第十九話 鞍上人なく、鞍下馬なし
お疲れ様です。
週末を控えた夜にそっと投稿を添えさせて頂きます。
ごゆるりと御覧下さい。
初夏の陽射しが照り付ける大地。
気温は平年のそれと違って僅かに高く感じられるな。
普段の労働とはまた違う汗が額にじわりと浮かび、手の甲で拭う。
乗馬の指導を頼まれた時は、どうなるかと思ったけど……。
落馬常習犯であった俺とは違い、持ち前の才能で此方の予想以上に早く習得出来そうで御の字といったところか。
後は、落馬せぬ様。
そして無茶をしない様にレシェットさんの行動を見守るだけです。
貴族の御令嬢を落馬させてみろ。俺の安い首だけじゃとてもじゃないけど償えない。
最悪……。一生奴隷の様に仕える事になるのかな??
「お疲れの御様子ですね」
直ぐ右。
アイシャさんが特に表情を変えずに此方の様子を見つめながら話す。
ここで。
『護衛の任によって疲労が山積しています』 なんて言ってみろ。
言質を取られ、軍規違反の常習犯であられる我が上官へと告げ口され。除隊処分に。
そして、それと同時に首輪を嵌められ此処へと召喚されるだろうさ。
「まぁ、程々に。ですかね」
超無難な返事を返し、一つ頷いた。
「乗馬の技術は流石の一言に尽きました。訓練所で習得されたのですか??」
「その通りですけど……。自分はそこまで上手ではありませんよ?? どちらかと言えば、ウマ子に助けられているのが本音ですから。そうだよな??」
直ぐ後ろ。
甘える様に背中側から面長の顔を右肩に乗せる彼女の頬をペシっと叩く。
『その通りだっ』
べぇっと舌を覗かせ、勢いそのまま此方の頬を舐めた。
「あはは。見ました?? 訓練中、何度も落馬して……。俺に乗馬の才能は無いのかなぁって凹んでいたんですよ。そんな時、コイツと出会って。あぁ、馬という生き物はなんと賢く、そして頼れる存在なんだなぁっと思い至って。そこからですね。徐々に技術が身に付いたのは」
落馬による負傷で、落馬王という負の渾名をつけられる寸前まで追い込まれましたから。
それは了承出来ないと焦っていた時期もあったなぁ。
一年足らず前なのに随分と懐かしいや。
「ふむ。ウマ子様の御助力によってレイド様は上達したと」
「その通りです。その所為ですかね。我儘に育っちゃって……。大嫌いな人参を食べようともしないんですよ」
分厚い唇をポフポフと空噛みする顎下をそっと撫でてやる。
「まぁ……。人参が嫌いな馬なんて……」
「気を付けて下さいよ?? さり気なく差し出すと噛まれてしまいますので」
『私はそこまで横着では無いっ!!』
抗議してやる!!
そう言わんばかりに俺の肩を食み始めてしまった。
「お、おい!! 止めろ!! 涎が付く!!」
「ふふふ。大変仲が宜しいのですね」
ん??
初めて笑いましたね??
冷たい冬、不意に訪れた温かい陽射しの様な温かい笑みだ。
仕事柄、無表情を務めているのでしょうけど。笑った方が可愛いですよ――っと。
朗らかな気持ちを抱き、世間話の延長線上の会話を続けて居ると。
「ねぇ――!! 出来たよ――!!」
レシェットさんの陽性な声が此方に届き、二人同時に彼女へと視線を送った。
「えっ!?」
何と。
手綱から両手を離し、軽足歩をしているではありませんか。
「もうあそこまで……。レシェットさんは乗馬の才能があるのかもしれませんね」
「いえ、これもレイド様の御協力があっての事です」
そう言われると……。何だか背中がむず痒いな。
「でも、落馬の危険もあるし。手綱を握る様に伝えて来ます」
「宜しくお願い致します」
「ウマ子、行く…………」
鞍に手を掛け、颯爽と跨ると同時。
「きゃあぁああああ!!!!!!」
乗馬場に不釣り合いな女性の悲鳴が鳴り響いた。
うん!? 何だ!?
声の発生源へと視線を向けると。
「止まってぇえええええ!!」
何と、ポルモが暴走を始め。常軌を逸した速さで乗馬場内を駆け始めるではありませんか!!
不味いぞ!!
あの速さで落馬でもしたら……!!
「レシェット様!!!! レイド様!!」
「分かっています!! ウマ子!! 行くぞ!!」
『あぁ、分かった!!』
此方の向こう正面へと向け、全力疾走で駆け抜け。
右手側から走り来る彼女達へと大声を放った。
「レシェットさん!! 手綱を引いて馬を御して下さい!!」
「っ!!!!」
駄目だ!!
恐怖に駆られまるで耳に入っていない!!
瞳を閉じて視界を遮断し、馬に振り落とされまいとして前傾姿勢を維持。手綱をぎゅっと握り締めていた。
「ウマ子!! 追いつくぞ!!」
空気の壁を突破する勢いで目の前を通過したポルモの後を慌てて追走するものの。
な、なんて脚だ!!
直線じゃあ勝ち目がない!!
見る見るうちに二馬身、三馬身と離され。左回りへと曲がり始めてしまった。
しかし……。
騎手の指示が無い所為か、曲がる最中は随分と遅いな……。
「ウマ子!! 暫く様子を見るぞ!! 懸命に走ってくれ!!」
『仕方があるまい!!』
此方も曲目に突入し、二人の様子を背後から窺い続けた。
「レイド様!! レシェット様の体力は……」
「分かっています!! 何んとかしますから任せて下さい!!!!」
彼女の前の通り過ぎる際にそう叫ぶ。
何の訓練も受けていない女の子にとって暴れ狂う馬に乗り続ける体力は持ち合わせていないだろう。
現に、鐙から足が外れてしまいそうだし……。
直線で一気に離されるものの、曲目で追い付き。
曲目の終盤で向こうが一気苛烈に加速して、再び此方との距離を開けてしまった。
良し!! これなら!!
「ウマ子!! 止まってくれ!!」
『何だと!?』
次の曲目に差し掛かる手前、手綱を引いて彼女を御した。
「いいか、良く聞いてくれ。ウマ子には申し訳無いけど、直線じゃあ歯が立たない」
『あぁ、分かっている……』
「だから……。ほら、見えるか?? 向こうの曲目」
対角線上に存在する曲目の始まりを、ウマ子が見える様に腕を伸ばして指を指す。
「レシェットさん達が俺達の曲目の手前に来るまで待機。通過させたら一気に向こうの曲目へと駆け抜け……。二人と並走する様に同時に曲がり始める」
ポルモの習性なのか。此方が後ろから追いつこうとすると、より前へと加速してしまう。
背後から追いつけたとしても驚かせ、急停止させてしまう恐れも懸念せねばならぬ。
それなら、此方の姿を向こうに確知させ続けて大きな刺激を与えず。直線で追いつけぬのなら走行距離を短くすればいいだけ。
簡単な仕組みなのだが、問題は……。
「曲がりなら追いつける機会がある筈だ。そして、曲目を抜ける前に並走し……。俺が向こうに飛び移り。ポルモを抑え付ける」
そう。
レシェットさんが御せぬ以上、誰かがポルモを停止させなければならない。
今、それを出来るのは馬に跨っている俺だけだからね。
『正気か!?』
此方の提案に驚いたのか。
ぎょっとした円らな瞳を向けた。
「あぁ、勿論だ。レシェットさんの体力はもう限界に近い。好機は一度……。その時に全てを掛けるぞ!!」
ウマ子の体をポンっと強く叩くと。
『ふっ……。馬鹿な事をする……』
少しだけ強く嘶き声を上げ、力強い瞳で此方を捉えてくれた。
良い瞳だ。
気負っていないぞ。
逸るウマ子の脚を溜め、暴走するポルモを待つ。
彼女の身を案ずる悲壮な表情を浮かべるアイシャさんの目の前を通過し、曲目へと突入。
此方の予想通りに速度を落として曲がり始めた。
「まだだぞ?? 落ち着け……」
その場で足踏みをするウマ子を御し続けていると。
「っ!!!!」
来たぁ!!!!
今にも馬から振るい落とされそうになっている彼女が風の壁を突破しつつ此方へと向かい来る。
暴走し続けるポルモを刺激せぬ様、ある程度の空間を保ち。此方の背後を通過させると同時。
「行くぞぉ!!!!!! はぁっ!!!!」
『任せろ!!』
手綱に力を、そして鐙に乗せる脚でウマ子の腹を力強く蹴り全力疾走を開始した。
うん!!
良い出だしだ!!
右後方、相変わらずの脚力で暴走を続けるポルモを捉えつつ。対角線へと向かって駆け出し。
向こうが直線に突入すると、此方との距離を徐々に縮小させ。俺の予想通り、曲目に入る所で漸く並走を開始出来た。
物凄い脚力だ。
流石、血統書付きの馬の馬力は桁外れですね!!
「ウマ子!! 良いな!? 此処で勝負を仕掛けるぞ!?」
内輪を駆け続けつつ、荒い鼻息を放ち。必死に並走を続けるウマ子に叫ぶ。
頼む!!
もう少しだけ頑張ってくれ!!
『分かっている!!』
此処で失敗したら、レシェットさんは……。
いいや!! 悪い方に捉えるな!!
俺の体はどうなってもいい!!
だから……。絶対に成功させるんだ!!!!
遠心力によって右側に持って行かれそうになる体を御し、ポルモの空いた背の空間を捉えた。
見えた!!
あそこへ向かって……。
「行くぞ!!!! でやぁあああ!!!!」
鐙から爪先を、そして手綱から手を離し。
頼む!! 届いてくれ!!
左足の筋力を全開放して暴走する馬の背へと、祈りにも似た想いを乗せて飛び掛かった。
◇
暗闇の中に響く蹄の音、そして鼓膜を悪戯に傷付ける暴風の音。
体が上下に恐ろしく跳ね、私は振り落とされまいとして必死に手綱を握り続けていた。
でも……。
それはもう限界に近い。
だって手の感覚が無いもの……。
地面に叩きつけられたら痛いんだろうなぁ。
それならまだしも、馬の脚に巻き込まれたら最悪命さえ……。
傷だらけになった自分の悲惨な姿を想像をすると更に頭の中が真っ白になり、もう自分がどんな状態に陥っているのかさえ理解が出来なくなってしまった。
体が……。右へと流れている。
きっと、曲がり続けているのだろう。
今なら手を離しても大丈夫、かな??
曲がっているのなら馬に巻き込まれる心配も無いし、硬い地面と柵が私を受け止めてくれるよ。
これ以上、耐えられそうに無いし。それならいっその事……。
この恐怖から解放されたい一心で私は命を紡ぐ可能性を秘めた手綱から手を離し、予想される体を襲う激痛に耐えるべく。
どうか……。痛くありませんようにと奥歯をぎゅっと噛み締めた。
――――――――――。
あ、あれ??
手綱を離しても……。落ちないよ??
それ処か徐々に反撞が収まっている様な気が……。
「――――――。レシェットさん??」
えっ!?
何でレイドの声が耳元で聞こえるの!?
恐怖に駆られると幻聴を聞くって聞いた事もあるし。これも、その所為。なのかな??
「レシェットさん。恐れずに目を開けて下さい」
違う!! 幻聴なんかじゃない!!
本物のレイドの声だ!!
私はその声に従い。恐怖によって閉ざされてしまった瞳を徐々に解放した。
わぁっ…………。
凄い。
目の前にあった風景があっと言う間に後方へと流れて行く。
顔に、そして体に感じる風圧は普段のそれとは掛け離れる程に強く、そして体に感じる反撞も強い。
でも、不思議と恐怖は感じなかった。
寧ろ、快適であるとさえ感じてしまっていた。
「どうですか?? これが馬の走行ですよ??」
びゅぅっと吹き続ける強風の中に彼の声が混ざる。
声の下に顔を動かすと……。
「ぁっ」
自分でも笑える程に小さな声を出してしまった。
そりゃそうでしょう。
息の掛る距離に彼の顔があったのだから。
「気が付きました??」
「う、うん」
自分でもびっくりする程に熱くなった顔を元の位置へと戻す。
「馬は大変臆病な生き物です。何か、驚く事があれば此方が想像出来ない行動を取る事もあります」
多分、あの鼠の所為だ。
足元に突然現れた黒い物体に驚いて走り始めちゃったんだね。
「ですから、レシェットさんには一切不備はありません。馬の事を恐れないで下さい、そして。嫌いにならないで下さいね??」
「わ、分かってる。でも、どうしてレイドが後ろに乗っているの??」
人間は馬より速く走れる訳ではなく、ましてや飛べる訳でも無いから。
「ウマ子が頑張って走ってくれたんですよ。そして、飛び移って……。ほら、見えますか?? あそこでぜぇぜぇっと苦しそうに息を荒げているのが」
彼が左手で乗馬場内の中央を指す。
その方へと視線を向けると。
『はぁ……。はぁ……。全く……。何で私が此処までせねばならぬのだ!!』
乗馬場の中央で苦しそうに息を荒げているウマ子を捉える事が出来た。
「あはは。苦しそうだね??」
「後で上等な餌を与えますよ。しかし……。ポルモは脚が速いですねぇ。ウマ子とは全然違いますよ」
巧みに手綱を操り、そのままぐるっと場内を回る。
私と全然違うな……。
レイドの指示に馬が大人しく従ってくれる。そんな感じだもの。
「一緒にやってみましょうか。ほら、手綱を握って下さい」
「こ、こう??」
彼の手に添う様に手綱を握る。
わっ……。
レイドの手って結構大きいんだ……。
「手綱を握る力はそこまで強くなくても構いません。大切なのは自分がどうしたいのかを明確に伝える事です」
「そんな事言っても、分からないよ……」
その所為で暴走しちゃったんだし……。
「では、減速の指示を与えてみましょう。本当にゆぅっくりと手綱を引きますよ??」
彼が私の手を、女性の柔肌を撫でるかの様に優しくきゅっと握り。
私の体の方へと視覚では確知出来ない程の遅さで手綱を引き始めた。
こんなにゆっくり引くの??
馬でも気付かないんじゃないのかな。
「いきなり手綱を引いては馬も嫌がります。寧ろ、怒っちゃいますからね。そして、上体をぐっと後方へと反ります。こんな感じですね」
彼がそう話すと右手を手綱から離して、私のお腹を優しく包み込む様に触れた。
きゅ、急に触れるなんて……。
意外と大胆なのかしら……。
「手綱はそのまま。上体をゆっくりと、後ろに反らせば……」
「わっ。本当だ……」
駈足から速歩へ。
そして、常歩へと変化して。
「レシェット様!!!!」
アイシャが待ち構える場所の前に停止した。
凄い。
これが……。馬を操るって事なんだ。
「レシェット様!! 御無事で御座いますか!?」
普段は冷静を務める彼女が此処迄慌てているのだ。
余程、恐ろしい速さで駆けていたのだろう。
「う、うん。大丈夫……」
慌てふためく彼女に対し、若干俯き加減のままで無事を伝えた。
「特に怪我も見られませんし。恐らく大丈夫かと。念の為、本日の練習は此処までにしましょうか」
私の体から手を離し、下馬してそう話す。
「畏まりました。レシェット様、降りられますか??」
「それ位出来るよ」
アイシャに促され、鐙から足を外して久しぶりの大地へと足を下ろすと。
「わわっ……」
緊張感、そして恐怖から解放されて安堵して体の力が抜けたのか。
腰が抜け、ペタンと地面に座り込んでしまった。
「あはは。腰が抜けてしまいましたか。立てます??」
軽快な笑みを浮かべ、彼が手を此方に差し伸べる。
ちょっとだけ、むすっとした顔を浮かべその手を握ると。
あっと言う間に私の体を立たせてしまった。
「もう少し、優しく立ち上がらせてよ」
「申し訳ありません。レシェットさんが軽過ぎて力配分を間違えてしまいました」
むぅ――……。
それなら、まぁ。
お尻に付着した砂埃を払っていると。
「きゃぁっ!?」
突如として生温い感覚が頬を襲った。
驚きを一切隠さずに振り返るとそこには、ちょっとだけ申し訳なさそうな顔を浮かべているポルモが居た。
「ごめんね?? って言っているんですよ。優しく撫で返してあげて下さい」
「そっか。こっちもごめんね?? もっと上手に乗れれば良かったんだけど……」
彼女の頬を優しく撫でると、甘える様に優しい嘶き声を上げてくれた。
「馬は賢いですが万能ではありません。その事を騎手は理解してあげなければなりません」
「分かっているよ。その所為で、今日みたいな事が起きちゃったんだし」
優しい声色の彼に向かってそう話す。
「技術を習得する事は必要ですが、一番大切なのは馬を好きになる事です。ですから……。嫌いにならないであげて下さいね??」
「勿論。此れからも宜しくね」
ポルモの顔をきゅっと抱き締めると。
母親に甘える子犬みたいな愛おしい声を上げてくれた。
「さて!! 本日の練習はお終いです!! 屋敷に帰って泥を落としましょうか!!」
「そうね。温かい御風呂に入って体を……」
ポルモから体をすっと離し、彼の顔を見つめると。
右頬に一筋の赤い線が入っていた。
「レイド、それ……」
「え?? ――――。あぁ、ポルモが蹴り飛ばした石が掠ったんですよ。これ位、何んともありません」
私の為に怪我しちゃったんだ……。
「動かないで」
「へっ??」
ハンカチを取り出し、私の失態で受けた傷を拭く。
「――。うんっ、綺麗になった」
「元が悪いから綺麗とは呼び難いですよ??」
ふふ、そんな事無いよ??
「私が言っているのは傷口の事よ」
「あ、あぁ……。そうでしたか……」
自分の勘違いか、それとも私が急接近した所為か。
夕日よりも顔を赤く染めちゃったね??
そして、私と彼の距離感が気に食わないのか。
『貴様ぁ!! 腑抜けた顔をしおってぇ!!』
「ちょ、ちょっと待てよ!! ウマ子!! 突撃して来るなぁ!!!!」
嫉妬深いウマ子が彼の前へと駆け始め、勢いそのまま。彼の肩口を食み始めてしまった。
「いってぇ!! 止めろ!! 服が汚れる!!」
「あはははは!!!! ウマ子ちゃ――ん。もっと食んであげてっ!!」
「レ、レシェットさん!? 駄目ですよ!? コイツにそんな指示を与えちゃあ!!」
馬に襲われる一人の男性。
そして、軽快な笑みを浮かべる二人の女性。
こうして円満に事が収まったのもレイドの御蔭だね。
本当に……。有難う。
口では彼にとって恐ろしい指示を与えるも、心の中では地平線の果てまで美しい花が咲き誇っていた。
これは、きっと彼に対する感情で咲いてしまったのだろう。
人生で初めて感じる温かい感情に戸惑いを覚えつつも、それを悟られまいとしてポフポフの唇を備える彼女へ。
春の陽気さえも尻尾を巻いて逃げ出す陽性な感情を籠めて指示を与え続けていた。
最後まで御覧頂き有難う御座いました!!
それでは、良い週末をお過ごし下さいね。