第二百九話 まだまだ手の掛かる雛鳥達 その二
お疲れ様です。
本日の後半部分の投稿になります。
「お、おいおい。フィロ達の方に向かって行くぞ」
早くその手に取って下さいと満面の笑みを浮かべる背嚢の中のおにぎり擬きちゃんに泣く泣く別れを告げ、その代わりいつでも戦場に向かって飛び出せる様に必要最低限の装備を身に纏いつつ話す。
「どうする?? あの餓鬼共じゃあちょっと厳しそうだぜ??」
相手に此方の存在を悟られぬ様にフウタが珍しく小声で呟く。
「アイツ等を助けるのは本当の危機が訪れてからってマリルさんが言っていたし……。今がその時だと思うんだけどねぇ」
「「……」」
此処ぞとばかりにフウタの意見に乗っかり頭の固い両名に緊急参戦の打診を送るものの、彼等は只々黙って戦況を静観するのみ。
彼女達に襲い掛かる途轍もない危険を見過ごすのは大人として、そして指導者の立場からして頂けないのは十二分に理解していると思うけども。此処で何もしないのは流石に駄目だろ。
輝かしい命が消えてしまう、そんな取り返しのつかない事態が起こる前に行動を起こすべきだと判断した俺はクソ真面目二人を差し置いて戦闘の余韻が残る街の大通りに出ようとした。
「わりっ、流石にアレは見逃せないわ」
「ふんっ、それなら俺も助太刀しよう」
口では嫌々な感じを醸し出していますけども体は正直だな。
久し振りの実戦に体が興奮を抑えきれていないのか、後方待機していた相棒が足早に俺と肩を並べましたもの。
「正直に言えよ。久しぶりに暴れたかったって」
ちょいと高揚している相棒の横顔を見つめつつ左肩をポンっと叩いてやる。
「これはフィロ達の戦いだ。それを横から奪う真似は好まん」
はい嘘――!!!!
本当に戦うのが嫌なら微かに口角を上げて剣の柄に手を添えませんからねぇ――!!
三度の飯よりも強敵との対峙を好む横着白頭鷲ちゃんの大変分かり易い嘘に突っ込もうとした刹那。
「フィロ!!!!」
隊の主軸である口の悪い龍ちゃんが新たに出現した敵にぶっ飛ばされ、更に悪い事に隊の一番年下であるミルフレアに凶刃が襲い掛かろうとするではありませんか!!
やっべぇ!! 俺達が考えているよりも早く大危機が訪れちゃった!!
「相棒!! 俺達の出……」
出番だぜ!! と勢い良く通りに飛び出ようとする前よりも早くシュレンが人の姿に早変わりすると。
「某が先陣を切る!!!!」
子供の御使いの帰り道。
何とも言えない気持ちで子の帰りを待っていると、何処かの家から抜け出して来た大型犬が自分の子供に襲い掛かろうとする場面を捉えてしまった親よりも素早く飛び出して行ってしまった。
はっや!! びっくりする位はっや!!!!
何だよ、アイツ……。
口では手出し無用だ――とか言って本当は心配で、心配で堪らなかったんじゃないか。
その気持は大いに理解出来るけどもあの速度はまるで血を分けた子を助けに行くみたいだよなぁ。
「あぁ!! ずるいぞテメェ!!!! 切り込み隊長は俺様の役目っていつも言っているだろうが!!」
子を守る親の後ろ姿を捉えたフウタが人の姿に変わり後に続く。
いかん!! このままでは盛大に出遅れてしまう!!
「相棒!! 行くぞ!!」
「了承した!!!!」
「俺は一番近くのエルザードを!! 相棒とフウタはフォレインとイスハの敵を相手にしてやってくれ!!」
忍ノ者に後れを取る訳にはいかないので子を見守る温かな親心から、刃を向けて来る敵をブチのめす修羅の心に素早く入れ替えると戦闘の火が漂う戦場に馳せ参じた。
さぁさぁ!! いよいよ始まりますぜ!? 本物の戦いが!!
「ダン!? それにハンナ先生達も!!」
隊の最後方で必死に新手の敵に対処していたエルザードが俺達の姿を捉えると素直な驚きを表す。
「すまん!! ちょっと遅れた!!」
「あれっ!? 貴方達はそこのチビっ子のお仲間なのですか!?」
淫魔のお子ちゃま同様、俺達の登場に驚いている敵ちゃんがクリクリとして真ん丸お目目を更に丸めて驚きの声を放つ。
「おうよ!! 訳あってこのチビっ子達に厳しい指導を与えているのさ」
大変撫で心地の良い桜色の髪をポンっと叩いてやる。
いつもは芸術作品並みに綺麗な髪は戦闘の影響を受けて煤と埃で痛み汚れていた。
「子供扱いするな!!」
「はは、そう言っている内は自分を子供って認めているんだぞ??」
俺の手を勢い良く払い退けた彼女を温かな目で見下ろしてやる。
「新手が四人……。ですが此方も四人!! 数は合っているので何んとかなりそうですよ!!」
俺が相手にすべき敵ちゃんが両手に構える細剣の柄を強く握り締めつつ叫ぶ。
へぇ、コイツ……。見た目以上に強力な魔力を持っているな。
魔力の源から全身に流れている魔力の流れは濁流の如く早く、体全体に纏う闘志の圧は歴戦の勇士を彷彿とさせ、目に宿る闘志はそれ相応の戦場を駆け抜けて来たと頷ける熱さを持っていた。
初の実戦を経験したヒヨコちゃん達に対し、あちらは場数を踏んだ戦士達。
そりゃ魔力の扱いに特化したエルザードが苦戦する訳だ。
「四対四って簡単な図式だと思うだろ??」
「ふぅっ……。ふぅっ……」
魔力を消費して疲弊した呼吸を続けているエルザードの前に立って話す。
「その通りですよ!! 貴方達がどの程度の力を持っているか分かりませんが、一対一なら負けない!!」
「お前さんが思い描いた図式なんだけどぉ……。うちの鼠ちゃんがめっちゃくちゃブチ切れていてね?? 早くも崩れると思うぜ」
どうぞあちらを御覧下さい。
そんな意味を籠めて街の通りの端へと向かってクイっと指を差してやった。
「これは子供に向けるべきではない剣の威力だぞ。貴様は……。某が必ず倒す!!!!」
「ぐぅぇっ!!!!」
「へっ!?」
シュレンが蹴飛ばした相手は地面と平行になって通りの向かいの家の壁に直撃。
地面と家屋から大量の砂塵が巻き上がり彼の怒りの威力を物言わずとも物語っていた。
うっはぁ……。アイツ、手加減無しで蹴りやがったな。
どうしてこの街がこうなったのか、他に敵は居るのか等々。
コイツ等を無力化してから聞きたい事が山程あるってのに気絶させたら駄目でしょう??
「む、むぅっ。ミ、ミルフレア。今は戦闘中だ。戦闘の邪魔になるから離れていろ」
「もうちょっとこのままがいい。シュレン先生ならこわいてきから私をまもってくれるよね??」
「自分の身は自分で守るのだ。その事について断言はせぬ」
敵が起き上がる気配が全く見えぬ事をイイ事に温かな親子の触れ合いをしているしっ。
まっ、他に敵は三体居る訳だし??
俺達の目下の目標は出来る限り相手を傷付けないで捕縛、若しくは無力化する事かしらね。
「はぁっ!!」
「ギャハハ!! 遅過ぎて欠伸が出るぜぇぇええええ!!!!」
「ぐぁっ!?」
フウタの速度に付いて行けない敵ちゃんは彼の拳を顎に真面に食らい。
「この姿なら貴様に負けん!!!!」
「ふんっ、空の中なら勝てると思ったのか。空の覇者である俺の力をその身に刻んでくれる!!!!」
「なっ!?!?」
大雀蜂ちゃんの姿に変わった敵が大空に向かって飛翔して行くとそれを追う様に神翼を持つ白頭鷲が敵よりも早く大空へと羽ばたいて行ってしまった。
「あちゃ――。どこもかしこも派手に暴れていますなぁ」
「全くその通りですよねぇ」
長い冬を抜けて漸く訪れた春の温かさを縁側で思いっきり享受している老夫婦みたいなのんびりとした口調でそう話すと、相手も此方とよく似た口調で答えてくれる。
他の三名が血気盛んな戦士に対して俺が対峙する相手はちょいと優しい性格を御持ちの様ですね。
「さてと、どうやら其方の戦況は大変旗色が悪い訳ですけども。それでもヤるって言うのかい??」
「貴方を無力化して他の戦場に向かえばまだ勝機は残されている!!」
まだまだ諦めていない勇気ある戦士の声を受け取ると俺の心に闘志の火がポっと灯った。
「おっ、いいねぇ。状況をよく見ている証拠だ」
「何様です!? 状況は切迫しているので速攻で片付けさせて頂きます!!!!」
よっしゃ!! 掛かって来なさい!!
お兄さんが優しぃくブチのめしてあげますからねっ!!!!
相手の突貫に備えて軽く腰を落として備えていると後方からエルザードの注意の声が耳に届く。
「ダン!! そいつの移動速度は本当に速いから気を付けなさいよ!!!!」
「はは、分かっているって。お前さんは自分の身を守る事だけに専念しなさいな」
軽く口角を上げてやると体を半身の姿勢にして返事をする。
「ば、馬鹿じゃないの!? 戦いの最中に余所見なんてするな!!!!」
「貰ったぁぁああ!!」
残念でしたぁ!! テメェが突っ込んで来るのは当然織り込み済みなんだよ!!
「おせぇ!!!!」
「嘘!? アグェッ!?!?」
俺の体のド真ん中を狙って来た細剣の切っ先を素早く躱し、目的を見失って泳いだ体の脇腹ちゃんに強力な力を籠めた右の拳を捻じ込んでやった。
んぅ!! この拳に残る感覚は控え目に言っても会心の当たりでしょうね!!
拳にジィんと広がって行く嬉しい感覚が勝利を予感させるが、どうやらそれは時期尚早って感じであろう。
「ぐぅっ……。ま、まだまだぁ!!」
敵さんが痛む脇腹を抑えつつ両の足で大地をしっかりと捉え、闘志漲る瞳で俺の体を睨み付けて来るのだから。
「はは、すっげぇ根性。脇腹の骨にヒビが入ってもまだまだ戦うつもりかい??」
「こ、この位で音を上げている様じゃ空撃部隊は務まりません!!」
空撃部隊??
「ん?? お前さん達はどこぞの国の軍隊に所属しているのか??」
妙に耳に残った単語を拾って尋ねてみると。
「あっ!! 今のは聞かなかった事にして!!」
相手はすかさずしまった!! 己の失態を咎める様な驚きの表情を浮かべて柔らかそうな唇を硬く閉ざしてしまった。
「いやいや、聞いちゃった以上は仕方が無いでしょう?? 国の部隊に所属するって事はだよ?? お偉いさんの指示に従ってこのアイリス大陸に上陸したんだろ」
「ひ、秘密です!!」
その慌てて取り繕うとする言動と所作が俺の問いは正しいと証明しているんだけどねぇ……。
まっ!! 聞きたい事は山程あるし。適度に痛め付けてから必要な情報を聞き出しましょうか!!
「他の隊員達の応援に向かいたいのでそろそろ決着を付けさせて貰います!!」
それは俺の台詞であって大危機に陥った貴女が話すべきではないですよ??
「行きますよ!? 死裂風!!!!」
何処かの国の部隊員さんが決意を籠めた表情を浮かべて魔力を解放すると夏の嵐なんてメじゃない暴風を身に纏う。
彼女の体を中心として旋毛風が立ち昇り地上の砂を舞い上げ、ある程度離れているのにも関わらず体が後方へと押し下げられてしまう風圧を感じる。
んぉ!! フィロと対峙した姉ちゃんが放った技か!!
これから本領発揮って感じだな!!
「ふぅ!! ふぅぅうう!!!!」
風の勢い、魔力の圧、そして敵を確実に倒そうとする覇気ある構え。
二十代そこらの顔立ちの女性であるのにも関わらず歴戦の勇士を慄かせてしまう迫力満点の構えは思わず唸ってしまいそうになる程だ。
だけど……。申し訳無いが超極悪指導教官である俺の相棒が纏う圧に比べればちょっと物足りないよね。
「ダン!! 気を付けなさいよ!? アイツ等、風の扱いは相当デキるから!!」
「ん――。わ――ってるよ」
直ぐ後ろから聞こえて来るエルザードの声に間延びした返事をしてやる。
「本当に分かってんの!?」
分かっているから落ち着いているんですぜ??
それを分からない様じゃあお前さんはまだまだ素人の域を出ていないんだぞと言ってやりたいがどうやらその時間は与えられていない様だ。
「食らえぇぇええええ――――ッ!!!!」
奴さんが両足に力を籠め、細剣の柄を掴む手に闘志を籠めて突貫して来ましたからね!!
「掛かって来なさい!! お母さんは此処に居ますよ!!!!」
暴風を身に纏って襲い来る一人の戦士に対して軽く腰を落として迎撃態勢を整え、此方も両方の手に火の力を籠めて向かい打ってあげた。
「――――――――。はぁ……。すっご」
ダンと敵が繰り広げる攻防を遠い位置から見つめていると素直な声が口から漏れてしまった。
「はぁぁああああああ!!!!」
女戦士が細剣の切っ先をダンの体の正中線に向けて鋭く放つと。
「ちょ、ちょっと!! そんな危険なモノは人に向けたらいけません!!」
彼はしっかりとそれを目で捉え巧みな体捌きで回避。
「避けるなぁぁああ!!」
空を切った切っ先が地上からせり上がり彼の胴体へ向かって行くが。
「いやぁぁああ!?!?」
ダンは確実な死が待ち構えている場所から鋭く半歩下がって切っ先を躱し、相手の間合いから抜け出して戦闘の構えを継続させる。
「そのふざけた台詞を吐けなくしてあげます!!!!」
己の細剣が敵の肉を食めない事に苛立ちを覚え始め、女戦士の刺突が私から見てもちょっと雑だなぁっと思えるモノに変化。
「だ、だから少しは落ち着きなさいよね――――!!!!」
ダンはそれを命辛々躱している様に見えるが急所に届きそうになる刺突は確実に見切り、雑な刺突は体捌きだけで回避して己の拳が届く間合いに相手を誘い出した。
「やぁぁああああああ!!!!」
相手との正確な距離を測り、刺突から打ち下ろしの斬撃に切り替えた女戦士が空を割る雄叫びを放つと。
「……ッ」
これまでふざけた台詞を吐き、女々しい態度を醸し出していたダンの瞳に強烈な殺気と闘志が入り混じった炎が宿った。
つ、次の攻防で決まる!!!! 絶対に見逃したら駄目だからね!?
私の今後の素晴らしい人生の花道の糧となる光景を見逃して堪るものですか!!
鷹よりも鋭く目を尖らせダンの一挙手一投足を捉えていると、遂にその時が訪れた。
「貰ったぁぁああああああ!!!!」
「う、嘘ぉ!? ウグゥッ!?!?」
袈裟切りの要領で打ち下ろされて来る斬撃を半身の姿勢で回避するとほぼ同時に右の拳に烈火の魔力を籠めて相手の腹部へと直撃させる。
彼の拳は風の鎧を打ち抜き、更に強固に鍛え抜かれた女戦士の腹筋を一瞬で破壊し尽くした。
すっご……。相手は何十と刺突と斬撃を繰り出したのにダンはたった一発で相手を沈めちゃった。
いや、着目すべき点はそこじゃないわね。素晴らしい体捌きや、身の熟しに目が行きそうになるが最後の一撃に着目すべきだ。
右手に籠められている魔力がほぼ零の状態からマリル先生や誰しもが認める淫魔の大天才である私も頷いてしまうまでに一気苛烈に上昇したのだから。
相手に力を悟らせない為に隠していたのか、それともたった一発で沈める為に取っておいたのか。
それは定かじゃないけど認めざるを得ないわね、彼の実力を。
「ふぅ――。上手に出来ましたわっ!!」
「う、うぅっ……」
ダンが額に浮かぶ汗を右手の甲でクイっと拭うと今も苦しそうにお腹を抑えている女戦士へと近付いて行く。
「ダン!! 殺したら駄目だからね!?」
「あ、あのねぇ。俺はどこぞの相棒と違ってそこまで血に飢えていないって」
そ、そっか。それならいいわ。
あの女戦士からは貴重な情報を聞き出さなきゃいけなんだし。
「さ――ってと!! お姉さん!! 今からちょ――っと聞きたい事があるんだぁ!!」
おぉ、私と同じ考えを持っていたのね!!
フウタと同じく、ふざけた性格を持っている割には中々やるじゃないと褒めてあげようとしたのだが。
「な、何!? わ、私の口は堅いって有名なんだからね!?」
「ウフフ、聞きたいのはそ――いう事じゃないんだなっ。お姉さんのお胸の大きさを教えて下さいっ!!!!」
それは断じて行うべきではないと判断出来る台詞を大馬鹿野郎が放ってしまった。
「「は、はぁっ!?」」
ば、馬鹿じゃないの!? 戦闘中だってのにふざけた台詞を吐いて!!
しかも敵と声を合わせちゃったじゃん!!
「あ、あんたねぇ!! 今は戦闘中だって分かっているでしょう!?」
「そ、そうですよ!! 戦いの最中にそういう事を聞くのはいけないと思います!!」
女戦士とほぼ同時にダンに噛みついてやる。
「戦闘中だろうが、散歩中だろうが気になった事は尋ねるべきだろう?? ほら、戦っている最中にお姉さんの中々の大きさを誇る双丘がぽよぉんって弾んでいたし??」
ダンが意味深な視線を女戦士の胸元に送ると。
「み、見ちゃ駄目ですからね!!!!」
彼女は顔を真っ赤に染めて両腕で胸元を隠してしまった。
「見るのは駄目と来ましたか……。それなら触るのは宜しいと??」
「もっと駄目です!!」
「もっと駄目だわ!!」
くそっ!! また女戦士と声を合わせちゃったじゃない!!
ダンと一緒に居るとど――も気が抜けちゃうと言うか、戦闘意欲が削がれてしまうというか……。何か妙に丸く収まりそうになっちゃうのよね。
相手の武力を、余裕を持って対処出来る。それはつまり敵との戦力差が途轍もなく離れている場合に出来る芸当だ。
戦闘中、あれだけ飄々としていた理由が今なら分かる気がするわ。
「むぅ――……。見るのも駄目、触るの駄目。それなら俺はどうしろと??」
何かと理由を見付けて女戦士の胸元にお邪魔しようとする下心丸出しの男に対し。
「他の人の所に行って下さいよ!! わ、私はそういうのが苦手なんですからぁ!!!!」
「いいや!! 行かないね!!!!」
「だから近付かないで――――ッ!!!!」
熱湯から上がったばかりなのかと見間違えてしまう程に顔を真っ赤に染めてダンから離れて行こうと画策する女戦士。
「はぁぁぁぁ……。勝手にやっていなさい」
まだまだ戦闘の音色が方々で轟く中で行われる二人のくだらない攻防を見つめつつ、私は一人静かに疲労と心労を籠めた重たい溜め息を長々と吐いたのだった。
お疲れ様でした。
投稿時間が遅れて申し訳ありません。ヒィヒィ言いながら執筆していたらこんな時間になってしまいましたよ……。
さて、過去編が始まってかなりの日数が経ちましたが皆様は過去編の中で登場した人物の中でお気に入りの人はいますか??
イイ意味で自分の欲求に素直な主人公、真面目一辺倒だけど融通が利かない白頭鷲ちゃん、厭らしい事しか頭に詰まっていない鼠さんに、白頭鷲ちゃんとよく似たクソ真面目な鼠ちゃん。
むさ苦しい四名の男連中達ですが一人一人がイイ味を出していると思うんですよね。彼等の冒険はまだまだ続きますので温かな目で見守って頂ければ幸いです。
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それでは皆様、お休みなさいませ。




