岩を彷彿とさせる分厚い結界へ向かって拳がぶち壊れても構わない勢いで何度も、何度も我武者羅に叩き続けていた。





最後まで御覧頂き有難う御座いました。


さて、間も無く奈落の遺産の調査を終えて場面が変わり。大陸南南西の森を齷齪歩いている彼の御話へと移ります。


そして本日、彼の行動をどうするべきかを決めて一応完結まで書き終える事が出来ました。


私的には納得しているのですが……。まだちょっと修正を加えるべき点も幾つか残っているので苦労しそうですね。



そして、ブックマークをして頂き本当に有難う御座います!!


ちょいと落ち込む連休最終日に嬉しい知らせとなり、執筆活動の励みとなりました!!


まだまだお話は続きますのでこれからも彼等の冒険を楽しんで頂ければ幸いです!!


それでは皆様、お休みなさいませ。

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