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第百七十六話 彼女の心の空模様

お疲れ様です。


本日の投稿になります。


それでは、どうぞ。




 森の中の心地良い澄んだ空気が漂い、束の間の友人達との談笑が昨晩から続く激務の連続によって枯れかけていた活力を取り戻させてくれる。


 柔らかいオレンジ色の炎の明かりが微風によって揺れると、灰の香りが風に乗って鼻腔へ届き。その香りが体を弛緩させてしまう。


 気の合う友との談笑、安寧を得る為に誂えた様な好環境に私は白米の上に乗る生卵さんみたいにドロドロと溶け落ちてしまっていた。



 まぁ、その中でも一番貴重な存在を忘れてはいけないわね。



 目線一つで何でも察してくれる友人との楽しい会話、王様が過ごすべき素敵な好環境でさえも空腹は満たしてくれないのだから……。



 友人達が四苦八苦しながら肉を食べ続けている中、私は最後まで突っ走り。聳え立つ肉の山の大半は私の胃袋の中に消え去った。



 後はぁ、私が選んだ最高級の枕の一つ。


 怪力爆乳娘のお腹枕で心地良い眠りを……。



「う……。うぷっ!!」



 腹がこんもりと膨れ上がり何かが胃袋から喉元へと押し寄せ、今も新鮮な空気を吸おうと画策している。


 それを必死に抑え込んで草の絨毯の上に寝転んだ。



 傷付いた体と体力を取り戻す為の素材を吐き出して堪るもんですか。



「食って直ぐ寝るな」


「五月蠅い。こうでもしないと喉の奥から出て来るのよ」



 夕食を終え随分と寛いだ様子のユウを睨んで言ってやる。



「あれだけ食べればそうもなるだろうさ。エルザード、この後は自由に過ごしていいのか??」



「えぇ。明日の朝までゆっくり休みなさい。気が付いていないと思うけど、皆それなりに疲労が溜まっているのよ?? ゆっくり寝て明日に備えなさい」



 そう言いながら、静かに立ち上がりのんびりとした歩調で周囲を歩き出す。



「何してんの??」



 膨れた腹の所為で動けないので彼女の動きに視線を合わせて話す。



「うん?? あぁ、結界を張るのよ。気休めかもしれないけど、無いよりかはましでしょ??」



 両手に淡い桜色の魔法陣が浮かび、力を籠めるとかなりの硬度が期待出来そうな結界が天幕状に私達を包んだ。



「おぉ!! これなら安心して寝れそうだよ!!」


 ルーが木の幹に背を預けて話し。


「深夜に馬鹿げた飛蝗の相手はしたくないからな」


 リューヴがそれに続いた。



 これだけの分厚い結界なら皇帝さんの襲撃、並びに夜行性の生物の襲来があっても多少はもつだろう。



「ふぁあぁ。何か、安心すると……。眠くなって来たな」



 私同様、草の絨毯へころりと寝転ぶユウが話す。


 その目はトロンと下がり、今にも夢の世界に旅立ちそうだ。



「ユウ、無理はしないで休んで下さい。明日もありますので」



 カエデがかがり火の側から話し掛けた。


 藍色の髪にオレンジ色が合わさり、髪の美しさに拍車を掛けている。


 黙ってそこにいるだけでも随分と様になるわねぇ。



「そうさせてもらうよ……」


 体の力を弛緩させて仰向けになり、そっと目を閉じた。


「明日は日の出と共に出発する??」



 カエデの隣で寛ぐ、エルザードに問いかけた。



「そうねぇ。早過ぎても疲れは取れないし……。明るくなってから出発しましょう」


「了解。皆聞いていたわよね??」



 起きていそうな仲間に声を上げる。



「は――い。分かったよ――」


「了承した」


「了解です」


「レイド様をいち早く助けたいのですが……。ここはぐっと堪えましょう」


「んにゃった……」



 若干一名夢現なのが気掛かりだが、まぁ大丈夫だろう。



「それじゃ、私も寝るわ。おやすみ――」



 彼女の眠気が伝播して重過ぎる瞼が開けていられない。


 だが、最高の眠りを享受する為に私はあそこまで到達しなければならないのよ。


 ユ、ユウの腹枕まで後少し……。



 這いつくばって草の絨毯の上に横たわる彼女の側に到達。


 心地良い吐息を吐く彼女に無断でお腹の服を自分好みの高さに寄せ、さぁ!! 準備は整った!!


 最高な寝心地を提供してくれる枕目掛けて後頭部を乗せようと勢い良くコロぉんと倒れ込んだ。



「ゆっくり寝たいからあっちに行け」


「んぶぐぇ!!」



 ユウの剛腕がそうはさせまいと私の後頭部を勢い良くパチンと叩くと、ダンゴ虫みたいに地面の上をコロコロと転がってしまった。


 い、痛過ぎてびっくりしたぁ……。


 私の御目目ちゃんからお星様が飛び出したもの。


 世界最高の枕へと戻る体力は残っていないし。今日はこのまま寝ようっと……。



「おやすみ――マイちゃん。私もねよ――っと」



 それから幾つかの話し声が鼓膜に届くがいつしか私の意識は霞に包まれ、ゆっくりと朧の中に消えていった。















 ――――。




 私は夢を見ていた。


 何故それが確知出来たのか??


 私の周囲を取り囲む背景は無味乾燥な白黒であり此処が現実の大地では無いと理解出来たから。


 そして、夢であると認識出来た最たる理由が目の前にあった。



 そう……。彼が立っているから。




「…………」



 私が話し掛けると、困った様な顔を浮かべ優しい黒の瞳で此方を見つめる。



「……??」



 ボケナスが私に何かを話し掛けて、笑顔を浮かべた。



 この笑顔が堪らなく…………。好きだな。


 大した用事でも無い会話だろうが、その会話の中で時折見せる笑顔が私に安らぎを与えてくれる。



 春の陽気に包まれた様に心が落ち着く。嫌な事があった時も直ぐに負の感情が微風に乗って何処かへと行ってしまう。


 そして、全部温かく……なる。



 彼の笑顔には人の心を温める不思議な力でも宿っているのだろうか??


 性別が違うから、そう見えるのか??


 それとも……。彼だから??


 分からない。全然分からないよ。このあったかい気持ちがどこから湧いて来るのか。


 私が彼の温かさに触れようと手を伸ばすが。



 急激に場面が変化。



 彼の正面にミルフレアが立ち、口元を歪に曲げてあの忌々しい短剣を投擲しようと右手を振り上げていた。



「…………っ!!!!」



 声にならない声を張り上げ、必死にボケナスを庇おうとして動こうとするが。


 まるで金縛りにあったように、体が一歩も動かない。



 くそっ!!


 動きなさいよ!! こ、此処で動かないとコイツは……!!!!



 自分に強烈な喝を入れるがそれでも指先一つ動く気配は見当たらなかった。


 蛇の女王が勝利を確信した様にニィっと口元を曲げると。忌々しい短剣が投擲され、空気を撫で斬り回転しながら彼へと向かう。



「…………」



 避けなさい!!


 私が力を籠めて叫んでも、ボケナスはその場に立ち尽くすだけで動こうともしない。


 何で、避けないのよ!!


 この馬鹿野郎ぉぉおお!!



 私の叫びは彼に届く事は叶わず。憎き短剣は無情にも彼の腹部に深々と突き刺さってしまった。



 嫌だ……。止めて……。


 もう、この光景は見たくないの。


 私が私自身に懇願してもこの光景は止まる事無く続き。



 夢の中の私は涙した。



 彼が膝から力無く倒れ、光が消え去った瞳が私を捉える。



 いや……。いやぁっ!! 


 これは夢だ、夢なんだ!!



 消えない悪夢を払拭しようと頭を抱え、世界からの拒絶を願って耳を塞ぐ。



 消えなさいよ!! お願い!! 私が悪かったからぁ!!



 目を瞑ろうが、泣き叫ぼうが、嗚咽しようが瞳の輝きが消失した彼の姿は消え去る事は無かった。



 喉の奥から込み上げて来る酸っぱい物を堪えて、頭を抱えていると私の足を誰かが掴んだ。



 口から血をゴボゴボと零し、瞳の輝きが失せた姿のボケナスだ。




 ごめんね?? 痛いよね?? 辛いよね??



 動けぬ彼をそっと抱きかかえ、震える右手をぎゅっと握ってやる。



「……」



 口を開け、何かを話すがそれは風に掻き消され私の耳まで届かない。


 聞こえないよ?? 私に聞こえる様にもっと強く言って??



「…………」



 彼がいつもの笑顔を浮かべると、私の手を握る力がふっと消え失せた。


 だ、駄目……。逝っちゃ、やだ。


 いつもみたいに笑ってよ。はにかんだ顔で揶揄ってよ。眉を尖らせて叱ってよ。


 皆と一緒に怒ってよ。下らない顔で小馬鹿にしてよ。




 他の誰でも無い。私の側に、いてよ!!!!




 事切れた彼の体を力の限り抱き締め、涙の海で彼の胸元を濡らした。



 ふと、顔を上げると。


 彼の足が灰へと変わり、風に流されて行くのを捉えた。


 それは徐々に体を伝い、足から太腿、太腿から腰へ。私は崩れ落ちて行く様を只愕然と見つめるしか出来なかった。



 駄目!!!!



 この現象を拒絶し、彼の上半身を必死に抱き締め灰へと変わるのを止めようとするが、それは止められなかった。



 肉の感触は消え失せ、代わりに私は乾いて質量の無い灰を抱いていた。



 う、嘘……。嘘よね??


 ねぇ!! 嘘だと言ってよ!!



 両手で灰を握り締め、地面に叩きつける。


 心が痛い。胸が苦しい。



 頭がどうにかなりそうだ。


 心が乱され矮小な呼吸さえ出来なくなる。



 苦しいよ……。痛いよ……。


 誰か……。私を助けて。



 何も無い地面に蹲り、苦痛と常軌を逸した吐き気で身動き一つ取れないでいると。




 ふと、私の頭を誰かが優しく撫でてくれた。


 涙で見えない視界を拭い、顔を上げると。



「……」



 いつもの柔らかい笑顔を浮かべている彼がそこに居た。



 な、何だ。無事じゃない。



 胸を撫で下ろして立ち上がり彼の腕を取ろうとするが。


 彼は私に背を向け彼方に見える美しい光へと歩み出した。



 うん?? どこに行くの??


 私は此処にいるよ??



「……」



 いつもの背中に話しかけるが返事は返って来ない。



 ね、ねぇ??


 今度さ、美味しい物食べに行こうよ。


 ほら、王都の屋台に新作が出ているかもしれないし。




「……」



 刻一刻と彼の背中が遠くなる。



 ユウも誘ってさ、皆で楽しく過ごそうよ。


 安心しなさいって!! ちゃんと予算を考えて買うからさ。



「……」



 彼へ向かって手を伸ばすが、彼の遠い背中には届かない。



 き、聞いてよ。


 ルーの奴ったら、私が食い過ぎだって言うのよ??


 それにカエデもちょっと険しい顔しちゃって。


 あ、蜘蛛はどんな表情してたか分からないわね。


 リューヴは私に対抗しようとして食べ過ぎで倒れちゃったのよ??


 もぅ、皆して私を揶揄い過ぎなのよねぇ。



 ボケナスからも言ってやってよ??



「……」



 光へ向かって進む彼の背に向かって必死に呼びかけるが、彼は歩みを止める事は無かった。




 お願い……。お願いよ!!!!


 行かないで!!


 私を一人にしないで!!


 置いて行かないで!!



 懸命に走り出して小さな背中を追いかけるが彼は離れて行く一方。



 嫌だぁ、嫌だよぉ……。


 レイド……。私の事嫌いになっちゃったの??


 気に入らない事があるなら直すよ??


 何でも言う事、聞くよ??


 いい子に、なるよ??




 だから、だから……。行かないでぇええぇええええええええ!!!!




 涙で塗れた顔で魂の叫びを彼の背中へ向けて咆哮した。


 すると、私の声が届いたのか。


 歩みを止めて此方へすっと振り返る。



「……………………。ごめんな??」



 そう話す彼の顔はあのいつもの笑顔であった。


 そして、彼はゆっくりと光の中に姿を消したのだった。











 ――――。





「…………。行かないで!!!!」



 驚くべき速さで上体を起こして声を張り上げて叫ぶ。



「……」



 朝霧が漂う森の柔らかい草の香りが鼻腔を刺激し、刹那の出来事は夢であると私の頭に認識させた。



「ゆ、夢か……」



 あれが現実だと思うとぞっとする。


 悪夢に魘されていた所為か、シャツが重い汗で濡れており。喉の奥が乾燥して肉にへばり付きかなりの嫌悪感を生じさせていた。



「……。あ、あれっ??」



 アレが夢だと分かった瞬間、瞳から一粒の液体が零れ落ちた。


 驚いていた心が安堵してきっと欠伸を放ったのよ。そう、これは……。心の欠伸の雫なんだ。



「あ、あはは。何だ?? 何で、私……」



 一滴が零れ落ちると続け様に二滴。


 そして小さな通り雨はいつしか濁流へと変異した。



「クッ……。ヒグッッ……!! ウゥッ……。馬鹿ぁ。酷い夢ぇ、見させるなぁ……」



 膝を抱え、誰にも見られぬ様一人静かに膝を濡らす。


 くそっ……。


 こんな情けない姿誰にも見られたくない。


 夢で見た内容で泣いて、ムカついて、吐き気を催して。


 私ってこんな女々しい奴だったのか??



 情けない自分は捨て置いた筈なのに!!


 どうして帰って来るのよ!!



 前歯で下唇を力の限り噛み、嗚咽する声を誤魔化していると。



「――――。お早う御座います」



 鼓膜に届いた突然の声に体がびくりと動いてしまった。


 この清涼な声は……。



「……カエデ、お早う」



 膝を抱えたままの姿で言ってやった。



「夜明けですね。今日も良い天気ですよ??」



 この情けない姿を捉えても敢えて尋ねて来ないカエデの優しさが空気を伝って体に染み込んでくる。



「そうなんだ」



 肌に感じる朝の清々しい空気、木々の合間から零れ落ちて来る鳥の歌声。


 早朝に相応しい環境は肌で感じるが……。



 この醜態を晒してしまったので、素っ気無い返事をしてやる。



「昨晩のお肉の味は如何でした?? 塩の匙加減に自信はありませんので、宜しければ感想をお聞かせ下さい」


「おいじかった」



 しまった。


 情けなく鼻を啜りながら言ってしまった。


 これでは泣いていますと言っている様なものだ……。



「そうですか。マイに褒めてもらえるなら自信が付きます」



 優しく草を踏む音が近付いて来る。


 そして、その音は私の隣で止まり。カエデが周囲に配慮した静けさで座り、蝶の羽音よりも矮小な声で静かに語りかけて来た。



「今日は忙しくなりそうですよ?? マイの御父様と会ってレイドを治して貰って、経過観察を続けて……。他にもやる事が出て来そうで行動する前から疲れてしまいます」


「うん」


「湖に向かうまでにも、色んな生物が現れそうですね。ちょっと見てみたいとは思いますけど、遠足に来ている訳ではありませんので……。宜しければ今度、レイドが元気になったら案内して下さいね??」



「うん……」



「先生から伺いましたけど、美味しい果実があるみたいですね?? 道中見付けたら声を掛けて下さい。是非、賞味したいと考えていますから」


「うん…………。うんっ」



 カエデの世間話が妙に心地良い。


 曇っていた心に温かい風が吹き込み凹んでいた心の空模様が晴れ渡る。


 一人で何勝手に凹んでいたんだろう。


 やっぱり、自責の念かな。


 自分なりに責任を感じて今の夢となって現れたのだ。


 本当に夢で良かった……。


 くよくよしていてもアイツが助かる訳じゃない。ここは気持ちを入れ替えよう。



「顔、洗いますか??」



 腕の隙間から目だけをチラリと覗かせる。


 カエデの指先に小さな水色の魔法陣が浮かび、小指程度の水の流れが地面へと滴り落ちていた。



「ありがとう」


 泣きっ面を見られたくないので、慌てて水を掬い、顔をぐしゃぐしゃと洗ってやった。


「ぷっは――!! 生き返るわぁ」


 大袈裟に言い、顔を左右に振って水滴を飛ばしてやる。


「ついでに水飲ませて」


「どうぞ」



 再び両手で水を溜め、冷たく新鮮な水を喉の奥へ流し込む。



「……はぁ。おいしっ」



 悪夢の所為で枯渇した水分を補う。


 体に水がゆっくりと染み渡り活力が湧いて来た。


 よぉし。


 これなら今日も元気に暴れ回れそうね!!



「ふぁああぁ。ん――?? 誰ぇ??」



 おっと。


 私達の会話でユウを起こしてしまったようね。


 寝起きの猫みたいな声を出してうすぅく瞼を開けて私を見つめる。



「ごめん。起こしちゃった?? まだ寝てていいよ」



 寝惚け猫に言ってやった。



「ん――。そうふりゅ……」



 寝返りを打ち、再び夢の中へと戻って行った。



「……カエデ。貸し一つね」



 元気を貰った事への礼。


 そして私の心を気遣ってくれたお礼を述べた。



「ありがたく頂戴します」



 口元に柔らかい笑みを浮かべ、彼女はそう言った。



 ふぅ――……。


 湖まで残り僅か。それはつまり、アイツが回復するまで後少しの所まで来ているという事だ。


 くよくよする事は悪くないけど。いつまでもそれを引きずるのは良くないわよね。


 気持ちを切り替えて本日の行動に臨みましょう。



 アイツが目を覚ました時。私の有り得ない姿を見たボケナスは指を差して笑うだろう。



『お前らしくないぞ』 と。



 ふんっ。そんな事は分かっているのよ。


 只……。世界最強の私でも自分の心は自由に操作出来ないの。


 嫌な事があれば落ち込み、失敗したら凹み、友との語らいの時は大きく口を開けて笑って心地良い感情に包まれる。


 それが自然体であり、心の感情を包み隠さず面に出すのが私なのだ。



 私の心の中にある数えきれない感情の中で、最も温かい感情でアイツの目覚めを祝ってやろう。


 そう……。


 仲間として、そして大切な友人に持つべき温かい感情で指を差して笑ってやるのだ。


 数百時間寝てもそんな寝癖はつかないぞって、ね。



 死神に肩をポンポン叩かれているアイツを叩き起こす為にも!!


 私は今日全てを出し尽くす覚悟を以て行動しないとね!!



 取り敢えず立ち上がると、臀部に付着した砂を払い落とし。



「すぅ……。すぅ……」



 物凄く可愛い寝顔で眠り続ける我が親友を叩き起こす為。



「おはよう――!! ユウ!! 間も無く出発しますよ――!!」



 ぶん殴られる覚悟を決めて彼女の腹へ飛び乗ってやったのだった。




最後まで御覧頂き有難う御座います。


先の後書きでも申した通り、彼女の心の空模様を描く事がまぁ難しくて……。


傍若無人の限りを尽くす彼女ですが、それでも一人の女性ですので至極当然の感情かとは思いますが……。


さて、力の森攻略編も残す所後二話になりました。


彼女達は無事にマイの父親の下へ辿り着く事が出来るのか。温かい目で見守って頂ければ幸いです。


それでは皆様、お休みなさいませ。

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