第六十五話 根拠のあるいわくつき その一
お疲れ様です。
本日の投稿になります。
ごゆるりと御覧下さい。
此方の想像を越える効用を与えてくれた食事に多大なる感謝の念を籠め、大きく息を吐いて空を仰ぎ見る。
素敵な時間を有難う御座いました。
ふふ……。
ほぉらっ、太陽さんも心地良い笑みを浮かべているじゃあありませんか。
腹が膨れてしかも心と体の疲弊も拭い去ってくれるんだぞ??
先日のアレクシアさんの大説教から寝不足が祟って、実は疲れ切っていたのです。
それをたった一食で回復出来るとは……。正に至高の逸品とでも呼ぶべきだろう。
貴方のお薦めするお店は??
そう問われたら迷わずこの店を挙げます。レイモンドの男飯も捨てがたいですが、あちらは人を選ぶお店なので。
海から届く潮風に体を預け、惚けているとマイが此方の背を叩いた。
『ねぇ、これからどうすんのよ』
あ、そっか。
まだ予定を決めていなかったね。
「ん――。先ずは宿の予約、次にロブさんを捜索するから……」
宿無しで過ごすのは皆様からの苦情が寄せられてしまいますので、ロブさんを捜索する前に確保しておきたい。
彼が頻繁に出入りする場所は掴めていますのでね。
『ふぅん。じゃあ私達は大通りを満喫してくるわ!!』
言うと思いましたよ。
「別に構わないよ」
マイ達が付いて来ても言葉は通じないし。
悪戯に時間を過ごすよりも、街の雰囲気を満喫した方がよっぽど利益があるだろうさ。
『おっし!! あんた達!! 私に付いて来なさい!!』
自信に満ち溢れた笑みを浮かべ、誰よりも先に主大通りへと歩き始める彼女。
『食ったばっかなんだからもう少しゆっくりしようや』
『ユウちゃんに賛成――』
しかし、陽気組の二人でさえマイの足取りに合わせるのは億劫の御様子ですね。
『喧しい!! 私を待っているのよ!! 海の幸がっ!!』
『へいへい。付いて行きますよ――っと』
ユウを先頭に半ば流れ作業的に続く彼女達。
その最後方に続きながら宿の予約へと向かい歩み出した。
『主』
「どうした?? リューヴ」
『その島へ発つ事が叶わぬ場合は此処で過ごすのか??』
列の先頭で燥ぐ狼と龍を鋭い視線で捉えながら話す。
「そう、なるのかな。人混みが嫌なら宿で過ごせば良いさ。出来るだけ静かそうな場所にある宿を取るから」
『そうか』
彼女達は少し前まで大変静かな森の中で過ごしていたのだ。
人間の文化に触れる良い機会だと思ったんだけど……。
『あはは!! マイちゃん!! その顔どう――やって作ってるの!?』
『口角と鼻頭、更にぃオデコに力籠めてんのよ!!』
ルーは兎も角。
リューヴにはまだちょっと早かったかな?? と、言いますか。
どんな顔してんだよ、アイツ……。
大幅に左右に揺れ動く灰色の髪と朱の髪を若干呆れた面持ちで眺めていると、先程右折した主大通りの分岐点へと到達した。
「じゃあ俺はこのまま直進するから」
厩舎のおじさんはこっち方面がお勧めって言っていたし。
大人しく地元の方の意見に従いますよ。
『おう。ちゃんと予約取れよ??』
「……」
いつか貴女は誰かにこっぴどく叱られるべきです。
ここはお願いしますと、一言付け加えるのが正しい大人の言葉なのですがね。
『宜しくお願いします。では、皆さん。此処からは私がこの分隊を指揮しますので、大人しく指示に従って下さいね??』
流石はカエデさんです。
あの分隊の中で最年少なのに、誰よりも大人びて見えてしまいますよっと。
『はいは――い!! カエデ隊長!!』
『何ですか?? ルー』
『マイ隊員が既に独断先行していま――すっ!!』
『安心して下さい。命令違反の罰として、後で彼女の小振りなお尻に氷よりも冷たい氷柱を突き刺してあげますので』
『こっわ!! カエデちゃん、可愛い顔して何気にエグイ行動するよねぇ――』
『風紀の乱れは心の乱れに繋がりますので……』
あ、あはは。
カエデ一人に押し付けても良かったのかな??
後で幾らでも叱られますので、自分に与えられた任務を遂行しましょう!!
御馳走によって弛緩してしまった体に喝を入れ、気分を一新。
任務行動中のそれと変わらない心持ちを抱いて前進を開始した。
ふぅむ……。
此方の通りは外観を重視しているのか、随分と綺麗な構えを浮かべる建物が多いな。
白を基調とした建物もあれば、美しい木目を前面に押し出した建物もある。
美しい外観を損なわない様。
建物に付随する看板には店名と、使用目的である宿屋と簡素に描かれていた。
この中で選ぶのか。
恐らく、初見の観光客は主大通りに近い店を選ぶであろう。
しかし!!
それは素人の考えだ。
玄人は敢えて……。奥の宿屋を選択するのだよ!!
大通りに近ければそれだけ利便性も上昇するのだが、それと比例する様に一泊の値段も上昇するのが通例。
つまり、利便性を考慮しないのであれば最も遠くの宿を取るべき!!
あの人達は馬鹿みたいに体力があるので、多少遠くても大丈夫でしょう。それに、文句の一つや二つ言われても予約で一杯でした――っと。
幾らでも言い訳は出来ますので。
暫く、と言っても十分程度だが通りの終着点が見えて来る。そしてその先には踏み心地が大変宜しそうな砂浜が北へと続いていた。
へぇ。
あっち側は砂浜なのか。
目的も無く、波音をおかずにして散歩するのに良いかも。
砂浜へ打ち寄せる波の音に癒されつつ、左手側に静かに佇む二階建ての宿屋の戸を開けた。
「いらっしゃいませ――」
ちょっとだけ埃っぽい受付場。
その奥に一人の女性店員さんが愛想の良い笑みを浮かべ、此方の入店を歓迎してくれる。
受付の右手側には二階へと続く階段。
恐らく、宿泊する場合は二階を利用するのだろう。
「あの、宿の予約をしたいのですが」
「何名様の御利用ですか??」
受付の棚の下から名簿を取り出して話す。
「七名です」
「七名様……。う――ん。今日はちょっと空いていませんねぇ。三名様一室のお部屋しか御用意出来ません」
あっらぁ……。
俺と同じ考えの人はやはり居たのか。
どうしよう。
違う宿に向かおうかな??
刹那に思考を巡らせていると、女性店員さんが続け様に口を開いた。
「宜しければ、個人宿を利用します??」
「個人宿??」
何だろう。
聞いた事が無いな。
「此処から砂浜を北上致しますと柵が設けてあります。その柵を越えて少し進んで頂きますと、左手に一軒の建物が見えて来ます。そちらの建物は当宿が所有しております宿で御座いまして、一軒丸ごとお客様にお貸しする形を取らせて頂いております」
成程。つまり、貸し切りの宿って事ね。
「個人宿の裏手には鉄板焼きが楽しめる様に専用の庭と、鉄板並びに料理道具一式と木炭を御用意。個人宿の前に広がる砂浜はお客様が独占出来ます。静かで、快適な旅を満喫するには最適で御座いますよ??」
人気を嫌う人達が居るのでこれは良いかも。
だが問題は……。
「その個人宿を一泊借りる場合、お値段の程は??」
そう。
値段ですよ、値段。
これで破格の宿泊料であれば即決するのですが、果たして。
「一泊五万ゴールドになります」
たっか!!!
すべからずたっか!!!!
「ご、五万ですか??」
此方の想像の遥か上を飛翔する値段に思わず噛んでしまった。
そりゃあそうだろう。
たかが一泊するだけで五万もの使用料を支払うのだぞ??
「えぇ。喧噪から離れ、静かに過ごしたいという宿泊客の方も多いのでかなり人気ですよ?? 料理で使用した食器類は翌日我々が片付けますので、手洗いの手間もありません」
折角の休暇だし、此処で躊躇するのは男らしくないか??
「井戸、お手洗いその他必要な物は全て完備しております。お客様は七名と御伺いしましたが……。お一人様七千ゴールドと計算すれば想定内では??」
こ、この商売上手さんめ!!
えぇい!! 分かった!!
「で、では。一泊の予約をお願いします」
「はいっ!! 毎度有難うございます!!」
ぱぁっと満面の笑みを浮かべる彼女に対し、財布から現金を取り出し。ワナワナと震える手を御しながら渡した。
「此方が個人宿の鍵になります。返却は翌日の午前十時までにお願いしますね??」
「分かりました。もう宿へは向かっても構いませんか??」
「大丈夫ですよ」
何はともあれ、これで宿の予約は取れたんだ。
マイ達に報告して今晩の御飯の確保をお願いしよう……。
ニッコニコの笑みを背に受け、扉を開く。
何だかさっきまで元気一杯に見下ろしていた太陽の顔は、思わぬ出費に至った俺をちょっとだけ呆れたよう見下ろしていた。
行きは王様の帰り貧民、か。
で、でもこれで良いんです!! いつ訪れるかも分からない休暇なのですから!!
自分にそう無理矢理言い聞かせ、大通りで跋扈しているであろう皆へと念話を送った。
『お――い、聞こえる――??』
『レイド様ぁ!! 聞こえていますわぁ――!!!!』
うん、聞こえているからもうちょっと静かにね??
『宿の予約は取れたよ。そこの裏手で鉄板焼きが出来るらしくてね?? 今晩の食事は皆で火を囲んで摂る事になる。宿は街の外れにあるから。大通りを左折して北上した先の砂浜で落ち合おうか』
『ぬぅ!? それは良い事を聞いた!!!! 気に入った魚全部買って向かうからね!!』
『カエデ、頼むから皆を御してくれよ!?』
アイツの場合、本当に購入しかねん!!
見当違いな言葉を放ったマイに釘を差すよりも、こわぁい海竜さんに頼んだ方が確実です!!
『了解しました。マイ、その魚は大き過ぎます。もっと小さい魚を選んで下さい』
『むっ……。じゃあ。このサザエとぉ、帆立とぉ、ピッチピチの海老!!』
『それは鮮度が悪いです。もっと鮮度の良い品を選んで下さい』
『んなもの分かるか!! どれも一緒に見えるわよ!!』
あ、あはは。
後で平謝りしよう。迷惑を掛けたねって。
太陽が西へ傾きつつある空の下。
次の任務を開始する為、一路南進。
ロブさんが入り浸っているであろう酒場へと向かい始めた。
◇
私の鼻に届くのは嗅ぎ慣れた森の香りじゃなくて、魚達が生きている香りだ。
土の香りと比べると大分しょっぱいけど、嫌いじゃない匂いかな。
沢山の人間が明るい笑みを浮かべて会話を交わしている姿に自分でも驚く位に高揚しちゃってる。
まぁ、これは多分。皆と一緒に居るからだと思うんだよねぇ――。
成人の儀式で里を出て、マイちゃん達と戦ったんだけど。
お父さんとお母さんを除けば里で一番強い戦士。私は正直、リューが負けるとは思わなかった。
戦いについては一切の妥協を許さず、お父さんの厳しい訓練が休みの日でも自分一人で鍛える。
休みの日位遊べばいいのに――って私が言っても。
『強さは日々の鍛錬の賜物。お前も遊んでばかりいないで鍛えたらどうだ??』
なぁ――んて、眉を尖らせて話していた。
戦う事以外は不器用、里の皆から次期族長と期待される。簡単に言えば戦闘馬鹿。
それがリューだ。
それに対し、私はぁ……。
お父さんの訓練もソコソコに。
休みの日は友達を誘って森の中で楽しいお散歩に興じていた。
文明豊かな人間社会の人達から見れば、森の中で何をして遊んでいるのだと問われそうだけど……。
意外と沢山あるんだよ?? 森の遊びは。
季節によって種類の違う虫を追って観察したり、森の中を駆け回って火照った体を冷ます為に小川に出掛けて川魚とじゃれ合う。
勿論、じゃれ合うついでにパクっと食べちゃうけどね!!
朝から晩まで走り、クタクタになったら家に帰ってごろぉんと横になり。次の日に備えて鳥の歌声を聞きながら眠るの。
お母さんの晩御飯を食べ忘れた時は叩き起こされちゃうけどねぇ……。
マイちゃん達からも、そして里の皆からも顔以外は全然似ていないって言われる位に正反対な私達。
他所の種族から見れば恐ろしくも映る狼だけど、マイちゃん……。ううん。
レイドは一緒に来ないかって誘ってくれた。それが本当に嬉しくて……。
あの時の出来事は一生忘れないと思う。
えへへ。大切な思い出を有難うね?? これから沢山楽しい思い出を作って行こうと思っています!!
どうやら私の温かい感情は直ぐに顔に出る様で??
『どした?? ルー。ニッコニコしてるけど』
私の右隣りを歩くユウちゃんが不思議そうな顔をして私の顔を見つめていた。
『楽しいからさ!! ついつい笑っちゃった!!』
『あ――。そう言う事。まだ不慣れな部分もあると思うけどさ。分からない事があればあたし達に聞いてくれ。答えられる範囲で答えてあげるから』
そう話すと、私の頭の上に手をポンっと乗せてくれる。
『ユウちゃん!! 有難う!!』
嬉しさが有り余ってついつい抱き着いてしまった!!
『お、おいおい。人前だぞ……。』
んふふ――。
それでもユウちゃんは突っ撥ねる真似はしないもんね――!!
私が遊ぼ――って皆にじゃれ合おうとすると。
マイちゃんは。
『獣くせぇ!!』 と怖い顔で拒絶して。
カエデちゃんは。
『今は読書中です』 と本から一切視線を外さずに冷たい反応を浮かべ。
アオイちゃんは。
『ケダモノとじゃれ合うよりも、レイド様との肌のふれあいを所望していますのでぇ』 なんて。
蜘蛛の姿になると、訳の分からない言葉を放ってレイドの背中に向かって行ってしまった。
そんな中!!
ユウちゃんとレイドだけは。
『仕方がない。少しだけだぞ??』 と。困ったような顔を浮かべるも、少しだけでも私の遊びに付き合ってくれるのです!!
勿論、本気で嫌な時は断られますけども……。
それでも二人の優しさが嬉しい。
『良いじゃん!! おぉ!! あっちの魚も美味しそう!!』
優しい匂いのするユウちゃんにしがみ付きながら通りの反対側の魚を指差す。
『こっち側を見終わったら、向こう側に移動しようか。馬車の通行の邪魔をしちゃ駄目だし』
『そだね――。ねぇ、カエデちゃん達――。早く魚買おうよ――』
私にくっ付かれた所為か、ユウちゃんの顔が若干火照って来てしまったので手をパッと放し。
一番前を行く二人に話し掛けた。
『黙りなさい!! 小娘めが!! 私達は今晩のおかずを真剣に選んでいるのよ!!』
小娘って……。
マイちゃんと私、二つしか離れていないじゃん。
『鮮度の良い魚を選んでいるのです。それとも……。この売り場は三部制ですので、午後六時を待つのも一考かと』
『おぉ!! じゃあ宿に行ってから帰って来る感じかな!?』
カエデちゃんの両肩に両手を乗せ、ぴょんと一つ跳ねてやった。
肩、ほっそ!!
『それでも構いません』
『じゃあお肉!! お肉だけ買おう!!』
んっふふ――。
狼はお肉が大好物なのだっ!!
『小鹿の腸食べたい!!』
「……」
私がそう話すと、カエデちゃんが大変怪訝な顔を浮かべてしまう。
私、何か変な事言ったかな??
『人間の街で売られている肉は主に牛、豚、鶏。それら家畜の肉類です。この街の近辺に小鹿が住む様な大きな森はありません。そして、例えあったとしても夏の暑い季節ですからね。街に運搬する途中に腐ってしまう恐れがありますので、市場に出回らない可能性が高いです』
え――。そっか――……。
美味しいんだけどなぁ――。
『よぉ、あんた。もしかして、人間の姿のままで小鹿のお腹に噛り付いていたの??』
マイちゃんが片眉をクイっと上げて話す。
『あはは!! それは無いよ――。狼の姿で噛みつくよ!! そんでもって、お腹をズバっと切り裂いて。あったかぁい腸にガブガブって齧り付くの!!』
『それを聞いて安心したわ。人間は自分達と異なるモノに敏感だからね?? 絶対そんな真似は街中でするなよ??』
『はいはぁ――い!!』
それ、むかぁしお父さんが言っていたなぁ。
人間は自分達と異なる者を嫌うって。
私はそんな事無いって思っていたけども。こうして大人になった後だと、成程ねぇっと何となく出来てしまう。
人間は怖がりなのだ!!
だから、私達魔物とな、なぁ――……。
『カエデちゃん!! 仲間だったのに、考えの違いで。仲間じゃ無くなっちゃう言葉って何だっけ』
『仲違いです』
おぉ!! それそれ!!
仲違いを起こしてしまったのだっ。
まぁ――。
話が通じないんじゃ仕方がないよねっ。
『ねぇ、ユウちゃん』
隣でバルンバルンっと大きなおっぱいを揺れ動かすユウちゃんと並んで話す。
『ん――?? んぉっ、あそこのパンうまそっ』
『カエデちゃんが言っていたけど。ユウちゃんのお仲間さん、売られているの??』
『あたし達は牛じゃねぇっつ――の。何度言ったら分かるんだ??』
えへへ。
冗談でもこうやって反応してくれるから好きっ!!
『冗談だよ――!! あぁっ!! リュー!! お肉ばっかり見ていないで!! こっち行くよ――!!』
お肉屋さんの前で足を止め、真っ赤なお肉をじぃっと見下ろすリューにそう言ってやった。
『あぁ、分かった』
何だかんだ言って、リューも楽しそうで良かった。
最初はいつも通りにしかっめ面を浮かべていたけど、最近は随分と丸くなってきたんだよねぇ。
でも、それは長年連れ添った私にしか分からないびみょ――な顔だから。もっと分かり易く笑えば良いのに。
勿体無い。
『カ、カエデ!! この店の魚ならイケルんじゃない!?』
『魚の表情が弱いから駄目です』
『な、何よそれ!! そんな事じゃいつまでたっても決まらないじゃない!!』
『ねぇ――。カエデちゃん。表情が弱いってこんな感じぃ??』
私特製の変な顔をカエデちゃんに浮かべてあげると。
『…………っ』
何故か、眉をぎゅぅぅっと寄せて怒られてしまった。
『ルー、あの顔はな?? 笑いを堪えている時に見せる奴なんだよ』
お――!! ユウちゃん、良い情報ありがと――!!
『ほらほらっ!! これでどう!?』
『ついでにこっちも食らえや!!』
私とマイちゃんの合体顔技に、ついに冷静な顔の牙城を崩す事に成功した!!
『ふふっ。可笑しな顔……』
あ、ら、まぁっ――。
カエデちゃんの笑った顔。滅茶苦茶可愛いじゃん!!!!
ひょっとして、皆の中で一番可愛い笑みかも……。
むぅぅ……。
レイドめぇ。きっとカエデちゃんの笑みを独占したいからって連れているんだ。
この笑顔は皆の物だからね!? 独り占めは駄目なんだから!!
地上に舞い降りた笑顔の神様の祝福を受け、私達はその神様が気に入る魚を求め再び歩み始めた。
最後まで御覧頂き有難う御座います。
本日も大変暑い一日でしたが、明日以降も続く様なので熱中症に気を付けて下さいね。