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第百三十一話 深い緑の中から、文明社会への帰還 その一

お疲れ様です。


本日の投稿になります。


それでは御覧下さい。




 青く澄み渡った空に浮かぶ燦々と輝く太陽。


 力強く降り注ぐ陽光の眩しさに目を細めて肩の力を抜き、地上付近で柔らかい風を受けて心地良く揺れる衣服の数々を眺めて温かい吐息を漏らす。



 うんっ。


 イイ感じに乾きましたね!!



 夏も終わりに近付き、太陽の力も衰えるかと思いきや。


 まだまだ元気一杯の彼から力添えを受けパリっと乾いた洗濯物を物干し竿から器用に外し、大きな木製の籠の中へキチンと折り畳んで仕舞う。



 服の縫い目に沿って折り畳み、皺が目立たぬ様優しく重ねる。是、正に洗濯物の極意なりっ。



「レイドさん。態々手伝って下さって有難う御座いますね」



 此方と肩を並んで蜘蛛の方々の洗濯物を取り込んでいるシズクさんが上空一杯に広がる青にも負けない爽快な笑みで此方の労を労ってくれる。



 彼女がお手本にしたい所作で折り畳んでいるのは三角形の形をした布とやたら丸みを帯びた布。つまりアレですよ、アレ。


 男性である俺が女性用下着を触れる訳にはいきませんので。こうして、役割分担で沢山の洗濯物を畳んでいるのです。



「自分達の洗濯物、そして此処でお世話になったお礼を兼ねてですよ。それに、元々こういった家事が好きな方なので」



 よしっ。


 全部綺麗に畳めましたね!!


 後は、これを洞窟内に運んで王都へと帰還しましょう!!



「ふふ、何だか主婦みたいですよ??」



 太陽の下で輝くシズクさんの頑是ない笑みが眩しいですよ、本当……。



 先日、といっても二日前の出来事ですが。


 三名の常軌を逸した強者達による深夜の強襲により、ちょいと女性不信気味に陥ってしまったこの体には嬉しい手向けですね。



 あの日以降。


 何処へ行くのも細心の注意を払えと、我が分隊長殿からお叱りの声を頂き。鷹の様な鋭い目を浮かべて常に行動していた。


 その所為か……。


 死角から突き刺さる視線は絶える事は無く、剰え。用を足している時そして入浴している時にでさえ体中にヒシヒシと感じてしまったのだ。


 よくよく考えれば、この里に男性は一人。


 争奪戦が起こらないのは俺がアオイの友人であるから。恐らくそういう事なのでしょうね。



 女性からの急襲、及び夜襲と奇襲に注意を払いつつ纏まった休息を頂き。


 本日帰路に就く予定となり。一宿一飯のお礼じゃあないですけども。干して乾いた衣服を運んでいる次第であります。



「主婦の方々の働きは尊敬に値します。自分等、彼女達の足元にも及びませんよ」



 日々家事に、育児に、教育に追われ。毎日疲れ果てるが、そこから得られるのは家族からの僅かな感謝のみ。


 家事を仕事に変え、給料に換算したら一体幾らの収入になるのだろうか。


 それを彼女達は無償で行っているのだ。


 全く……。尊敬しちゃうよ。



「は、はぁ……」


「お、おほんっ!! では行きましょうか」



 俺の熱き持論をポカンとした顔で見つめていたので、少々居たたまれなくなり。その勢いで洗濯場から洞窟の方角へと向かい始めた。



「今日でお別れですか。ちょっと寂しいですね」



 シズクさんが此方と肩を並べ、少々寂し気な声で話す。



「えぇ、この里の皆様には大変お世話になりましたからね。俺だけじゃ無くて……」



「でやぁぁああああ!!」



 そうそう。


 特に寂しがるのはリューヴだろうな。


 休息を頂いている間、シオンさんの暇を窺っては組手を申し込んでいたし。



「良いですね!! 素晴らしい速度ですよ!!」



 シオンさんもリューヴの成長に驚いているのか。


 最初の頃に比べて顔が険しい物へと変化し、今じゃ結構必死になって回避している感じだものね。



「わぁ……。リューヴさんの攻撃、物凄く速いですね」


「えぇ。それを躱すシオンさんもちょっと可笑しな強さですけども……」



 可笑しなというよりも。俺達と桁が違う、とでも呼べばいいのか。


 攻撃の手を加えず、回避行動に務めているが。あれが攻撃に転化したら一体どうなるのだと。想像したら鳥肌が立っちまうよ。



「いけぇ――!! そこだぁ――!!」


「リューヴさぁぁ――ん!! もう少しですよ――!!」


「ああん!! 違うぅ!! そっちじゃない――!!」



 そして、本日も暇を見つけて彼女達の激戦を観戦する蜘蛛の兵士さん達。


 何か、初日よりも人だかりが増えていないか??


 きっとリューヴの卓越した格闘術に惚れた方々なのだろう。かく言う俺も出来そうな技は盗もうとしていますからね。



 洗濯物を入れた籠を持ち、彼女達の烈戦を眺めていると。



「でやぁっ!!」



 リューヴが風を切り裂く鋭い踏み込みの後。



「っ!?」



 繋ぎ目を相手に確知させないで放った昇拳がシオンさんの頬を僅かに掠った。



「か、掠ったか!?」


「えぇ、その通りです。この短期間の間に良くぞここまで成長しましたね」



 すげぇ……。


 普通だったら、踏み込んだ後に一度足に力を溜め。その溜めた力を一気苛烈に炸裂させて穿つんだけど……。


 その繋ぎ目を見事なまでに消失させた彼女の動作に思わず溜息が漏れてしまった。



「はぁ――……。相変わらず凄いな」



 俺もいつかあの高みまで登ってみせると、人知れず決意を固めて洞窟へと向かおうとしたが。


 女性達の甲高い声がその歩みを止めてしまう。



「きゃ――!! リューヴさん、すっごぉい!!」


「ね――!! シオン様に当てた人、初めてみたかもぉ!!」


「この逞しい足の御蔭かなぁ――??」


「あはっ!! 此処も柔らかいねっ!!」



 あっと言う間に蜘蛛のお姉さん達に囲まれ、中央に居た灰色の女性が見えなくなってしまった。



 リューヴ、大人気だな……。


 どこぞの暴食暴飲の龍とは雲泥の差じゃないか。



「や、止めろ!! 好き勝手に触れるなっ!!」



 蜘蛛のお姉さん達に囲まれた一人の女性が灰色の狼の姿に変わると。



「し、失礼するっ!!」



 キャンキャンと情けない声を放ちながら此方へ向かって駆けて来てしまった。



「「「あ――ん!! 行っちゃ嫌――!!」」」



「ま、全く!! 人様の体を何だと思っているのだっ!!」



 俺の足に横腹をピタっとくっ付け、キャアキャアと騒ぐ彼女達を翡翠の瞳で睨みつける。



「モテモテだな??」


「ふ、ふん。同性にもてても嬉しくは無いっ」



 嘘仰い。


 本当に嫌だったら尻尾は振らないものね。



「さて、洗濯物をお届けしてから出発するよ。荷物を纏めていつでも出発出来る様に、マイ達にそう伝えておいて」


「あぁ、了承だ」



 アイツ……。この二日間、自分の荷物を全く片付けていなかったな。



『ぬぅ!? 私の下着は何処!? ユウ!! 知らない!?』


『知らねっ』


『おらぁ!! せめて探す振りでもしろやぁぁああ!! それが親友ってもんだろう!?』



 その所為で朝も早くから乱痴気騒ぎを起こし、里の皆様を辟易させてしまったのですよ。


 只でさえ馬鹿みたいに飯を食うのに剰えギャアギャアと喚いて他人様に迷惑を掛ける始末。


 そこに存在するだけで人に不必要な杞憂を与える存在だな。



「レイドさん?? 行きますよ??」


「あ、は――い!! 只今――!!」



 一足先に洞窟へと向かっているシズクさんとリューヴの背を追い、折角綺麗に畳んだ洗濯物の形を崩さぬ様。


 慎ましい駆け足で追い始めた。










 ◇





 忙しなく蜘蛛の方々が右往左往する開いた空間。


 彼女達の仕事のお邪魔にならぬ様、端に近い位置で己の荷物を整然と並べた。



 私服、短剣、抗魔の弓、生活必需品その他諸々……。


 よし!! 忘れ物は無いな。



 これで三度目の確認ですが、此処に忘れるといつ取りに帰って来れるのか分からないからね。過剰な位が丁度良いのですよ。



「遅いですね」



 俺の荷物の横に己の荷物をポンっと置いたカエデが一つの通路をジロリと睨む。



「向こうにはアイツが居るし、仕方がないって」


「例えそうだとしても集合時間は守るべきだぞ」



 リューヴさん??


 そんなに沢山の皺を眉間に寄せていると疲れてしまいますよ??



 己の分身が姿を現さない事に憤りを覚えているのか。今にも魔力を解放して駆け出しそうだ。



「レイド様ぁ。醜い食いしん坊は置いて行きましょうよぉ――」



 それは妙案だな!! そう口に出来たらどれだけ楽か。



 この洞窟に置いて行ったとしても奴は空を飛べるし、しかも嗅覚が頗る良い。


 数時間後には取っ捕まり、想像するのも億劫になる酷い暴力を受け。数日の間硬い御飯が食べられなくなってしまいますからね。


 畏れ多くて画策すら出来ないのが現状で御座います。



「もう少しの辛抱だよ。それに、急ぐ訳でも無いからさ」



 さり気なく距離感を消失させようとした白き髪の女性から距離を取ってそう話す。



「んふっ。辛辣ですわねっ」



 随分と上機嫌なのは恐らく、シオンさんと邂逅を遂げたからでしょう。


 聞いた話によるとシオンさんの暇を見つけては捕まえて土産話をしていたそうな。


 アオイの土産話、リューヴとの組手に此処での執務。


 心労祟って倒れやしないか心配したもんさ。



「皆、ごめ――んっ!! お待たせっ!!」


「悪い!! 遅れた!!」



 陽気な灰色の髪の女性と深緑の髪の女性が荷物を背負い、詫びる言葉と姿勢を保持しながら此方と合流したのだが……。



「わりぃわりぃ。ユウとルーが私の服を無くしやがって……。それを探していたら遅れたぁ――」



 貴女の遅延行為が我々に響いている事を理解しているのだろうか??


 深紅の髪の女性は特に詫びる言葉、姿勢も無く。さも陽気組二人が悪いかのような言葉を放ってしまった。



「別に構わないよ。荷物は此処に置いて、フォレインさんに挨拶をしてから出発するぞ」


「う――い。よっこらせっとぉ」



 アイツ……。さり気なくユウの荷物の上に自分の荷物を重ねたな??


 帰りの道中、彼女に運んで貰おうとする浅はかな考えだ。



「おい!! あたしの荷物に重ねるな!!」



 ほぉら、直ぐにバレた。



「別に良いじゃん!! 取り易くする為なんだから!!」


「自分の荷物は自分で持てよ!!」


「あんたの馬鹿力はこういう時こそ発揮すべきなのよ!!」


「「ガルルルルゥゥ!!!!」」



 両者の額と額が激しく衝突すると、大変硬い金属同士が触れた時の様な乾いた音が奏でられた。


 あれだけの勢いで衝突させて……。痛くないのだろうか??



「レイド様、行きましょうか」


「ん、了解」



 鼻頭が接触しそうな距離でギャアギャアと騒ぐ御二人を尻目に、アオイを先頭として女王の間へと向かった。



「失礼しますわね」


「「はっ!! どうぞ!!」」



 女王の間へと続く通路を守る二人の衛兵さんがアオイの言葉を受けると、お手本にしたくなる覇気ある声で通行の許可を放つ。



「失礼しますね」



 アオイに続き、彼女達の脇を抜ける時に一つお辞儀をすると。



「「……っ」」



 御二人から大変柔らかい笑みを頂けました。



 暫くの間、此処にお邪魔出来ないと考えると……。ちょっと寂しいよな。


 シオンさんや、給仕役の女性、そしてシズクさん。


 色んな人と知り合い、そして絆を深めたのにちょっと勿体ない気もしますよ。



「はぁ――。今日で此処ともお別れか。ちょっと寂しいよね!!」


「だな――。顔見知りも出来たし、もうちょっと居座っても良いのに」



 ふふ、ルーとユウも俺と同じ気持ち様で嬉しいです。



「私はもっと居座りたいわね!! だって……」



 その先は聞かなくても答えは分かりますので、言わなくても結構です。



「御飯が食べ放題だからっ!!」



 ほら、当たった。


 俺達が去らねばならないのは、アイツの食欲が大半の理由を占めているのさ。



 一人で数十人前をバクバク……。


 それを朝から晩まで!!!!



 給仕役の女性さんは最後の方、大きな目に悔し涙を浮かべ。耳を疑う音を放ちながら歯軋りをしていた事を貴方は知っていますか??


 お前さんの食料だけじゃ無くて、此処の食料は皆さんと共有しているのですよ??



 まぁ、どうせ言っても聞きやしないだろうし。言っても馬鹿みたいに食うだけだし……。


 ですが皆様、どうか御安心下さい。


 無駄に飯を食べる横着な龍は俺達が引き取りますので。



「――――。お母様、いらっしゃいますか??」



 忸怩たる想いを胸に抱きつつ橙の明かりに照らされた通路を進んで行くと、アオイが重厚な扉の前で歩みを止め。その奥にいらっしゃるフォレインさんへと声を掛けた。



「入りなさい」


「失礼します」



 相変わらず背筋がゾクリとする声色が扉から漏れて来ると、女王の間へお邪魔させて頂いた。



「――――。お母様。本日、私達は此処を発ちます。女王の娘の名に恥じぬ様、見聞を広め。切磋琢磨を怠らず邁進して参ります」



 一段登った女王の座に就くフォレンさんに片膝を着き、出発の挨拶を放つと。此方もそれに倣いアオイと同じ姿勢へと……。



「んぉっ!! 前髪姉ちゃん久々ねっ!! その髪型、似合っているわよ!!」



 フォレインさんの隣で柔らかい笑みを浮かべているシオンさんへ。右手をシュパっと上げ、まるで竹馬の友へと送る挨拶を放ってしまうので。



『勘弁して下さいよ!!』



 先日同様。


 空っぽの頭を押し下げ、半ば強制的に片膝を着かせてやった。



「何すんのよ!!!!」


「フォレインさん、シオンさん。此度は大変お世話りなりました。この里の皆様の御助力があったお陰で、無事任務を達成する事が出来ました」



 片膝を着きながらも器用に俺の背を無意味にゲシゲシと蹴り続ける女性の憤りを無視したまま言葉を放つ。



「レイドさん達が持ち帰った情報は我々にとっても大変貴重な資料となりました。此方こそお礼を述べさせて頂きますわ。有難う御座います」



「い、いえ!! 自分達は与えられた責務を全うしただけですから」



 静々と頭を下げるものだから慌てちゃったよ……。



「これから王都へと帰還されるのですよね?? 因みに日程はどの程度を予想していますか??」


「此方を出発して向こうに到着するのは……。恐らく十ノ月に変わる頃でしょう」



 八ノ月の終わりに出発し、帰還は十ノ月の始め。


 約一か月もの間任務行動を続けているのか。我ながら体力の多さに驚きを隠せないが、自分は兎も角。


 向こうに到着したら仲間達の体調面を心配しなきゃいけないな。


 体力の低下は体調不良を招く恐れもあるからね。



「長い道中、気を付けて下さいね。此方から食料を提供させて頂きます。後で受け取って下さい」


「は、はい。有難う御座います」



 食事の世話を受け、しかも補給も買って出てくれるとは……。正に至れり尽くせりだな。


 そっと静かに口角を上げてそう話す様は女王足る地位に相応しい面持ちだ。



 しかし……


 真夜中に強襲を仕掛けた時の女性とはまるで別人ですよね。


 まぁ……。あの時のフォレインさんが異常で、此方が正常な女王様の姿なのでしょう。



「アオイ様。皆様に御迷惑を掛けぬ様にして下さいね??」



 シオンさんが指導者足る厳しい面持ちでアオイへと声を掛ける。



「はぁ……。もう聞き飽きましたわ」


「私は言い足りません。良いですか?? レイド様に食事の世話を一任するのでは無く。女性足る者、夫を支えるのが常識なのです。食事の世話だけではなく、女王の娘の名に泥を塗る行為、及び……」



 御免なさい。


 自分は彼女の夫ではありません。



 いつ訂正しようか、シオンさんの言葉が途切れるのを待ち続けているが。


 どうやら指導者の面が多大に顔を覗かせてしまったらしいですね。


 辟易するアオイの顔を無視して絶えず言葉の矢を彼女に向かって放ち続けていた。




「あぁ、もう!! い――加減にして下さいまし!! 私はもう子供ではありませんのよ!?」



 ぶっすぅっと頬を膨らませ、冷静な面持ちのシオンさんへと食って掛かる。


 そして、よせばいいのに。どうして貴女は横槍を入れるのでしょうか。


 甚だ疑問が残りますよ……。



「へっ、良く言うわ。おめぇの所為で私達は大迷惑をしてんだよ」


「まぁまぁ……。この洞窟内の岩壁の凹凸にも劣る真っ平らな胸の女性が何かほざいていますわねぇ」


「な、な、なんだってぇ!?」


「ささっ!! レイド様!! 私と愛の逃避行をしましょう!!」


「ちょ、ちょっとぉ!!」



 アオイが俺の右腕を掴み無理矢理立たせると、その勢いを保ったまま扉へと向かって行ってしまう。



「フォレインさん!! シオンさん!! 失礼しますね!!」



 何も言わないで立ち去るのは失礼過ぎるとの考えに至り。


 彼女に手を引かれながら御二人へ向かって別れの挨拶を放った。



「うふふ。またいらして下さい」


「アオイ様!! まだ言い終えていませんよ!?」


「あ――!! 聞こえませんわぁ――!! それでは、シオン!! お母様っ!! 御達者で!!」



 アオイが満面の笑みで扉を開くと、俺の手を取り洞窟の出口へと向かって行く。


 出来ればもう少し真面な挨拶を交わしてお邪魔したかったけども……。



「待てや!! クソ蜘蛛がぁ!! テメェの口ぃ、一生開けない様に縫い合わせてやっからなぁ!!」



 地獄で湧き起こる火炎をも越える熱量を持つ、身の毛もよだつ猛炎を瞳に浮かべて此方を猛追して来る女性が居ますのでそれは少々難しいかな??



 喧しく訪れ、喧しく去る。



 そして別れ際はしんみりでは無く、明るさを置いて別れましょう。


 これこそが俺達に誂えたような別れ方であると。



「はははぁ――!! 二人共くたばりやがれぇぇええ!!!!」



 もう目と鼻の先まで接近した深紅の髪の女性の『足の裏』 を見つめながらそんな事を考えていた。






最後まで御覧頂き有難う御座いました。


本来であればこの御話で次話へと向かう予定でしたが、第二章の最終話の手向けではありませんが……。おまけを追加投稿させて頂きます。


現在、その部分の執筆中ですので今暫くお待ち下さいませ。


そして、ブックマークをして頂き誠に有難う御座いました!!


執筆活動の嬉しい励みになりました!!

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