第百五十話 夜這いは淫魔の専売特許 その一
お疲れ様です。
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夜の闇も思わず顔を顰めてしまう騒音を放つ女性陣は魅惑の湯へと向かい。束の間の静寂が訪れた縁側に一人居残り、龍の力が現れた右腕を何とも無しに眺め続けていた。
右腕に感じた新たなる力……。
迸る熱さと凄まじいまでの力の波動……。みたいなものと呼べば良いのだろうか。
体の奥底から湧き上がる灼熱の業火と、底知れぬ力の幻影の欠片が今も漂っている様に熱が残っている。
余韻、かな??
以前は龍の力を収めたら何も感じ無かったってのに……。
「どうしたの?? ぼ――っとしちゃってさ」
淫魔の女王が怪しい月光の下。この光景に誂えた様な美しい桜色の長髪を揺らしつつ此方へやって来る。
「いや、龍の力を思い出していてさ」
右腕から視線を外し、数多多くの人々が憧れる姿態を眺めた。
「まだ使い熟せていない思うけど、徐々に慣れていきましょう」
縁側に腰掛けている俺の横にポンっと座って話す。
「そうだな。師匠の所に行っていたの??」
「引継ぎは問題無いと思うけど、貴方の指導方針について話し合っていたのよ」
俺の飲みかけの湯呑に手を伸ばす。
「それ、俺のだぞ」
「気にしないわよ。ん……。はぁ、おいしっ」
自分は気にします。
目を瞑り、茶の清涼感を楽しんでいる姿はどこからどう見ても普通……。じゃあないな。こんな美女が普遍的に溢れていたら困りますもの。
夜景を満喫する一人の女性に見えてしまう。
桜色の美しい髪が月明りに照らされ、その色はあたかも今が晩冬の冷たさ残る春の夜だと錯覚させる。
薄い上着の輪郭から垣間見える細い肩は男性の守りたくなる心を悪戯に刺激し、怪しい瞳に捕らわれたら最後。
彼女の美麗な姿から目を離せなくなってしまうだろう。
「なぁに?? こっち見て」
「へ?? あぁ。美味そうに飲むなぁって」
大魔にでもなると目を瞑っていても他人の視線が理解出来るのかしらね??
此方の視線を感じたのか、夜空へ向かい静かに言葉を漏らす。
「レイドとの間接キスだから美味しいのよ」
「揶揄うなって。明日はどんな指導内容なの??」
大変宜しく無い方向に雰囲気が向かい始めてしまいそうなので、さり気なく話題を変えてあげた。
「さぁ??」
「さぁって」
師匠と指導内容について相談してきたんじゃないの??
「お互い指導内容については干渉しない取り決めなのよ。魔法の指導に当たっては全て私に一任されているから」
「ん――。要らぬ横槍が入ると指導に影響するって事??」
「大体そんな感じ。体術、徒手格闘についてアイツに敵う者はそうそういないからね。魔法に関してもそう。蛇の道は蛇、よ」
「へぇ。随分と信頼しているんだな??」
これは意外だ。
もっと虚仮にしたり、馬鹿にしたりすると思っていたが……。
「そりゃぁまぁ……。長い付き合いだし?? あのクソ狐が何を考えているか大体分かっているもん」
「腐れ縁って奴だな」
「そうねぇ。本当、長い付き合いだわ……」
何かを思い出す様に大きく息を吐き、艶めかしく足を組む。
御免なさい。
もう少し裾の長いスカートは履いて頂けば幸いで御座います。
「そう言えばさ。ある人の下で師匠と鍛えていたって言っていたけど。その人って今も存命なの??」
ふと昨日の師匠の御言葉を思い出す。
「…………、亡くなったわ。ず――っと前にね」
「そっか……。どんな人だったんだ??」
「そうねぇ。優しくて、大らかで。私達の面倒を大切に見てくれて。あの人には今も敵わないなぁ――」
天を仰ぎ、ふぅっと息を漏らす。
「エルザードが?? そんなに強いの??」
卓越した魔法と種類の多さ。そして大魔の血を受け継ぐ彼女ですら敵わない傑物、か。
相当な力を有した御方だったのだろう。
「強さの意味が違うわ。どれだけ鍛え、強くなろうとも絶対に敵わない。私は一生あの人に勝てないと思うわ」
「惜しい人を亡くしたな。存命だったらこの世界の状況を何んとかしてくれたかも知れないし」
大魔の五人を鍛え育てた者だ。
それ相応の力と魔力を兼ね備えているに違いない。
「……そう、ね」
ん??
何だ。
今妙に引っ掛かる物言いをしたような……。
「所で、レイド」
「何??」
此方に体の正面を向け真剣な眼差しを向ける。
明日以降の指導内容についての話が始まる。そう考えて確と背筋を伸ばし、真剣な面持ちの彼女に対して礼儀正しい姿で次なる言葉を待った。
「…………。子種頂戴??」
「ぶっ!!!!」
真剣な言葉を待っていたのに思わぬ肩透かし、では無くて。遥か頭上を越えて地平線の彼方へと飛んで行ってしまう見当違いな言葉が飛び出て来て思わず吹き出してしまったではありませんか!!
「ば、馬鹿じゃないのか!?」
今といい、精神の世界といい。
この人の頭の中はそれしかないの!?
どんな教育を施したのか。彼女の指導者が存命でしたら小一時間程問うてみたいですよ!!
「だってぇ。私を守ってくれた……。後ろからギュッて抱きしめられた時の感覚が忘れられないのよ」
「寝れば忘れると思うよ」
こういう時は淡々と渋々と、感情を込めないで話すのが一番ですね。
相手に要らぬ欲情を与えぬ為にもこの方法が上策だ。
「龍の力を宿した雄らしい腕。優しそうな顔の割に締まった体……。それに、体に刻まれた傷が私を刺激するのよ……」
四つん這いの姿勢へと変化し、後方へと退避行動を続ける此方との距離を詰める。
張りの良い双丘がこの星の重力に引かれ、熟した果実をもぎ取ってごらんなさい?? と言わんばかりに激しい自己主張を叫んでしまう。
俺もそれ相応の性欲を持つ男性ですので。
『ぬ、ぬぉぉぉぉおおおおおお!!!!』
両の腕を大地に突きたて激しい腕立て伏せを続けて燃え上がる性欲さんに促されるまま、あの魅惑的な果実をもぎ取りたいのですが。
「怪我はおっちょこちょいですからね」
至極冷静を努めてこの距離感を維持したまま退避行動を続けた。
「淫魔の女王である私が孕んであげるって言っているのよ?? 多くの男性は目に大粒の涙を垂れ流しながら土下座をして礼を述べるわ。俺の子を孕んでくれて有難う御座いますってねっ」
「まだまだ任務は残っているし、それにこういう事はもっと信頼関係を深めお互いの了承を得て。然るべき場所、然るべき時、然るべき場合を考えてだな……」
うむっ。間違っていないぞ。
片方の意思表示だけでその様な行為を行うのはもう犯罪行為と呼んでも差し支えないからね。
女性に迫られて尻尾を巻いて逃げる男性もどうかとは思いますけども……。如何せん。
まだまだ果たすべき責務が山積しており、何より俺はまだまだ未熟者。
例え彼女が子を宿す事について了承したとしても、此方としては了承しかねるのです!!
完璧に論破出来たな。
「…………。関係無いわよ」
「ちょ、ちょっと!! いけません!!」
四つん這いの姿勢から獲物に飛び掛かる野獣の如く此方に向かって襲い掛かり、俺の胸に顔をポスンっと埋めてしまう。
女の香りが立ち上り鼻腔を通り抜けて脳を刺激すると一気に鼓動が早くなる。
「はぁっ、良い匂い」
「汗臭いだろ」
「ううん。男の人の匂い、って感じがして私は好きだよ」
「そ、そりゃどうも」
参ったな。
動こうにも腕を動かせば、双丘に触れてしまいそうだし……。そして!! 両腕が自然とこの女性を抱き締めようと作動していまうので、全神経を総動員してそれに抗ってやった。
「ねぇ……??」
「何??」
埋めていた胸から面を上げ、上目遣いでこちらを見上げる。
「レイドはさ。魔物の事……好き?? それとも嫌い??」
「好きか嫌いの二択しかないのなら。俺は前者を選ぶぞ」
「それ、本当??」
「勿論だよ」
小さな雀が頷く様に注意して見ないと分からない程小さく頷いてやった。
優しく、互いに尊敬し、愛しむ心を忘れない魔物を俺は尊敬している。
金や権力に媚び諂い醜い顔をした人間より、よっぽど魔物達の方が澄んだ心を持っているからね。
しかも、それを矢面に出さず剰えこちらに気付かせようともしない。
魔物達は感情を持つ人間と同じだと考えている。
俺の胸に顔を埋め、イヤイヤと顔を横に振ってより深く潜ろうとしている女性も……。
「こら」
それ以上は深く潜ってはいけませんよ――っと。
「いたっ!! も――。邪魔しないでよ――」
むすぅっと頬を膨らませ若干潤んだ瞳でこちらを見上げる彼女は大魔と呼ばれ、その気になれば数千、数万の人間を皆殺しに出来る力を有している。
それでもそうしないのは彼女が本当に良く出来た人物であり、人間を少なからず愛しているからだと思う。
口では餌だ、邪魔だ。
そう口を悪くして言っているが、本心では無いだろう。
口に出して言うのは恥ずかしいが人間を好いてくれている事にいつか……。
感謝の言葉を述べたいと考えている。
そして。
対等な関係とまでは言えないが、同じ目線から同じ景色を見てみたいものだ。
「本当にぃ好きなのぉ??」
こちらの本心を探るように、じぃぃっと俺の瞳を見上げる。
「得意の魔法で心を覗いて見たらどうだ??」
「昼見たからいい」
あ、そうでしたね。
だったら!! こんなふしだらな密着は不必要なのではないでしょうか??
「あなたの口から聞いてみたかったの。どうしよう……?? 本当に嬉しいよ??」
えへへと笑う姿に心がざわつく。
エルザードってこんな笑い方もするんだ。
「そ、そりゃどうも」
いかん!!
このままの姿勢を保てば理性が吹き飛びそうだ。
これが淫魔の女王の御業なのか……。
「誰もいないし。布団も用意してあるね??」
寝所の方へチラリと視線を移す。
『はい!! は――い!! 行きますぅ――!!』
「皆が安寧を得る為に敷いてあるんだ。決してそういう目的で敷いてある訳ではない」
性欲の声とは真逆の声色と答えを静かに述べる。
「そうなの??」
キョトンとした感じで小首を傾げ、違うのかと尋ねる。
「そうなの!!」
これはいかん。
彼女の性欲の魂に火が灯る前に!! しっかり訂正してやらねば。
「でも、ほら?? トクットクッて、レイドの心臓五月蠅いよ??」
此方の胸に小さな耳を当てて、通常時よりも二割増しの早さで鳴り響く鼓動を聞く。
「御飯食べた後だからな」
自分でも苦しい言い訳だと思うが……。あ、いや。無理矢理アレを喉の奥に送り込んだ為に心臓が五月蠅く鳴り響いている可能性も捨てがたいな。
「ふふ。楽しいね……??」
こちとら動悸が激しくて息苦しいので全然楽しくありません。
再び腕をきゅっと強く絡め、体を預けて来る。
「はぁ…………。やっぱダメ。堪えていたけど……。もう限界」
女性らしい細い腕を腹から背に回し。しっかりと俺の体を拘束したまま魅惑的な唇が這い上がって来る。
しっとりと湿った唇が、お前の唇は此処に到着すべきだと手を招く。
「我慢して下さい」
「レイド……。ん――――っ……」
いやいや。目をきゅっと瞑って何かを期待して待っていますけども。
絶対触れませんよ?? 誰かに見られたらきっと頭を捻じ切られて壁に飾られてしまいますので。
「「……」」
しかし、彼女はその姿勢を保持したまま微動だにしない。
それはまるで此処に貴方の唇を密着させるまで拘束を解きませんよと伝えている様であった。
この姿勢を見られたらきっと酷い目に遭わされるし、ササっと。そして軽くなら……。
い、いかん!!
一時の感情に流されるな!!
エルザードとは良好な関係のままでいたい。
だが、しかし……。
今のエルザードって……。女らしいというか、いや女なのはそうなんだけど。しおらしい姿が妙に似合っているよな。
「…………」
頭では冷静を保っているが、体が脳の命令を無視し彼女の左肩に右手を優しく置いた。
手が触れた瞬間、彼女の体が小さくピクっと動く。
これ!!
止まれよ、俺の体!!
『うはははは!! 貴様の体は俺様が乗っ取った!! ってな訳で!! 子作り開始しちゃいましょうかねぇ!!』
必死に抑えようとも自己主張が激しいコイツの所為で制御が効かない。
このままでは……。
熱を帯びた意識が膨れ上がり視界がぼぅっと狭まる。そしてまるで第三者の視点の様に、無言で近付く両者の体を見つめていた。
「…………。何をしておるのかのぉ??」
「し、し、師匠!!!!」
怒気を帯びた我が師の声を受け賜わると同時。エルザードの体を急いで離し、二つの足をキチンと折り畳んで姿勢を正す。
突然の声に心臓が飛び出しそうになった。
「如何わしい気を感じ、様子を見に来たら……」
わなわなと肩を震わせ、三本の尻尾がそそり立つ。
目は血走り、拳は強く握られていた。
や、やっべぇ……。
こ、こ、殺される……。
今度は違った意味で動悸が激しくなってしまいましたよ。
「ふんっ。私とレイドの交尾を覗きに来たの?? やっらしぃ――」
にやりと笑い、怒り心頭状態の師匠を挑発的な視線で見つめる。
「交尾……じゃと?? レイド、それは真か??」
「いいえ!! 違います!!」
腹に力を籠めて声を出し、木の床へ額を擦り付けながら叫んだ。
「だ、そうじゃ」
「え――違うのぉ?? じゃあ無理矢理味見しちゃお」
言うが早いか、エルザードが覆いかぶさって来ると粘度の高い液体が纏った舌が首元を這う。
たっぷりと唾液を含んだ舌の感触に全身の肌が泡立ってしまった。
「ちょ、何するんだよ!!」
「ふふ。おいしっ」
首元に顔を埋め、まるでこれが遊びだと言わんばかりに陽気な声を出す。
止めて!!
それ以上師匠を怒らせないで!!
「ほぉ?? どうやら……。向こうに逝きたいようじゃなぁ??」
いつの間にか、八本に増えた尻尾の毛が逆立つ。
姿も妖艶な女性に変わりそれは、はっと息を飲む美しさだ。
違う。
見惚れている場合では無い。
今は身の危険を察しろ。
「ま、待って下さい!! これはエルザードが……!!」
「問答無用じゃ!!」
激情を籠めた拳が天から無慈悲に降り注ぐ。
「きゃ――。こわぁ――いっ」
「お願いだから退いて!!」
エルザードは体を俺に預け動こうとしない。
当然、俺は身動きが取れない訳だ。
岩をも打ち砕く拳が当たる、その刹那。
「おっそ」
エルザードの体は霞の様にすっと俺の体から離れて行く。
しかし、師匠の拳は止まらない。
正確に言えば止めようとしていない、だな。
「どっぶ!!!!」
腹部に拳がめり込み、体がくの字に折れ曲がる。
気が遠くなる程の痛みが体を襲うと両目から輝かしいお星様達が飛び出し、口からも何かが飛び出てしまった。
あ、俺の体。千切れたかな??
「避けるな!!!!」
「遅すぎて欠伸が出るわよ??」
「御望みなら、もっと速く打ってやるわ!!!!」
「そっちがその気なら……。こっちも出すもの出すけど??」
両者の魔力が放出され、空間を歪めていく。
あぁ、こんな所で大魔同士の頂上決戦が開始されてしまう。
口の端から唾液の塊が零れ落ち、それを拭おうと腕を動かそうとしても全く反応しない。
疲労、そして精神的な疲れもあってか。あの二人が放つ常軌を逸した圧を眺めながら心地良い夢の世界へと旅立って行った。
――――。
「ふっふ――ん。ふふん!! あぁ――いい湯だった――……。ってぇ!! 何してんのよ!!」
風呂上りの上機嫌なマイが先生とイスハさんが対峙する姿を見ると驚愕の声を放つ。
彼女達の背後には見るも無残な姿に変わり果てて横たわる彼の姿が。
全く……。
目を離した隙にこれですか。
「お、おぉう。すんげぇ魔力」
「はれ?? レイド気絶してるの??」
ルーが縁側に座り、気絶して心地良い夢を堪能しているお馬鹿さんを見下ろした。
恐らく、先生が彼に対して横着を働いた所為でこの乱痴気騒ぎが……。
「あぁ。寝ているのよ」
「嘘を付け!! お主がたぶらかしたのじゃろ!!」
「違います――。ちゃんと了承を得ました――」
「戯言を!! ちゃんと聞いておったわ!!」
「えぇ――。人がイチャイチャしている所を覗いていたんだぁ。やっらし――」
「こ、この……」
ほら、当たった。
頑として断れば良いのに、中途半端に断るから酷い目に遭うんですよ。
口を酸っぱく言っても聞かない人には後で説教です。
「用を思い出したから、また明日ねぇ。バイバ――イッ」
先生が馬鹿げた魔力を開放して空間転移の状態へと移行。
「逃がすかぁ!! この歩く卑猥動物がぁあ!!」
イスハさんがそうはさせまいと大地を蹴って先生へ突貫するが。
「残念でした――。じゃあぁねぇん」
寸での所で詠唱が間に合い、姿を消してしまった。
魔力開放から術式展開、そして無詠唱での空間転移……。
何気無く行われた移動ですが魔法に精通する者が見たら呆気にとられてしまいますよ。
先生と私には埋めようの無い、途轍も無く広い実力差があるとまざまざと見せつけられた気分ですねっ。
「どわっと……。相変わらず、逃げ足の早い奴じゃ……」
イスハさんがそう話すと、魔力を抑え元の可愛らしい姿に戻る。
「先生がご迷惑をお掛け致しました」
彼女に代わり、少しだけ鼻息が荒いイスハさんへ謝意を伝えた。
「構わん。それより、明日も早い。はよぉ寝ろ」
「分かりました」
「それと……。あ奴が夜に戻って来るやもしれん。相応の対策を講じておけ」
ふんっと言葉を漏らし、別宅へと戻って行った。
「…………」
縁側で心地良い夢を見ているであろうと推測出来る寝顔のレイドの隣に座る。
理由はどうあれ、気持ち良さそうに寝ている彼を見ると落ち着く自分がいた。
ちょっと不謹慎かな??
「大変だったね?? 明日からも頑張ろうか」
痛そうに腫れているお腹をそっと触り、彼の苦労を労ってあげたのだった。
最後まで御覧頂き有難うございました。
後半部分については現在編集作業中ですので、今暫くお待ち下さいませ。




