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第七十七話 一難去っても去りきらぬ不安 その一

お疲れ様です。


本日の投稿になります。


ごゆるりと御覧下さい。




 漆黒の闇の中に揺らぐ橙の明かり。


 体の芯から溶け落ちてしまいそうな馨しい煙の香が漂い、食後の余韻。そして一仕事終えた所為もあってか、夜営地内は明るい雰囲気に包まれている。


 本来仲間と過ごすべき心地良い時間と空間に大方満足しているのですが……。


 ちょいと気に食わない事も存在するのです。



「ぎゃはは!! ルー!! その顔、すっごいじゃん!!」


「えへへ――。私のとっておきなんだからねぇ!!」



 この喧しさは慣れた。


 一々注意を続けていたら疲労が募るばかりだし。何より、狂暴な彼女に言論を弾圧されていますのでね。


 文句はありますけど、言えない歯痒さを噛み砕いて喉の奥へと無理矢理送り込んでやる。



 今自分が大変気に掛けているのは言論の自由を奪われている事では無く、食後の労働についてです。



『お腹空いたから私だけ超特盛ねっ!!』



 どこぞの戯け者が馬鹿みたいに食料を要求したので、それに応えて飯を提供してやった。


 まぁ、食事を提供する仕事に関して一応は納得していますので気にはしていますけども。気にしちゃいないよ。



 だけど!!


 偶には後片付けを手伝ってくれても良いんじゃないのかね!!



 鍋に付着した焦げを洗い落とし、愛用の包丁の水滴をしっかりと拭い去り、そして皆が使用した食器類を新品同然の状態に戻す。


 この作業は見た目以上に疲れるのですよ??



 主婦様達のお仕事が世に評価されないのは納得出来ん!!


 毎日毎日家族の飯を作っては、家事に追われる日々。


 これで無給なのだからおかしいでしょうに!!



 羨望の眼差しを夜営地の中央へと送り、誰にも言えない憤りを心の中で叫んでいると一頭の狼さんが静かな足取りでやって来てくれた。



「主、何か手伝おうか??」



 リューヴが洗い終えた鍋を覗き込みつつ話す。


 惜しいなぁ……。十分程前に聞きたかった台詞ですよ。



「もうこれで終わりだから。有難うね」



 翡翠の瞳の中に炎が揺らめき、魅惑的な色を放つリューヴにそう話す。



「そうか。しかし……。見事な物だな。何の変哲もない鉄の塊から素晴らしい食事が出来上がるのだから」



 地面に置いた鍋に向かい。料理の残り香を嗅ぎ取ろうと鼻頭をくっ付け、スンスンと匂いを嗅いでいる。


 流石にもう匂いは残っていないだろう。


 でも、犬は人間よりも嗅覚が優れていると言われているし。狼さんの嗅覚は一体どの程度の力を備えているのかな。


 それに、彼女達二人は人の姿にも変われる。


 この差異は一体どれ程でしょうかね。



「ちょっと疑問に思ったんだけどさ、人の姿の時と、狼の時って感じる匂いって違うの??」



 疑問に感じた質問を大きな灰色の背中へと問う。



「そうだな。普通の人間がどれ程の嗅覚を有しているか分からないが、人の姿に変わると嗅覚は落ちる」



 ふぅん、そうなんだ。


 嗅覚が落ちる代わりにあの馬鹿げた力を出せるって事か。



「この姿なら集中すれば数キロ先の匂いまで嗅ぎ取る事が可能だ」


「うっそ!? そんな先まで!?」



 考えてた以上の能力の高さに思わず脱帽してしまう。



「あぁ、誇り高き狼は他種族を凌駕する能力を備えているのだ」


「でも、臭い香りが漂って来たらどうするの??」



 これが素朴な疑問だよな。



「嗅覚を落とす、又は嗅ぐ事を止める。人間と変わらぬ所作を取るぞ」


「へぇ……。便利そうだけども、色々と不便もありそうだね」



 さて、洗い物は後少し!!


 気合を入れ直して、水を張った木製の桶の中へと木の皿を沈めると。



「……」



 ユウがぼぅっとした表情で焚火を見つめている姿を視界が捉えた。



「ユウ、どうした??」



 表情はどこか暗く、炎の揺らめき。その一点を只見つめている。褐色の肌の顔色は良いから心配する必要はなさそうだけども……。


 疲れたのかな??



「え?? あぁ、悪い悪い、ちょっと疲れちゃってさ」



 ほらね。


 今日一日は色んな事が起こったから疲れるのも理解出来ますよ。


 そして、彼女の場合は俺と同じく。抗えない疲労の原因を持っているのです。



「ユウ!! ほら!! 温泉に行くわよ!!」



 そっちの事情など知った事か!!


 そう言わんばかりに彼女の右手を手に取り、強制的に地面へと立たせてしまった。



「ったく。お前さんは元気過ぎるのが玉に瑕だよ……」



 彼女の場合。


 元気過ぎる他に特筆すべき欠点はまだまだありますよ??




「明日も魚を釣らないといけないからね!! 御風呂で疲れを取っ払わないといけないんだからっ!!」


「へ――い。じゃあ、準備を整えて向かうとしますかね」



 ユウは優しいよなぁ。


 アイツの無理強いに文句を言いつつもちゃんと付き合ってあげて、嫌な顔を浮かべるけども心の中では仕方ない奴と温かい気持ちを描く。


 マイより一つ年下なのに、アイツよりも精神的に大人なんだよね。




「リューも温泉行くよ――!!」


「あぁ、分かった。では主、行って来る」


「行ってらっしゃい」



 食器洗いを継続させながら左右に揺れ動く尻尾に向かって言ってやった。



「レイド様、私も行って参りますわね」


「ん――。気を付けてね――」



 むっ!!


 ここの汚れがまだ残っていたぞ……。


 アオイの声に言葉を返していると、しつこい汚れを発見してしまった。


 この汚れを残しておくとこびり付いて取れなくなっちゃうんだよねぇ。



「――――――。昨日の続き……。しますか??」


「へっ!?」



 突如として右耳に甘い吐息を吹きかけられ、男の本能を呼び醒ます女の声を耳元で囁かれたらそりゃ変な声が出ちゃいますよ。



 そして。当然、この行動を見逃す貴女ではありませんよね。



「何してんだごらぁぁぁぁ!!」



 猛り猛った牛の体内で燃え上がった熱い闘志をも萎ませてしまう声量を放つ。



「五月蠅いですわねぇ。全く……。抜け目が無いですわ」


「それはこっちの台詞だ、ボケぇ!! ほら、カエデも行くわよ!!」



「分かりました」



 火の明かりを頼りに本を読んでいたカエデがゆるりと本を閉じると、儚げに立つ。


 そして、温泉へと向かう女性達の後を追って森へと体を向けたのだが。



「レイド、一人で大丈夫??」



 歩み出そうとした足をふと止め、此方に視線を送ってくれた。



 一人で大丈夫……。という事はですよ??


 彼女はまだ不安に感じてる何かがあるのだろうか。


 竹及び筍は全て残さず駆逐した。この島に存在する脅威はもう何も残っていない筈なのに。



「えぇっと。それはどういう意味でしょうか??」



 彼女の言葉の真意を問う為、若干上擦った声で問う。



「深い意味はありませんよ。只、この場に相応しい言葉かと考えまして」


「あ、あぁ。そう言う意味か。驚かさないでくれよ」



 揶揄ったのかどうか分かりませんが。時と場合を選んで下さいよ、お願いしますから……。



 大きな溜息を吐き、作業を続けた。





「じゃあ行って来る。………………、覗いちゃ駄目だよ??」



 ま、また揶揄いですか??


 もうお腹一杯です。



「分かってるよ。そんな事をしてみろ、命がいくつあっても足りないって」



 恐ろしい女性達にしこたま殴られ、打ちのめされ、地面に叩きつけられる。


 少なく見積もっても全治一か月だな。



「フフ。残念」



 残念??


 俺の重傷化した姿を見るのが残念って事かしらね。


 暗き闇が待ち構えている森の奥へと消え行く藍色の髪の女性の後ろ姿を見送り、己に課された責務を果たす為。


 少々大袈裟な溜息を吐き、積み重なられた食器に手を伸ばした。

























 ◇




 はぁ、お腹一杯っ。


 自分が考えている以上に体も満足してくれているのか、お腹の奥からポカポカと温かい熱を放ってくれている。


 お腹も膨れて、後は温泉に浸かって一日の汗を流すのみ!!


 正に最高な一日の終わり方よね。



 月明りを頼りに闇に包まれた森を歩く。


 各々の足音が周囲に響き、これから始まる楽しい入浴のワクワク感を増幅させてくれる。可能であればこの友人達と毎日でもこうしていたいわね。



 でも、それは残す所。後二日かぁ……。



 明日もアイツを朝早くから叩き起こして釣りに行こう。


 あの魚美味しかったなぁ。脂が乗って、身なんかこれでもかっていうくらい弾力があって。



 っと……。


 思い出したら涎が……。




 しっかし、釣りに向かったとしても私の釣り竿に当たりは来るのだろうか??


 釣りの才能が無いのかしらね。



 う、ううん!! 弱気になっていたら駄目よ、今度こそ大物を釣ってやるんだから!!



 最悪、アイツが釣った魚を横から奪えばいいのよ。それで全ては丸く収まるっ!!



「マイちゃんどうしたの?? ニヤニヤして」



 おっと。私の崇高なる作戦が矢面に出ていたのか。



「大方あれだぞ。さっきの食事の事を思い出していたんだろう」



 右隣りを歩くユウの口から的外れな意見が飛び出る。



「残念でした――。魚の事を考えていたのよ。勘が鈍ってんじゃないの??」



 上下にバルンっと揺れ動く呪物を叩きながら言ってやった。



「ありゃ。外したか」


「釣りで思い出した!! マイちゃん卑怯だよ、ユウちゃんから魚奪って」



 私の前を行くお惚け狼が金色の瞳を此方に向けて話す。



「卑怯?? 作戦と言って欲しいわね!! あれは練りに練った作戦を行動に移したのみ……」



 ずぶ濡れになったのは計算外だったけどね。



「あの魚、美味かったよなぁ。今度は刺身にしてもいいんじゃないか??」


「刺身にして食べたじゃん。醤油をちょいと付けてガブっ!! と噛みつけば。フシシ!! 思い出すだけで涎が」



 あれは抜群に美味かったわね!!


 アイツの料理の腕も上達してきたもんだ。私の舌のお陰と言っても過言ではないだろう。




「美味しかったよねぇ。マイちゃんが食べ過ぎた所為でお代わり出来なかったけどさ。 あ!! 着いたよ!!」



 私達の疲れを洗い流してくれる魅惑の湯が、頼りない月明りに照らされてその姿を現す。


 立ち昇る蒸気がゆぅらゆらと揺れ、早く入れと手招きを続けていた。




 私は湯気の手招きに従い颯爽と服を脱ぎ捨て、生まれたままの姿になって突入態勢を整え。


 さぁ、今から飛び込みますよ!! と足にグっと力を籠めたのだが。



「んん?? ル―、太った??」



 ボケナスに乗りかかった時、あんにゃろうがそんな事を言っていたような記憶がふと蘇る。



 少しだけ腹周りにお肉ちゃんが増えたような……。見間違い??



「ふ、太ってないよ!! あんまり見ないで!!」



 そのまま服を脱ぎ捨て温泉に飛び込んで行ってしまった。



「あ――!! 一番風呂取んな!!!!」



 くそう!!


 折角、一番早く服を脱ぎ捨ててやったってのに!!



「ルー。休暇が終わったら組手を増やすぞ。そのたるんだ体、一から鍛え直してやる」


「うぐ――……。レイドの御飯が美味し過ぎるのがいけないんだよ……」



 口まで湯の中に浸かり。文句にも似た、甘えを呟く。


 美味しいのは否定しないけどね。



「ふぅ……。良い湯じゃない」



 白濁の湯に浸かり、満点の星空に浮かぶ真ん丸で怪しい光を放つ月を見上げる。



 はぁ――……。風情があるじゃないか。


 上手い飯にいいお湯。言う事無いわね。



「明日は何をするんだ??」



 ユウの声が背後から聞こえて来る。



「そうねぇ。釣りをして魚を頂く、私が気に入る魚が釣れるまでそれを続けようかと」



 ザブザブと。


 湯の中を掻き分けて進んでくる足音に対してそう話す。



「お前さんが満足するまで?? そんな事していたら日が暮れちまうよ」



 むっ。


 今日は駄目だったけども、明日は釣れる予定なのですけども??


 ぎゅむっと眉を顰めて振り返っ……。



「あのねぇ。魚を横取りされたからってそんな酷い事言わなくても……。はおわぁぁ……」



 振り返るんじゃなかった。



「ん?? どうした?? 頑張って砂浜に上陸してみたけども、無謀な行動に反省した魚みたいに口をパクパクさせて」



 ユウは私の顔を呆気に取られているが、私も彼女の大魔王様を見つめて呆気に取られていた。



『ま、また貴様か!? 我々をあの狭き牢獄に閉じ込めていたのは!?』



 ち、違います!!


 あの布は下着という物で御座いまして!! あ、貴女様達の形を整える物で御座いますぅ。



『その顔、二度と元の形に戻らぬ様。潰してやろうか!?』



 は、ははぁ!!


 も、もう少し大きな下着を付ける様に彼女に伝えておきますので。な、何卒!! お許し下さいませ!!




 こっわ……。


 何で同じ女なのにあんな馬鹿げた質量に成長すんのよ。



「ユウちゃん。それ、どうなってんの??」



 くだらねぇ想像に耽っていると、ルーが何度もパチクリと瞬きを繰り返しながら大魔王様達を見つめていた。



「しっかり飯を食って、運動して、良く寝ればこうなるさ」



 屈託のない笑みでそう話しますけどね??


 ど――考えてもそれは無理があるっつ――の。



「「いやいや……」」



 二人同時に手を左右に振って、お前さんの考えは明らかに違うと答えてやった。



 ユウが装備するのは凶器だけじゃない。


 日に焼けた褐色の肌は健康的な印象を与え、肩口まで伸びた深緑の髪は川の様に流れ艶を帯びている。


 女性らしさを備えた胴に長い四肢。そして丸くて大きな緑の瞳が弧を描けば世の男性はいちころだろうさ。




「私もそうやって生活しているけど……。ねぇ??」


「そうそう。そんなに成長は……。しないよねぇ……」


「「はぁ……」」



 これだからユウの裸は見たくないのよ。ほんの僅かに湧き出た自信と言う言葉を根底から万力で抑え付けてくるから。



「どうした?? 溜息何てついて。ふぅ!! いい湯だ!!」


「別に?? あんたが変な物ぶら下げて無けりゃこんな凹む事無かったのよ」



「辛辣だねぇ。がみがみ言って無いで湯を満喫しろよ」


「分かってるわよ。……、カエデ!! 早くおいでよ!!」



 夜営地から出て此処に来る道中。


 一言も放っていなかったし。ちょいと疲れているのかしらね。


 休暇に来て疲れ果てる……。まるで、今も皿洗いを続けるボケナスみたいじゃん!!




「……。お待たせしました」



 はぁ――。こりゃまた可愛いおじょ――ちゃんのお出ましってか??


 大体卑怯なのよ。皆してそれ相応に育ちやがって!!


 私も元の姿に戻れば成長している筈!! ……、多分ね。




「カエデちゃん!! もっとこっちにおいでよ!!」


「そちらは熱いのでここで大丈夫です」



 そっか。


 カエデは熱いのが苦手だったな。


 藍色の髪を後ろで結い、温泉の淵付近で肩まで浸かっている。



 白濁の湯から覗く、嫋やかな肩。



 その細くて頼りない姿を見つめるとどうだい。女である私でも思わず息を飲んでしまう程じゃあないか。



「……。はぁ」



 そして時折漏れる甘い声。


 男が聞いたら誰しもがその声と姿に、魅了されてしまうだろう。


 アレはもう美しさと言う言葉を具現化した一つの作品よね。



「あっつ――い。もう出ていいかなぁ??」



 ルーが顔を朱に染め、ふぅふぅと息を荒げている。


 へっ、雑魚め。



「駄目よ。まだ疲れが染み出ていないわ。しっかりと芯から温まらないと」



 それこそが湯の作法なのだよ。



「そんな事してたら茹蛸になっちゃうよ」


「甘いわねぇ。それが湯に浸かるって事なのよ」




「無理はなさらない方が賢明ですわ。上がっても宜しくてよ??」



 はい、蜘蛛は無視!!


 ってかいつの間に入っていやがったんだよ。



「そうだよね!! 皆おっさき――!!」


「ちょっと!! わぷっ!!」



 ルーが馬鹿みたいな脚力で勢い良く立ち上がったので。


 その衝撃の余波でちょいと横着な波が立ち、それを顔へもろに頂いてしまった。



「全く……。もう少し大人しく行動出来ないのか」



 その様を厳しい視線でリューヴが追う。



 あはは、目。こっわ。


 ほぼ同じ顔だってのに視線一つでこうも印象が変わるのねぇ。参考になったわ。



「じゃあ皆お先!! ……。レイドに肌見てもらお――っと」



 その去り際の台詞を蜘蛛は聞き逃さなかったようだ。



「ちょっと急用を思い出したので失礼しますわね!!」



 絶妙に丸い尻を左右に忙しなく動かし、一陣の風の如く姿を消した。


 うぇ、きっしょ。


 何で蜘蛛の尻なんか見なきゃいけないのよ。



 ユウのきゃわいい顔見てお口直ししよ――っと。



「ここも後少しか。名残惜しいなぁ」



 大きく息を吐き、夜空を見上げながら話すその姿。


 うぅむ……。実に和む。



「そうねぇ。どうせなら一月位居てもいいわよね」


「それだとレイドの任務に支障をきたすだろ……」


「それもそっか。――――。さて、そろそろ上がる??」



 湯から立ち上がり体をぐぅんっと一伸びさせる。


 あんまり入っていると昨日みたいにのぼせちゃうし。




「そうだな。余り主を待たせても忍びない」


「熱い……」



 私の行動をきっかけに各々が湯から上がり着替えへと向かうのだが。


 しかし、ユウは立ち上がったまま夜空を見つめてぼぅっと呆けていた。


 背中をこちらに向けているので表情まで窺えないけど……。のぼせちゃった??



「ユウ!! 行くわよ!!」



 何してんのよ、全く。


 今から夜食を作らせるんだから、早く行かないと。



「あいよ――。熱くてのぼせちゃった」



 ほら、やっぱりね。私の勘は当たるのだ。


 さてと!! 後は冷たい水をぐいっと飲んで。慎ましい夜食を食べて寝るだけ!!


 明日も御馳走を獲る為、早起きしよ――っと。



 心の奥から楽しませてくれる親友の声をおかずにして、若干乱雑に脱ぎ捨ててしまった衣服の下へと歩み出した。





最後まで御覧頂き有難う御座いました。


暑さと涼しさが交互に訪れる日々ですので、体調管理に気を付けて下さいね。

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