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第百十三話 ちょっと強引な調教師さん

お疲れ様です。


本日の投稿になります。


それでは御覧下さい。




 意識が覚醒しているのか、将又眠りに就いているのか不明瞭な微睡の状態。


 人によってはこの曖昧な感覚が心地良いと話す者もいれば、ぐっすり眠りたいので余り好まないと話す者も当然存在する。


 俺の場合はと言えば……。


 この状態で疲労が軽減されれば文句は言いませんが、残念ながらそうはいきそうにないのが現在の状況ですね。



「ガルラッピィ……」



 そう、ずんぐりむっくり太った真っ赤な雀の鼾さえ無ければ……。


 ほぼ毎日訳の分からん言葉の羅列を並べ、酷い時には夢の中で素敵な御馳走と出会っているの知らんが。彼女の夢の中の食事風景を容易く想像出来る寝言を放つから質が悪い。


 微睡みながらその寝言を聞いていると。何を食って、誰と共に、そしてどれ程の量を食らうのか気になって眠れなくなるからね。


 偶にはおしとやかに眠れと注意を放ってやりたいが。



『寝ている状態なのに治せる訳ねぇだろうが』 と。



 無意識状態での姿勢をどう治せと。


 恐ろしい顔で胸倉を掴まれながら的確な指摘を頂く可能性が高いので現状はアイツの鼾と寝言は我慢するしかないのです。




「スンスン……」



 それと!!


 勝手に人のベッドに侵入している横着な黒い蜘蛛さんも余計です!!


 チクチクした毛が微妙に痛いのですよ!!


 胸元に八つの足を広げ、ガッツリへばり付いている蜘蛛の節足を一本ずつ解除。




「すぅ……。すぅ……」



 意外と粘った最後の一本を剥し終え。左隣りで手本にすべき姿勢で心地良い眠りに就いているユウのシーツの上へと放ってやった。



 はぁ――……。


 真夜中に報告書を仕上げ終え、たった数時間しか眠れなかったけど。まぁ、一日行動する体力は回復出来たし。御の字としましょうか。



 ちょいと硬めのベッドから上体を起こして蓬髪気味の後頭部をガシガシと掻き、寝間着を脱ぎ終え。本日から始まる任務に対して相応しい姿へと着替え終えた。



 ちょっと早いけど、厩舎に向かおうかな。


 我が相棒の体調面も考慮しなきゃいけないし。



 命の次に大切な報告書を仕舞ってある鞄を肩から下げ、必要最低限の装備が詰まっている背嚢を背負い終えると。



「…………っ」



 有り得ない角度に跳ねた藍色の髪が白のシーツの中からニュっと出て来た。



 お、おぉ。


 今日も一段と激しい寝癖ですね。




 今日の暴走した寝癖を例えると……。


 そうだ。


 大地の恵みこれでもかと吸い取って、元気溌剌と天に向かって伸びる尖りに尖った松の葉ですね。


 どんな仕組みで物理法則を無視してしまう寝癖が付くのだろうか。機会があれば彼女の寝相をじっくりと観察したいですけども、必ず拒絶されてしまいますからねぇ。


 それを無視して観察した日にはきっと氷よりも冷たい氷柱がこの体を貫いてしまいますので、そんな勇気は俺にはありません。



「――――。行くの??」



 澄んだ空気を優しく震わせる声色が響く。



「あぁ、ごめん。起こしちゃった?? ちょっと早いけど、アイツの鼾で起きちゃったし。ウマ子を迎えに行って本部で補給物資を受け取ってくるよ」



 件の龍へ視線を送ると。



「バッフ……。バァッフゥ……」


「う……。うぅむ……」



 何時の間にやら己のベッドから移動を果たし。何んと、強面狼さんの大きな鼻頭にしがみ付き。剰え黒い鼻をペロペロと舐めているではありませんか!!



 アイツ、後でリューヴに絶対ぶん殴られるぞ。



「行ってらっしゃい。集合場所は……。ふぁぁ」


「南門を出て暫く進んだ街道沿いで良いよ。悪いけど抗魔の弓を持って来てくれるかな??」



 街中で大弓を担いで歩くと大変目立ちますし、何より。レフ准尉に色々と突っ込まれそうだからね。



「任された」


「宿代はもう支払ってあるから。受付に鍵を返して出て来てね??」


「…………っ」



 随分と長い瞬きで俺の言葉に返す。


 まぁ、多分。分かったよという意味でしょう。



「じゃ、行って来るよ」


「気を付けてね。ふぁっ……」



 あはは。


 世の中に沢山いらっしゃる旦那様達が羨望する可愛い行ってらっしゃいを受け賜わったし。気合を入れて行動を開始しましょう!!


 体に絡みつく女の甘い香が立ち込める部屋の扉を開き、朝一番に相応しい光が射し込む廊下へと躍り出た。













 ――――。



 新しい任務地へと赴くに相応しい清々しく晴れ渡った空。


 好天に恵まれた街は朝も早くから活気に溢れ返り平和の象徴である普遍的な経済活動が至る所で繰り広げられようとしていた。



「おはよ――さん!! 今日も朝から元気だなぁ!!」


「まぁな!! かみさんに早く出て行けって言われちまってさぁ!!」


「はは!! そりゃあ災難だったな!!」



 此方もその元気にあやかろうと不必要な寄り道をついつい考えてしまいそうになるのですが。その浮ついた気持ちをグっと堪えて我が相棒が待つ厩舎が並び立つ北西区画へと歩みを進めた。



 平和なのは良い事ですけども……。



 普遍的な生活を送れるのは今も前線に立ち、鋭い視線を敵に対して向けている仲間達のお陰であると。この街に住むどれだけの人がそう考えているのだろうか??


 貴方達が良く目を通す新聞のとある箇所には戦死者の数が載っている事を御存知なのだろうか。



 言葉に出さなくても良い。


 行動で示さなくても良い。



 先に逝った仲間達の無念の死を心で追悼してくれれば何も言うまい。


 俺達はこの国の安全と安心を守る為に身を粉にして任務に就いているのですから。



 そして、危険な任務に就く者だけではなく。それを裏方で支えてくれる人達の労も考慮して頂ければ万々歳です。



 その最たる例の職に就く方々が日々汗を流す職場に接近すると……。



「あはは!! ど――お?? これなら貴女はどうしようも出来ないでしょう!?」



 何やら勝ち誇った女性の高らかな声色が聞こえて来た。



『くっ……。貴様っ、図ったな!?』


「レイドさんから依頼されていますからね!! そして、私は貴女を調教する義務があるのよ!! 大人しく従いなさい!!」



 獣臭が漂う厩舎の入り口から中にお邪魔させて頂くと、聞き慣れた一頭の馬の嘶き声とルピナスさんの声が激しく衝突し合い。



 初秋の熱気籠る厩舎の熱を更に上昇させていた。



「「「??」」」



 その声を聞き、何事かと思った馬達が単馬房からぬっと顔を覗かせ。円らな瞳で厩舎後方の様子を眺めている。


 恐らく、というか。十中八九我が相棒と烈戦を繰り広げているのでしょう。


 朝も早くからお手数を掛けて申し訳ありません。


 薄汚れた土の地面の上を忸怩たる想いを抱きつつ進んで行くと、一人の女性と一頭の牝馬が想像通りの戦いを繰り広げていた。



「ふふ――ん。昨日の夜の餌から貴女の餌は全て!! 人参に変えさせて頂きましたっ。餓死したくなければぁ。これを食べるのよ!!」



 単馬房の中に身を置く彼女が壁に添えられている餌箱をビシっと指差す。



『食えぬ物は食えぬ。何度言えば理解出来るのだ!!』



 素人目にも理解出来る憤りを乗せた右の後ろ足で、餌箱とは反対側の壁を勢い良く蹴り飛ばす。



「蹴っても駄目です――。私にお尻見せても無駄な抵抗だよ。貴女の御主人様からの命令を滞りなく遂行する義務がありますからねっ。私には!!」


『ちぃっ……。賢しい女めっ』



 大きな嘶き声を上げて精一杯の抵抗なのだろうか。面長の顔をグングンと上下に動かす。



「はいはい。無駄な労力ごくろ――様ぁ――。さっさと人参食べなさい。お腹が膨れないと朝の運動も出来ないでしょ」



『要らん!! 私には無用の品だ!!!!』


「…………っ」



 もう一度右の後ろ足で壁を蹴ると、隣の馬房で休んでいる馬さんがあからさまに辟易した表情へと変化。


 変化したのは隣のお馬さんだけでは無くて。



「もう怒った!! そのポフポフの口を無理矢理こじ開けて食べさせてあげるんだから!!」



 怒り心頭となった彼女が男勝りに袖を捲り、餌箱から一本の人参を取り出すと我が相棒の眼前へと向かって行ってしまった。



『止めろ!! 貴様は私を殺す気か!?』


「こらぁ!! 暴れるな!! 大人しくしなさい!!」



 こりゃいかん。


 このままだと朝一番から馬と人の頂上決戦が開始されてしまいますね。



「おはようございます、ルピナスさん」



 馬房の閂に体を預けて怒気を含めて叫ぶ女性と。とても牝馬とは思えない嘶き声を放つ一頭の馬へと声を掛けてあげた。



「レイドさんっ!! おはよう……。きゃああ!!」


『遅かったな!! さぁ、早く私をこの監獄から出してくれ!!』



 まぁ、一人と馬が狭い馬房内で同時に振り返ればそうなるよね。


 ウマ子の面長の顔が彼女の頭に直撃してしまい、それを受けた彼女の軽そうな体は容易く吹き飛ばされて壁へと衝突してしまった。




「いたた……。ちょっと、ごめんの一言も無いの??」



 ぷっくぅっと頬を膨らませたルピナスさんがウマ子の腹を可愛い拳でポコンと叩く。



『貴様の注意不足だっ』



 それに対し、大きな唇をクワっと開けて前歯を剥き出しにして揶揄う。



「うっわ。そうやって直ぐ人の事を馬鹿にして……。今度帰って来たら覚えておきなさい」


『すぐ忘れるさっ』


「ふんっ。おはようございます、レイドさん。今日から任務ですか??」



 首から掛けている手拭いで激闘の汗を流す彼女がそう話す。



「その通りです。その前に一つ謝らせて下さい」


「謝る??」


「うちの子が面倒を掛けて申し訳ありませんでした」



 小首を傾げる彼女に深々と謝意の姿勢をとってあげた。


 朝っぱらからこうして人に頭を下げるとは思わなかったよ……。自分の不注意ならまだしも、所有する軍馬の好き嫌いに対してだぞ??


 情けない想いが募り、何だか瞳の端から温かい雫が零れ落ちてしまいそうですよ。




「良いんですよ、これも仕事の内ですから。ほら、ウマ子。貴女が好き嫌いするからレイドさんが頭を下げちゃったじゃん」


『それがコイツの役目だ』



 閂の上からぬっと伸びて来た唇が俺の後頭部を甘噛みする。



「もう駄目じゃない。御主人様の頭を食んだら」


『私なりの愛情表現さ』



「髪が抜けるから放して。今日から任務だ。短い期間だけど、休めたか??」



 後頭部に付着した粘度の高い液体を拭い終え、ウマ子の横顔を撫でて話す。



『勿論だ。只、腹は減っているがなっ!!』



 円らな瞳をキっと尖らせ、腰に手を当てて今も調教師足る鋭い視線を黒の帽子の奥から放っている彼女を見下ろした。



「睨んでも無駄ですよ――。今度からは貴女の餌はぜぇんぶ人参にしますからねっ」



 食わなければ餓死してしまう。そうなりたくなければ餌を食らうしかない。しかし……。栄養を得られる餌は彼女が嫌う人参のみ。


 好き嫌いを克服させる為に少々力技に出ましたね??


 策士と呼ぶべきなのか、それとも暴君と呼ぶべきなのか……。



「さ、レイドさん。ウマ子に荷馬車を装備させましょうか」


「了解しました」



 彼女が閂を解放した刹那。


 賢く、そして力強い獣がか弱い女性に襲い掛かってしまった!!



『解放された此方のものだ!! くらえっ!! 積もり積もった我が憤怒を!!』



 一繋ぎの頑丈な作業着の胸元の中に収まる彼女の茶のシャツを食み、力一杯に引っ張ってしまった。


 そして、そこから微かに覗く水色のアレ。



「きゃああああ!! 止めて!! 見えちゃうからぁ!!」


『わははは!! 悔しかろう?? 辛かろう!? 羞恥に塗れて憤死するがよい!!!!』


「はぁ……」



 アレを直視する訳にはいかず。


 厩舎の通路のド真ん中で己の顔を両手で覆い尽くし、申し訳無さを染み込ませた大きな溜息を吐き尽くす。


 ごめんなさいね、ルピナスさん。


 これ以上迷惑を掛ける訳にもいかんし、今度から厩舎を変更しようかなぁ……。



「止めなさい!! 全部出ちゃうからぁ!!」


『いいや!! 止めないね!!』



 一人の女性と一頭の牝馬の戯れる声が厩舎の中に響くと、馬房の中で休む馬達の視線を一手に集めるが。



「「「……」」」



 なんだ、いつもの事か。


 そう察知した彼らは普段通りに寛ぎ、御主人様達の次なる任務に備え。思い思いの時間を過ごしたのだった。

















 ◇





 眼前で揺れ動く馬の長き尻尾、大きな鼻から放たれる若干興奮気味な鼻息、そして軽快な足取りから響く蹄の音。


 それから察するに彼女は随分と気分が良い様ですね。


 全く、人の気も知らないで……。



「なぁ、ルピナスさんに迷惑を掛けるなよ」



 御者席に着き生活感溢れる道を北上しながらウマ子の逞しい背に向かってそう話す。



『私は悪くない。奴が悪いのだっ』



 ちょいと顰め面を浮かべて此方へと振り返る。



「俺を睨むのはお角違いだって。お前さんが人参を食べられないのが悪いんだろ」


『無きにしも非ず、だな。ほら、到着するぞ』



 ブルっと一つ鼻を鳴らすと、とてもじゃないけど軍属の者が拠点として構えるべきではない普遍的な家屋が見えて来た。



「了解ですよっと。よいしょ」



 御者席から颯爽と降り、大切な報告書が詰まった鞄を肩から掛けて傷が目立つ木製の扉を叩いた。



「おはようございます!! レイドです!!」



 レフ准尉起きているかな??


 いつもよりもちょっと早く到着しちゃったけど……。



「入ってよ――し」



 うん!! 寝起きっぽい声だけど、しっかり起きていましたね!!



「失礼します!!」



 覇気ある声を上げて我が部隊の本部へと足を踏み入れた。



「朝っぱらか五月蠅い奴め。もう少し静かに出来んのか??」


「指導教官からは室内に居る者に対して、明瞭に聞こえる声量を放てと訓練施設で習いましたから」



 むすっと眉を顰めている准尉の側に立ち、心血を注いで作成した報告書を彼女へと差し出した。



「ん。確認するからちょっと待ってろ」


「はっ、了解しました」



 今回の報告書はまずまずの出来だから御咎めは無いと思うけど……。



「……」



 やはり直属の上官に提出物を評価されるのはちょっと緊張するよね。


 鋭い瞳で文字の海に視線を泳がせている准尉から次なる言葉を待つ。



「ふむ。まぁ、こんなもんだろ」



 全ての報告書を流し見終えた彼女が大切な紙の束をぽぉんと机の上に放る。


 またそうやって……。



「大切な書類を投げないで下さい」



 何度言っても聞きやしないから最近は諦め気味ですが。


 言わなければ決して止めようとはしてくれないので、准尉の気が変わるまで言い続けます。



「あはは、良い顔だ。その顔を見たくてやっているんだよ。そんな事より……。今日から任務へと赴く訳だが。先日も注意した通り、危険だと判断したら即刻退却しろ。いいな??」



 何度も釘を差すという事は今回の任務はそれだけ危険であると准尉は考えているのだろう。


 そりゃそうだ。


 十四名もの生が断たれた森の中へ単騎で向かえと言うのだから。真面な神経の持ち主なら決して首を縦には振らないだろう。


 しかし。


 奴らの情報を得る事はこの国……。いいや。この国に住む人々にとって有益な情報になりうるのだ。


 そこに有益な情報がある限り、准尉に止められようが赴きますよ。




 愚者の決断と判断されるのか、将又勇気ある決断と判断されるのか。


 それは……。俺が持ち帰る情報の結果次第といったところか。

 



「勿論です。己を過大評価しないのが自分の良い所ですから」


「ふん。どうだか……」



 大きな溜息を吐き、そして鋭い瞳を此方に向けてこう話した。



「ここが最後の分水嶺だ。引き返すのなら今だぞ?? 任務を辞退しても誰もお前を責めはしない。無駄に生を散らすな」



 准尉の言葉を受け、暫くの沈黙の後。



「――――。悔しい、のです」



 端的に今の心情を告げた。



「悔しい??」


「はい。恐らく、あの森で亡くなった方々は後世に名を遺す事はもう無いでしょう。ひょっとしたら戦死者として計上されないかも知れません。この国に住む者達の為に生を散らしたのに……。誰も、彼等の名を知る由もありませんからね」



 彼等にも家族が居ただろうに。


 愛する者が居ただろうに。


 大切な者を守る為に任務へと赴いたのに、それが報われないなんて。悔し過ぎるだろう。



「それを承知で向かったんだ。それが軍属の者だ」



「彼等が残した無念、悔恨、後悔。誰かが、その想いを晴らさなければならないのです。そして今回、誂えた様な任務が俺には与えられました。ですから俺は彼等の無念を拾い、此処へと持ち帰る為に任務へと赴くのです」



 その誰かの役目が偶々俺に回って来ただけ。


 だったら全力で任務達成に邁進するのみ。それが軍人の務めだ。



 マイには派手に暴れるなと言ったが……。後で強く己にもうそう言い聞かせておこう。


 奴らを発見した途端。


 心の奥に静かに潜む憎悪が膨れ上がり、皆殺しにしてしまいそうだから。


 待っていろよ?? 醜い豚共め。


 貴様等が殺した人間の倍以上の数を駆逐してやるからな……。




「――――はぁぁ、分かった。物資は奥の保管室に置いてある。好きなだけ持って行け」


「有難うございます。では、行動を開始します」



 犯罪紛いの事を平気でやってみせる准尉だけど、たった一人の部下に対して思いやりの心と言葉を掛けてくれるのは素直に嬉しいな。


 初めての上官がレフ准尉で良かった。



「ん――。参ったな……。折角買い揃えたのにまた値下がりしてんじゃん。あの店、適当に値段付け過ぎだろ。今度文句言ってやる……」



 前言撤回します。


 今から直属の部下が死地へと赴くのに、何故貴女は広告を見てぼやいているのでしょうか。


 そして!! 偶には物資の運搬を手伝ってくれても良いんじゃないですかね!!



 荷台と保管室。



 何度も往復していくと、それと比例する様に此方の憤りも高まって行く。


 しかし、それでも准尉は椅子から微動だにせず。新聞に記載されている広告欄に鷹の様な鋭い視線を落とし続けていたのだった。





最後まで御覧頂き有難うございました。


朝晩は涼しく、日中は程よく暑い。過ごし易い季節ですが、油断は禁物ですよね。


皆様も体調管理にはくれぐれもお気を付けて下さい。


それでは、おやすみなさいませ。

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