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今日も今日とて、隣のコイツが腹を空かせて。皆を困らせています!!   作者: 土竜交趾
過去編 ~素敵な世界に一時の終止符を~
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第二百十九話 限られた時間の中で その二

お疲れ様です。


後半部分の投稿になります。




 あぁ、畜生。何でもない砂浜がすっげぇ色っぽい体付きの美女が横たわる極上のベッドに見えて来やがった……。


『うふふ、さぁいらっしゃい』


 彼女の甘い手に誘わるがまま横たわればどれだけ楽だろうか。


 しかし、彼女の手を取ったら最後。俺の命は此処で尽きる事となる。とどのつまりあの美女の本当の姿は死神なのさ。


 美女の皮を外せばきっと物凄くおっかない骨だけの死神がバっ!! と出て来て俺の魂を冥府へと誘うのだろうよ。



「死神の抱擁を受ける訳にはいかねぇよなぁ」


 半分塞がった視界のままで地面の砂を捉えつつ言葉を漏らす。


「は?? しにがみ??」


 おっと、心の声が口から出てしまったか。


「独り言だよ。いいか、イスハ。戦いに参加出来なくてもいいから俺達の戦いの一部始終を決して見逃すな。目に映る全てがお前さんの今後の糧になると思え」



「グハッ!! ゴフッ!! エェッ!!!!」


 ちょいと先の砂浜の上で己の腹を抑えつつ悶え苦しむジェルチェの姿を捉えたままイスハにそう話す。



 野郎め。俺の一撃を受けても気を失わなかったか。


 負傷している左半身を少しだけ庇った所為で威力が半減しちまった様だな。



「う、うむっ!! 分かったのじゃ!!」


「それならけっこ――。さ、さぁぁって。最終最後の攻防を繰り広げようとしますかね……」


 萎れかけた闘志ちゃんのお尻を思いっきり蹴り上げて再燃。


 胸の中に業火の闘志を宿すと折れ曲がっていた体を天に向かって確と伸ばし、決して倒れぬ、崩れぬ不動の姿勢を貫いて叫んだ。



「俺は此処だぞ!!!! さぁ掛かって来いやぁぁああああ――――!!!!」


「て、てめぇええ!! 絶対にぶっころしてやるからなぁぁああ!!!!」


 ジェルチェの眉間に深い皺が寄せられ鼻頭も怒りの皺でくっちゃくちゃ。


 心に湧く憤怒を噛み砕く様に奥歯を万力で噛み締めて憎悪が宿る瞳で此方を睨み付けていた。



 ひゅ、ひゅぉぉおお……。こっわ!! 何アレ!?


 地獄の底で暮らしていた悪魔が地上に出て来ちゃったじゃん!!


 弟子の前で格好付ける為に挑発なんかしなきゃ良かったぜ……。



「殺す!! 絶対にコロス!! ハァァアア!!!!」


「いぃっ!?」


 ジェルチェが悪魔もアワアワと口を開いて撤退を決め込む雄叫びを放つと瞳が深紅に染まり体全身に纏っていた風が彼女の曲刀に宿る。



「立ち塞がる敵の肉を切り裂き骨を断て!! 嵐切連ストームエッジ!!!!」



 淡く美しい緑色の魔力が曲刀に宿ると一陣の強き風が俺の体を通り抜けて行く。


 その強さは体がグっと後方に揺らぐ程だ。


 曲刀の周りには体全体に纏っていた死裂風よりも強烈な風が、分厚く鋭い風の刃が渦巻きある程度離れているのにも関わらず俺の体を後方へと押し返す風圧が確認出来た。


 あの曲刀を真面に受け止めたら刃から迸る風が両腕を後方へと押し退け、更に更に!! 風の刃が無慈悲に俺の肉を傷付けるであろう。



 ち、畜生めが!! 武器に力を一点集中させて俺を斬り殺すつもりだな??


 視界から消える移動速度を捨てる代わりに武器に全てを籠めて敵を断つ。


 絶対に此処から引かぬという強烈な意思が彼女の武器から俺の心に届いた。



「手加減はしねぇ。テメェ等をブチ殺して島に上陸した馬鹿野郎共を切り刻んでやる!!!!」


「はは、それはどうだろうな?? 島に上陸した連中は少なくとも俺より強いぜ??」


 戦う事しか頭に無い白頭鷲ちゃんに、忍ノ者である鼠二頭。そして魔法に特化しながらも遠近両方一分の隙も見当たらないマリルちゃん。


 彼等に比べれば俺の力なんてちっぽけなものさ。


「テメェの言う通りならもっと楽しめそうだな!! さぁぁああ……。覚悟は出来たか??」



 何の覚悟ですかね!?


 まぁ皆まで言わなくてもそれは命のやり取りであるという事は理解していますが、彼女と俺の考えに相違がある可能性がりますし??



「覚悟?? 可愛い子との逢瀬なら幾らでも覚悟して向かいますけ……」


 己自身の強烈な緊張感を解き解そうとして下らない言葉を口から出そうとしたその時。



「そのふざけた口を閉ざしてやる!!!! 死ねぇぇええええ――――!!!!」


 地獄の底から現世に現れた悪魔が激昂した雄叫びを放つと俺に向かって突撃をおっぱじめやがった!!


 ど、どうする!? やっぱり真面に受け止めたら不味いよな!?



「フゥッ!!!!」


 上段から強烈な魔力と風の刃を纏った曲刀が振り下ろされると死ぬ思いで体を捻って初撃を回避した。


 そう、回避したのですが……。


「いづぅっ!?!?」


 斬撃の軌道上から無数の風の刃が体に襲い掛かり、服を傷付け肉を切り裂いて行った。


 か、勘弁してくれよ。普通に避けても血が噴き出るっておかし過ぎるだろうが!!


「フン!! ハァァアアアア――――ッ!!!!」


「くっ!!!!」


 下段から切り上げられた曲刀に対しては上半身を逸らし、地面と平行になって襲い来る刃には屈み、そして袈裟切りの要領で振り下ろされる剣撃に対しては短剣で往なして躱す。


 己自身も休まぬ代わりに相手にも一呼吸する暇すらも与えない連続の剣撃が空間を断ち、俺の命を絶とうとして空気を切り裂く。



 や、やば過ぎるだろ!! 避けても往なしても血が噴き出る一方何ですけど!?


 このままじゃ本気マジで出血多量で死ぬ!!


 死しか存在しない絶対絶命地帯から下がろうとして後ろ足に体重を掛けようとしたのだが……。



「……っ」


 もう一人の俺が待ったの声を掛けた。



 このまま素直に下がったらコイツは確実に追撃を仕掛けて来るよな??


 例え刹那に危険地帯から遠ざかっても直ぐに死が襲い掛かって来るのは目に見えて居る。



 コイツの斬撃の数々は言うなれば真夏に生まれた台風みたいなものだ。



 常軌を逸した風圧は家屋を倒壊させ、分厚い雲から降り注ぐ雨は川を氾濫させる。


 人々は災害から逃れようと避難を開始するものの台風の速度には勝てず結局は追い付かれて雨風を受ける破目となる。


 天然自然に抗おうとするのは神と等しき力を持つ者のみ。力を持たぬ者は台風が通り過ぎるまでどうか安心安全に過ごせますようにと天に祈り続けるのだ。


 しかし、人々や自然に災害を齎す台風にもたった一箇所だけ比較的安全に過ごせる場所がある……。


 そう、所謂台風の目という場所だ。


 台風の中心には目と呼ばれる場所があり、詳しい原理は知らねぇがそこだけは中心から離れた位置に吹く風よりも穏やかな風が吹いている。


 台風の暴風雨から避難する様に後退してもいずれは追い付かれてしまうので意味が無い。



 そう!! 俺が向かうべき場所は後ろでは無く、前だ!!!!



「これで止めだぁぁああああ!!!!」


「ふぅ――……。ずぁぁああああ!!!!」



 ジェルチェが曲刀を上段に構えると同時に魔力の源から火と光の魔力を流し、体全体に駆け巡らせて混ぜ合わせ、そして幾重にも練り合わせて桜花状態を発動した。


 出血多量のこの体じゃあ桜花状態を発動出来るのは数秒にも満たないかも知れない……。



 後退して惨たらしく死ぬよりも前進して一縷の望みに賭ける!!!!


 分が悪すぎる大博打。


 しかしそこに勝機があるのなら俺は当然そこに賭けるぜ!!!!



「くたばりやがれぇぇええええ――――ッ!!!!」


 勝利を確信したジェルチェが必勝の刃を振り下ろした刹那。


「ハァッ!!!!」


 勝利を渇望した両足の魔力が炸裂し音よりも速く彼女の懐に侵入。


 上段からの雷撃が体の横を通過すると無数の刃が体を切り刻んで行く。


「まだまだぁぁああ!!!!」


 ほぼ零距離を制しようとして下段に振り下ろした曲刀の柄を手元で器用に回転させると……。



 ほんの僅かだが俺にたった一発の攻撃を与えてくれる時間が生まれた。



 死の恐怖を克服して得たこの時間を無駄にはしない!!


 いいか!? これで決まらなかったら俺の負けだぞ!? 確実に攻撃を与えろ!!!!


 己自身に強烈な喝を入れると両の拳に全ての魔力と勇気を籠めた。



「我が拳、刹那千撃。咲き乱れろ百華の花冠!!!!」


 頼む!! これで決まってくれ!!!!


 視界の外から苛烈な勢いで向かって来る曲刀を視界で捉えたまま、俺は彼女の体に向かって全てを打ち込んでやった。



「烈火四星拳ッ!!!!」


「ギィィアアアアアア――――ッ!?!?」


 一切の繋ぎ目の無い拳の四連撃がジェルチェの体に着弾すると勝利を予感させる悪魔の断末魔の雄叫びが戦場に轟いた。



 ど、どうだ!? ヤったか!?


 祈る思いで俯きがちな顔を上げるとそこには俺が想像していた通りの光景があった。



「あ、あぐっ……」


 ジェルチェの胸の中央、左右の脇腹、そしてみぞおちに拳が着弾して服の焦げた跡が残る。


 人体の急所に全て見事に当てたってのに……。



「く、くそが!!」


「はぁっ……。はぁぁああああ!!!!」


 何でテメェは立って居られるだよ!!!!


「ち、畜生。畜生!!!!」


 後一押しすれば勝てるってのに全く体が言う事を聞いてくれねぇ!!


 だらりと垂らした両腕に敵を倒せと命令を下すが全く動く気配もなく、それ処か柔らかい砂地を掴もうとしやがる。


「お、惜しかっ……。ゴフッ!! たな。その出血が無ければ私に勝てたというのに」


 口から大量の血液を吹き出しながらジェルチェが勝利を確信して曲刀の切っ先を此方に向ける。


「これで決まりだ!! 私を此処まで追い詰めた貴様の顔は生涯忘れないぞ!!!!」


「あ、あぁ……。くそったれが……」


 あと一歩の力を捻り出せない己の無力さに歯ぎしりをしつつ、地面と平行に迫り来る非情の刃を只々見つめていた。





























 猛烈な風と刃が俺の胴体に迫り来る中、眼前の暴風の爆音を上回る声量が戦場に響いた。


「烈華……。桜嵐脚!!!!」


 イスハの小さな爪先が宿す火は遠心力と風によって炎に変化し、炎は胸に渦巻く闘志と身に纏う覇気によって轟炎へと昇華。


 春の終わりに咲き乱れる桜吹雪を彷彿とさせるイスハの脚撃が頭上に現れた。


 そして、地上と頭上に二つの嵐が生まれ自然現象を凌駕する双方の高純度の武の結晶は俺の眼前で炸裂した。



「何ぃ!? グアァァッ!?!?!?」


 俺の命を奪う刃が届く前に頭上から現れた轟炎がジェルチェの首元に襲い掛かり、狐のお子ちゃまの雷撃を真面に受け止めた彼女は闇が蔓延る砂浜の彼方へと吹き飛ばされてしまった。



 は、はは……。ったく、美味しい所を全部持って行きやがって……。



「ぜぇっ……。ぜぇぇええ!! で、できたぞ!! ダン!! 見ていたか!?」


 俺の背後を飛び越え、ジェルチェの首元に素晴らしい脚撃を放り込んだイスハが大量の汗を拭いつつ振り返る。


 敵幹部ちゃんの様子をじぃっと窺っているがどうやら完璧に意識を失ったみたいだな。


「……っ」


 右手から曲刀が静かに離れ、猛々しい魔力の圧は沈静化の一途を辿っているのだから。


「すんげぇ一撃だったよ」


 彼女の勇気ある行動をたった一言だけ褒め称えるとそのまま地面に崩れ落ちて疲労を籠めた息を長々と吐いた。



 く、くそ疲れたぜ……。こんなに疲れたのは本当に久し振りだ。


 このまま眠っても良いのですけども最低限の治療を施さないと、目覚めた先は現世では無く御先祖様達が暮らす世界になっていそうですのでね。



「イスハ……。わりぃけど俺の荷物を持って来てくれ。その中に薬草が入った麻袋があるからそれを……」


「わ、わかったのじゃ!! ぜったいにそこから動くでないぞ!!」


 俺の酷い惨状を捉えたイスハが荷物を取りに闇の中に消え、そして体感で凡そ三十秒程だろうか。


「――――。待たせたのじゃ!!」


 額に大粒の汗を浮かべた彼女が指示通り俺の命を繋ぎ止めてくれる荷物を颯爽と持ち帰って来てくれた。


「先ずは麻袋から薬草を取り出して……。んで、小さなすり鉢が入っているだろ?? そこで竹筒に入った水で薬草を濡らしつつ磨り潰してくれ」


「なんじゃ!! ずいぶんと簡単な作業じゃな!!」


 一々大声で話さなくても宜しいですよ?? お前さんの馬鹿みたいな声は傷口に響きますので。


「麻袋、麻袋……。んぉ!! これか!! 竹筒はどこじゃ!!」


 俯せの状態のまま手の届く距離で作業に取り掛かっている狐のお子ちゃまをぼぅっとした意識で眺めて居ると、とんでもなく肝が冷える光景が飛び込んで来やがった。


「これが竹筒じゃな!!」


 荷物の中から勢い良く竹筒を取り出して栓を抜くものの。



『もっと優しく触れて!!』


 そう言わんばかりに女性の柔肌の様にツルツルの表面を持っている竹筒は威勢よく彼女の手から離れて行ってしまった。



「のわぁっ!? 水が殆ど流れ出てしまったぞ!!」


 でしょうね。竹筒の小さな口から砂浜に向かって水がトクトクと流れ出ていますから!!!!


「の、残り僅かな水で何んとか……」


 か、勘弁してくれよ……。


 大量の血液を失う代わりに強敵をブチ倒したってのに仲間の不手際で死ぬとか洒落にならないんだけど??



 これは血なのか将又冷や汗なのかそれは定かでは無いが。大変冷たい液体が体全身から吹き出したまま彼女の小さな手元を注視していた。



「駄目じゃ!! ど――考えても水が足りぬ!! こ、こうなったら奥の手を使うしかあるまい!!」


 イスハの体から放たれた光が収まると光の中からフワモコの毛並を持った子狐が現れた。



 奥の手とは一体?? 魔法で水を錬成でもしてくれるのかしら。


 だが、イスハは俺と同じで非詠唱型だから水を出すのはほぼ不可能だと思うけど……。


 何だが猛烈な嫌な予感がするぜ。


 そして俺の予感は数秒後に見事的中してしまう事となった。



「…………っ」


 狐の小さな御口がパカっと開くと口の中から赤みを帯びた長い舌がニュっと出て来る。


 そしてあの馬鹿野郎は何を考えたのか知らんが……。エ――っと伸ばした舌の先から滴り落ちる唾液を薬草と混ぜ合わせようとするではありませんか!!!!




「テ、テメェ!! ふざけんのも大概にしろよ!!」


「いじゃい!!!!」


 どこからこの力が湧き出て来てのか知らねぇけども、汚ねぇ唾とルクトから頂いた霊験あらたかな薬草を混ぜ合わせようとした大馬鹿狐の後頭部を力の限りにブッ叩いてやった。



「何するんじゃぼけぇ!!」


「テメェが汚ねぇ唾と薬草を混ぜ合わせようとしていたから叩いたんだよ!! それを使うこっちの身も考えろや!!」


「わ、わしが折角ちりょうをしてやろうとしたのにそのたいどはなんじゃ!!」


 子狐ちゃんがグワっと前足を掲げて後ろ足に力を入れると俺の顔面に襲い掛かって来た。


「いででで!! 止めろ!! 頭を噛むな!! これ以上の出血はマジで洒落にならねぇから!!」


 鋭い犬歯が頭皮を噛み、薄く切り裂かれた頭皮からツツ――っと冷たい血液が頬に伝って来る。


「お主ふぁあやまるふぁでわしはふぁなさんぞ!!!!」


「上等だぜこの馬鹿狐が!! 大人を怒らせるとどうなるかその身を以て分からせてやらぁぁああ!!」


 万力で狐の顎を外すとフワモコの毛並の狐の胴体を掴み、足元の砂浜に向かって思いっきりぶん投げてやった。


「これしきの事でわしが参ると思ったのか!! きたえ抜かれた狐のアゴの力は岩をもかみくだくぞ!!」


「イヤァァアア――――ッ!! 分かったからお尻を噛まないでぇぇええ!!!!」



 美しき闇が蔓延る空の中の星達は悠久から続く静謐を味わいながら今日もいつもと変わらない安寧を享受していた。


 星達が母親の胸の中で眠る赤子の様に安心しきった面持ちを浮かべていると、地上から放たれた大声が星達の表情に変化を与えてしまった。



「お尻が四つに割れちまったじゃねぇか!! どう責任を取ってくれるんだよ!!!!」


「簡単に割れる訳が無かろう!! お主の頭の中は空っぽなのか!?」



 地上に住む者達よりも遥かに長い間自然に存在する星達を困惑させてしまう彼等の叫び声は留まる事を知らず、縦横無尽に天を駆け巡って行き遂には天界に住まう神々にも届いてしまった。


 地上から此処まで声が届いたのは珍しい。


 興味本位で地上に向かって視線を向け、厚い雲の隙間から覗く地上で暴れ回る二つの存在を捉えた神々は溜息にも呆れにも捉えられる息を長々と吐いた。


 そして神々は口を揃えて言った。


 またあの大馬鹿者か、と。


「あ、駄目っ……。も、もう起きていられねぇ……」


 自然を、そして神々をも辟易させる騒々しい声は男が出血多量で意識を失うまで鳴りやむ事は無く続き。


「や、やっと意識を失ったか。さて!! わし特製のありがたぁい水分が含まれた薬草をしっかりとねりこんでやるからな!!!!」


 そして、流石にそれはやり過ぎではないのかと神々に杞憂を与えてしまう狐のお子様の珍妙な所作を見届けると彼等は己が成すべき使命を果たす為に地上から視線を外したのだった。





お疲れ様でした。


花粉シーズン真っ只中ですが読者様達の体調は如何でしょうか?? 私の場合は……。


本当に最悪ですね。


何もしていないのにも関わらず鼻水が出るわ、涙が出るわでもう大変ですよ。その所為で体調が芳しくありません。


今週はいつもより少しだけ投稿が遅れてしまうかも知れませんので予めご了承下さいませ。



それでは皆様、お休みなさいませ。

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