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第五十五話 鮮血と双狼 その一

お疲れ様です!!


執筆が終了しましたので、投稿させて頂きます。


それではどうぞ!!




 木々の合間から覗く赤き日の光。


 人々は一日の終わりを告げる朱色の光に対し明日の煌びやかな想像、若しくは本日の反省を思い描きながら地平線の彼方へと沈み行く光を見送る。


 此方も例に漏れる事無く柔らかな茜色を見送りたいのですが、生憎今現在は深い森の中を行進しているのでそれは叶わず。


 茜色に変わって早々と訪れた闇に対抗すべく、光源を生み出そうと行動を開始した。




「今日はここで夜営するか」



 森の中を突き抜ける歩き辛い街道。


 その奥から此方を取り囲もうとする闇を見つめて、誰とも無しに話す。



「分かりました。ウマ子、今日はここで休むよ」



 御者席に着くカエデが手綱を操り、ウマ子の歩みを止めた。



 へぇ……。


 ちょっとの操作で馬を御したか。


 彼女の所作が熟練の手捌きにも映り、ついつい感心してしまう。



 ウマ子が賢いからなのか、それともカエデ自身の技術の所為か。


 いずれにせよ、見事でした。



「さてと、準備をしますか……」



 荷馬車から荷物を降ろすと早速夜営の準備を始める。


 先程街で頂いたパンを食べるとして、後はスープと……。古米を使用したおにぎり??


 荷馬車から荷物を下ろしながら頭の中で夕食を想像開始した。



 この森を抜けるのは後一日程度だろ?? そして、再びベラードの街に寄って補給して。



 余裕を持って物資を補給した御蔭か。


 食いしん坊の龍の胃袋が暴れ回っても飢え死ぬ事は無さそうですね。



「マイ、宜しく」



 カラッカラに乾いた薪を指差し、深紅の龍に指示を与えると。



「ほいほ――い」



 小さな手を器用に動かし、街道脇に薪を組み立てて行く。



「ん――……。この角度がイマイチねぇ」


「適当に組めば良いんじゃね??」



 背負っていた荷物を荷馬車脇に置き、作業中の龍の脇で寛ぎ始めたユウが話す。



「駄目よ!! ユウ!! 薪はね?? 空気が入る様に下側をちょこっと空けておくのがコツなのよ!!」


「ふぅん。よぉっ!! レイド!! 今日の晩御飯は何――!?」



「頂き物のパンとスープ。そして、おにぎりかな」



 海竜様特製冷涼箱を開け、食材を見下ろしながら夕食を確定させた。



「おぉ――。まずまずの献立だな」


「そうね!! その為には速攻で火を焚かないと。すぅぅ――……。ふんがぁっ!!」



 深紅の龍が丹田に気合を注入。


 ぷっくりと膨らんだお腹から空気を吐き出すと同時、小さな御口に見合った炎が薪に向かって放射された。


 炎が薪に到達すると、乾いた音を立てて刹那に着火。


 夕食に相応しい色と音が闇を優しく打ち払う。



「んおっ。いい雰囲気」


「そうよねぇ。何で炎って落ち着く色なんだろ??」



 一仕事終えた龍がだらぁんと寝そべるユウの双丘の頂上へと降り立ち、満足気に己で灯した炎を眺める。



「さぁ?? ってか、爪立てんな」


「爪を立てておかないと誤って谷に落ちたらエライ目に遭うからね!! これは……。そう!! 命綱よ!!」



 だったら最初っから降り立たなければ良いでしょうに。


 やんややんやと騒ぐ二人を尻目に、滞りなく夕食の準備を整えて行く。



「カエデ、水出せるかな??」



 大分痛んだ鉄製の鍋を持ち。



「服が駄目になるから退け」


「いいや!! 退かないね!!」



 ユウの手と戦う龍から少し離れた位置で読書を開始したカエデに空っぽの鍋を差し出した。



「任された」



 読書を続けたまま鍋の中に手を翳すと、淡い水色の魔法陣の中から水が湧き。一筋の滝となって鍋に水を満たして行く。



 全く、便利ですよねぇ……。


 夏場は水が直ぐに腐っちまうから保存が大変だってのに、たかが数秒で新鮮な水を入手できるのですから。



「さてと、ジャガイモと人参……。根菜のスープでも作るとしますか」


「いいわね!! 味付けは塩味を強めで宜しく!!」



 世界最高峰の頂から此方の肩へと颯爽と移動を果たし、はち切れんばかりに尻尾を左右に振りまな板の上で器用に動かし此方の手を見下ろす。



「強めは駄目。塩分の摂り過ぎは体に良くない、栄養が偏らないように考えて調理しないと」


「相変わらず細かいわねぇ。男ならガッ!! と豪快な料理しなさいよ」



 貴女は豪快に作ったらどうせ文句を言うのでしょう??



 味、栄養。共に効用を得られる様にするのにはかなり気を配らなければならないのですからね。



「ふんふふんっ」



 まっ、そうやって鼻歌が出るって事は。それだけ此方の料理を楽しみにしてくれている証拠。


 ご期待に沿える料理を提供しますからね。ですから……。


 も――少し、静かにしてくれる事と。


 芯の通った音程を確立させて下さい。



 上下に乱高下する鼻歌に辟易しながら野菜を切り分けて行くと……。






 何やら背筋が突如としてゾクっと泡立ってしまった。



 んっ……??


 何だ、この感覚は……。



 俺と同じ感情を抱いたのか。




「「「……」」」



 この場に居る全員が西へと視線を……。



「あはは――ん!! あっそ――れっ!! まんまるジャガイモ、ざくっと切ってぇ――!! コ――-ロコロ転がしてやっつけろ!!」



 基。


 支離滅裂な歌を歌い出した龍を除いた四名が西へと顔を向けた。



「あん?? おい、手ぇ。止まってんぞ??」


「いや、何か。力強い圧を感じたんだよ」


「はぁ?? ――――。おっ、本当だ。誰かが戦っているわね」



 ブンブンと振り続けていた尻尾の動きピタリと止め、西へと顔を向けると皆と同じく緊張した面持ちへと変化した。



「力強い魔力同士が衝突しています。片方は……。恐らく先日会敵したリザードです」



 カエデが手を翳し淡い光を放ち、索敵を開始する。



「もう片方は??」


「分かりません。しかし……。素晴らしく強大な力を有しています」



 突如として出現した誰かがデイナと戦っているのか??


 正体不明の勢力の意図が汲めない以上、迂闊には動けないな。



 皆等しく西の森へと向けて様子を窺い続けていると、マイが警戒心を含めた声色で静かに言葉を放った。





「………………。来る」



 ズッ、ズズッと。


 もう殆ど闇に包まれてしまった暗き森の中から何かが引きずられる音が響き、此方の緊張感を高め。


 僅かな恐怖感を心の中に咲かせてしまう。


 その形容し難い音は秒を追う毎に強く高まり、此方に接近している事を知らしめていた。



 い、一体。何が向かって来るっていうんだよ……。


 強力な力を持つ化け物が出現しても構わぬ様拳を強く握り、その時に備えた。








「――――――。た、助けてくれ…………」




 森の闇から現れたのは、先日出会ったリザードの一体であった。


 体中から夥しい量の赤き血を流し、全身至る所に裂傷を負っている。


 俺達を見付けると、息も絶え絶えに地面へと倒れてしまった。




「おい!! 大丈夫か!!」



 警戒を解き、倒れた個体に向かって駆け寄り上体を優しく起こしてやる。



 こいつは……。酷いな……。


 爬虫類特有の厚い皮膚には鋭利な刃物で傷付けられた裂傷が幾つも目立ち、深く切り裂かれた肉の合間からは今も血が湧き続けている。


 腹部の中央には打撃痕による酷い青痣。


 相手の攻撃が瞼の上を掠ったのか、血液が瞳へと流れ落ち片目を瞑って呼吸を続けていた。

 


 だが、その息が弱弱しい。負傷によって呼吸をするのも一苦労の様だ。



「お、お前は。この前の人間か」



 リザードが俺を見上げると耳を傾けなければ聞き取れない声量を放つ。



「何があったんだ??」



 朦朧とする意識の相手に聞こえる様、覇気のある声で尋ねた。



「と、とてつもなく強い奴が現れて……。姉御が……。み、見えなかったんだ。と、とんでも無く速い奴、で」



 デイナが今もそいつと戦っているのか??



「他の仲間はどこだ!!」


「このさ、先に倒れている。た、のむ。 皆を、た、た、助けてやって……くれ」



 そこまで言うと気を失い、助けを懇願しようと俺に伸ばしていた腕が地面へと力無く垂れた。



「…………。お人好しって言われるかもしれないけど」



 リザードを地面に優しく地面の上に寝かせてやると、心にある種の決意灯して立ち上がった。



 別に俺達はこいつらの仲間でも無く、友人でも無い。助けてやる義理は一切無い。


 だけど…………。


 ここまで傷を負わすのは流石にやりすぎだ。それに、今の懇願を無視出来るほど俺は非情では無い。




「分かっているわよ」


「あぁ。あたしはレイドに賛成だ」


「仕方がありませんわ。レイド様に相伴致します」


「怪我は私が治します」



 全てを伝えていないのに、こちらの意見を汲んでくれた皆に俺は素直に感謝した。



「皆、ありがとう。カエデ、こいつに応急処置を。俺達は森の奥へ進むぞ」


「分かりました。ふぅ……。癒しの水よ……」



 カエデがリザードの側にしゃがむと治癒魔法を唱え、それを見届けると同時。


 装備を整えて森の中へと突入を開始した。








「っと……。ちょっとこいつは不味いな」


「ユウ、どうした??」



 森に入り、暫くすると皆の表情が一段と険しくなる。



「この感じは良くない。べらぼうに強い感じだ」


「そうね、この肌がひりつく感じ。ちょっとやそっとじゃお目にかかれ無い相手よ」



 この二人が警戒する位だ。それ程の相手なのだろう。



「アオイ、道はこっちで合っているか??」


「えぇ。大丈夫です」



 魔力感知を得意とするアオイを先頭に、暗き森の中を駆けて行く。


 この先の闇からいきなり件の相手が現れやしないか気が気じゃ無いが、今はそれ何処じゃない。


 アイツに託された仲間を救わなければ。




 ――――。



 どれ位森の中を進んだか。


 体感的には十分程度だが、恐怖感と使命感が心の中で入り乱れ、特殊な状況下に身を置いているので実際には数分程度の経過なのだろう。



 以前変わらぬ速度で進み続けていると、マイが歩みを遅らせ顔を顰めた。



「うっ。何、この臭い……」


「匂い?? 何も臭わないぞ??」



 試しに、鼻を嗅ぐが感じるのはむせ返る程の森の香りと土の香り。


 異臭は漂っていないが……。


 しかし、俺はその言葉を訂正する事になってしまった。





 木々が少し開けた中央に残った焚火が周囲を静かに照らしている。


 淡い橙に照らされた木々に視線を移すと……。夥しい血飛沫が飛び散り、木々を汚していた。


 地面には四体のリザードが先程の個体同様に体から血を流し、地面に力無く倒れている。


 肩から胴に繋がる傷、折れ曲がった腕、恐怖から逃れようとしたのか。


 背に傷を受けてうつ伏せに倒れている個体も存在した。



 想像を越える惨状に胃の中から酸っぱい物が込み上げ、それを吐き出すまいと喉に力を籠める。



「うっ……」



 この惨状を捉えると同時。血液特有の鉄の臭いが生暖かい風に乗って鼻腔に届き、更に不快な気分にさせた。



「……。大丈夫です。皆息をしています」



 アオイがそれぞれの個体を調べると、安堵の息を漏らす。



「これ程の傷を負っても生きているのか。大した生命力だな」



 ユウが感心すると同時に、彼等を傷付けた相手の事を想像した。



 こいつらは、マイ達に対し。少なくとも背は向けなかった。


 しかし、恐怖に駆られ逃げ出そうとする程の実力者が現れた。背に傷を負い、皆から少し離れた位置に横たわる奴がその証拠。



「お、おい……」



 先日、俺と対峙したマントを羽織ったリザードが蚊の羽音よりも小さな声を上げた。



「大丈夫か?? 一体何があった」



 優しく上体を抱き起して、この酷い状況に至った経緯を窺う。



「お、俺様達が……。ここで休んでいると、アイツが音も無くやって来た。軽く捻ってやろうと思ったのが運の尽きさ。瞬きしている間にやられちまった……」


「デイナはどこに行った??」



「俺様達からアイツを遠ざける為、一人でアイツを……。頼む、姉御を助けてやってくれ。お願いだ……。た、大切な仲間なんだよ……」



 俺の手をしかと握り、縦に割れた瞳に涙を浮かべて懇願する。



「約束は出来ないけど……。努力はする」



 その手を力強く握り、大粒の涙を流した瞳の奥を見つめて言ってやった。



「お前、良い奴……。だね」



 安心して気が抜けたのか。


 強張っていた全身の力がふっと抜け落ち、気を失ってしまった。



「アオイ、悪いけどカエデと協力してこいつらに治療を。マイ、ユウ、俺について来てくれるか??」



 此処迄来てやっと俺にも恐ろしい力を朧に感じる事が出来た。


 恐らく、この先に居るぞ。



「当り前よ」


「勿論だ」


「レイド様の頼みなら断れませんわ。ですけど、一つだけお願いがあります」



 前方へ進もうとすると、アオイが此方の歩みを止めた。



「何??」


「決して無理をしないで下さい。私から離れてはお守り出来ません」


「分かった。出来るだけ守るよ」



 此方の身を案じる彼女に向かいふっと笑みを浮かべ、暗き闇が待ち構える森の中へと駆け始めた。












「…………。まな板」



 ボケナスの後に続こうとする私達を蜘蛛が引き留めた。



「何よ」



 きしょい蜘蛛に振り返らず、前の闇を見つめながら言葉を返す。


 まぁ――。


 多分、声色から察するにぃ……。



「レイド様にもしもの事があれば……。私はあなたを許しません。必ず無事に帰しなさい」



 ほらね??


 どうせそんな事だと思ったわよ。



「はっ。言われなくてもそのつもりよ」



 一々鬱陶しい蜘蛛め。


 んな事言われなくても分かってるっつ――のっ!!



「安心しろって。あたし達二人がついてりゃ怖い物なしさ」


「おうよ!! 一発ぶちかますわよ!?」



 ユウがニッ!! と快活な笑みを浮かべて拳を此方に突き出すので。


 力強く拳を握って合わせてやった。



「はぁ……。やはり私がレイド様をお守りすべきかしら……」



 お前じゃ役不足だ。


 そう言い放ってやろうかと思ったが。



「お――い!! 行くぞ!!」



 ボケナスが此方を急かす声を出したので、優しい私は別の言葉に変えて口を開いた。



「じゃあ、行って来るわ」



 他にもっと優しい言葉はあるのだけれども、お生憎様。蜘蛛とは水と油の関係だからこれ以上の優しい言葉はありませ――んっ。



「アオイ、こいつらの事頼むな」


「えぇ。分かりました……」



 ユウの言葉を受け、デカ蜥蜴達に対して治療を開始するものの。


 心此処に在らず、って感じでボケナスが向かって行った方へ視線を向けているわね。


 私達に匹敵する力を付けて来た野郎の身を案ずるほどに、この先に居る奴はヤバいのか……。




 そう考えると私も尻すぼみ……、はしませぇぇええん!!!!


 寧ろ、俄然ヤル気が出て来るわね!!!!



 昨日ボコった奴は弱かったし。


 先日会った化け物は何だかんだで皆で退治したって感じだったし。


 そろそろタイマンで燃える様な大喧嘩がしたかった気分なのよ!!


 蜥蜴達にはちょいと気の毒だけども、ワクワク感を満載した心を引っ提げ。ボケナスの下へと駆けて行った。













 ◇








「マイ、こっちでいいのか!?」


「おう!! ……。まだ戦っているわね」



 龍の鼻を頼りに暗き森を愚直に進むものの、アオイと離れ暫く経つが未だにデイナの姿は見当たらない。



 リザード達が休息していた位置から、此処迄。デイナは戦闘を継続しながら移動していたんだよな?? 



 長距離に渡る戦闘。


 速さに分がある相手に対し、森の木々を利用して死角に誘い込みながら戦う。


 恐らく、デイナはそうして戦いを進めていたのだろう。


 時折現れる、木々の幹に刻まれた戦闘痕が良い証拠だ。




 昨日の戦闘では速さで劣るマイにやられたのだから同じ轍を踏む事は無い。


 しかし、それでも相手の体が発見に至らないと言う事は……。仕留めきれてないのだ。


 戦闘経験豊富な野盗の首領が己の得意とする戦場で仕留めきれない相手……。


 一体、どんな奴なんだ。



 そんな事を考えていると。


 マイが今まで聞いた事が無い緊張感を含めた声色で、静かに口を開いた。




「見つけたわよ……」




 唐突に、木々の間からぽっかりと空いた空間が森の中に現れる。周囲凡そ数十メートルだろうか。


 夜空に浮かぶ星々の美しい瞬きが容易に窺える空間に、森の木々が与える閉塞感から解放された陽性な感情を抱いて躍り出た。



「…………」


「あっ……。あぅっ……」



 その空間の中央、怪しく青く光る月明かりが射す中。


 デイナは悪戯に両足をバタつかせ、宙に浮かされていた。


 夜空に住む神々へ供物を差し出すかの様に、一人の女性がデイナの喉元を万力で掴み上げてたのだから。



 恐ろしき力に対抗すべく、両手で喉元を掴む手を引き剥がそうと画策するがそれは叶わず。



「……っ」



 遂に力尽き、だらんと体を弛緩させてしまった。




「ちょっと。それくらいにしたら?? そいつ、戦意を失っているわよ??」



 マイが警戒心を籠めた声を上げて女を牽制する。



 俺達はその女に対し最大級の警戒心を抱きつつ、歩み寄るのだが。



「……」



 マイの声、若しくは此方に気付いたのか。


 こちらを振り向くと、鋭い二つの目が此方を捉え。その圧に思わず息を飲み、歩みを止めてしまった。





 右目は翡翠、左目は金色、両目の色が違う珍しい配色。


 月明りに照らされた長い灰色の髪、いや月明りの所為か白銀にも見える。


 怪しく青く光る月明かりに照らされた髪が微風に揺れて、時折前髪が鋭い視線を覆い隠す。


 風に揺られて現れる美しく弧を描いた眉。


 直線に通った鼻筋に少しだけ薄い唇が整った顔を美しく装飾していた。


 美しい顔立ちなのだが、今はリザード達の返り血を全身に浴びどことなく寒気を覚えてしまった。



 あ、アイツが犯人か。


 たった一人で全員を戦闘不能に追い込んだ実力者……。


 美しくも恐ろしい姿に捉われた俺達は言葉も交わさずに、警戒心という鎖に囚われたまま動けないでいた。




最後まで御覧頂き、誠に有難う御座いました。


お盆休みの中、悪天候が続いていますが皆様如何お過ごしでしょうか??


危険な地域もありますので、お気を付けて過ごして下さいね。

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