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今日も今日とて、隣のコイツが腹を空かせて。皆を困らせています!!   作者: 土竜交趾
過去編 ~素敵な世界に一時の終止符を~
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第百八十四話 覇王継承戦 第一回戦 第一試合

お疲れ様です!!


富士山から無事に帰還しましたので投稿を再開させて頂きます!!




 両耳をこれでもかと揺さぶる大歓声が俺様の周りを包み込みその音を捉えた心臓がそれに対抗しようとしてギャアギャアと五月蠅く騒ぎ立てる。


 ドックンドックンと、通常時よりも五割増した拍動の音が更に鼓膜を揺らしてしまい内側と外側からの音圧を受け続けている鼓膜ちゃんは少々お困りの表情を浮かべていた。


 この五月蠅い心臓の音は恐らくこれから強敵と一戦交えようとする緊張感が齎せたのだろうさ。


 いや、緊張感じゃなくて多少の高揚感も含まれているな。


 べらぼうに強い相手と拳を交える高揚感とその先に待ち構えている死を想像した緊張感。


 何とも言えない相対する感情が胸の中に渦巻き続けそれを誤魔化す様に拳を開いたり閉じたりしていると。



「ヴァルド様ぁぁああ――!!!! 絶対に負けないで下さいね――!!!!」


「ウォォオオオオ――ッ!! 北の領地に素晴らしい勝利を!!!!」


「フウタぁぁああ――――!!!! 絶対に無理はするなよ――!!!!」



 親友ダチが周囲の歓声に負けぬ大きな声で俺様の身を案じる声を掛けてくれた。


 ったく、本当に嬉しい声掛けをしてくれるよな。


 でもぉ本音としてはきゃわいい女性達から黄色い声援を受けたかったぜ。



「おうよ!! 先鋒戦に相応しいド派手な戦いを披露してやるぜ!!」


 口角をキュっと上げると血相を変えて声援を送り続けているダンに向かって右の拳を向けてやった。



「ヴァルド様!! そんなチビ助、さっさとやっつけて下さいね――!!!!」


「おらぁ!!!! 誰がチビ助だ!!!!」


 北の観客席の方角から決して聞き逃せない台詞が飛び出て来やがったので大勢の観客に向かって吠えてやる。


「観客のヤジに一々突っ込むんじゃねぇ!! 頼むから集中してくれよ!!!!」


「ちぃ……、仕方がねぇ。俺様に悪口を吐いた奴は後で探すとして今は……、これから始まる素晴らしい戦いに集中するとしますか」


 今も大歓声が放たれている観客から視線を外し、俺様の正面で一切合切表情を変えずに此方を睨み付けている大男に視線を合わせてやった。



 確か名前はヴァルドっていったか。


 少々距離が離れているので正確な数値ではないけど背丈はハンナよりも高く、恐らくニメートルに到達しているであろう。


 体全身に積載された筋力量は俺様も思わず唸ってしまう程に多く、威嚇だろうか?? 立派な体躯から微かに溢れ出る魔力は他の追随を許さない程に苛烈である。


 鋭い眼力に睨み付けられたらその辺の不良なんて蜘蛛の子を散らす様に退散し、化け物級の魔力に当てられたら気の弱い奴ならあっと言う間に卒倒してしまうだろうぜ。



 こいつが放つ雰囲気は本気マジでヤベェ……。


 忍ノ者の登用試験の時に俺達の前で演武を披露してくれた焔凰と同じ圧を纏っていやがるからな。



「双方、武器は使用するのか」


 観客席の最下段から進行役のあんちゃんが俺様達に向かって声を掛けてくる。


「俺様は使用しないぜ!!」


「では此方も使用せずにしよう」


「へぇ!! 随分と優しいじゃねぇか!!!!」


 想像した声色よりも一段低い声を放ったヴァルドに向かってそう言ってやる。


「この戦いは相手を殺してしまったら負けになってしまうからな。それに……、弱者相手に全力を出す訳にもいかんだろう」


 ヴァルドが左の腰に差していた長剣を戦闘場の外へと優しく投げる。


「んだと!?」


 弱者。


 今も渦巻く大歓声の中から拾った単語に速攻で噛みついてやる。


「弱い奴程よく吼え、よく噛みつく。全く……。忍ノ者の質はいつの間にか失墜してしまった様だな」


「おう?? お前さん、俺様達の事を知っているのかい??」


「その装束は忍ノ者がよく着用するものだ。一国の要人暗殺や警護等々。カムリの国の忍ノ者は良い意味でも悪い意味でも有名だ。その頂点に立つ四強、焔凰は元気か??」


「バリバリに現役だぜ!! 俺様達に演武を披露してくれたしよ!! ってか、何でお前さんはその存在を知っているんだ??」


「その名を知らぬ方がおかしいだろう。目に触れたら、背後を取られたら、気配を感じたのなら死を免れない。相手に惨たらしい死を与える死神の名だぞ」



 へへ、四強の最強の称号である焔凰の名は海を越えてこぉぉんな僻地にまで轟くのかよ。


 俺様もいつか、そういつか……。世界中にその名が轟く様な立派な花菱になってみたいぜ。


 その記念すべき一歩の為!!!! ここでコイツをブチのめす!!!!



「そうかいそうかい……。それじゃあ俺様は忍ノ者の名に恥じぬ戦いを披露しようとしますかね!!!!」


 両手をギュっと握り締めて強固な拳を形成。


 前に、前に出ようとする両足ちゃんの頭を必死に宥めてその時を待つ。


「能書きはいい、さっさと掛かって来い」



 その減らず口をあっと言う間に閉ざしてやるからな!?


 数段上の高みから俺様を見下ろすヴァルドに向かって集中力をこれでもかと高めていると……。



「それでは……、始め!!!!」


 遂にすんばらしい戦いの始まりの合図が放たれた。


「おっしゃああああ!! 最初から飛ばして行くぜい!!!!」



 進行役のあんちゃんから素晴らしい戦いの始まりの声を受けるとほぼ同時に風の力を身に纏う。


 発動までの時間、纏う圧、そしてぇ一兵卒程度の実力者ならビビって腰を抜かしてしまう魔力の鼓動。


 自画自賛じゃあないけれども激闘や修練を乗り越えて培って来たこの力は中々のものじゃあないかい??



「ほぉ……。他種族の割には強き力を有している様だな」


 俺様の力の鼓動を捉えたヴァルドの視線が見下すモノからちょいと険しいものへと変化する。


「お褒め頂光栄だぜ。俺様の力はそんじゅそこらの連中とは一線を画すからなぁ」


「そうか、それなら此方もそれ相応の力を以てして迎えてやろう」


 ヴァルドが体を斜に構え、右手に火の力を籠めた刹那。


「……ッ!!」


 背の肌が一斉に泡立ち前に出る事を躊躇ってしまった。



 お、おいおい……。何だよ、アイツが纏う不穏な力は……。


 世界最高峰の強さを持つ俺様が前に出る事を躊躇したのは恐らく、無策で突撃したのなら死しか待ち構えていないと判断したからだろう。


 奴の体全体から滲み出る魔力の鼓動が戦闘場リングの上に転がる矮小な砂粒を揺れ動かし、右手に籠る火の力が大気を沸々と温めて行く。



「へぇ……。こりゃ上物だな」



 カッラカラに乾いた唇を舌で濡らし、獰猛な獣が獲物を品定めするかの如くヴァルドの隙を窺おうと画策するが……。


 残念無念。


 奴の不動の構えには一分の隙も見当たらず三百六十度、何処から攻めても地面の上に倒れる俺様の無様な姿しか想像出来なかった。


 い、いきなり手詰まりとか結構洒落にならねぇんだけど??



「フウタ!! 我武者羅に突っ込むなよ!? 相手はお前の出方を窺っているんだからな!!」


 俺様の身を案ずる親友ダチの声が背を穿つ。


「んな事わ――ってんだよ!! でもアレをどうにかしないと俺様に勝ちの目はねぇんだから!!」


 このままじぃっとしていても戦況が変わる訳じゃねぇし。それに?? 後ろが続き易くなる様に突破口を開くのは突撃隊長の役目だってね!!!!



「伸るか反るか、一か八か……。一世一代の大博打に打って出るぜぇぇええ――!!!!」



 両足に風の力を籠め、己の残影をその場に残す勢いで不動の構えを取るヴァルドの正面から突撃を開始した。



「馬鹿野郎!! 真正面から向かって行く馬鹿が何処に居る!!!!」


 ダンの悲壮な声が空気を震わす。


 俺様もそう思うさ!! でもな?? これは栄光の勝利に続くフウタ様が考案したすんばらしい作戦の第一歩なのさ!!!!


「ぜぁぁああああ――――!!!!」


 ヴァルドの広い間合いに入り、そして俺様の間合いに奴の体を捉えた刹那。


「ふんっ!!!!」


 両足の筋力がブチ切れても構わない勢いで方向転換。


「先ずは一本貰ったぜ!!!!」



 ヴァルドの背後へと回り込み、正面に比べて隙の香りが漂う背に襲い掛かった。


 俺様の拳が奴の背から滲み出る魔力に触れた刹那にこの先制攻撃は実ったと確信したのだが……。



「――――。何と分かり易い攻撃だ」


「嘘だろ!? うぐぇッ!!!!」



 ヴァルドの体が俺様の真正面から忽然と姿を消し、それとほぼ同時に腹部に常軌を逸した痛みが生じてしまった。



「ゲホッ!! オェッ!!!!」



 は、腹は……。


 よ、良かった。ぽっかりと穴が開いている訳じゃねぇみたいだな……。


 腹に穴が開いてしまったと錯覚してしまう威力の強烈な一撃を受け、踏鞴を踏みながら腹をそっと撫でてやった。



「ふむ、俺の一撃を食らっても直ぐに態勢を立て直して戦闘態勢を維持。そして攻撃を受ける刹那に受け身を取った……。貴様はそれ相応の力を有している戦士であると理解出来たぞ」


「そ、そりゃど――もっ」


 相も変わらずの馬鹿げた力を纏うヴァルドが俺様を品定めするかの様な瞳を浮かべてそう話す。



 やべぇな……。今の一撃で体力と気力の殆どが霧散しちまったぜ。


 これまで受けて来た攻撃の中で最上級の痛みを余裕――で越える一撃。


 野郎が北の領地の戦士を従えているその理由がよぉぉく理解出来た。



「ゲフッ!! ゥェッ……」


 両足に力を籠めて立ち上がると遅れてやって来た嗚咽感が喉を襲う。


「ペッ!! ふ、ふぅ――。よぉぉし、まだまだやれるぜ」


 口の中に広がった違和感の元を吐き出しちょいと情けない風の力を身に纏う。


「その意気は良し。しかし、これ以上の戦いは勧めんぞ」


「は?? 俺様は追い込まれる程真価を発揮する型なんだけど??」


「相打ち覚悟で向って来る戦士を迎撃するのに手加減は出来ないからな」



 あはは、さっすが。


 最初のやり取りで長丁場は確実に負けると判断し、超短期決戦に切り替えた俺様の考えは筒抜けって訳ね……。



「こちとら鍛える為に親友ダチ達と行動しているんだ。超強力な攻撃は大歓迎さっ」


「そうか……。それなら貴様の心意気に応えてやる……」



「「「「「……っ」」」」」



 ヴァルドが右の拳に火の力を籠め、そして浅く腰を落として迎撃態勢を整えると俺様達の攻防に息を飲んだ観客席から大歓声が止み決着を見届けようとして強烈な静寂が闘技場全体に広がって行く。


 ったく……。大歓声の方がやりやすいってのによぉ。


 シンと静まり返った方が逆にやり難いっつ――の。



「すぅ――……。ふぅぅぅ……」


 体の中に潜む臆病と恐怖を吐き捨て、闘技場に広がる闘志と勇気を取り込み心に烈火の意思を灯す。



 コイツをブチのめして輝かしい一勝を掴み取り、東龍の連中に勢いを付ける為にも俺様は負けられねぇんだよ。


 そして忍ノ者の頂点に君臨する四強になる為に!! 自ら茨の道を切り開いてみせらぁぁああああ――――ッ!!!!



「ハァァアア……。さぁ、行くぜ!!!! 俺様の攻撃はちょいとばかし激烈だぜ!?」


 両手に火の力を籠め、両足に風の力を宿し。


「天まで轟け!!!! 天衣無縫無頼拳ッ!!!!」


 一分の隙も見当たらない強固な壁に向かって突貫を開始した。



「せぁぁああああ!!!!」


「ふんっ!!!!」


 俺の愚直の突撃を男らしく受けたヴァルドが惚れ惚れしてしまう右の正拳を突き出す。


「あめぇ!!」


 それを突撃態勢よりも更に、更に!! 低く躱して俺様の絶好の間合いに奴の体を置く。


「どりゃぁぁああああ――――――ッ!!!!」


 低い体勢から奴の胴体に両の拳の連打を見舞うが。


「……ッ」


「「「オォォオオッ!!!!」」」



 ヴァルドは此方の拳を一つ一つ丁寧に見切り、武の道に携わる者から感嘆の声を勝ち取ってしまう身のこなし及び体捌きで回避。


 目まぐるしく回転する俺様の攻撃を己の両腕も使用しないで躱してしまうヴァルドとの如実な力の差に思わず顔を顰めてしまった。



 ち、畜生めが!!


 これだけ速く打ち込んでもテメェは余裕で見切れるってか!?


 だけど……。これはあくまでも美味しい餌なのさ!!


 さぁって、そろそろ本命をテメェの顎先にブチ込んでやるぜ!!!!



「ハァァアアアアッ!!!!」


 一際強烈な一撃をヴァルドの丹田の位置に放り込むと……。


「……」


 野郎は此方から見て左側に体を動かして回避しやがった。


 ニシシ!! 待っていましたよぉ!? その回避行動!!!!!!



「脳味噌ぶちまけてやるぜぇぇええええ――――ッ!!!!」


 奴の顎を穿つ為に左足を軸に、右足を勢い良く蹴り上げてやった。



 ヴァルドは右利きであり自然と左手側が前に出る構えを取っている。


 此方の攻撃が外れると同時にやや前に突っ込み。微かに此方の軸足をずらし、奴の死角であるほぼ真下から顎先に向けて足撃を放つ。


 間髪入れずに放り込む連撃、死角から襲い来る足撃、大きく開いた身長差を利用した高低差。


 更にぃ!! これまでばら撒いた美味しい餌!!!!


 幾重にも折り重ねた俺様の最高の一撃を食らいやがれ!!!!



 目の前から突如として消失した俺様の姿を探そうとしているヴァルドの目の動きを捉えた俺様は確固たる勝利を信じて奴の顎先に向かって勝利の一撃を叩き込んだ。


























 もう間も無く勝利の感触を足の先が捉えると確信した刹那。


「――――。惜しかったな」


「はぁっ!? ウグゥェッ!?!?」



 奴の顔が視界から消失。


 それとほぼ同時に顔面に有り得ねぇ衝撃が生じ、俺様の体は戦闘場から闘技場の内壁に吹き飛ばされてしまった。



「ゴフッ!?!?」


 背に呆れた衝撃が迸り、吹き飛ばされた勢いを保ったまま硬い地面と熱い抱擁を交わした。



 い、一体何が起きた……。


 何で俺様が吹き飛ばされなきゃならねぇんだよ……。



『フウタ!!!! しっかりしろ!!!!』


『一――!! 二――ッ!!!!』



 親友の声と俺様の場外負けを宣告する計上の声が開始される。


 その音はまるで水の中で聞く音の様に濁って聞き取りづれぇや……。



『フウタ!! 起きろ!! 貴様はまだ負けていない!!!!』


 ハンナの気合を入れろと言う声が何だか親が子を甘やかす声色に聞こえて来やがった……。



『『オォォオオオオオオ――――――ッッ!!!!』』


『流石ヴァルド様だ!!!!』


『あぁ!! 彼程勝利が似合う男はいない!!!!』


 このまま大歓声を子守唄代わりに眠ればどれだけ心地良いだろうか??



 だ、だけどぉ……。お生憎様、こちとら諦めが悪い男なんでね。


 それに同郷の者がこのまま眠る事を許してくれないのさっ。



『フウタ。忍ノ者に恥を掻かせるな』


「――――。う、うるせぇっつ――の」



 同郷の好敵手でもあり友人でもあるシュレンから檄を受け取ると、地面の砂を握り締めて震える足に強烈な往復ビンタをブチかまして硬い地面に両足を突き立ててやった。


 た、立ったは良いけども視界はグニャグニャと歪み平衡感覚がまるで機能していないぜ……。



「「「「ッ!?!?」」」」



 俺様が立ち上がると大歓声が刹那に止み、その代わりとして驚嘆の溜息が轟いた。


 ハハ、驚いただろう?? 小さな体だけどよぉ、気合と根性は誰にも負けていないのさ!!!!



「四――ッ!! 五――ッ!!!!」


「よ、よぉ。進行役兼審判役のあんちゃん。場外負けになる前にも、戻るから数えるのは不要だぜ??」


 相も変わらず無感情のまま非情の計上を続ける彼に向かってそう話して一歩前に進む。



 く、クソが……。歩くって行為はこんなにも辛い行動だったのかよ……。


 まるで巨大な鉄球が括り付けられたかの様な重みが前に踏み出す事を阻害してしまう。



「良くぞ立ち上がった。それは褒めてやる。しかし……、その体でどうするつもりだ??」


 戦闘場の中央で俺様を悠然と見下ろすヴァルドが話す。


「俺様達はい、意識がある限り戦い続けるんだよ。そ、そして……。例え意識が途切れたとしてもド根性で戦い抜く。そ、それがぁ……。カッコいい男なの、さ……」


「七――ッ!! 八――――ッ!!!!」



 た、頼むぜぇ。俺様の体。とっておきを披露する前に意識を失ってくれるなよ!?!?


 荒い息を続けて両手を戦闘場の淵に乗せ、鉛よりも更に重たくなった両足に気合を入れた刹那。



「九――ッ!! ……。十――――ッ!!!!」


 俺様の場外負けを宣告する非情な数が闘技場に轟いてしまった。


「「「「ワァァアアアアアア――――――――ッ!!!!」」」」


 それと同時に湧く観客の大歓声が天に、地に轟いた瞬間に強く保っていた気が霧散してしまい俺様の意識は深い闇の中に落ちて行ってしまった。



 す、すまねぇな……、皆。


 派手に一勝を飾る事が出来なかったぜ……。


 東龍の連中に勢いを付ける為にも勝たなければならなかったのに……。そ、その役目を果たせず倒れる己が猛烈に情けない。


 観客達の大歓声が子守唄の代わりに聞こえ始め、硬い筈の地面が美女との抱擁に思える程に甘く柔らかく感じてしまう。


 俺様はその甘美な感覚に身を委ねてしまい忸怩たる想いを胸に抱きつつ至高の眠りをすんなりと受け止めてしまったのだった。





お疲れ様でした。


前書きにも記載したのですが、今週は富士登山に挑戦して来ましたよ!!


私が登頂した日は天候に恵まれビックリする位に晴れていました。


午前四時に起床してビジネスホテルを出たのが午前五時前位でしょうか。それからコンビニに寄って携帯食と水分を購入。それから富士パーキングへと向かいました。


五合目までは自家用車の入場が禁止されているのでそこからマイクロバスに乗車して吉田ルートの登山口へと移動して、到着したのが七時前ですかね。


五合目に到着後に入山料を支払い、準備を整えいざ登山開始!!!!


五合目から六合目までは余裕過ぎて欠伸が出る程だったのですが……。六合目から八合目までがビックリする位にきつかったですね……。


大量に噴き出る汗、薄い空気、猛烈な筋疲労。


そして九合目から頂上までは己との戦いでした。


薄い空気の中から必死に酸素を搔き集め、荒い呼吸を続けながら登頂開始から約六時間後に見事頂上に到達する事が出来ましたよ!!


雲の上から見下ろす街は本当に綺麗で……。空も地上から見上げるよりもより一層綺麗に見えました。



頂上で体力を回復させてお次は下山、なのですが……。ここからが地獄でした。


体力を消費した体で全体重を支えつつかなりの傾斜を下って行く作業は苦痛で、猛烈な痛みが指先に生じたまま何んとか下山できました。


自家用車に戻った時、怪我の容体を確認する為にそ――っと靴下を脱いで現れたのは……。真っ青に染まった足の指と。右足の中指から大量の出血が確認出来てしまいました。


思わずアハハと乾いた笑い声を上げ、痛みと疲労に耐えながら帰宅しました。


富士登山は確かに辛く、厳しいですがそれを上回る感動と達成感を与えてくれましたね……。いつかこの経験を執筆に活かせればいいかなと思った次第であります。



そして、ブックマークをして頂き有難う御座います!!


これから始まる激闘の数々の執筆活動に嬉しい励みとなりました!!!!



それでは皆様、お休みなさいませ。

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