第百四話 捉え方の違い その二
お疲れ様です。
後半部分の投稿になります。
ここまでの一連の流れからしてとんでもねぇ花の化け物が私達を待ち構えているのでは無いかと、若干の心配を胸に抱いて新たなる部屋に到着したが……。
嬉しいやら悲しいやら、それは杞憂で終わってしまった。
部屋の中央にはうざってぇ白の髪と灰色の髪が私達の到着を待ち構えており、此方の姿を捉えると二人は同時に安堵にも似た吐息を微かに漏らした。
「ちょっと!! 遅いですわよ!!」
「あぁ、時間を持て余し過ぎてアオイと組手を交える所だったぞ」
鬱陶しい蜘蛛と強面狼が私達の到着を若干辛辣な言葉で迎える。
「ごめ――ん!! レイド達の到着が遅れちゃってさ――」
それを陽気な狼が受け流して言葉を返す。
受け流すというよりもあの二人の憤りを理解していないと言った方が正しいのかもしれないわね。
ルーの頭の中はすっからかんだしっ。
「レイド様が?? と、言いますか。私のレイド様は!?」
なぁ――にがレイド様、だよ。
気色悪い奴め。
「何かね?? 薔薇のお化けから毒を受けたみたいなんだ――」
「まぁ!?!? 本当ですか!?」
「ア、アオイちゃん。首が取れそうだから止めて」
蜘蛛がルーの肩を掴んでグワングワンと激しく揺らす。
「レイドは、いつもの下らない……」
ハハ。
カエデ、言う様になったわね。随分と此方の色に染まってきたじゃないか。
とぉっても良い傾向よ?? いつでも此方側にいらっしゃい。
「騒ぎに巻き込まれて到着が遅れています。間もなく此方へ来ると……。ほら、来ましたよ??」
カエデの話した通り。
「お、お待たせ……」
ボケナスが満身創痍の表情を浮かべ、地上に出て七日目の蝉みたいな弱々しい声と足取りでやって来た。
それに対し。
「おぉ――。ここは正解みたいね」
「当り前じゃろ」
例の二人はあっけらかんとしており、元気溌剌の足取りで到着した。
野郎の状態はどこ吹く風といったところかしらね。
「さ、さて。次の色は何色かな――」
ボケナスが何かを誤魔化す様に四方に咲いた花に視線を送る。
ふんっ、本当はドスケベ姉ちゃんの体を触れて嬉しいくせに。
白々しいったらありゃしない!!
毒を受けていなきゃ……。私の牙が火を吹いていたところよ!!
いや……。今からでも遅く無い、か??
さり気なぁく屈伸運動を開始してその時に備えた。
「先生。イスハさん……」
「なぁにぃ??」
「どうしたのじゃ??」
「…………ちょっと。お話がありますので、お時間。宜しいですか??」
カエデが飄々としている二人の前に堂々と立つと。
「「っ!?!?」」
大魔である二人がキュっと目を見開いて海竜ちゃんの表情を見つめた。
此方へ背を向けていて表情は分からぬが、大方察しは付く。
カエデを怒らせるとおっかないのよねぇ。私達も何度耳が痛くなる説教をブチかまされた事か。
「レイド様!! 大丈夫ですか!?」
「え?? あぁ、うん。ちょっと怪我したけど、ね」
「お見せください!!」
ベタベタと触ってまぁ、大袈裟だっつ――の。
いや、まぁでも……。毒だから……。
以前の事もあるし慌てふためくのも分からないでもない。
寛大な私の御心の下、大目に見てやるか??
「あら?? 傷跡の上に何か……。跡が……」
「あ、あぁ。気の所為じゃない、かなぁ??」
分かり易っ!! 己は浮気現場の証拠を抑えられてしどろもどろになる夫か!!
嘘を付くのが下手過ぎて呆れるわね。
「はっ!!!! レイド様!? もしや、この跡って!!」
「あ――。エルザードさんがちゅってしてたよ?? ユウちゃん。このパン食べていいかな??」
「ちょっと腐りかけているけどいいんじゃね??」
「ま、まぁ!!!! 何て事ですの!? 正妻の私がいながら……。他の女性に頬を差し出すなんて!?」
「ち、違うって!! エルザードが勝手にやったんだよ!!」
一生そこでくだらねぇ騒ぎをやってろや。
途中、聞き捨てならない台詞が聞こえたので私はそちらに注力を注ぐ事にした。
「ルー!! そのパンは私のよ!!」
龍の姿に早変わりすると、丁度良い塩梅に腐り始めたパンへ向かって突撃を開始。
「やぁっ!! あっち行ってよ!!」
「喧しい!! 半分寄越せや!!」
んぅっ!!
微妙な硬さと気の抜けた小麦の香りが堪らんっ!!
大人の拳大程のパンにひしとしがみ付き、お惚け狼の制止を無視して胸の中の微かな憤りを霧散させるが如く。ムシャムシャと忙しなく顎を動かしてパンの面積を削り始めてやった。
――――。
恐ろしい二つの力から命辛々逃げ遂せる事に成功して正解の部屋に辿り着いたのは良いが。
戦闘以外の方が疲れるなんて……。どうかしてるよ。
女三人寄れば姦しい、と言われる様に女性達はお喋りが好きだから仕方ないとは思いますけども。
もう少し、こう……。あるでしょ?? 慎ましさとか、嫋やかさとか。
勝手気ままに暴れて人に迷惑を掛けるのは以ての外だと思うんですよ。
この人達に厳しい口調でそれを説けば有無を言わさずに剛拳が頬へ捻じ込まれ、判決を言い渡す裁判官の様に四角四面の口調で言っても馬耳東風。
どの道聞きやしないのだ。
君達の天真爛漫さによってお父さんは毎日草臥れてしまっていますよっと。
「さ、さぁレイド様!! 私にもぉ、その傷を癒させて下さいまし……」
「御遠慮願います」
「あはぁ――ん。緑の中でも辛辣ですわぁ――」
何かと理由を付けて急接近しようと画策するアオイの細い肩をやんわりと押し退けて言ってやった。
「さて、と。お次の色は何かな??」
「んもぅ。レイド様……。花よりも私を見て下さいまし」
何やら嬉しそうに俺の袖をクイクイと引っ張る蜘蛛の御姫様から視線を外して四方に待ち構える花に視線を移す。
これ以上時間を割く訳にはいけないし、早く謎かけを解かなければ。
えぇっと……。
正面に黄色、右に緑、左に青紫、そして入り口には赤か。
本来の正解は。
「カエデ。この部屋の本来の正解って……。黄色だよな??」
「えぇ、そうですよ。話が逸れましたね?? 私が言いたいのは……」
おっと。
まだあちらでは分隊長殿の御高説が続いているようだ。
隊長の仕事の邪魔をしちゃいけないし。
じっくりと考察を重ねましょうかね。
部屋の中央にどんと腰を下ろし、じっくりと四方向の花を見渡す。
ん――……。全く同種の一輪の花。
特徴を上げるとしたら、美しい色の違いが否応なしに目立つ位か。
どうやら色を当てる事に変わりは無い様だ。
「レイド――。どうしたの??」
「ん?? あ――。そろそろマウルさんの問い掛けに正解しなきゃいけないと思ってさ。色々と考えていたんだよ」
一頭の陽気な狼が俺の隣に座る。
「大変だよねぇ……」
「おいおい。他人事みたいに言わないの」
「間違えてもさ。ほら、皆強いし?? それに私達はお留守番だから助かるからねぇ」
「あ、そっか。さっきは待機だったんだな」
「えへへ――。楽しちゃった」
金色の瞳が俺を捉え、きゅぅっと口角を上げて話す。
狼の笑顔って真正面から見ると何だか面白い顔に見えるよね??
自然界の狼の笑みは滅多に拝めるものでは無いから貴重なのかも知れない。寧ろ、笑うのか?? 狼って。
「いいよなぁ。こちとら大苦戦したってのに……」
珍妙な笑顔から視線を外して再び花へ視点を置く。
「でも、あの臭い奴じゃなかったんでしょ??」
「そっちの方がましだったかもね。薔薇のお化けには囲まれるし、毒は受けるし……。もう散々だったよ」
受けた毒の所為か、四肢に痺れが残りまだ全回復には至っていない。
あ、いや。これは師匠とエルザードの所為かもしれないな。
「花も綺麗で匂いも素敵でさ、道を間違えなければ落ち着く場所だよねぇ」
大きな黒い鼻をスンスンと動かして周囲に漂う花の香りを胸に閉じ込める。
その姿を何とも無しに見つめていると騒いでいた心が落ち着き、自分でも驚く程に肩の力が抜ける感覚を捉えてしまう。
「はは。あの匂いだと鼻が曲がっちまうもんな」
「そ――そ――。花の匂いなのに鼻が曲がっちゃうよ!!」
「あはは、面白い言い換え…………」
――――。
何だ?? 今の違和感は。
ルーが言い放った言葉に何か妙に引っ掛かる物を感じた。
「どしたの?? 急に押し黙って??」
「ちょっと待って……。何か、思いつきそうなんだ」
俺の頭をタフタフと叩く狼さんへそう言ってあげる。
喉元まで出て来そうで、出て来ない。頭の中で纏まりそうで、纏まらない。
捉えようの無い霞を手で掴もうと必死に思考を凝らす。
鼻と花。
エルザードが言っていた解釈の違いって奴だよな??
言葉の意味。捉え方。
そして、マウルさんが言っていた。
『様々な言い方があるのは、言葉の面白み』。
それが示す事は……。
「……………………そうか。そうだ!! うん!! 思い出したぞ!!」
「ど、どうふぃたの?? ふぁにかふぁかったのかな??」
あ、申し訳無い。
嬉しさの余り狼さんの頬を引っ張ってしまいましたね。
「有難う!! ルー!! 胸のつかえが取れてスッキリしたよ!! カエデ!! ちょっといいか!!」
頬の皮が伸び過ぎて草臥れ果てて誰にも手に取って貰えないお饅頭に変形してしまった狼さんの顔から手を放して、お礼の代わりにヨシヨシと頭を撫でた後。
俺の考えを聞いて貰おうと御高説を続ける彼女の下へと駆け寄った。
「何でしょう?? もう暫く続きそうなのですが??」
おぉう……。その様ですね。
精気が宿っていない冷酷な瞳で大魔二人を見下ろしている。
「もう足が痺れて限界じゃ」
「そうよ。もういいじゃない」
「は??」
二人の呑気な声に反応して魂まで凍り付いてしまう冷気が空間を独占する。
「だ、大体!! 脂肪が儂の弟子にちょっかいを出すからいけないのじゃ!!」
「はい出た――。責任転嫁」
「はぁ!? 儂がいつ悪さをした!!」
「自覚が無いって怖いわぁ。ねぇ?? レイドっ」
いや。急に振られましても……。
「と、兎に角。説教はここまで!! 答えが分かったかもしれないんだ!!」
「ふむ……。それなら、まぁいいでしょう」
「「はぁ…………」」
大魔二人がやれやれと言った感じで足を崩して天を仰ぐ。
これじゃあどっちが指導者か分からないな。
「レイド。考えを聞かせて下さい」
カエデが藍色の髪をフルっと揺らして此方へと振り返る。
「先ずエルザードが言っていた通り。色を辿って行くのが正解なんだ」
「そんな事、当たり前じゃない。あ――、足が痺れちゃったぁ――。レイドぉ、私の足を揉んでよ」
「まぁ、最後まで聞いてよ。虹色を辿るのは本来の正解の道筋。しかし、それは不正解。二回の選択で証明されたよな??」
これ見よがしに足を強調する淫魔の女王様の言葉を流して己の考えを口にする。
「はい。私達も薔薇のお化けを相手にしましたから」
「瞬殺よ、瞬殺。どこぞの若作り狐と違ってねぇ――」
「儂も直ぐに退治したわ!!」
「御二人共、静かに……」
カエデが冷たい瞳で二人を睨み、再び燻ぶり始めた騒ぎの元を鎮めてくれる。
「そこで、だ。マウルさんが言っていた言葉の面白さについて考えたんだよ。さっきのルーとの会話の中でさ。鼻と花」
己の鼻を指差し、次に選択肢である花を指す。
「つまり捉え方の違いって事だ」
「それがどうなるのじゃ??」
まだ正解に行き着いていない師匠が小首を傾げる。
「馬鹿は黙っていなさい」
「はぁ!?」
「言い換え、と言った方が宜しいでしょうね」
カエデが小さい唇にか細い指を当てて言う。
「うん。それでさ…………。この森は何て言われていた??」
「「……っ!!」」
俺がそう話すと、カエデとエルザードがはっとした表情を浮かべてくれた。
流石、もう気付いたよね。
「成程。そういう事でしたか」
「なぁんだ。簡単な事だったのねぇ」
「んぅ?? 何じゃ?? どういう事じゃ??」
「空っぽな頭じゃ理解出来ないわよね――」
「触るな!! 腐るじゃろうがぁ!!」
頭の上に置かれたエルザードの手を邪険に払う。
「師匠、この森は捕食の森と呼ばれています」
「ふんっ。知っておるわ!!」
「捕食、つまり言い換えると……。色を補う補色という単語にも当て嵌まります」
「補色?? 何じゃそれは??」
あ、知らないのか。
「補色とは。互いの色を目立たせる効果があるという意味です」
カエデが即座に説明してくれる。
「赤には青緑。橙には緑みの青。ほら、どちらも正解の色ですよね??」
カエデに続いて師匠へ説明した。
だが、それでも要領が得ない様だ。
腕を組み、頻りに尻尾を左右に揺れ動かしている。
「そ、その補色?? じゃが。その色自体を知らぬと正解が分からぬではないか」
「そうですね。自分は本でこの情報を知り、先程思い出した所ですよ」
「本?? 何の本じゃ??」
「えっと……題名は」
確か……。
「毎日の料理が大変なあなたへ贈る、素敵な食生活。だったと思います」
「「「「主婦かっ!!!!」」」」
いつの間にか俺達の話に聞き耳を立てていたマイ達が声を上げる。
「べ、別にいいだろ!? 料理するのって大変なんだから!!」
振り返り様に大声で叫んでやった。
大体。誰が料理を担当していると思っているんだ!!
全く……。俺ばかりでは無く世の中の主婦に謝りなさいよね……。
君達が思っている以上に毎日の食事の用意って大変なんだから!!
「そ、その本に補色の事が書かれていたの??」
エルザードがお腹を抑え、湧き起こる笑いを堪えて話す。
「著者が言うには、補色には互いを目立たせる効果だけじゃなくて。食欲を増進させる効果も見られるようでさ。配色にも気を配るべし。そう書いてあったんだよ。凄く勉強になったのを今でも覚えているんだ」
「ふふっ。レイドらしいね??」
そうやってお腹を抱えるのなら。もういっその事、大笑いして貰った方がましだよ。
「じゃあ、ここの正解は何よ――??」
少し離れた所からマイの言葉が届く。
えっと……。虹の順番だと確か、黄色だろ??
黄色の補色つまり……。
「青紫だよ」
該当する花を指して言ってやった。
「そ、正解――。ねぇ?? こんなお馬鹿な指導者なんか捨てて私の下に来なさいよぉ」
エルザードがしゅるりと腕に絡みついて話す。
「もう既に色々手一杯だから、御遠慮願います」
柔らかいお肉を押し退けて言ってやった。
「あんっ。もぅ――。いつでも孕んであげるのにぃ」
「退け。良くやったぞ。流石、我が弟子じゃな!!」
ずいっとエルザードを押し退け、師匠が満足気に俺を見上げてくれる。
そうそう。こういうのですよ。
本来の指導者足る姿は。
「ちっ。あ――あ――。己の手柄みたいに威張っちゃってさ。なっさけない」
「何じゃと!?」
一々噛みつかないで下さい、これは安い挑発なのですから。
「問題を解いたのはレイド。あんたじゃないのよ。お分かり??」
「ぐぬぅっ!! …………そうじゃよなぁ。お主も案外戯けじゃな?? 『儂の』 弟子が解いた問題を解けぬのだからなぁ??」
「…………。はぁ??」
さ、さてと!!
雲行きが怪しいし。退散しようかな。
重苦しい雷雲が立ち込め、今にも地上へ稲妻が落下しそうだ。
雷に全身隈なく焼かれる前にそそくさと青紫の花の下へと移動を開始した。
「よし、ここで正解が分かるぞ。皆、もう一踏ん張り頑張ってくれ」
部屋に置かれている荷物を背負いそう話す。
「了解――。もうちょっとの辛抱って奴だな」
ユウがどこぞの龍とお惚け狼さんの分の荷物を背負う。
「大丈夫?? 重くない??」
「ん?? 薔薇のお化けもマイと共闘して速攻で退治しっちゃったし。全然体力を使っていないからね」
俺の場合は龍の力を解放しなくても倒せたから、ユウとマイの実力を加味すれば余裕だろう。
「余裕過ぎてびっくりしちゃったわよ。速攻で花弁捻じ切って玩具にしてやったし」
「コイツったらあたしの分も残しておけっていったのに七話割方片付けるんだもんなぁ――」
右隣りで飄々と歩くマイの頭をユウが小突く。
「何すんじゃおらぁっ!!」
そしてそのお返しと言わんばかりにミノタウロス様の聳え立つ山脈へ向かって見事なビンタを返した。
「いてっ。おい、胸を叩くなよな」
「いいじゃない。減るもんじゃないし??」
ユウの場合、少し位減ってもいいんじゃないだろうか??
彼女曰く肩も凝るし、売っている下着も少ないと嘆いていたもの。
今も有り得ない揺れ幅で弛み、弾む胸を見てそう感じてしまった。
「――――。レイド、見過ぎ」
「あ、うん。ごめんなさい」
分隊長の恐ろしい声色によって我に返り確と正面を捉えた。
ユウの山って、正気を狂わす何か恐ろしい力が宿っているんじゃないか??
一人勝手にそう理解すると、静かに開かれて行く蔦を眺めていた。
「じゃあ行こうか」
完全に通路が現れたのを確認。
仄暗い通路へと進むが……。
「じゃかましい!! そっちが悪いんじゃろうが!!」
「残念でした――。正論はこちらですぅ」
今も轟く騒音が俺とカエデの歩みを止めてしまった。
「師匠!! 行きますよ!!」
「先生。置いて行きますよ」
二人同時に後方へと似た苦言を吐く。
そしてカエデと顔を合わせ、お互いにふっと柔らかい笑みを浮かべると。
『そちらも大変ですね??』
藍色の瞳はそう語っていた。
「で、弟子が師を置いて行くな!!」
「待ってよ――」
互いの指導者がこちらに向かい、一方は慌てて一方は呑気に。
その姿がどこか可笑しく映り、俺とカエデは陽性な感情を抱いたまま師達の到着を待つこと無く通路の先へと足を運んで行ったのだった。
お疲れ様でした。
鋭い読者様なら直ぐに補色だと看破したのでは無いでしょうか。
次話では更にもう一問御用意しておりますので意地悪賢者様の戯れをお楽しみ下さいませ。
それでは皆様、お休みなさいませ。




