第二百四十四話 魔なる者との決別
お疲れ様です。
二話目の投稿になります。
明るい場所には眩い光を放つ笑みが零れており人々はその姿を捉えると陽性な感情を胸に宿して日々の生活を送る。
ある家庭ではその明るさが夫婦円満に一役を買い、ある商店では胸に輝きを宿す商人によって満足の行く売買行為を出来、名も無き通り上では主婦達の夫の愚痴を肴にした井戸端会議に拍車を掛ける。
視覚に訴える環境に人々は多大なる影響を受けている。
俺はそれを田舎町の出入口で一人静かに痛烈に、まざまざと思い知らされてしまった。
「いらっしゃいませぇぇええええ――――ッ!!!! 擦り傷、切り傷、果ては奥様から有難く頂戴した往復ビンタ!!!! そのどれにも効果が得られる万能傷薬は如何ですかぁぁああああ――――ッ!!!!」
喉の奥がひり付く様な痛みを生じさせる叫び声を上げて街に入って行く旅人若しくは商人、そして突如として訪れた俺の存在を物珍しく無言のままで観察している住民の方々にこのすんばらしい効用を与えてくれる傷薬の紹介を続けているが……。
待てど暮らせど全く売れる気配がしなかった。
人の興味を引く言葉や日常生活で負うであろう傷程度なら瞬く間に癒してくれる効用を伝えても彼等の心に響かないのか此処で売買行為を開始してからと言うものの、傷薬は一つも売れていない状況が続いている。
それは恐らくこのくらぁい環境の所為なのでしょう。
「ったく……。降りそうで降らない天気ってのは本当に商売の邪魔になりますわ!!」
腰に手を当てて、憤怒を籠めた視線を曇天の向こう側に居る天候を司る神へと向けてやるが。
『それは我の所為では無いっ』
幻の神様はちょっとだけ焦った表情を浮かべるとプイっとそっぽを向いてしまった。
まぁ、あんたの所為じゃないってのは重々承知していますぜ。
商売を生業とする者なら誰しもが納得するであろう客引きの声を上げているのにも関わらず傷薬が売れないのは俺の背後から漂って来るくらぁい雰囲気の所為でしょうね。
「「「「……」」」」
街の中央を貫いて向こう側の出入口まで見える大通りには数える程の住民しか歩いておらず、通り沿いに併設してあるお店の前にはだ――れも立っていない。
試しに客引きの声を捉えようと口を横一文字にンッと閉じて聴覚を最大限に高めるものの……。聞こえて来るのは風の音と何処かの家から零れて来る環境音のみ。
この街は静寂という化け物に支配されているんじゃないか??
そんな有り得ない妄想を掻き立てる程に静か過ぎる。
「多分、街の所為で物が売れないんだろうなぁ……。こぉんな静かな街じゃ売れる物も売れないっつ――の!!」
街に入って行く人の姿と住民っぽい人達が消えちゃったし、ちょっと休憩しましょう!!
数十個の傷薬が置かれている長机の脇に置いてある背嚢から携行食であるおにぎりを取り出すと己の心に湧く苛立ちの憂さ晴らし、じゃあないけども勢い良く三角に齧り付いてやった。
はぁ――……。この塩気と米の微かな甘味が蟠りを溶かしてくれる様だぜ……。
「ふぃっかし……。相棒達はうふぁくやっているのかしらね」
お行儀が少々悪いと思われますがモッチャモッチャと咀嚼を続けながら相棒が居るであろう方角へと向かって小言を放つ。
彼はお母さんの目が無いとす――ぐに暴れ回っちゃう悪い子ですからねぇ。
その彼が大人しく仕事をしている姿を想像すると意図せずとも口角が上がってしまう。
アイツは俺と違って不器用で不躾で戦う事しか頭に入っていないけど、俺と出会ってから幾つもの冒険を続けている内にそれなりの処世術を身に着けた。
言葉よりも先に拳で返答をする彼ですが、ハンナの周りには彼よりも卓越した処世術を身に着けている者達が居るから大丈夫でしょう。
問題はブスっとした顔を浮かべている腹ペコ白頭鷲ちゃんじゃなくて、こっちの売れ行きだよなぁ……。
いつになったら傷薬が売れるのか気が気じゃない。
このままでは一つも売れない内に閉店を迎える危険性も出て来やがった。
『ふっ、俺は滞りなく仕事を済ませたのに貴様はたった一つの傷薬も売れない無能なのか』
俺の成果を鼻で笑いやがる相棒の顔を想像すると無性に腹が立って来やがったぜ。
「よ、よし!! こうしてはいられない!! 街の中央にまで俺の声を轟かせて嫌でも住民達の耳にこっちの存在を知らしめてやらぁ!!」
おにぎりちゃんの栄養を五臓六腑に染み渡らせると腹筋に猛烈な力を籠め、肺に大量の空気を取り込んで山の向こう側へ届かせる様な雄叫びを街の中央に向かって解き放ってやった。
「いらっしゃいませぇぇええええええ――――ッ!!!! 今日だけの傷薬販売ですよ――――!!!! これを買わなきゃ損損ッ!!!! 各家庭に一個は必需である傷薬をお求めの際は是非此方までお越し下さぁぁああああああ――――いッ!!!!」
こ、これなら宿屋や家で寛ぐ者達の鼓膜にも届いただろう。
「ぜぇっ……。ぜぇっ……。はぁ、しんど……」
両膝に手を置いて喉の痛むひり付きに堪えていると……。
「「「「……ッ」」」」
本当に遠い場所から住民達が此方へ向かっている様を捉える事に成功した。
「おぉ!! 俺の願いが漸く皆様の御心に届いたのですね!!!!」
捨てる神あれば拾う神あり。
そう言われている様に俺の愚行を幸運の女神様は拾って下さったのでしょう!!!!
ささ、皆様?? 大変お得な傷薬販売所は此方で御座いますっ。
商売を生業とする者らしく口角をニュっと上げて彼等を待ち構えていると、頭の中に幸運の女神様の幻の声が響いた。
『あのぉ――。私は貴方を拾った訳では無いんですよ??』
何を仰います!! 住民達がぞろぞろと揃ってこっちに向かって来ているじゃあないですか!!
『彼等の表情を良く御覧なさい?? その表情を理解すれば貴方の考えは間違いだと気付く筈ですっ』
住民の表情?? そりゃ勿論、期間限定販売の商品を己が手中に収めようとして躍起にぃ……。
幸運の駄女神の言葉を受けて住民達の表情をじぃぃっと窺うと、成程。どうやら彼女の言葉は正しかった様ですね。
「「「「……」」」」
両手の指じゃ数え切れない数の住民達の表情は皆一様に暗く、人によっては憎悪の炎を瞳に宿している。
両手に財布の存在は確認出来ず、その代わりに木の棒や鞭。果ては使用用途を思わず問いたくなる鉄の棒をお持ちになっていた。
え、えぇっとぉ……。貴方達はこれから仇討にでも出掛けるのですか??
首を傾げてそう問いたくなる物々しい雰囲気を身に纏っている住民達が俺の方に向かって来ると思わず身構えてしまった。
「ひ、ひらっしゃいませ。お、お薬をお求めでしょうか??」
俺を三百六十度グルっと取り囲んでしまった彼等に大変遜った口調で問うものの。
「「「「……ッ」」」」
彼等は何も言わず憤怒や憎悪等々。
負の感情をこれでもかと籠めた瞳で俺を睨み付けていた。
こっわぁ……。何で物々しい雰囲気を身に纏っているんだよ。
ここは戦場じゃあないんだぜ??
「じ、自分が此処で商売をしているのが気に食わないので?? それなら御安心下さいませ。マリルという女性がこの街の町長さんに許可を頂いており、自分は彼女の代理としてここで商売を続けているのですよ」
俺の一番近くに居る右手に木の棒を持っている男性にそう話す。
「知っている」
あ、うん。物凄く端的な言葉で返事をしてくれたのは嬉しいんですけどね??
俺が知りたいのは何故貴方達が物々しい雰囲気を身に纏っているのか、その一点に尽きるのですよ。
「それならどうして貴方達は今にも俺に襲い掛かって来そうなおっかない表情を浮かべているのです??」
「俺達は魔なる者と決別した。この世界は人だけが住む清浄なる世界であるべきなのだ」
いやぁ、それはちょいと難しいんじゃないの??
この星の上には人間だけじゃなくて人と良く似た魔物という生命体が無数に存在する。彼等と関係を断って生活をする若しくは魔物を排斥しようとするのなら途轍もない労力を有するのだから。
「つまり、貴方達は俺が魔物であるのが気に入らなくてこの街からさっさと出て行って欲しいって事かしら??」
「違う」
あぁ、くそう!!
さっさと結論言わないこの野郎の横っ面に一発強烈なビンタを捻じ込んでやりたい!!
何でこうも回りくどい押し問答をしなきゃいけないんだよ!!
「じゃあどういう事なの。そっちが暴力に訴えて何かをしようってのは理解しているから、俺としては事が始まる前に此処から立ち去りたいんだけど??」
人間相手に今の俺が本気で殴り掛かったら確実に命を奪ってしまう。
勿論?? 自衛の為に行動せざるを得ない状況に追い込まれたのなら最低限の力を籠めて力を揮いますが……。
普通の人間相手にどの程度の力でポコンと叩けばいいのかその塩梅が分からないぜ。
俺の言葉を受けても彼は微動だにせず、周囲を取り囲む者達が纏う雰囲気が刻一刻と向かってはイケナイ方向に向かい始めていると一人の男性が静かに俺の前に姿を現した。
「我等の清浄なる聖域に足を踏み入れたのはこの者か」
中肉中背の男が俺に向かって静かに言葉を漏らす。
黒き髪を短く纏め目の大きさは特筆すべきモノではなくこれまた顔の特徴も普遍的過ぎて逆に探すのが難しい程の普通の顔。
顔や体格に付いて無個性の彼に唯一特筆すべき事を挙げよと言われたら……。
あの純白のローブだよな。
普通の服装の上からすっぽりと羽織るローブは膝辺りまでの長さであり今日は曇天であるが半袖に適した気温が漂うこの気候ではちょっと違和感を覚えてしまう服装だ。
と、言いますか……。
あの純白のローブって俺の家に突如として訪れた野郎達が羽織っていた奴と瓜二つだよな??
今は亡き名も無き者が俺に託してくれた地図。
それがこの冒険の発端となり俺は各大陸を渡って本当に素敵な経験をした。
その発端となった地図を探しに来た野郎と同じ服装を捉えると体の緊張感が一気に高まって行くのを捉えてしまった。
「えぇ、そうです。彼と魔女は何も無い平原から突如として出現しこの街に向かって来たという証言もあります」
「で、ですからっ!! 自分は許可を得て売買行為をしているのですよ!?」
このままでは不味い。
そう考えて声を荒げて説明するものの。彼等の耳に俺の必死の言葉はどうやら全く届かない様である。
「魔なる者達と決別した我等は行動を起こす必要がある。皆の者、フロポロス様の御言葉を復唱しろ」
純白のローブを羽織る男性が静かに目を閉じて呼吸を整えると本当に静かな所作でフロポロスって奴が彼等に伝えたであろう言葉を羅列的に唱え始めた。
「一つ、汝魔物を恐れよ」
「「「「一つ、汝魔物を恐れよ」」」」
「二つ、汝魔を信ずるな」
「「「「二つ、汝魔を信ずるな」
「三つ、汝魔を滅せよ」
「「「「三つ、汝魔を滅せよ」」」」
え、やだ。ナニこれ……。滅茶苦茶怖いんですけど??
純白のローブを羽織る男性が言葉を述べるとそれに続くようにたぁくさんの人達が彼と同じ言葉を一字一句違わず唱える。
その行動はまるで目に見えない糸に操られている様に映り言葉が続くにつれて彼等の声量も上昇して行く。
今まで彼等が唱えた言葉の中で最も気になったのは三つ目の魔を滅せよ、だ。
コイツ等がフロポロスって野郎から教わったイカレタ考えに従うのなら、これから俺に酷い仕打ちが襲い掛かって来るのは自明の理。
ちゅ、ちゅまり!! 一刻も早くこの場を立ち去るのが賢明なのでしょう!!
「い、いやぁ!! 皆さん一字一句間違えないで唱えられるその傾倒ぶりは感心致しますぜ!! あっしはそろそろ店を閉めて此処から退散させて頂きやす!!」
マリルさんから預かった傷薬を背嚢に詰め、それからこの包囲網を必要最低限の行動で突破すべきでしょう!!
取り敢えず長机の上に乗っている傷薬を数個己が手中に収めるものの彼等は俺の一挙手一投足を見逃さず、更に語気を強めてイカレタ教えを唱え始めてしまった。
「四つ、汝魔と交わるなかれ!!」
「「「「四つ、汝魔と交わるなかれ!!!!」」」」
「五つ、汝人を信じ、魔を疑え!!」
「「「「五つ、汝人を信じ、魔を疑え!!!!」」」」
お願いします!! ど――かもう少し声量を落として下さい!!
怖過ぎて手元が狂っちゃうでしょう!?
「おわっ!?」
長机の上から地面に向かって落下してしまった傷薬を拾う為、小さな石が無数に広がる大地に片膝を着けた刹那。
「さぁ、今こそ粛清の時!!!! 光ある美しく清らかな世界を求める為に我々は茨の道を進んで行くのだ!!!!」
「「「「オオオオォォオオオオオオ――――ッ!!!!」」」」
「ちょ、ちょっと待って!! 俺は無抵抗……。グェッ!?!?」
激昂した彼等が無抵抗の俺に向かって手に持つ武器を何の遠慮も無しにぶっ放すと気の遠くなる痛みが体全体を駆け巡って行った。
「死ねぇぇええ――――ッ!!!!」
「イダッ!?」
右手に持つ木の棒を俺の左頬に叩き込む野郎。
「貴様は此処で死ぬべきなんだ!!!!」
「ウギィッ!!!!」
それは使用用途が完全に間違っています!! と思わず突っ込みたくなる鉄製の棒を腰に叩き込む男性。
「イル教の教えは正しいのだ!! それを俺が此処で証明する!!!!」
「ウグッ!?!?」
木槌で俺の頭頂部を激しく叩いた男性の叫び声が体の芯にまで強烈に響いた。
イ、イル教って奴にコイツ等は傾倒しているのか??
インチキ宗教にのめり込むのは勝手だけどよ……。それで一人の命を奪って良い訳じゃねぇからな!?
「テメェ等……。やって良い事と悪い事があるだろうが」
このままでは確実に殺されると判断した俺は右手に微かに魔力を籠めて立ち上がろうとしたが……。
『ダンさん。人と魔物は異なる生命体ですがその心は通じるモノがあります。ですから、どうか彼等をお守り下さいね』
「ッ!!」
マリルさんの懇願する表情が脳裏に鮮明に映し出されてしまい右手の魔力が瞬く間に霧散してしまった。
俺が力の限りに暴れればこの人達の命はこの世から消失してしまうだろう。それに必要最低限の自衛行為をしたとしても彼等が無傷で居られる保証は無い。
そして俺の自衛行為が彼等の心に魔物に対しての更なる恐怖を生み出してしまう蓋然性もあるのだ。
ち、畜生……。此処は我慢の一択ってか……。
聖樹ちゃんが贈ってくれた抵抗力は痛みに強くなる有難い力を御持ちになっていますが残念な事に痛覚は真面に機能しちゃっているのが偶に瑕。
奥歯を噛み砕く勢いで襲い掛かる痛みに対し、無抵抗のまま彼等の感情の昂りが収まるまで攻撃を耐え続けてやるぜ!!
「おらぁ!! 亀みたいに丸まってどうした!!」
「ウッ!?」
横着な野郎が思いっきり振り上げた爪先を俺の顎先に着弾させると微かに体の芯が揺らぐ。
それでも俺は数個の傷薬を大切に抱き防御態勢を解除する事は無かった。
「この野郎……。意地でも無抵抗を貫くつもりかよ」
「おい、その目障りな傷薬を燃やせ」
「はぁっ!? 待ってくれ!! それは俺の大切な人が心血を注いで作った傷薬なんだぞ!!!!」
右往左往する言葉の中から決して聞き逃すべきではない言葉を拾い上げると思わず面を上げてしまう。
「あんた達の為にと思って作った薬を燃やすのかよ!!!!」
「あぁ、その通りだ。穢れた者の手から生み出された物だ。どうせこれも穢れているのさ」
こ、こ、この野郎!!!!
彼女の苦労も、想いも知らずによくもまぁいけしゃあしゃあとふざけた事を言えるな!?
俺の心に湧く憤怒に身を任せて立ち上がろうとするが。
『ダンさん……』
「くっ!!」
それでもマリルさんの顔は脳裏に消える事無く存在し続けていた。
「よし!! 燃やせ!!!!」
「「おおう!!!!」」
松明の炎が木製の長机と傷薬が収まった木箱に当てられると、その数秒後に松明の炎が移りマリルさんの苦労と想いが黒煙と炎に包まれてしまった。
あぁ、畜生……。こんな酷い仕打ちをされているってのに俺は何も出来ないのかよ……。
「んっ!? おい、お前。まだ何か隠し持っているな??」
住民の一人が俺の胸の中に仕舞ってある数個の傷薬に気付いてしまう。
「いや、知らないね。俺はちょっと疲れたからこのまま丸まります!!!!」
これだけは何があっても守り抜いてやる。
断固たる決意を胸に秘め、エッサホイサと地上を移動するダンゴムシさんさえも思わずエッ゛!? と二度見してしまう強力な防御態勢を整えてやった。
「そうか、それならこっちも相応の力を使用させて貰うぞ!?」
男の激昂した声が響くとほぼ同時に何かが空気を鋭く切り裂く音が鼓膜に届く。
そして、その数秒後にその正体が理解出来てしまった。
「ウグァッ!?」
こ、この強烈な痛み……。よもや無抵抗の野郎にお前さん達は鞭を揮うのかい??
女が悦に入った表情を浮かべて男に鞭を揮うのなら夜の営みの一環だとして頷けるけども!! 生憎俺はそっち系の趣味はねぇんだよ!!!!
あ、でも一度位なら経験してもいいかもっ。フウタの奴が偶には良いモノだぜって言っていたし。
しかし!! こういう状況で受ける鞭は御遠慮願いたいぜ!!
「不浄なる者に正義の鉄槌を!!!!」
「魔なる者に粛清を!!!!」
「我等が求める清浄なる世界を実現する為、魔なる者と決別する為。そして運命の子に光りある道を示すのだ!!!!」
「「「オォォォオオオオオオオオ――――ッ!!!!」」」」
クソッタレが……。イカレタ言葉が何だか心地良い子守唄に聞こえて来やがったぜ……。
馬鹿野郎共が無慈悲に与えて来る攻撃の数々を受け止めていると意識が白い靄に包まれて来る。
それと連動する様に四肢の力が抜けて行くが、胸の中に大切に仕舞ってある傷薬を守る力だけは決して緩めなかった。
これを渡せば俺はコイツ等に屈服した事になる。
それだけは絶対に許せない。
友を、家族を、そして人を大切に想う彼女の想いが詰まったこれだけは決して壊されてはならない。
そう考えた俺は襲い掛かる暴力の大豪雨に打たれながらも金剛不動の強烈な意思に従い決して破壊されてはならないマリルさんの温かな想いを守り続けていたのだった。
お疲れ様でした。
夏バテは徐々に回復しつつあるのですが、まだまだ全回復までとは至っていませんね。
もう間も無く始まるお盆休みに備えて早めに治しておきたいって感じです。
読者様達はお盆休みの予定は既にお決まりですか?? 私の場合はそうですね……。部屋の掃除やら買い物やら普通の行動になってしまいそうな可能性がありますね。
愛車の幸運を呼ぶガラガラヘビに乗って美味しい食べ物を求めにドライブってのも一考です。これがウマイぜ!? というお店があれば是非とも教えて下さいね。
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それでは皆様、暑さに気を付けてお休み下さいね。




