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第十八話 馬には乗ってみよ人には添うてみよ

お疲れ様です。


本日の投稿になります!!


それでは、どうぞ!!




 昼下がり、大勢の人で賑わう街の主大通り。


 行き交う人々の笑みは頭上に光輝く太陽の光量を優に超える物で、見ている者に陽性な感情を与えてくれる。


 それは種の壁を越え、我が相棒にも少なからず好影響を与えていた。



「どうした?? 妙に嬉しそうだな」



 手綱の向こうで揺れ動く首の動き。


 普段のそれよりも微妙に大きな歩幅、そして何より。尻尾がフルンっと大きく動いているのが良い証拠です。



『まぁな』



 俺の声に反応し、一度だけ面長の顔を此方に向けると。御主人にだけ分かる陽性な感情の足取りで街の南へと向かい続けた。



「あ、分かった。馬房で暇していたんだろ?? ずぅっと押し込められていると飽きちゃうもんな」


『ふんっ。好きに捉えろ』



 ブルルっと勢い良く鼻を震わせ。



「いらっしゃ――い!! 今日も野菜が安いっ!! 夕食の献立は是非うちの店で見繕って下さいねぇ――!!」



 新鮮な野菜が店先に並ぶ店舗を見付けると。



『ほぅ?? 私が所望する物は置いているのか??』



 微妙に歩む速度を送らせてしまった。


 食いしん坊さんめ。どこぞの龍に影響されてるんじゃないのか??


 良い影響なら諸手を上げて喜ぶのですが、生憎。これは悪影響だよなぁ……。早く進めという御主人様の命令を無視しているし。



「お兄さんどうだい!?」



 店主が俺の顔を見付けると、あろうことか。


 彼女が大嫌いな野菜を両手に掲げるではありませんか。



 明るい太陽の下に良く栄える橙の色。


 先端へとピンっと伸びた円錐状の野菜は大地の恵みをたっぷりと吸収して大変美味そうに見える。しかし……。




「旬は冬だけどぉ。この人参は美味しいよ!? 其方の馬に与えてはどうだい!?」


『要らん!!!! 行くぞ!!』



「あ、あはは。機会があれば寄らせて頂きますね」



 大嫌いな食べ物から逃れる様に速歩はやあしとなって移動を再開してしまいましたとさ。



「なぁ、食わず嫌いじゃないけど。食べてみろよ」



 ウマ子の体を優しくポンっと叩きながら話す。



『あれをボリボリと食う馬の気が知れぬ……』



 あ、駄目だこりゃ。


 聞く耳を持っていませんね。いつもはツンっと立っている耳が明後日の方向を向いているし。



 どうにかして好き嫌いを直したいんだけどなぁ……。


 一度、調教師であられるルピナスさんに克服方法を相談してみよう。



 人通りが徐々に減少し始め、小高い丘の屋敷の横を通過すると。目的地である南出口、並びに待ち人を捉える事が出来た。



「お――い!! こっちよ――!!」



 叫ばなくても見えていますよっと。



「お待たせしました」



 街と街道の境目の横。


 平原と呼んでも差し支えない大地の上にレシェットさんとアイシャさんが一頭の馬を連れて待機していた。



「ふふん?? ど――お?? 私の騎乗姿は」



 安全用に被った鍔のある黒の帽子に、すらっと長い足に誂えたような紺色のズボンと膝下まで伸びた革製の靴。


 華奢な肩に良く似合う白のシャツと、身を守る為の頑丈な革製の上着。


 内側からグっと盛り上がっているのは決して彼女のふくよかな双丘の所為では無く、薄い鉄版が上着の中に仕込まれているからでしょう。


 鞍の上に座る姿を見て、一つ頷きつつ口を開いた。



「機能的な服装で大変良く似合います。鞍に腰掛ける姿も坐骨を中心として、しっかり背を伸ばしていますし……。予想以上に嵌っている姿だと思いますよ」


「予想以上って……。どんな姿を想像していたのよ」



 どんな姿、か。



 馬に乗るよりも乗られる姿、とでも言えば宜しいでしょうかね。


 若い女子特有の甲高く馬を辟易させる声をキャアキャアと上げ。速歩の反撞はんどうで目を白黒させ、馬の背の筋力を悪戯に傷付けてしまう。


 馬に跨る姿は御立派、しかし乗馬には慣れていない初心者の姿ですけども。



「御想像にお任せします」



 馬子にも衣装と言ったら絶対ぶん殴られるし。


 何より、一生奴隷として働かさられる虞もありますのでね。


 この場に沿った返答を返しておいた。



「あっそ。アイシャ、行こうか!!」


「畏まりました」



 アイシャさんが手綱を手に取り、東の方角へと向かうと馬が彼女の指示に従い静かな歩みで進む。



 此方もそれに倣い進むのですが……。



『……』



 何だか向こうの馬って、妙に高飛車な視線を浮かべていますよね??



『どう?? 私の毛並はぁ??』



 そう言わんばかりに此方を円らな瞳で見つめていた。




 毛並、体の肉付き、そして気品あるたてがみ


 そのどれもが血統書付きですよ――っと物言わずとも証明していますし。



「アイシャさん。其方の牝馬は……」


「ポルモと申します。とある有名な馬主の方から購入した馬で御座いますよ」



 やっぱりそうか。


 栗毛色の艶に誘われてついつい手を伸ばしてしまいそうですもの。


 勿論、伸ばしませんよ??



『貴様、向こうの馬を触れたらどうなるか……。分からない訳では無いな??』



 伸ばしたら嫉妬深い此方の馬に噛まれてしまいますから。



「っと……。アイシャ、もうちょっとゆっくり歩かせてよ」


「申し訳ございません」



 馬上で姿勢を崩したレシェットさんがそう話す。



「レシェットさん、もう少し背を上空へと伸ばして下さい。僅かに前傾姿勢になっていますよ??」



 簡単そうに見えるけど、乗馬って実は物凄く難しいのです。


 慣れれば簡単だと。


 口を揃えて熟練者は言いますが、その慣れるまでが大変なんだよねぇ。


 何度落馬して引きずられた事か……。訓練生時代の苦い記憶が背に、体全体に幻痛を与えてしまった。



「こんな感じ??」


「そう、良いですね。手綱を持つ手の力をもう少し弱めて下さい。丁度……。自分がやっている様に肘を曲げて力を抜く感じです」


「こう??」


「うん!! 良いですね!! 馬は手綱で制御される事に疲れを感じます。人間だって猿轡さるぐつわをされて、後方から引っ張られたら辟易してしまいますよね??」



「そりゃそうだけど……。あ、分かった!!」



 うん??


 何が分かったのかしら。



「レイドにもハミを食ませてあげる!! 馬みたいに調教されたいんでしょ!?」


「結構です!!!!!!」



 おっと、いけません。


 相手は御令嬢なのです。もう少々やんわりと断るべきでした。



「むっ。良いのかなぁ?? 御主人様である私にそぉんな口調で返しても」


「今現在の自分の雇用主は国であります。レシェットさん個人に雇われている訳では……」


「良いのよ。将来的にそうなるから」



 え??


 俺の意思は無視ですか??


 それとも何。


 水面下でそんな不穏な動きが行われているの!?



 不穏な言葉を受け。


 心臓が悪戯に大きく鳴り響く事に驚きを隠せないでいると、件の乗馬場が見えて来た。



 背の高い木製の柵がぐるぅっと周囲を囲み、その中で乗馬をするのだと。物言わずとも此方に教えてくれる。


 入り口には閂が設置され、外と中を確実に遮断。


 柵の中の円周はざっと見繕って、一周約五百メートルって所か。


 個人が持つ敷地としては広過ぎやしませんかね??



 アイシャさんが閂を上げ、ウマ子とポルモを中に迎い入れ。


 素早い所作で閂を閉じた。



「さて、レシェット様。本日習うのは、『軽速歩けいはやあし』 です」



 手綱から手を離し、静々とした声で話す。



「ん?? 何それ。初耳よ??」



 軽速歩、か。



「アイシャさん。今回の練習は何回目ですか??」


「本日で三回目になります」



 ふむ。


 順調に習得している様ですね。



「ねぇ、二人で納得していないで教えてよ」



 馬上でむすっと顔を顰めて此方を睨む。



「百聞は一見に如かず。では、レイド様。実演して頂けますか??」



 アイシャさんが一切表情を変えずに此方を見上げた。



「本日は左回り、右回り。どちらで練習しますか??」



 それによって立ち上がる時機が変わりますので。



「そう、ですね。ポルモは左回りが好きなので、左回りでお願いします」


「了解しました。ウマ子、行くぞ??」




 馬の胴体に脚を入れ、彼女に常歩なみあしの指示を与え。適度に距離を置いた位置へと移動を果たし。




「では、行きますね――」



 常歩の状態でレシェットさん達が待つ方向へと移動を開始。


 その少し手前。馬のお腹を此方の脚で挟んで速歩の指示を出し、軽速歩の動きを開始した。




 あぶみを支点に立ち、そして座って馬の背から起こる反撞はんどうを相殺。


 左回りでの軽速歩のコツはウマ子の右前脚が出る時に立ち上がり、左前脚が出る時に座る。


 一、二、一、二、と。


 拍子良く起立と、着座を繰り返す。



 等間隔で立ち、座る所作なのですが。傍から見れば随分と簡単に見えるのでしょう。




「なぁんだ。簡単そうじゃない」



 ほらね??


 拍子抜けしたレシェットさんの表情が良い証拠だよ。



「レシェット様。レイド様は簡単に行っている様に見えますが、その実。かなり難しいのですよ??」


「そうなの??」


「座る時に脚を入れ、馬に指示を与えて速歩を継続。馬は指示を与えないと足を止めてしまう事もありますから」




「――――。どうでした??」



 二人が待つ位置へと戻り、口を開く。



「大変見事な軽速歩で御座いました。では、レシェット様。レイド様が行った様に練習を開始しましょう」


「分かったわ。さ、行くわよ!!」



 意気揚々と馬の胴体に脚を入れ、常歩の指示を与えるのだが。



『……』



 ポルモはじぃっとウマ子の顔を見続け、彼女の指示を理解していなかった。



「ちょっと、行くわよ??」


「あはは。ポルモは理解していないみたいですね。もうちょっと強く脚を入れてみて下さい。爪先はその位置で……。踵を馬のお腹に押し当て、ぎゅうっと両側から締め付ける感じで」



「えっと……。こう??」



 レシェットさんが再び指示を与えると。



「わっ。動いてくれた!!」



 渋々といった感じで乗馬場内の外周を歩み始めた。



「そうです。良い感じですよ」



 レシェットさんの少し前を移動しつつ、その姿を見守る。


 ちょっとだけ緊張している面持ちだけど……。うん、気負ってはいませんね。



「ちょっと、私より前に行かないでよ」


「こうした方が付いて来てくれるんですよ。もう少し、肩の力を抜いて下さい。緊張感が馬に伝わってしまいますよ」


「うん、こんな感じかな??」



 強張っていた肩の力を抜き、腕の力が抜けた。


 ふむ……。悪くない姿勢ですね。



「次は手綱を持つ手の力を抜いて……。ハミを悪戯に動かすと馬が疲れちゃいますからね」


「こ、こう??」


「うん!! 良い感じですよ」


「あ、あはっ。ちゃんと動いてくれているね!?」



 年相応に明るい笑みを浮かべて馬を操る少女、か。


 画にしたらきっと飛ぶように売れるでしょうねぇ……。



「じゃあ速歩の扶助を脚で指示して下さい。きゅっと強く脚を入れる感じですよ」


「分かった!!」



 ポルモの脚が前に動くと同時、レシェットさんが脚で指示を送ると。



「わ、わぁっ!! ちょ、ちょっと!! 速くない!?」



 前を行く此方に向かって速歩で移動を開始した。



「現在、左回りで動いていますので。ポルモの右前脚が前に出た時に立ち上がり。左前脚が前に出た時に座って下さい!! こんな感じです!!」



 先程の見本を行いつつ、レシェットさんの前に出ると。



「こ、こう!?」



 すぐさま此方に倣って軽速歩の動きを倣ってくれた。



「良い感じですよ!! 拳を上下に動かさないで下さい!! その動きが手綱を伝ってハミを無駄に動かしてしまいますから!!」


「一度に色々指示しないでよ!!」


「あはは!! そうそう!! 上手ですよ!!」



 此方の見様見真似でしょうが、徐々に形になりつつある。


 この調子だと、今日中にも覚えられそうだな。



 落馬の危険に細心の注意を払いつつ、嬉しそうにおっかなびっくり馬を操る彼女に指示を与え続けた。















 ◇













 ポルモが右前脚を出すと立ち上がり、左前脚を出すとお尻を鞍にちょこんと付ける。


 この時に自分の脚で馬の体を挟んで……。


 思ったより難しいわね……。


 見本を見た時は簡単そう見えたのに。



「良い感じですよ?? 慣れてくれると、ほら。こんな感じで手綱から手を離しても行えますからね」



 私の少し前を行く彼が手綱からすっと手を離し、私が四苦八苦しながら行っている所作を楽々と行う。




 むぅ――……。


 飼い犬の分際で生意気ね!!


 彼の動きが私の心にちょっとだけ悪い感情を産み落としてしまった。



「自慢するのは、勝手だけどさ。これ以上私の前で誇らしげに披露するのなら後で厳しい調教を与えるわよ??」



 私がそう話すと。



「あ、あはは。見本みたいなものですよ……」



 乾いた声と共に若干引きつった笑みを浮かべ、指導者らしい座り姿に戻った。




 ふふ、冗談なのに。


 でも、私の下らない冗談にも付き合ってくれるのが素直に嬉しい。




 お家柄か知らないけどさ。


 家に訪れる人達は私とお父さんにペコペコ頭を垂れ、若しくは。私の体……。ううん。



 違うな。



 私の後ろにあるアーリースター家の名を欲し、濁った眼で私の体を見つめていた。


 家柄が近い子達はそれなりに地を出せるけど。それ以外の人達には家柄を守る為。偽りの自分を演じているのだ。



 誰一人として、本当の私を見ようとはしなかった。


 そして、誰一人にも本物の私は見せなかった。



 どっちが本当の自分なのだろうと考えていた時期もあった……。



 貴族の御令嬢として真面目に振る舞う私。


 今、馬と戯れて新しい発見に驚いて燥ぐ私。



 どちらも同じ私だけど。


 信に足る人には本物の私を見せても、いいのかな??




「あ、レシェットさん。目線が下がって来ましたよ??」


「え、あぁ。ごめん……」



 いけない。


 乗馬の練習中だったわね。



 集中しましょう。



「そうそう。視線を上げて、遠くを見る感じです。鞍にお尻をベタっとくっ付けるのでは無くて。坐骨で座り、必要最低限の面積で座る事を意識して下さい」



 むっ。


 私のお尻が大きいって言いたいの??



「こら。女性にお尻云々って言ったら駄目でしょ」


「た、例えですよ」



 クスッ。


 冗談なのにビックリしちゃって。可愛い反応ね。



「立ち上がった時に上半身が後ろに置いていかれていますよ?? 斜め前に立つ事を意識して下さい」



 そう見えるのかな??


 鐙に足を乗せ、踵で立ち上がる事を意識し。彼に言われた通りに体を動かすと。



「そうです!! はは!! 飲み込みが早いですね!!」



 レイドが満面の笑みを浮かべて褒めてくれた。



 何でも無い事で褒められても嬉しくないのに……。どうしてこんなに嬉しいんだろう。


 多分、それはきっと。彼が私の相手を真摯に務めてくれているからなのかな。


 仕事真面目な彼の事だ。私の事は仕事の対象としか見てくれていないのかも知れないけど。それでも私は嬉しかった。


 このまま側に置いておけないかな??


 彼は冗談だと捉えているだろうけど、私がその気になれば可能である事を伝えるべきかしらね??



『今日から私があなたの飼い主なのよ??』


『えぇ!?!?』



 あはっ!!


 レイドの驚く顔を想像したらワクワクしてきちゃった!!


 お父さんに強請ってみようかなぁ。欲しい犬が居るんだけどぉって!!




「レシェット様、レイド様。そろそろ休憩なさってはどうですか??」



 何週目かの練習を終え、アイシャの下に帰って来ると。彼女が冷静な口調で此方に提案する。



「レシェットさん。どうでしょう?? 休憩しては」



 彼が颯爽と下馬し、薄っすらと額に汗を浮かべた顔で此方を見上げた。



「ん――ん。コツを掴めて来たからもう一周して来る」



 もう少しでレイドがやってたみたいに出来そうなんだよね。


 忘れない内に覚えないと……。



「そう、ですか。では自分は少し休ませて頂きますね」


「分かった――」



 一、二、と。鞍の上でポンポン弾みながら自習を開始した。



 レイドと私の軽速歩は何が違うんだろう??



 ポルモが右前脚を出すと同時に、立って……。


 左前脚を出すと同時に座る。



 うん。


 上手く出来た。



 後は此れの連続なんだけどぉ……。


 微妙にずれてくるのよねぇ。しかも、馬の背から放たれる反撞がかなり大きいのでお尻が痛いっ。



 慣れる為には、お手本を模倣するもの大事だし。一回だけ、手放しをやってみようかしら??



 レイドに出来て、私に出来ない筈は無い!!



 ポルモが右前脚を出す時に手綱をパッと放し、彼の動きをさり気無く模倣してみると……。



「あはっ!! 出来たっ!!」



 見た目以上に難しそうだったけど、何よ。超簡単じゃない。


 私って乗馬の才能があるのかも!?



「ね――!! 出来たよ――!!」



 手放しで軽速歩を行いつつ彼の方へ手を振ると。



「「っ!!」」



 此方の姿を見た二人が何やらぎょっとした顔を浮かべていた。



 あはは!!



 飲み込みの早さに驚いているのね??


 若干の優越感に浸りながら上限運動を繰り返していると……。



『!!!!!!!!』



 ポルモが急に嘶き声を上げ、体をグンっと起こしてしまった!!



「わぁっ!!!! な、何よ!?」



 前傾姿勢になりつつ急いで手綱を持つと……。


 地面に真っ黒な野鼠が蠢いているのを私の視界の端っこが捉えた。



 ね、鼠で驚いたの!?



「ちょ、ちょっと待って!!!! きゃあぁあああああ!!!!」



 う、嘘でしょ!?


 馬ってこんなに速いの!?



 耳をつんざく風の音、そして私の体が有り得ない程に上下に動きうねる。


 想像を超えた衝撃に思わず絶叫してしまった。



「と、止まってぇええ!!」



 手綱を懸命に引くものの。



『っ!!!!』



 馬は止まる素振は一切見せず、それ処か。


 私の指示を無視し、より加速し始めてしまった!!!!



 い、嫌だ!! 怖い!!


 ど、どうしよう!? 全く体が動かないよ!!



 暴走する馬の背に跨り、私の体を飲み込もうと大口を開けて待つ硬い地面へと落下せぬ様。祈る想いで手綱を握り続けていた。




最後まで御覧頂いて、有難う御座います。


そして!!


ブックマークをして頂き誠にありがとうございます!!



連載はまだまだ始まったばかりなので、此れからの執筆活動に嬉しい励みになりました!!

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