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今日も今日とて、隣のコイツが腹を空かせて。皆を困らせています!!   作者: 土竜交趾
過去編 ~素敵な世界に一時の終止符を~
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第百八十一話 更なる激戦に備えて その二

お疲れ様です。


帰宅時間が遅くなってしまったので深夜の投稿になります。


それでは後半部分を御覧下さい。




 夜に適した闇が地上に蔓延り空は美しい星空が占める。


 夜風が静かに吹けば草々が擦れ合うサァっと心地良い音が奏でられこれから摂る睡眠という行動をより良いものに昇華させてしまう。


 今日一日で蓄積された疲労を解消しようとして人の本能に従い睡眠を摂るべきなのだが……。口煩い野郎の所為でそれは叶わなかった。



「むむむむ……。どれを交換すべきか多大に迷うぜ」


 俺の正面。


 フウタが天幕の中で胡坐を掻いて座り、場に置かれた三枚のカードと己の三枚の手札を恐ろしい目付きで交互に睨み付けている。


「なぁ、早く交換するかどうか決めてくれよ」


 ふわぁっと大きく顎を開いて欠伸を噛み殺しながらそう言ってやる。


「うるせぇ!! こちとら明日の魚を賭けているんだ!! 少し位考える時間を寄越しやがれ!!」



 はいはいっと……。どの道お前さんには勝ちの目は無いから悪足掻きを止めて潔く負けを認めればいいのに。



「決めた!! 折角だから俺様は二枚交換するぜ!!!!」


「折角の意味が分からん」


 フウタが天幕の布の上に置かれて居るカードの束の上から二枚のカードを手に取ると。


「ニシシッ!! 来た来たぁ!! 漸く俺様にも幸運が舞い降りて来やがったぜ!!」


 己の勝ちを確信したのか、これでもかと口角を上げて陽性な感情を矢面に出した。


「ダン!! 勝負だ!! 俺様は……。七の三枚組と二の二枚組だぜ!!!!」



 へぇ、こいつはどうやらここぞって時に強運を発揮する型の様だな。


 意気揚々と場に出されたカードの強さがそれを物語っていた。



「うっわ、強っ」


「そうだろう?? そうだろう!? 俺様はこういう時に真価を……」


「わりっ、こちとら十の四枚組だ」


「は、はぁっ!? 何で!? おかしいだろうが!!!!」


 おかしいと言われましてもこれは勝負事なので一切の手加減はしませんよっと。


「またまた俺の勝ち――」



 魚の個数に見立てた矮小な石を手元に置き、数段高い位置から相手を見下ろす様に勝ち誇った笑みを浮かべてあげた。



「そ、そのニヤケ面を滅茶苦茶に歪めてやるから覚悟しておけよ!?」


「掛かって来なさい負け犬ちゃん?? お母さんは逃げも隠れもしませんからねぇ――」


「んだと!? この野郎!!」



 あはは、揶揄い甲斐がある奴め。そうやって勝負事にカッカする奴は一生勝てないんだよねぇ。


 さて、尻の毛まで全部毟り取ってやろうかと考えていると。



「フウタ、そいつはイカサマをしている。真面に正面からぶつかっては勝てんぞ」


 相棒が静かに座したまま口を開いて俺の勝利の道を邪魔してしまった。


「はぁっ!? ダン!! テメェ卑怯だぞ!!!!」


「あはは、まぁそう怒るなって。自分の手札と場に置かれたカードだけをずぅっと見ているお前さんが悪いのさ」



 激昂するフウタに向かい、特に悪びれる様子も無くそう言ってやる。



「いいか?? よぉく聞け。ペテン師ってのは相手の心を掌握する事に長けた連中なのさ」


 全てのカードを手元に集め手際よく切りながら口を開く。


「それがどうしたってんだよ。ペテン師が俺様の前に現れたのなら騙そうなんて百年早いって言ってやるね」


「へぇ、それは見物だな。シュレン、お前さんもペテン師に騙されるフウタの泣きっ面を見てみたいよな??」



 俺達の左方向。


 天幕の垂れ幕に向かって頭を向け、此方に可愛いお尻を向けて物凄い勢いで何かをガッツいている小鼠に問うてやると。



「…………ッ。あ、あぁ。そうだな」



 突然の声掛けを受けた彼は双肩を刹那にビクっとさせ、大変ゆるりとした所作で此方に振り返った。


 小さな鼻には大量の果汁が付着し、御口の端から大変美味しそうな果肉が零れている。


 夕食時には俺達に出さず、己の荷物の中に仕舞い込んでいた果実を貪り食っていたのでしょうね。



「あぁぁああああ!! テメェ!! 一番上等な果実を隠し持っていやがったな!?」


「別にいいじゃねぇか。採取に出掛けたのは他ならぬシュレンなんだし」


「ふっ、偶には良い事を言うな」


 偶にはじゃなくていつも良い事を言っているつもりですけど??


「詐欺師、ペテン師。この手の類の連中は本当に上手く相手の視線や心を移動させる術を持っているんだよ。ほれ、受け取りな」


「ぐぬぬぅ……。明日は俺様が採取に出掛けてやる。んで、アイツには絶対やらん!!」



 鼻に物凄い皺を寄せて今もシュレンの可愛いお尻を睨み付けているフウタに三枚の手札を配ってやる。



「例えばどうやってそれを実行するんだ??」


 己の手札を確認してちょいとばかし口角を上げているフウタがそう話す。


「例えば?? ん――……。手品師とかがさ、この手を見て下さいとか言って眼前にずぃぃと手を翳したりするだろ??」



 ほら、こんな感じ。


 場に全てのカードを置き、フウタの顔の前に己の手の平を翳してやる。



「手品を見た事が無いから良く分からねぇけど、相手の視線を誘導するのにはピッタリだな」


「そこがミソなのさ。相手の視線を誘導している際にタネを仕掛け、それを終えたのなら手を翳すのを止めて平静を装うのさ」


「ふぅん、さっき言っていた物事の本質からぁ……、ってぇ!! い、今何かしたのか!?」



 はは、気付くのおっそ。



「いいや?? 俺がお前さんの視界を防いだのはカードを置いた時点からだろ?? だからイカサマをするにも出来ねぇって」


「そ、そうだよな。はぁ――……、ビビッたぜ。さてさて!! 勝負をしようじゃないか!! 俺様はカードを交換せずこのまま勝負に出るぜ!!」


 そりゃあそれだけ強い手役なら交換する必要も無いよね。


「んじゃ俺もこのままでいいよ」


「へっ?? 手札も見ないのに勝負するのか??」


「その通り。今日の俺は珍しく幸運の女神様に愛されているからねっ」


「へへ、じゃあこの勝負貰ったぁ!!!!」



 フウタが勢い良く己の手役である五の四枚組を披露した。



「ギャハハ!! やっぱ俺様って最強……」


「わりっ、王の一撃だったわ」


 ジャックオークアンタムの最強の一画である手役を披露すると。


「は、はぁぁああああ!?!? テメェ!! イカサマしただろ!!!!」


 フウタが信じられないといった様子で、丸い目を更に丸めて俺の手役を見下ろしていた。


「バレなきゃイカサマじゃあないんだよ」


「俺様の顔の前に手を翳した時か!? い、いやもっと前か!?」



 正解はシュレンちゃんのお尻を眺めている時で――っす。



「お前さんは相手の行動に左右され過ぎだ。賭け事をする際には頭を冷静に、しかし心は熱く。これが鉄則なのさ」



 まぁそれ以外にも詐欺師の常套句に乗らない、物事の本質から目を背けない等々。


 詐欺野郎を相手にする時にはもっと気を付けなければならない事が必要になるのですけれども、フウタ場合はそれら全てが壊滅的に欠けているのでこういった賭け事には向いていないんだろうなぁ。


 しかし、破産寸前にまで追いやられてしまってもそれを挽回する手段が一つだけ残されているのを忘れてはいけない。



「うっせぇ!! イカサマをしたお前が悪いんだから今回の賭けは無し!!!!」


 そう、暴力行為によって相手を叩き潰せば負けを一気に取り返せるのさ。


「へいへいっと、どうせアレコレ文句を付けて魚を取られちまうし。それに最初からこうなる事は分かっていたから気にしていないよ」


 俺の手元から魚に見立てた石を強奪した横着坊主にそう言ってやった。



「よっしゃ。眠る前に出場する順序を決めておこうぜ」


 だらけた場を引き締める様に一つ柏手を打つ。


「覇王継承戦の決め事の一つか。某の順番はどこでもいいぞ」


 種以外の果肉を食べ終え、満足気にケプっと可愛い吐息を漏らしたシュレンがそう話す。


「それは別に構わないけどさ。口元を拭いたら?? 果汁でベッチャベチャだぜ??」


「……っ」


 微かに頬をポっと朱に染めると俺が使用している毛布をちいちゃな両前足で掴むと大胆に口元を拭う。



 え?? 今何で俺の毛布を使用したの??


 自分の毛布で拭けばいいのに。



「俺様は切り込み隊長だからな!! 先鋒以外有り得ないから!!!!」


「ん――、そこ何だけどさぁ。どうして順序を決めろって通達が出たのか気にならない??」



 天幕の中でコロンっと横になり、天井付近でフワフワと浮かんでいる光球を見上げつつ話す。



「ならん!!」


 お前さんの場合はそうだろうよ。


「順序を決めた理由。考え得るのは総当たり戦か、それとも勝ち抜け戦なのか。その二点に尽きるだろう」


 相棒は俺と同じ考えね。


「多分そうだろう。総当たり戦の場合は先鋒と先鋒、次鋒と次鋒が順次戦って勝ち数を競う取り決めが採用されるのが目に見えているからぁ……。先鋒に一番強い奴を置くのが常套手段だな」


「何でそうなるんだよ」


 鼠の姿に変わったフウタが俺の腹の上に乗り、右前足で俺の腹を無意味にペシペシと叩く。


「出場者は五名、つまり先に三勝した方が次の戦いに進めるとかいった取り決めが考えられるだろうが」


「あぁ、その線もあったのか」


「しかし、勝ち抜け戦の場合は強者を後方に置いておくのが賢明な判断だな」



 シュレンがキチンとお座りした姿勢で冷静な声色を放つ。


 相棒が五人全員を倒したとしても次に控える試合に間に合わない傷を負った場合は棄権とみなされ相手に不戦勝を与えてしまう恐れがある。


 俺達は一回戦の戦いだけでは無く、その次を見据えておく必要もあるからねぇ。



「でもよぉ、俺様達がアレコレ考えたとしても戦いの方法は当日発表なんだろ?? だったらほぼ無意味じゃん」


「俺もそう思うよ?? だけどさ、現覇王は北の領地出身だからきっと北の戦士達に優位になる様な戦い方法を選択する筈さ」


「それだと人の姿のまま戦うという取り決めに矛盾しないか??」



 相棒が中々に鋭い指摘を放つ。



「そうだよなぁ――……。俺達の事は既に耳に入っているのになぁんでこの大陸を統べる覇王様は自分の領地が優位になる取り決めを選択しないんだろう??


「それは恐らく、南のバイスドールといったか。奴等の力が膨大だからなのでは無いか??」


 相棒がさり気なく放った発言は確実に的を射ているかも。


「それっぽいな。龍の姿のベッシムさんは相棒と同じ位の大きさだったし……。例え龍の血を引いているとしても、南の巨龍一族と真正面からぶつかったら木端微塵に吹き飛ばされてしまうのが目に見えているから……。そう考えると矛盾しねぇよな」


「あぁんなデカブツ、早々お目に掛かれないし。多分ダンが考えている通りだと思うぜ」



 目を閉じれば直ぐにでも瞼の裏にあの大火球が映し出されてしまう。


 あの野郎……。もしも覇王継承戦に出て来たのなら相棒の仇として思いっきり顔面をぶん殴ってやる。


 あ、でも。俺と戦うのか分からないし、それに奴が出場するのかも不明だから怒ってもしょうがないよね。



「まっ、アレコレ考えていてもしょうがねぇし。先鋒がフウタで、次鋒が俺。中堅がシュレンで副将がハンナ。この順番でいいかな??」



 総当たり戦、若しくは勝ち抜け戦。


 そのどちらにでも対応出来る様な順序を提案してみた。



「俺様は構わんぜ!!」


「某も不満は無い」


 小鼠二頭は肯定的。さて、相棒はどうなる事やら。


 きっと大将以外は有り得ないと抜かしぃ……。


「俺も構わん」


 あらまっ、意外や意外。すんなりと受け入れられてしまいましたね。


「お前さんの事だ、大将を選ぶかと思ったぜ」


「この戦いは覇王の座を賭けた戦いだ。大将に最も相応しい実力を備えているのは俺だが今回の場合はグシフォスが適任であろう」



 今、さり気なく自分がこの中で最強だと宣言しちゃった??



「へいへい、お前さんは誰よりも気高くて強いですよ――っと。んじゃ俺はグシフォスに大将役を務める様に頼んで来るわ」


「いてっ」


 腹の上で寝そべり続ける横着な鼠の尻尾を摘まんで何処かへ投げ捨ててやるとその足で天幕の外に出た。



 んぉ――……。こりゃまたすっごい綺麗な星空だな。


 漆黒が占拠する夜空の中に幾百、幾千もの星々達が互いの煌めきを競う様に光り輝いている。


 まるで高価な宝石を散りばめた様な美しき夜空の下には怪しい月光を吸収、反射している湖が広がりその近くでは一人の男性が口を紡ぎ相も変わらず釣れない釣りに興じていた。



「――――。よっ、釣れたかい??」


 周囲の静謐な環境を崩さぬ様、大変静かな声量を放つ。


 まぁ空っぽの桶を見る限り確認するまでも無いけどね。


「ふん。何か用か」


「覇王継承戦の出場の順序を決めなきゃいけないだろ?? 俺達の順序は決まったんだけどさ。大将の枠は俺達じゃなくてこの地を代表するお前さんが腰を下ろすべきだという意見で纏まったんだよ」


 よっこいしょと小さく呟き、グシフォスからある程度の距離を置いて座り心地の良い大地にお尻ちゃんをくっ付けてあげた。


「それで構わん」


 あらまっ、意外とすんなり了承して頂けましたね。


 頑固な彼の事だから少しばかりの抗議の声が上がっても不思議じゃないのに。


「総当たり、勝ち抜け。色んな戦い方が考えられるけどさ、本当にそれでいいのかい??」


「何度も同じ事を聞くな」


「へいへい、了――解」



 その場で仰向けの状態に移行して美しき夜空を見上げる。


 うぅむ……。煌びやかな星々と怪しい月光を放つお月様は何だか呆れた様子で俺を見下ろしている様に見えて来たぜ。


 その顔色からしてきっと。


『横着な男の子達と不愛想な男の子を持つ母親は大変ですね』 と。


 はにかむ様な同情を買う様な……。複雑な表情を浮かべてそう言っている様に聞こえてしまった。



「なぁ、グシフォスは覇王の座を継承したら何をするつもりなんだい??」


 湖の向こう側から吹いて来る微風を体全身で満喫する為、キュっと目を瞑りつつ問う。


「特にする事は無い」


「ふぅん、この湖を独占出来れば万々歳って事ね」


「まぁな。強いて言うのであれば……、俺が物心付く前に決められた婚約を破棄する事位か」


「お、おいおい。それをシュランジェちゃんが聞いたら悲しむぞ??」



 それに結構勿体ないとは思わないかい??


 程よく育った双丘に肌理の細かい肌を堪能出来るのだからさ。



「俺は決められた道を進むのは好まん。道とは自らが切り開き、開拓し、その先に待ち構えている困難を打ち砕く事によって形成されるべきだ」


 捉え方によってはかなり格好良く聞こえますけどもお前さんの性格を熟知している者にとってその発言は釣り道を突き進む宣言にも聞こえてしまうのですよ。


「運命は自分で切り開き選択する、か。俺もその考えに賛同するぜ?? 退屈が跋扈する街で生まれた俺は未だ見ぬ世界に恋焦がれてこの冒険に出た。その道の途中で……、あそこでやんちゃしている野郎共と知り合って冒険を続けている」



『おいシューちゃん!! そこは俺様の陣地だぞ!!!!』


『誰がそんな事を決めた』


『俺様です――!! 大体、テメェはいつも鼠の姿でせせこましく寝ているだろうが!!』


『戦いに備えて安眠を享受する必要があるが故、こうして人の姿で眠るのだ』


『あっそう!! じゃあ俺様も勝手にさせて貰うぜ!!』


『そこは某の陣地だぞ!!』


『喧しいぞ貴様等!!!!!!』



 目を瞑ったまま喧噪が零れに零れている天幕を指差してやる。


 口煩く、騒音が決して止まない連中達だけどさ。一緒に行動しているだけでも陽性な感情がジャブジャブと湧いて来るんだよねぇ。


 まっ、勿論憤りも多々感じますよ??


 やれ飯の量が少ない――だとか、やれ塩気が足りない――だとか。


 俺は心の中でアイツ等を家族として認めているから、血の繋がった家族でも起こり得る日常茶飯事の喧嘩を楽しんでいるのだろうさ。



「仲間……、じゃないか。友人若しくは家族と位置付けられる者達と行動するのは楽しいぜ?? お前さんもいつかこの大陸を旅立って絆を深められる奴と出会えればいいな」


「ふんっ、俺の考えを共有する者を探すのは骨が折れそうだな」


 グシフォスがふっと笑みを零してそう話す。


「お前さんと一緒に行動するのには釣り好きが最低条件だからなぁ……。それも少しばかりじゃなくて超ド変態級に」


「一言余分だ。お前の話に興味を持った。釣れるまでの間、此処まで至る経緯を話せ」



 えっ?? 何故命令形??


 それに釣れるまでの間って……。



「お、おいおい。それは俺に一生此処で話し手の役目を務めろって事かい??」


「安心しろ。覇王継承戦が始まるまでに一匹は釣ってみせる」


 魚処か海底に漂う藻さえも釣れる気配がねぇ奴に安心って言われてもなぁ。


「まぁいいや、丁度暇を持て余していたし?? 大冒険家ダンちゃんの数奇なる冒険を話して差し上げましょう!!!!」



 両手を後頭部に乗せて体を弛緩させ、そして胸一杯に清らかな空気を取り込むとこの冒険のきっかけとなった地図の話を開始。


 それから相棒と出会ったマルケトル大陸での五つ首との死闘。そして、素敵な危険と出会いがあった南のリーネン大陸の話。


 それら全てを事細かに話して行くといつの間にか眠気が襲い掛かって来やがった。


 微風と素敵な夜空をおかずにこのまま眠れたらどれだけ素敵な睡眠が待ち構えているのだろうと考えるが、それをヨシとしない覇王候補の男が俺の腹部に大変硬い拳骨を何の遠慮も無しにブチかまして来る。


 目を白黒させ、義憤を含ませた瞳で彼の横顔を睨み付けても当の本人は知らんぷり。


 呆れ、憤り、微かな陽性な感情。


 複雑に絡み合った感情の吐息を長々と吐き出し、彼が釣れるまでの間。俺は話し手としての役割を未来永劫務めさせて頂いたのだった。





お疲れ様でした。


深夜の投稿になってしまい申し訳ありませんでした。


今日は色々とお出掛けして来たのですが、何処に行っても大勢の人達がいらっしゃったので少々疲れてしまいました。


次話からはこの大陸の本筋である覇王継承戦が始まります。しかし、そのプロット執筆に大変難航しているのですよ……。


遅々足る執筆作業に頭を悩ませながらの御盆休みになりそうです。



そして、ブックマークをして頂き有難う御座いました!!


お盆休みの執筆作業の嬉しい励みとなりましたよ!!!!



それでは皆様、お休みなさいませ。


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