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第二十一話 明日に備えて早く就寝しましょう その一

お疲れ様です。日曜日の夕方、人知れず投稿を添えさせて頂きます。



それでは、御覧下さい。




 腹を満たした体は随分とご満悦なのか。


 早く寝ろよと優しく俺の肩をポンポンっと叩いて来るのですが……。それは了承出来ないと伝え、目頭を人差し指でぎゅっと押して眠気を誤魔化す。



 此れから明日の継承式典についての打合せですからね。


 眠るのはその後でも構いませんでしょう。



「レイドです。アイシャさん、居ますか??」



 彼女に教えられた通り、食堂から最寄りの扉の前で足を止め。


 周囲の空気を乱さぬ声量で扉の向こう側へと問いかけた。



「――――。どうぞお入り下さい」


「失礼します」



 柔らかい声の許可を受け、値が張りそうな扉を開けて入室を果たした。




 随分と広い間取りの左右の壁際にはキチンとした折り目が目立つ二つのベッドが置かれ、その直ぐ近くには着替えを収納する扉付きの背の高い棚が。


 真正面には執筆を行うであろう机であろうか。


 幅の広い机が置かれておりその上には一枚の紙が置かれていた。



「此方へ」



 アイシャさんに促されるまま歩みを進め、丁度机を挟む形で対峙した。



「では、明日の式典についての説明。並びに打合せを行います」



 宜しくお願いしますと短く伝え、机上の式典会場内の配置図に視線を落とした。



「明日、午後五時から式典会場内にて継承式典が行われます。屋敷の開場はそれに合わせて午後五時。屋敷の門の前で使用人達が招待状の確認を行います」



「式典会場は正面玄関の先にある、扉を抜けた向こう側ですよね??」



「その通りで御座います。来客した方々をもてなす為、様々な料理を……。この配置図に示した位置の机の上に配膳します」



 式典会場内を描いた紙上には二つずつ左右対称、等間隔に丸が並べられている。計六つの机か。


 そして。次に彼女が指差したのは壇上、と書かれた四角いマスだ。



「レシェット様、並びにベイス様が来客された方々と慎ましい会話を続け。午後八時にレシェット様が壇上にお上がりになり、此度の継承式典の挨拶とお礼を述べます。壇上で挨拶を済ませ、機会を見計らい式典はお開きになります。凡そ……。午後十時頃には完全閉館する予定で御座います」



 ふ、む……。


 凡その予定は掴めたな。



「では俺達の配置場所ですが……。会場内は、屋敷の入り口から向かって真正面の……。この扉と。右区画に繋がる扉、そして左区画に繋がる扉の三か所の扉があります。我々がその扉の前で待機し。来客された方々を監視させて頂くのはどうでしょうか??」



 お偉いさん達が跋扈する会場内でウロウロする訳にもいかん。それにその……。彼女達はそれ相応の美麗さを兼ね備えており、不必要に目立つ恐れがある。



 今回の主人公はレシェットさんですからね。


 主役を立たせるのは脇役の務めなのですから。



「良い案ですね。それを採用しましょう」



 ほっ。


 良かった。



「レイド様には会場内でも引き続き、レシェット様の護衛の任に就いて頂きます」


「了解しました。では、彼女の邪魔にならぬ様。後方から護衛に付きます」



「有難うございます。それと……。大変申し訳ないのですが……」



 何だろう。


 何か言い難そうに語尾を弱めて。



「実は使用人の手が足りないのです。レイド様達の中から一名を此方の雑務に回して頂ける事は可能で御座いますか??」



 あぁ、そう言う事ですか。



「その雑務なのですが、具体的にはどんな仕事内容なので??」



 接客に携わるのなら御断りさせて頂こう。


 言葉が通じませんからね。人と魔物は……。



「食事の補給、空いた食器の片付け。お客様と言葉を交わす事は御座いませんので御安心下さい」



 あらま。


 見透かされちゃいましたね。



「それなら……。えぇ、人員を決め次第此方からお伝えさせて頂きます」



 それから、この机の上にはこういった食事を。


 屋敷に来客される主賓の紹介を受け続けていたのだが。此処でふと疑問が湧いてしまった。



「下院議員であられるタンドア様は大変豪胆な方ですので、一目で理解出来るかと思われます」


「あの、アイシャさん。話の腰を折って申し訳無いですが。一つ質問を宜しいでしょうか??」



 配置図を指差し、熱弁を揮う彼女の言葉を区切っておずおずと手を上げた。



「はい?? 何で御座いましょうか」


「えっと……。式典に相応しい服はどうすれば宜しいでしょうか??」



 場にそぐわない服は必ず浮いちゃうし。


 服装規定に即した御召し物を着用すべきですからね。



「マイ様達の服装は此方で御用意させて頂きます。レイド様は敢えてその服装で護衛を続けて下さい」


「つまり……。彼女を護衛しているのだと。傍から見ても理解出来る様に、ですか」


「その通りで御座います。真後ろに軍人の方が立って居ればおいそれとは手を出して来ませんので」



 豪華な服に身を包み、後方で待機するより。そっちの方が効果的か……。


 只。


 絶対俺一人だけ、浮いちゃうよなぁ……。



 俺達の詳しい配置。そして、レシェットさんが壇上に上がった時の配置等詳細に決め、互いの意見を混ぜ合わせて死角を無くして行く。



「屋敷の入り口から入室される方を視界に捉え、不審な挙動をされた場合は……」



 素人がおいそれとは決められませんよねぇ。


 何処で習ったんだろう??



「アイシャさんは何処でこういった事を学んだのですか??」


「それは御教え出来ませんね」



 あら、残念。



「女性の秘密の引き出しの中身はおいそれとは教えてはいけませんからね」



 人差し指をすっと立て、プルンと潤んだ唇に当ててそう話す。



「さて、一通り意見が纏まりましたが……。何か質問は御座いますか??」



 う――ん……。



「特にありませんね」



 此方の配置、並びに服装も決めましたし。



「では、此れにて打合せを終了させて頂きます。お疲れ様でした」



 はぁ、終わった。


 さて!!


 御機嫌な睡眠を享受しましょうかね!! 幸い、レシェットさんは勉学の最中ですので?? 安心してぐっすり眠れますから!!



 高揚した思いを胸に抱き、扉へ向かって踵を返そうとすると……。



「レイド様。まだ御話は終わっていませんよ??」



 何やら不穏な言葉が、俺の肩を食み。待てと伝えた。



「と、言いますと??」


「此れから式典会場内の設置を開始します。つきましては、レイド様達に御助力を頂きます」


「つ、つまり。机を設置したり、壇上を設置しろ……、と??」


「その通りで御座います。私が指示を与えますのでどうか宜しくお願いします」



 綺麗な顔でとんでもない事をサラリと告げますね??



「わ、分かりました。では、マイ達にも手伝わせますね……」


「お疲れかと思いますが。数時間で終了しますので御安心下さいませ」



 その数時間が後に響くのですよ――っと。



 愚痴を零していても事が進む訳では無いし。


 さっさと設置して寝よう!!!!


 寝不足のままで護衛は務まりませんからね!!



 地平線の彼方へと向かって野を駆ける狼よりも機敏な足取りで扉へと向かい。


 律儀に失礼しますと頭を下げて退出を果たし、仮眠中の海竜さんと蜘蛛さん。並びに現在警護中の両名を迎えに行く為、幸せな就寝時間を追い求めるかの如く。自分でも驚く程の速足で向かい始めた。



















 ◇













「この場合、債権者の権利を債務者が承継致しますと混同が生じます。連帯債務及び連帯保証において絶対的効力の事由として……」



 机を挟んでピュセルが口を開き、何やら小難しい言葉の羅列を放つ。


 しかし。


 その言葉の殆どは頭の中に留まらず。体内では無い何処かへと通り過ぎて行ってしまった。



 レイド……。今頃アイシャと打合せしているのよね??


 しかも、二人っきりで……。




 私と違って大人な二人が仲睦まじく共通の課題に取り組んでいる姿を想像すると、チクンと心が痛む。


 その所為なのかな。


 勉強に身が入らないのは。


 どうにかしてこの勉強から抜け出せないかなぁ。このまま続けたとしても、覚えきれないし。




「――――――――。右顧左眄うこさべん、で御座いますか??」


「へっ??」



 饒舌に難しい言葉を述べていたピュセルがふぅっと溜息混じりに聞き慣れない言葉を放った。



「集中出来てないという意味ですよ。心此処に非ずの状態で御座いますが、如何為されました??」



 お行儀よく膝元に手を置き、細い瞳で私の顔をじぃっと眺める。



「あ、いや……。その……」



 男の人と女の人の情事を想像していました――なんて絶対言えないし。


 何と答えたらいいのやら。



「レイド様は明後日には此処を発ち、本来の任務へと戻ります。そして彼の周りには大変美しい花々が咲いております。堰かれて募る恋の情、とでも申しましょうか。後悔はなさらぬ方が宜しいかと……」



 沢山の飼い主が一斉に手を差し伸べたらあの飼い犬は他の飼い主の所に向かって行っちゃいそうだし……。



 うん、そうだよね!!


 まごまごして行動しないなんて私らしくないもん!!




「勉強は一時中断!! 皆の様子を見て来る!!」


「いってらっしゃいませ」



 ピュセルの静かな声を背に受け、今日何度目だ?? と。ちょっとだけ顔を顰めている扉を勢い良く開け。



 廊下に出ると勢いそのまま。


 アイシャの部屋へ…………。



 んっ!?


 何してるの??



 正面玄関に到着すると、赤い髪の……。マイさん、だっけ?? 


 それと、有り得ない大きさの胸を持つユウさんが額に汗を浮かべて大きな机を運んでいる所に鉢合わせてしまった。



「あれ?? 今から準備しているの??」



 私が小首を傾げて赤い髪の女性尋ねると。



『えぇ、そうよ!! 見て分かんないの!?』



 そう言わんばかりに眉をぎゅっと顰めて私を見つめた。



「あ、そっか。使用人の皆が居ないから手伝ってくれているんだ」



 他の八人はお父さんと一緒に出て行っちゃったし。



「有難うね!! 助かるわ!!」




 軽快な声でそう放つと。



『どう致しまして!!』



 深緑の髪の女性が快活な笑みをニコッと浮かべて頷いてくれた。


 わっ……。今の顔、すっごく可愛い。



 顔も可愛くて、胸も大きい……。



 むぅ――……。


 やっぱり一番の要注意人物はこの人かも。



「ねぇ、所で。レイドは何処に居るか知らない??」



 この人達が作業に携わっているという事はだよ?? もうアイシャとの打合せは終了している筈。


 部屋で休んでいるのならこのままお邪魔するのも良いけど。



 真面目な飼い犬の事だ。



 きっと額に汗を浮かべて齷齪働いているのだろう。


 屋敷の外の倉庫に居るのかな??



 彼の名を聞くと、むっとした顔を浮かべて手に持つ机を少々乱雑に地面へと置き。



『あっちよ』



 彼が居るであろう方角を顎で指した。



 式場内に居るんだ。



「ありがとっ。後で御菓子あげるね」


『私は子供じゃないっ!!』


「いいのかなぁ――。そんな顔してっ。パリッパリの御煎餅だよ??」



 人を小馬鹿にするなと憤りを放つ顔にそう言ってあげると。



『っ!!!!』



 わぁっと高揚しきった顔に変化。


 そして、早く寄越せと言わんばかりに私の肩を手で食んでしまった。



「お、落ち着いてよ。まだ昼過ぎたばかりだし。もうちょっと経ったらアイシャに言って出して貰うから」



 びっくりしたぁ……。


 想像以上に力強いんだ……。私よりも随分と背が低いのに。



 深緑の髪の女性が深紅の髪の女性の後頭部に強烈な張り手を与えると、彼女の赤い瞳から綺麗なお星様が飛び出し。


 振り向きざまにあの巨大な山へと拳を捻じ込む。



 あ、あはは……。


 二人共いたそっ。


 さてとっ!! 素敵なじゃれ合いも見たし。レイドの邪魔しよ――っと。



 後ろ手に手を組み、ワクワクしながら式場に足を運ぶと。



「アイシャさん。机はこの位置で構いませんよね??」



 いつもの軍服からあんまり格好良くない服に着替え、私の想像通りに額に汗を浮かべて作業に没頭している彼を捉えた。



 あはっ。


 余りにも想像通りで拍子抜けしちゃったよ。



「構いませんよ。壇上の位置なのですが……。もう少し奥へ移動出来ますか??」


「この机に敷布を敷いてから取り掛かります」



 彼の大きな背中へと物音を立てずに接近し。




「ふぅ――……。後……。幾つだっけ?? 寝不足で頭が回らないや」



 ぶつくさと文句を放つ彼の耳共へ甘い息を吹きかけつつ声を掛けてあげた。



「頑張ってるね?? 御苦労様っ。ふっ……」


「んぎゃぁああああああ!!」



 背を丸めて驚く猫の動きを模倣して、私から颯爽と距離を取ってしまった。



「あはっ。驚き過ぎだよ」


「レ、レシェットさん!! ほ、本当に勘弁して下さいよ!! 心臓が真っ二つに割れちまうかと思いましたよ!?」



 そこまで大袈裟に言わなくても……。



「軍人さんが簡単に背後を取られたら駄目でしょ――??」


「いや、まぁそうですけども……」



 ガシガシと後頭部を掻き、己の失態を誤魔化す。



「それより、もう勉学の方は済みましたか??」


「うんっ。さっき終わったよ」


「そうですか。意外と早く終了したのですねぇ」



 私の嘘を直ぐに信用しちゃって。


 そんな事じゃあ、この先悪い人に騙されちゃうぞ??


 これも教育しておかないとなぁ。



「レシェット様。丁度良かったです」



 アイシャの声だ。



 彼の顔から其方の方へと視線を動かすと。



「壇上からの視界、並びに式場全体から壇上のレシェット様の御顔が見渡せる位置を確認したいので御同行願えますか??」



 はいはい。移動しますよ。



 式場の奥に併設された壇上の下へと移動し。



「どうぞお上がり下さい」



 彼女に促されるまま壇上脇の階段を上った。



「――――――――。ど――ぉ――?? レイドぉ!! 私の顔見える――!?」



 遥か後方へと駆け足で移動したレイドに声を掛けると。



「見えますよ――!!」



 両手で大きな丸を描いてくれた。



「この位置で良いってさ」



 直ぐ下に居るアイシャにそう言ってあげた。



「そうですか……。私的にはもう少し後ろの方がレシェット様の御顔が良く見えると思うのですけど」


「――――――――。天井から下がる燭台、そして壁際の燭台の明かりを加味すると。もう少し後ろの方が良いかもしれませんね」



 彼が駆け足で此方へと舞い戻り、アイシャと同じ意見を放つ。



「やはりそうでしたか。流石はレイド様です。良く状況が見えていますね」


「あはは。普通ですよ、普通」



 むぅっ。


 何よ、二人で仲良く話し合っちゃって。



 壇上の上にちょこんとしゃがみ込み。その様子を窺う。



「ですから、この位置からもう五メートル程後方に移動させます。壁際に近付ける形になりますが……。宜しいですか??」


「構いませんよ」


「了解しました。レシェットさん。壇上を動かしますので降りて頂け……」



 彼がそこまで話すと、言葉を切り。


 首の筋を痛めるわよ?? そう思わせる速度で首を捩じって視界を反らしてしまった。



 ん??


 急にどうしたの??



「ねぇ、レイド。どうしたのよ」


「あ、いや……。そのぉ……」



 顔を真っ赤に染めちゃって。


 風邪でも引いたのかしら??



「レシェット様」


「なぁに?? アイシャ」






「下着が見えていますので、お立ちになって頂けますか??」


「っ!?!?」



 やだっ!!


 嘘でしょ!?



 彼女の声を受け、スカートを抑え付けつつ。颯爽と立ち上がった。




「――――。見たのね??」


「――――。いいえ??」



 はいっ!! 嘘!!


 こっちの顔を見ない事が良い証拠よ!!



「正直に言いなさい。怒らないから」



 飼い主に叱られた飼い犬は、決してあるじの顔を見ようとせずに顔を反らすし。


 今、あなたがした事は悪い事なんだよ?? と。飼い犬に分からせてあげる事は、必要な躾だからね!!



「いや、その……。チラリと見えた様な、見えなかった様な??」



 煮え切らない言葉ねぇ。


 チラっと位なら、レイドになら見せても……。いやいや。


 それじゃあ私は痴女になっちゃうじゃん。



「正直に話さない子には躾が必要ね。罰として、本日の夜中まで任務の話、聞かせて貰うから」



「え゛っ!? 明日に備えて早めに就寝をと考えているのですけど!?」


「駄目。これは御主人様の命令よ??」



 壇上から見下ろしている所為か。


 何だか支配欲がグンっと湧いちゃうわね。



「そ、そんな……」


「ってな訳でぇ!! ほらっ!! 受け止めなさい!!」



 壇上の上から彼の体目掛けて勢い良く飛び立つ。



「ちょっ…………!!」



 両手を広げて私の体を優しく受け止め。



「全く……。怪我でもして明日に響いたらどうするのですか??」



 仕方が無いですね。


 そんな感じで困った顔を浮かべながら私を床に下ろしてくれた。



「レイドなら絶対受け止めてくれるって思ったからね。今の楽しかったなぁ……。もう一回やってもいい!?」



「「それは止めて下さい」」



 あら、残念。


 二人同時に止められたら致し方ないわね。



「では、壇上を動かしますね――」



 逞しい腕の力で壇上の端を持つ彼の背後に移動し。



「ねぇぇ。私も持ち上げてよっ」



 再び耳にふっと息を吹きかけてあげた。



「ぎぃやっ!! や、止めて下さいよ!! 力が抜けるじゃありませんか!!」


「ん?? レイドって耳が弱いの??」



 これは良い事を聞いた。



「いいえ、違います」



 ふぅむ……。


 レイドって咄嗟に嘘を付く時、こんな目の動きをするんだ。覚えておこっ。



「分かり易い嘘の付き方ねぇ。安心しなさい、両耳共々調教してあげるから」


「安心の意味が違いますよ!!」


「いいのっ!! ほらっ!! 待て――っ!!」



 式場内を慌ただしく逃げ始める飼い犬、そしてそれを追う御主人様。


 けたたましい足音で逃げ回るものの。



「「…………」」



 深紅の髪の女性と、深緑の髪の女性の一睨みで叱られた子犬みたいにシュンっと沈んでしまう。



 普段から余程酷い目にあっているのだろう。


 後でこの事も問い正しておこう。あの二人にどんな調教を受けているのかぁって。



 彼の背中にぴょんと飛び乗り、首に甘く両手を絡め。真っ赤に燃え盛った耳に御主人様のありがたぁい息を拭き続けてやった。



最後まで御覧頂き有難う御座いました。


夏に相応しい気温に変化して来ましたので、体調管理に気を付けて下さいね。

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